2018年10月08日

農業政策(産業政策)があっても、「農村政策」(地域政策)が欠けている!→北海道通信 〜この先の『食と農と環境』の取り組みへ〜vol.13 【北海道で農業をやること】コミュニティ編

AMネット会報LIM88号(2018年8月発行)より

北海道通信
〜この先の『食と農と環境』の取り組みへ〜vol.13

【北海道で農業をやること】コミュニティ                                白川 博


北海道の白川 博です。

今号より【北海道で農業をやること】のテーマで、個別具体的にお伝えできればと、今回は、農村地域のコミュニティについて報告します。


○【農村地域の「コミュニティ」】の課題について

 北海道に限らず、国内各地に点在している農村地域では「限界集落」と呼ばれるなど、農業人口の減少に歯止めがかかりません。生産現場を持続的に展開するために山積する諸課題の解決策が、歴年にわたって提起されています。


その中でも、農村地域の「コミュニティ」が日本農業に対する大切な役割と人格形成を担っていたことが有識者の研究などで明らかになってきました。



○ 農業政策だけでなく「農村政策」を!

 政府や農水省では兼ねてより、農家の「生産力の向上」などに資する様々な施策や取り組みがなされてきました。直近では、ICTやGPSの高性能機器をトラクターや作業機などに搭載した「スマート農業」で農業人口の減少に対応する動きが加速しています。


しかし、農業政策(産業政策)があっても、「農村政策」(地域政策)が欠けていることが今日の日本農業の危機的な状況を誘引していたとの課題は、未だ解消されずに横たわったままでした。



○ 【農村地域の「コミュニティ」】とは?

 農村地域の「コミュニティ」とは、地域に住む農業者・それ以外の方々との相互理解のもとで、「自治力」を連携しながら営むことに尽きると思います。


農業・農村が持つ『多面的機能』とは、例えば国土保全・治水、土砂流出防止などの効果であり、それらが大きな役割を果たしていることを農業関係機関・団体は提唱するようになりました。


農業生産を営む農家が生み出すのは、農産物だけではありません。

上記の多面的機能だけでなく、例えば、美しい田園風景を維持する『景観保全』、加えて土や作物の温かみに触れることで、本来の『人間らしさ』を取り戻す効果・効能が生産現場にはあることが科学的に実証されています。都会の生活では体験しにくい「安らぎ・癒し」を農業体験できる場所は、昔から変わらず農村地域に存在していました。



○ 始まっている「コミュニティ」】対策

 現在、北海道では札幌市に人口集中が進む一方、地方に住む人々が知恵を出し合い、自分たちで農業をはじめとする地場産業の振興のみならず、地元の商店街を積極的に利用することで、「地域完結型」となる共栄・共存策に取り組んでいます。


また、農村地域の「コミュニティ」の大切さを体感するため、地元文化の継承などを目的に、お祭りや収穫感謝祭を住民全体で企画・立案し、農畜産物の格安販売や加工品の展示即売・収穫体験などの各種イベントを通じて、農村地域の良さを粘り強く伝えていこうとする自治体が本当に増えてきました。


かつて「過疎地域」と揶揄され、都会の生活に憧れ故郷を離れた若者たちが、再び地元に帰り就職できる雇用の受け入れ先を、率先して展開とする動きも、農村地域から生まれてきています。

まだまだ、安定的な実用には課題が残されているものの、一例として『農福連携』(農業と福祉分野の融合策)というのも、農村地域が果たすべき「コミュニティ」の延長上にある地方都市の大切な生き残り策と考えています。


北海道内の農業体系には、稲作・畑作野菜・果樹・酪農畜産などの分野があり、それらの6次産業化となる商品開発も取り組みも進んでいます。


『平成』が最後と言われる年に、西日本を中心とした甚大な自然災害が発生しました。北海道も7月に一級河川の石狩川の氾濫を招いた豪雨災害に見舞われました。


茫然自失となる農業者と地域住民の皆さんに心からのお見舞いを申し上げながら、本当に自国で食料生産ができなくなるかも知れない危機感を痛感した年回りであります。改めて、北海道から【農業をやること】の意義と、農村地域の「コミュニティ」の維持が大切であることを皆さんとともに共感できればと心から願ってやみません。■

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北海道通信〜この先の『食と農と環境』の取り組みへVOL.12 「種子法」をめぐる動き編

AMネット会報LIM87号(2018年5月発行)より

北海道通信
〜この先の『食と農と環境』の取り組みへVOL.12 (「種子法」をめぐる動き)

