2016年07月15日

【記者会見報告】イベントページに14,000view超え!ちょっと待って!その「水道」の民営化

7月13日、大阪市会記者クラブにおいて、記者会見を行いました。
参院選後すぐのタイミングにもかかわらず、日経、朝日、時事他、計6名の記者に参加いただくことができました。

※プレスリリース
http://am-net.seesaa.net/article/439804612.html

まず、これまでの活動報告と、市会で私たちの陳情がとりあげられた議論の概要をお伝えしました。

・私たちのスタンスは、水道の民営化に絶対反対という訳ではなく、「水を公共財として長期的な視点で扱い、安全で安価な水に、誰もがアクセスできる」なら、公営でなくても良い。
ただ、民間会社である以上、営利目的にならざるを得ず、公共財として長期的な視点で扱える事業体を、消去法で考えれば、公営しか残らない。

・すでに海外事例では、「民営化が失敗だった」ともう一度公営に戻す事例が多数。しかし、再公営化も非常にコストがかかり、非常に難しい。それだけの手間とコストをかけても、公営に戻したほうが得だと判断し、実際に公営に戻せた自治体が235事例もある、ということ。

・当初は大阪市100%出資だが、3〜5年以内に株式売却するとあり、民間に放出されると、水道の持続性、公共性に興味を持たない、年金基金などの投資家が主要株主になる可能性がある。

・公営だからすべていいわけではない。
大阪市水道は、世界的に見てもうまくいっている公営水道であることは間違いない。
が、しかし、今がベストなのか?といえば、もっと上を目指すことができるポテンシャルが今はまだ残っている。

・今回の民営化案では、30年で910億円のコスト削減のメリットと言われる。
そのうちの300億円は人件費だが、公務員の人件費はコストだろうか?大阪市には技術があると言われるが、それは職員のノウハウであり、それは大阪市の財産。
近畿内ですでに技術を失ってしまった自治体が多数あると言われる。
そういった自治体を、今なら、大阪市水道局が助けられる可能性がある。大阪市単体で考えていいのか。


・すでに海外で「公共の可能性」を見出している事例を見ると、理事会などの意思決定に市民、市民側有識者などが関わっているケース。
今回7月16日イベントゲストの岸本聡子さんは、まさにその世界の再公営化した事例を見て集めてきた中心人物であり、「公共の可能性」を学ぶイベントを実施したい。


その後の、質疑応答でも闊達な意見交換があり、充実した会見となりました。

当日の議論が非常に楽しみです。ぜひお越しください!

【7/16(土)開催!】ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性 〜世界では235件も再公営化!〜
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/
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2016年07月07日

【プレスリリース】ちょっと待って!その「水道」の民営化〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜イベント開催のお知らせ

報道各位 プレスリリース
                2016年7月7日

イベントページに14,000view超え!
ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜
イベント開催のお知らせ
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

私たちは、「水道事業の民営化」に向けて大阪市議会に議案が提出されたことを懸念し、3月8日大阪市会に対して、「慎重な議論の求める陳情書の提出」を行いました。結果、陳情の内容に対し、おおさか維新はじめ各会派の質疑にも取り上げられました。また、陳情に関するFacebook投稿は7,000view近く、ブログでも500シェアを超え、陳情代表者であるNPO法人AMネットとして過去最高の反響です。

水道民営化は90年代がピーク。すでに今は、「水道民営化は失敗だった」と世界中で「再公営化」が進み、2015年時点で37か国235事業体が再公営化しています。それは途上国のみならず、ドイツ ベルリン市、水メジャー本拠地パリ市でも起こっています。

9月以降の交通水道委員会でも継続して行われる審議に向け、このたび私たちは「水道民営化の何が問題で、再公営化が進んでいるのか」、「再公営化においてなぜ市民が関わることがポイントで、どのように関わっているのか」を学び、世界で見いだされている「新たな公共の可能性」を学ぶイベントを開催します。水問題に関連した投稿はFacebookで注目を集めており、関連投稿はどれも1,000単位でviewが伸びています。

つきましては、下記のとおり、イベント内容及び,今後のアクションについてお知らせする記者会見を開催いたしますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席賜わりますようご案内申し上げます。


■記者会見 概要■
◇日時: 2016年7月13日(水)15:30 〜(30分〜1時間程度)
◇場所: 大阪市政記者クラブ
◇出席: 中野雅司(大阪を知り・考える市民の会)、武田かおり(NPO法人AMネット)、他調整中
◇内容: 水道民営化の問題、再公営化、水政策決定への住民参加、市議会&陳情報告、水イベント紹介など