白川 博

北海道の白川 博です。
今号では、201841日に廃止となった主要農作物種子法(以下、「種子法」)などをめぐる動きを中心に報告します。


○ 【「種子法」廃止をめぐる動き】について

 「種子法」の廃止は、政府が200611月策定した『農業競争力強化プログラム』中の「関連8法案」の一つとして提起されたことに端を発します。

とりわけ、「米・麦・大豆」の種子に特化し、都道府県に生産及び普及を義務付けてきた種子法が廃止されると、日本の伝統的かつ大切な種子の研究育成が先細るばかりでなく、外資も含めた民間企業にも知見(情報)を提示と明記されており、当時から大きく問題視されていました。


 そのような渦中で、20174月、十分な審議時間を取ることもなく、前述の「関連8法案」の中で一番初めにスピード可決・成立し、種子法廃止が確定しました。


 種子法が廃止されると、食の豊かさや生物多様性を失うでしょう。今後、種子の寡占化(独占)が進み、全世界規模の致命的な病害虫などがまん延した場合、日本の農業・農村が壊滅的な危機となり、危険な状況を招きます。


○ 【都道府県単位の「種子法」】について

 これまで「種子法」を法的根拠として、果たすべき「役割」と「予算」を都道府県ごとに定めていました。

「役割」は、都道府県JA及び普及センター、農業試験場などの公的・民間の専門機関がそれぞれの「地域特性」に根差した作物の良質種子が農家に十分に行き渡るように取り組むものです。従って、それらの運営に不可欠な「予算」の配分や、長い年月かけて行う研究開発の費用も、国が責任をもって担ってきました。


○ 【「種子法」廃止後『種苗法』】の見解について

 政府は、「種子法」廃止法案の可決・成立の際、

「今後は、『種苗法』が担保されているので、品種開発・育成に影響はない」と回答しました。


しかし、のちに有識者の間で条文整理が進められ、『種苗法』第212項及び3項の中に、種子の自家採取が「原則禁止」ともとれる記述があることが判明しました。


また、それらに呼応するかの様に515日、農水省でも種苗法の改正を視野に、農家が購入した種苗の自家増殖を「原則禁止」へ制限強化する意向を示しました。

結果、南北に長く中山間地から平野まで多様な「耕作地」を有する日本農業の地域性を重視した種子生産が事実上、閉ざされることになります。


○ 【「種子法」廃止撤回対策】について @

 そのような渦中で、立ち上がった基礎自治体があります。新潟・兵庫・埼玉の3県は、コメなどの主要農作物の安定生産・供給を目的として、県単位で責任をもつ「独自条例」を制定しました。その中でも埼玉県は、与党県議の「議員提案」でありました。

さらに、先月4月末までに東日本の稲作地域の県議会・市町村議会の「意見書採択」が60件以上も寄せられています。また、野党6党による「種子法復活法案」も国会に提出され、終盤国会での農政論議が進められていく予定となっています。


 前述の3県に続き、当地・北海道においても「独自条例」制定の動きが期待されましたが、新たな「ルール作り」に向けた要綱・要領を定める考えを示しただけで、具体的な期日や方向性などが示されず、道民各層から不安視する声が相次いでいます。


北海道農業は、冷害と戦ってきた長い歴史観があります。

また、広大な農地の気候及び土質の違いなど、道内でも生産環境は異なるため、多種多様な品種開発を継続する必要があります。


 また、国の基礎食料生産とは利益追求型の民間企業だけで到底担える仕事ではありません。

将来に渡り優良種子を安定供給する都道府県の果たすべき「役割」と「責任」は大きく、今後も粘り強く消費者理解の醸成などを目的として、官民一体となって取り組むべきです。■

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2018年09月15日

【拡散希望】水道民営化導入の調査が全国自治体で始まっています。「ちょっと待って!水道の民営化」新しいリーフレット完成!


【ちょっと待って!水道の民営化】

秋の国会で「水道民営化」を進める水道法改正が通るかも。
「水道民営化の導入」に向けて、民営化の導入を検討している自治体も、全国でたくさんあります。

「要注意地域」の方、ぜひご注意ください。



■「要注意地域」内閣府調査の支援対象自治体

平成30年度「上下水道一体の事業診断による経営の効率化促進事業」
多くが2019年2・3月ごろに、調査結果が出るようです

それらの調査結果を受け、あっという間に地方議会で、水道民営化の議論が進む可能性があり、注意が必要です。


<内閣府PPP/PFI推進室>
上下水道一体の事業診断による経営の効率化促進事業

http://www8.cao.go.jp/pfi/shien/h29/h29_hojo.html

恵庭市(北海道)

酒田市(山形県)

津幡町(石川県)

和歌山市(和歌山県)

淡路広域水道企業団(兵庫県)

赤磐市(岡山県)