■NPO法人AMネット■
2003年第3回世界水フォーラム以降、「水道民営化」による問題を注視し、海外NGO等と協働してきた。
その他、TPP等の自由貿易、規制緩和等で起こる問題の提起やオルタナティブ提示を行っている。


■本件に関するお問い合わせ先:NPO法人AMネット(担当:武田)
WEB:http://am-net.org/ E-MAIL:amnetosaka【@】yahoo.co.jp(【】を消去してください) 
TEL:080-3788-2750【電話番号が変わりました】

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2016年06月24日

AMネット会報LIM2016年6月号より「TPP批准の前に交渉内容を明らかに!」原稿紹介

AMネット会報LIM79号(2016年5月号版より)
※AMネット会員(年会費3000円)の方に年4回程度発送している会報です。
会員となって応援していただけると大変うれしいです。
よろしくお願いいたします! → http://am-net.org/join/join.html


TPP批准の前に交渉内容を明らかに!
文責:AMネット事務局

国会での承認案と関連法案は審議持ち越しに
今年4月の衆議院本会議でTPPの承認案と関連法案の審議が始まりました。しかし、この議案は審議未了のまま、参院選後の秋の国会へと持ち越されることになりました。

そもそもこの国会で承認案が先送りとなったのは、政府の情報公開があまりにも不十分であったことが大きな要因です。政府は、野党からのTPP交渉に関する資料提出の要求に対し、表題と日付以外すべて黒塗り(通称のり弁)の文書で回答、交渉内容はあくまでも秘密との姿勢を取り続けています。

その一方で、TPP特別委員会の西川委員長によるTPP交渉の内幕を描いた本(直後に予約中止、現在発売中止)が委員会終了日後に販売予定だったことから、本の内容程度は話せるはずだと審議中断、さらに熊本地震の発生も重なり、審議未了で先送りとなりました。

タフネゴシエーターと言われた甘利大臣は、「睡眠障害」を理由に1月28日の辞任表明記者会見以降、1か月休養、更に2か月延長期間が過ぎた今も、一切国会に出て来ていません。

石原大臣は「各国との具体的なやりとりは公表しない。日本側の提案も、相手国の反論を想起してしまう」とし、コメ大幅譲歩の経過について「引継ぎを受けたのかどうか」すら「答えられない」と、まともに答弁する姿勢すら見えません。


国会で分かってきたこと
「聖域」重要5項目(594品目)のうち、関税撤廃除外の品目はいくつか尋ねた質問に、森山農水大臣も石原大臣も答弁できず審議は中断、再開後の委員会で「無傷はゼロ」であることが判明しました。“聖域の内容すら答弁してよいかどうか、とっさに判断できない”秘密主義だということが改めて、露呈しました。

「重要5品目の除外と再協議はどうなったか」という質問に石原大臣は、もともとTPP交渉では除外・再協議はないと答弁、聖域といいながら“交渉当初から捨てていた疑いも濃厚”であることも分かりました。

安倍総理は「例外を勝ち取った」と言いますが、「例外」という言葉はそもそもTPPにありません。国会決議も「聖域の除外と再協議」であり、決議違反は明らかにも関わらず、安倍総理は「国会決議にかなうかどうかは国会が決めること」と、責任を国会に押し付けています。また4月委員会審議で安倍首相は「TPP断固反対と言ったことはただの1回もない」と答弁。あの選挙ポスターは一体…?驚きを隠しきれません。

また、子宮頸がんワクチンとISD条項の関係も明らかになりました。

4月参院行政監視委員会で「WHOも勧奨再開を勧告、勧奨中止は日本だけ。TPPが発効後、米国メルク社等が、ISDSで数百億の損害賠償を請求するのでは」との山本太郎議員の質問に対し、塩崎大臣・澁谷審議官は、“米国メルク等が日本政府を訴えることは可能”と認める政府答弁をしています。

幅広くTPPの内容を知らせるためにも、こういった丁寧な中身の議論が求められる中、自民党 大島衆院議長は4月末、米下院のライアン議長と米国で会談し、TPP承認案等について「秋の(臨時)国会では結論を出せるのではないか」との発言が報じられました。


資料は黒塗り、交渉を担った甘利氏は、汚職疑惑と病気で国会不在、交渉の事務方トップの鶴岡主席交渉官も駐英大使に異動、石原・森山両大臣の答弁は前述のとおり…といった状況では、十分な審議など出来るはずもなく、審議時間は取ったという体裁さえ整えれば、あとは多数決で批准に持ち込む、批准ありきの姿勢が政府の対応に表れています。
TPP特別委員会に民進党のTPP賛成議員が多い懸念もありますが、参院選公約にTPP反対方針が明記されました。


米国、他参加国の状況

4月、元米国国防長官8人が、下院上院の共和党と民主党に「TPP批准を進めるよう」書簡を送り、現在の議会(2016年末)までに批准しなければ、TPP成立は困難になるとしています。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は「承認は来年以降」、ハッチ委員長は「五分五分」。11月8日大統領選挙後の新大統領が着任するまでのレームダック期間に審議・採決が進む可能性もあります。

トランプ氏もNAFTAを非難し保護貿易を訴える一方、「不利な協定ならば改訂する」と述べ、絶対反対かは微妙です。現時点で反対姿勢のクリントン氏も、大統領に決まればTPP協定の再交渉を求め、さらに厳しい要求をすることも懸念されます。

米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授は「TPPは悪い貿易協定であるという共通認識が広がりつつあり、米国議会では批准されないであろう」と指摘、変わらずどうなるか見えない状況です。

5月12日、ニュージーランド議会は、TPP協定の審議開始を採決、62対59で審議入りを決め、マレーシアはすでに批准を議会承認しています。

一方、TTIP(EU 米国の包括的貿易投資協定)が交渉決裂の可能性があると、5月、フランス政府の対外貿易担当責任者フェクル氏が発言しています。

インターネットや言論の自由、知的財産権の問題等で、EUを中心に大きな反対運動がおこったACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)は、大筋合意、署名まで進んだものの、批准国は日本だけで発効していません。日本政府は、このまま強引な審議を進めればACTAの二の舞の可能性もあります。


米国際貿易委員会(ITC)の環境影響調査から
5月18日、米政府機関の国際貿易委員会(ITC)が、TPPの経済効果分析をオバマ大統領と議会に提出しました。調査は批准に必要な手続きで、順調に批准手続きを米国も進めています。審議開始の見通しは立っていないものの議会調整ができれば、TPP実施法案(期限設定なし)を提出し、上下両院90日以内の審議で採決です。

このITC調査で米国経済はTPP批准で2032年GDP拡大わずか0.15%ポイントと分かり、米国民にとってもメリットがないことが明らかになりました。

また、今回のITC報告で、日米コメ交渉に「文章化していない約束」で、「米国に保証する」輸入枠が言及され、それは「密約」なのか、単なる「米国業界の期待」なのか? コメ以外にも何かあるのでは?と、懐疑的にならざるを得ません。

表の農産物全体でみても、米国は日本への農産物輸出が約4,000億円増と分析、一方日本政府は「米国以外」の影響も含めて生産減少額は1,300億〜2,100億円にとどまると予測、日本政府の試算とも大きく違うことが分かります。


日本政府試算のGDP14兆円拡大も、石原大臣は「効果がでる時期がいつかは分からない」と答弁、影響調査自体、意味ある試算なのかが問われています。


市民グループの動き
情報公開を求め分析する動きはもちろんのこと、「TPP交渉差止・違憲訴訟」の実施や、「STOP TPP」を掲げての官邸前アクションや各地での抗議活動なども継続的に行われており、夏の参院選そしてTPPの継続審議が行われる秋の国会に向けて、TPPを巡る動きは、大きなヤマ場を迎えています。

私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は緊急声明『TPP特別委員会において、丁寧で慎重な審議を求めます』を発表、

「黒塗り資料は外交文書でなく内部文書。保秘義務契約の対象になりえるのか。交渉は終わっており、自国民に自国の立場を説明するのは政府として最低限必要な説明。そもそも、TPP特別委員会の議員にすら「何が秘密なのかも秘密」であり、恣意的に政府が秘密にできてしまう。」と批判しました。


「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」では、TPP特別委員会の議員に要請文を送付、
「国会審議で、国会決議に関する政府の交渉対応を検証すべき。45ページ全て黒塗りでは、委員会審議が進められないのは誰が見ても明らかだ」と批判しました。

5/27・6/24・7/22「説明不足のままのTPP批准にNO!」街頭アピール