■「要注意地域」平成28年度はこちら。
「上下水道コンセッション事業の推進に資する支援措置」 支援対象案件

木古内町(北海道) 水道 水道事業の広域連携におけるPPP/PFI導入可能性調査

浜松市(静岡県) 水道 浜松市水道事業へのコンセッション導入可能性調査

伊豆の国市(静岡県)水道 伊豆エメラルドタウン簡易水道におけるPPPPFI手法導入可能性調査

宮城県 水道/下水道 みやぎ型管理運営方式実現可能性調査

宮城県 水道/下水道 上工下水デューディリジェンス調査

村田町(宮城県) 水道/下水道  四公共事業コンセッション等導入可能性調査

奈良市(奈良県) 水道/下水道 小規模上下水道施設における公共施設等運営権事業に係る情報整備

宇部市(山口県)下水道 西部処理区におけるコンセッション事業検討・調査

須崎市(高知県)下水道 須崎市公共下水道事業等運営事業に係る資産評価調査検討業務

三浦市(神奈川県) 下水道 資産(管路)の情報に関する基礎資料の精査に係る調査

大牟田市(福岡県)水道/下水道 大牟田市上下水道事業における民間資金等活用事業導入可能性調査

小松市(石川県) 下水道 汚泥処理再構築に係るPPP/PFI活用可能性調査

大分市(大分県)下水道 汚水処理事業へのPPP/PFI手法の導入に係る基礎検討調査

http://www.mlit.go.jp/common/001222025.pdf


■「要注意地域」政府が想定している6自治体と予想される自治体

宮城県

宮城県村田町

浜松市

静岡県伊豆の国市

奈良市

大阪市




■すでに世界中で「失敗だった」と言われる水道民営化。

成功事例と言われたパリ市は、「再公営化」
イギリスは、世論調査で7割を超える市民が「再国営化」を支持。

民営化先進国のイギリスでは、「民営化は高コスト」だとして、「反省する時代へ」入っています。

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<2000年〜2017年に水道を再公営化した、国別水道事業体の数>
※公共サービスを取り戻す(TNI/PSIPU) より抜粋
https://www.tni.org/files/publication-downloads/rps_ja_web.pdf



■リーフレットを配ってください!

「ちょっと待って!水道の民営化」

新しいリーフレットができました。

「自分の地域で撒きたい!」という方、大歓迎!

特に、民営化が進みそうな以下の「民営化導入の調査」を実施している地域。

ぜひ、問合せください!

水道民営化が検討されている全国の地域で、統一リーフレットを撒きましょう!



<ダウンロード&拡散大歓迎!>

■大阪版PDFのダウンロード(A4 裏表の二つ折り)

http://ur0.link/LZQO


※他地域で撒きたい!と言われる方は、メールでお気軽にご相談ください。

<問合せ先>amnetosaka[@]yahoo.co.jp
※@マークの前後の、[ ] を消して送ってください。

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posted by AMnet at 22:48| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月27日

可決した「PFI法」改正のどこが問題なのか?「水道民営化」とどう繋がるのか?

AMネット会報LIM88号より


可決した「
PFI法」改正と「水道民営化」


文責:AMネット事務局


英国で誕生したPFIは「より効率性の高いインフラ整備手法」の一つとして広がり、1999年、日本でもPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備の促進に関する法律)が施行。

この2018年6月、PFI法改正法案が可決し、10月に全面施行と政府は決定、PPP/PFIを強力に推進する姿勢を示しました。


■PPP/PFIとは?

『PPP』は、官民が連携して公共サービスの提供を行うスキームを広義に指します。


『PFI』は、「公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行う」ことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図る、とされています。


『コンセッション』は、PFIのスキームの一つです。

施設の所有権を移転せず、民間事業者に事業の運営権を長期間にわたって売却します。施設と、運営を分けることから『上下分離方式』とも言われます。

(PFIの手法にはコンセッションの他、BOO,BOT,BTO…等、建設・所有形態により様々な種類があります。)


これらの手法は「完全民営化」ではないから、民営化ではない、と一部の推進派は主張しています。しかし、例えば完全民営化された水道はイギリスだけであり、世界中で失敗している水道民営化の手法の多くは、PFIです。

完全民営化し施設等の資産を持てば、固定資産税の支払いも必要となり、撤退も困難です。

これらは、「完全民営化より、民間事業者にとって都合がよい」手法であり、「利益は民間へ、リスクは行政へ」と国際的に批判されている手法です。



■イギリスは「PPP/PFIを反省する時代」へ

 英国の代表的なPPP請負会社であり、英国第2位のゼネコンであったカリリオンが2018年1月倒産しました。カリリオンは病院や道路の建設を手掛けるほか、刑務所の保守管理や学校給食の提供等、約450件契約していました。倒産を受け、これらの公共サービスに支障が生じないよう、急きょ対応に迫られたほか、株も所有しており、イギリス政府に大きな損害がでました。


同月、イギリス会計検査院(NAO)と、EU会計検査院(ECA)は、

「PFIでの入札価格は40%割高であり、コスト削減効果もなく、透明性も悪化」

「問題点が改善するまで、PPPを広い分野で集中的に使うべきではない」

「建設に予想以上のお金がかかるうえに、工期も遅れる」

といった、PPP/PFIに、批判的な報告書を出しました。


実は、これまでも何度もイギリス会計検査院は「PFIは割高」と報告しており、フィナンシャルタイムズ紙ですら批判的に報道しています。水道の再国営化への賛成は、世論調査でもずっと7割を超えています。

PFI先進国であるイギリスでは「PFIを反省する時代」に突入しているのです。



■今回のPFI法改正のポイントは?

@民間事業者に対する国の支援強化

『ワンストップ窓口の創設』

総理大臣が、地方自治体等の行政とのやり取りを仲介。


『助言・勧告機能の強化』

民間事業者の依頼に応じ、総理大臣が基本方針を変更し、勧告・助言を出せるようになりました。


つまり、総理主導で、PFI推進が容易になりました。加計学園でも問題視された「国家戦略特区」も、「総理主導」の制度です。

「特定の民間業者への誘導や、地方公共団体の判断への介入を疑われないよう適正・公正に適用する」とわざわざ付帯決議に入るほど、恣意的な運用も可能になる点も大きな懸念です。


A地方自治法の特例

『利用料金』 

料金設定が、実施方針条例の範囲内は届け出のみで、地方公共団体の承認が不要になりました。

現場を持たない地方公共団体が、将来適切な料金設定が設定できなくなり、民間事業者の言いなりにならないか。将来の料金高騰につながるのでは?と懸念します。


『条例を作れば、PFI導入も事後報告で可』

地方公共団体が条例を作れば、その団体の長は「遅滞なく、議会に報告」するだけ。

議会での議論なく、公の施設にPFI導入が可能になりました。


つまり、PFI導入に積極的な市長の元、条例を可決してしまえば、議会での議論すらなく、PFIを進めることが可能になります。総理や首長の影響が強まる一方、地方議会の存在意義、間接民主主義、地方自治の軽視が目立ちます。

『運営権の移転の許可』の条例を、地方公共団体に作らせないことが肝要です。


B水道・下水道の繰上償還時の補償金を免除

(2018〜2021年度までの特例措置)


国からの貸付けを地方公共団体が皆、繰上償還すると、国が予定していた利息収入が不足します。そのため、国に繰上償還すると、補償金を支払う必要がありますが、それが免除されます。


つまりPFI導入時、運営権売却等で得た資金で、水道・下水道事業体は補償金なく国に一括返済できます。これはPFI導入のコスト削減となるため「2021年までにPFIを導入する」インセンティブにしています。



■ほぼ全てのインフラが、PFIの対象に

対象となる『公共施設等』は何を指すのか?

PFI法2条によると、


一 道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、下水道、工業用水道等の公共施設

二 庁舎、宿舎等の公用施設

三 賃貸住宅及び教育文化施設、廃棄物処理施設、医療施設、社会福祉施設、更生保護施設、駐車場、地下街等の公益的施設

四 情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設(廃棄物処理施設を除く。)、観光施設及び研究施設

五 船舶、航空機等の輸送施設及び人工衛星(これらの施設の運行に必要な施設を含む。)

六 前各号に掲げる施設に準ずる施設として政令で定めるもの


つまり、小さな施設からライフラインの水道まで、ほとんど全てのインフラ・公共施設がPFI法の対象です。一方、対象外は「各事業の所轄部局で定める」もののみです。


民間事業者の参入要件は、外資の規制もなく、非常にハードルが低いものになっています。


また、「契約で定める」内容が非常に多いことも大きな懸念です。

所轄する地方公共団体が、多国籍企業と対等に、膨大かつ詳細な内容まで、きっちりと契約を提携し、使いこなすことができるのか。外部アドバイザーの言いなりになるしかないのではないのか。頼りになるアドバイザーは、どれほどいるのか。

政府は地方公共団体に、大きな責任を押し付けていると言わざるを得ません。



■政府主導で進められるPFI

 2015年、内閣府は『多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針』を発表しました。

そこでは、人口20万人以上の地方公共団体に対し、公共施設等の方針の見直しに当たって「PPP/PFIを優先的に検討すべき」とする指針がだされました。具体的には、


@PPP/PFIが適切か否かの検討を「優先」

A外部のコンサルタントを活用し、コストを算定

Bその結果、導入しない場合は「PPP/PFIを選択しない合理的な理由」をインターネット上で説明せねばならない


その他にも、

@PPP/PFIに詳しい職員の養成

A住民・民間事業者への啓もう活動

B産官学・金融機関で構成する地域のPPP/PFI案件の形成能力の向上のための『地域プラットフォーム』の設置

C民間事業者からの提案を積極的に求める

D民間事業者の高い収益性の確保に努める

など、PPP/PFIを普及させるべく、地方公共団体に強要しています。


このような状況の中、今回のPFI改正法が可決し、よりPPP/PFI導入を誘導し、進められることとなりました。

実は、内閣府はすでに、PFI導入可能性の調査等を、国が全額負担し実施しています。内閣府が委託しコンサルタントを派遣するこの事業は、「上下水道コンセッション事業等導入に係る検討に要する調査」や、「地域プラットフォーム形成支援」、実際の具体的事業、専門家の派遣など多岐にわたります。


そもそも政府が求めていた公共施設等の総合管理計画は

「長期的な視点に立って公共施設をマネジメントする」ため、であったはずです。

しかし今や目的は「民間事業者にとって魅力的なPFIをどれだけ増やせるか」であり、公共施設等の適正な運営のための議論から、大きく外れています。



■日本で始まっている外資参入のPFI

浜松市の下水道事業は、外資水メジャーであるヴェオリア他、オリックス等6社でPFI契約が2018年4月スタートしました。


PFI導入にはVFM(※)が高いことが求められますが、先の国会質疑によると、VFMの算定根拠すら、ヴェオリアの企業秘密だとして、市は答えませんでした。VFMが高いからと、PFI導入したにも関わらず、です。

※VFM(バリューフォーマネー)…総事業費をどれだけ削減できるかを示す割合。PFIの実施の検討には、VFMの有無が評価基準となり、高いほど良いとされる。


また、この契約書には秘密保持義務があり、

「契約に関する情報(本事業を実施するうえで知りえた秘密を含むが、それに限られない)も相互の承諾がなければ、開示してはならない」

とあります。「限られない」ということは、今後様々な秘密が生まれ議員すらチェックできない、まさにブラックボックスが生じます。


契約内容や財務他の「情報の不透明」な事例は、民営化失敗した多くに見られます。海外事例を参考に、始まったばかりの日本版PFIで、「契約内容が不透明」な事例が早速発生した、ということです。


 今も浜松市は上水道のコンセッション導入を検討中です。しかし、VFMは1〜4%とわずかであり、コンセッションありきで進めていることが明らかです。(内閣府HPによると、VFMの過去実績は10%以上がほとんどですが、浜松市の下水道のVFMですら、7.6%しかありません)



■水道民営化は避けられないのか

今回のPFI法改正は、水道に限らずすべての公共施設が対象です。その中で特に、PFI導入調査へと補助金で誘導し、政府目標が定められ、同時期に水道法改正で「コンセッションが選択肢の一つ」になるよう、強力に推進されているのが上下水道です。


※PFI法改正による政府の目標は「水道6件、下水道6件、文教施設3件、国際会議場施設等6件」。

水道6件は国会答弁等から、宮城県・宮城県村田町・浜松市・静岡県伊豆の国市・大阪市・奈良市を想定している模様。


今回の水道法改正法案には、「国・都道府県・市町村の責務の明確化」など基盤強化に必要な事項がある一方、24条『官民連携(PPP)の推進』が潜り込んでいます。


『広域化の推進』

また今回改正案に入っている広域化にも、注意が必要です。広域化された場合、企業団(一部事務組合)が水道事業を運営し、構成団体の自治体から若干名選出した議会が可決します。一般的に、一部事務組合で事業の中身について話し合われることは、ほとんどありません。議会は年に2~3回、予算決算の承認程度の議論しかない一部事務組合がほとんどです。

つまり広域化すれば、議員・市民から遠くなり、議会が形骸化した後に、広域な範囲を一気に民営化される懸念があります。

また、水は「運ぶコスト」が一番高く、広域化のメリットを出すのは簡単ではないことも留意すべきです。


今の国会情勢のままであれば、秋の国会で水道法改正の可決は残念ながらほぼ避けられません。

しかし、水道を民営化するかどうかは、各地域の議会の承認が必要です。各地状況を踏まえ、本当にPFIを導入すべきなのか?それぞれの地域で、丁寧な議論が必要です。■


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2018年07月01日

水道を民営化すれば、災害対策は遅れる。世界中の水道がなぜ「再公営化」しているのか?

▼水道の老朽管率がなぜこんな高いんだ!
民営化して水道経営を考えねば!

…みたいになってますが。

水道民営化すればコストは余計に上がる。

イギリス会計監査院の報告からも、世界中の事例からも明らか。

つまり、結論から言えば、
「民営化してコストカットし、そこから耐震化のコストをねん出する」

という、前提条件がそもそも壊れています。


→大阪北部地震:老朽水道管で被害相次ぐ 府で40年超3割
https://mainichi.jp/articles/20180630/k00/00m/040/144000c



▼再公営化が世界の潮流。

「民営化でコストが上がった」
「水道料金が上がった」
「職員削減しすぎてサービス悪化した」
「経営の透明性が悪化した」
等々…

水道を始め、世界中の公共サービスが「民営化が失敗」だったと、
「再公営化」している中、なぜ今さら日本が民営化せねばならないのか。

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▼水道民営化が成功と言われた、パリ市とイギリスその後。

パリ市は再公営化し、大幅なコストダウンと技術革新、水資源確保などに取り組み成功。

イギリスは世論調査で7割越える人が再公営化を要求。
会計検査院からも、PFIは高コストで透明性悪化で、課題解決まで使うなと言われたばかり。


民間企業は、どうしても短期的利益を求められるため、長期的視点をもてる公営が有利となる。

しかも、公営だと、株主配当も役員報酬もない。

水道で得た利益を、全て、水道に充てることができる。利益が流出しない。
結果、災害対策も進めやすいのです。



▼水道民営化・企業団・広域化が、今の「公営」に負ける、そのワケは?

▽民営化:料金高騰など、世界中で失敗が続く「時代遅れ」のやり方。
▽企業団統合:範囲が広すぎ、調整が大変。
▽広域化:そもそも大阪市には広域化のメリットがない(地域によっては広域化すべきだが)

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▼そもそも水道の耐震化が進んでないのは

適切な水道料金設定をせず、地味でコストのかかる耐震化を後回しにしてきたから。
イギリス会計検査院は「PFI(民営化の手法)の入札価格は40%割高でコスト削減効果もない」と報告。

大阪市だと、月200円水道料金上げるだけでOK。(一般家庭の場合)

優良自治体が、民営化を狙われる。


▼民間委託は効率化?

水道民営化だけでなく、民間委託が進みすぎているのも課題。

民間委託は「行政が現場を失う」こと。

今も、災害時は「早くて安い」から、職員が対応している。
でも現場を知らない職員だらけだと、いざという時、どう対応するの?

減災を言うなら、まずは直営を増やし、行政が現場を持つべきだ。

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▼浜松市の民営化は?

浜松市は市内処理60%を占める下水を、水メジャーのヴェオリア、日本のオリックス等出資の合弁会社で民営化すみ。
上水道も、民営化(同じく公設民営)を目指し中。

民間企業は経営悪化すれば撤退するが、
浜松市長は
「民間が破綻するより、このままでは自治体が破綻するリスクの方が大きくなる」と。


自治体が破綻するほどのリスクが本当にあるなら、民間企業が受けるのか?

民間破綻すれば、行政が責任を果たせるわけもない。

水がなければ地域崩壊。なんと無責任な。


→(平成経済)第4部・老いる国、縮む社会:5 身の丈にあうインフラとは 設備老朽化、人口減で収益悪化
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13565131.html


▼30年後の水道料金は1.6倍?

ついでに、朝日記事にもあるこの試算。

「日本政策投資銀行によると…30年後に今の料金を平均1・6倍に値上げする必要がある」は、
今のまま水道設備を維持すれば、が前提。

ダウンサイジングしなければ、いくらでもコストがかかるに決まっている。
広域化だけが処方箋じゃない。地域ごとに選択すべき。


※ツィッター投稿をまとめたため、文章が少しみづらいですが、ご了承ください。
https://twitter.com/amnetosaka/status/1013079753807413249
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2018年05月31日

パリ市の水道再公営化時の水道局長アン・ストラ氏報告など「みらいの水と公共サービス」開催報告

AMネット会報LIM87号より転載

シンポジウム「みらいの水と公共サービス」報告


報告:堀内 葵(AMネット)


2018年2月18日(日)、東京・都市センターホテルにて、シンポジウム「みらいの水と公共サービス」が開催された(主催:全水道会館水情報センター、後援・協力:アクアスフィア、水政策研究所、全水道、アジア太平洋資料センター(PARC)、国際協力NGO センター(JANIC)、AMネット)。

少子・高齢化の進展の中、水道・下水道事業など日本の公共インフラの維持・管理、持続性を確保し、未来へと継承していくことが大きな課題となっており、公共サービスの産業化が叫ばれる中、水道法改正に伴うコンセッション方式導入等の動きが注目される水道事業をテーマに、約200名の参加者が集まった。



基調講演として、東京大学総長特別参与・国連大学上級副学長の沖大幹氏より、
2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)のうち、水に関わるゴールとターゲットの説明があった。また、水循環の重要性や水の公共性が謳われ「水が国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いもの」と明記された水循環基本法の解説がなされた。

沖氏は、SDGsの特徴として「民間の本業を通じた社会貢献」を挙げ、グローバル企業がSDGs達成に向けて、CSRやCSVだけに留まらず、開発援助や環境への貢献を進めていることが紹介された。


続いて、二人目の基調講演として、元パリ水道局長および元パリ副市長のアン・ル・ストラ氏から、パリで実現した水道の公営化についての紹介があった。


パリ市長の選挙公約として、それまで民営だった水道サービスが2010年に公営に戻された結果、組織が簡素化され、情報が公開され、工事の発注もグループ子会社から一般公開に変え、収益も競争力も上がった。

バラバラだったシステムを統合・再構築するなど、技術革新も進んでいる。

パリ市民が水道サービスのガバナンスに参加するなど運営の質も上がり、国連から賞を受けた。

水道にすべて再投資できることで、インフラ投資も増え、料金も下がり、相談センターを新たに作るなどサービスも向上し、雇用も増えた。

100%株式を得て循環サイクルをコントロールでき、予算面からも対応できるので、積極的かつ長期的な視点に立った行動ができる。
環境保全や生物多様性に配慮した水資源確保や、防災予防策など、これらは再公営化されてからの取り組み
とのことである。


後半は、トランスナショナル研究所の岸本聡子氏をモデレーターに迎え、沖氏、ストラ氏と森山浩行・衆議院議員(立憲民主党)が登壇するトークセッションが行われた。


森山浩行・衆議院議員(立憲民主党)は、
PFI法・水道法改正により、適切なダウンサイジングができなくなるのではないかと指摘。
古い管を入れ替えるタイミングだからコンセッションが出てきたのであり、水道料金として市民が負担し続けることになる。民主的に住民の声を入れて意思決定をしていく必要性を強調し、水道法改正の結果としてコンセッション(公共施設の運営権を民間事業者に委託する制度)が検討されていることへの警鐘を鳴らした。


沖氏から、
日本の事業体の問題として、必要なコストを価格に転嫁できていないこと、つまり適切な価格が設定されないことが問題、民か公ではなくどのような制度が良いのかを議論すべき、という提案があった。

ストラ氏からは、
民間企業が公的サービスに参入する理由は利益を得ることであり、公的サービスの市場が企業に利益をもたらさないなら魅力はないこと、しかし、パリの水道再公営化を皮切りに、他の中規模の町でも再公営化の流れや民間企業との契約見直しが起こっていることが紹介された。


最後に岸本氏から、民営化の問題点について世界中のNGOや住民組織の報告を参照してほしいこと、民営化の先進国と言えるフランスやイギリスで今何が起こっているかをしっかりと知ってほしい、という呼びかけがあり、4時間に渡るシンポジウムは終了した。


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2018年05月22日

【拡散希望】イギリス・ヨーロッパの会計監査院がともに「PFIは割高で透明性悪化。使うべきでない」とレポートする中、今国会でPFI法を改正していいのか?

英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)が続けて、発表したレポートで

「PFIでの入札価格は40%割高であり、コスト削減効果もなく、透明性も悪化」
「問題点が改善するまで、PPPを広い分野で集中的に使うべきではない」

と勧告する中、今国会において、「水道民営化」を加速させる「PFI法改正」が通ろうとしています。


英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)のレポートについて、岸本聡子さんより、超特急での報告をいただきました。
以下、ぜひご覧いただき、拡散いただけますようお願いいたします。


<以下、岸本聡子さん(トランスナショナル研究所(オランダ)によるレポート>

英国の官民パートナーシップ(PPP)請負企業カリリオンが2018年1月に倒産した直後、国家機関で財政の監査役である英国会計検査院(NAO)がPPPの仕組みを克明に報告するレポート「PFI and PF2」を発表した。

「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法である。英国ではPFIが用語として一般的に使われている。

PPPはより広義で、PFIは、PPPの代表的な手法の一つである。

折しも日本ではこの5月に、コンセッション方式の導入を推進するPFI法改正案が衆議院本会議で賛成多数により可決され参議院に送付された。


英国会計検査院はPFIの対費用効果と正当性を調査し、コスト削減の効果があるか検証した。

英ガーディアン紙は「納税者は先25年、£200 billion(約29兆円)をPFI契約に支払うことに」とする記事(1月18日)で英国会計検査院のレポートの主要な内容を掲載した。

レポートはPFIが公的な財政にプラスであるという証拠が乏しいと結論した。

さらに多くのPFIプロジェクトは通常の公共入札のプロジェクトより40%割高であると報告。

NAO(英国会計検査院)は、英国が25年もPFIを経験しているにもかかわらず「PFIが公的財政に恩恵をもたらすというデータが不足」と報告した。


現在英国では716のPFIプロジェクトが進行中で資本価値は£60 billion(約8兆7878億円)、年間の支払い額は2016-17で £10.3 billion(約1兆5084億円)。
新しいPFIプロジェクトが全くなかったとしても、2040年までの支払い金額は £199 billion(約29兆14520億円)に達する。

折しも英政府は、カリリオン(英国PPP請負企業)の£2.6mポンド(約3.8億円)の株を所有して主要なPFIプロジェクトに参画している。
カリリオンが倒産したことで、この公的な資金は危機にさらされている。

英国下院、公的会計委員会議長ののメグ・ヒラ―氏は
民間の負債を相殺するだけの恩恵がないことを25年間のPFIの経験は示した。今多くの自治体は変更に膨大な費用のかかる柔軟性のないPFI契約で鎖でつながれた状態である」
とPFIスキームを痛烈に批判した。

「財務省は指摘された問題に対処しないままPF2という新しいブランド名でPFI を続行しようとしている。学校や病院にもっと投資が必要であるのに、間違った契約で結局は納税者が過剰な支払いをすることになる。」


PF2はPFIの批判を受けて、前ディビット・キャメロン首相のときに導入された。

支払ったお金に見合う価値があるかどうか (value for money)と透明性を高めるというのが主な趣旨であるが、PF2の6つのプロジェクトを精査した結果も懐疑的である。

レポートによると総体的に公的に資金調達されたプロジェクトよりPFIスキームは高くつき、学校建設の分析では政府が直接ファイナンスするよりも40%割高である。

主要なPFIプロジェクトを公的な所有に戻す場合、未払いの債務に加えて追加で£2 billion(約2929億円)が必要であり、これは未払い債務の23%に相当する。

労働党と労働組合は、この非常にリスクの高いPPP・PFI の停止を訴える。
「PPP・PFI企業は追い出されるべき。私たちに必要なのは公的な倫理と確かな管理のもので公務員によって提供される公共サービスである」
と党首のジェレミー・コービン氏は言う。

GMB(全国都市一般労組)の書記長レアナ・アザム氏は
「会計院のレポートはPFIが納税者のお金の破壊的な無駄づかいだであることを証明した。カリリオンは公共サービスを利益の最大追求の企業に任せたときにどうなるかを示す最新の例の一つでしかない。」
と批判した。

これに対し
「道路や学校や病院といった重要なインフラはPFI や PF2で支払われているし、これは経済を活性化させ雇用を創出している。私たちはPF2を通じてPFI 契約の透明性を高めvalue for moneyを改善している。納税者のお金は、建設と長期維持管理のリスクが民間セクターに移譲するPFI や PF2を通じて守られている」
と保守党のスポースクマンは語った。


これに続き、ヨーロッパ会計監査院(ECA)もNAOに準じるレポートを発表

ECAは欧州連合が共同出資する12のPPPプロジェクトを分析。
短所と限られた費用効果が広く観察され、€1.5 billion(約1924億円)が無駄で非効率的に使われた。
支払ったお金に見合う価値があるかどうか (value for money)と透明性は広く悪化した。不明確な政策と戦略、不十分な分析、PPPの債務が公的なバランスシートに現われないこと(オフバランスシート)、政府と民間企業のリスク分担が不公平であることが特に問題である」と結論。

ECAはEU委員会とEU加盟国は指摘された問題点が改善するまでPPPを広い分野で集中的に使うべきではないと勧告

2010−2014年の間、EUは €5.6 billion(約7189億円) を84の PPPプロジェクトに提供した。
プロジェクトの全体の資本価値は, €29.2 billion(約3兆7480億円)である。監査は.フランス、ギリシャ、スペインの道路、交通、情報テクノロジー分野の12のプロジェクトを調査。プロジェクトの総額は€9.6 billion(約1兆2318億)で、うち EU が €2.2 billion(約2822億)を提供。

PPPs は公的機関に大規模なインフラを一つの手続きでまとめての発注を可能にするが、これによって競争効果はなくなる。受注者同士の競争がないうえに、ひとつにまとめることで発注者への依存度が高まり、発注者の公的機関は交渉において弱い立場になる。

「さらに調査対象のPPPプロジェクトの大半(9のうち7)が建設期間中、相当な非効率と、無駄が見られ、プロジェクトの遅れ(最長で52か月)による損失総額は€7.8 billion(約1兆7億円)に上った。」

「スペインとギリシャで高速道路を完成させるために約 €1.5 billion(約1924億円) の追加の公的資金は必要になった。その 30 % (€422 million−約541億円) はEUから拠出された。 」

レポートを担当したヨーロッパ会計監査院 のオスカー・へリックス氏は
「潜在的な経済的利益を得る手段として非効率」
と結論した。


posted by AMnet at 20:54| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする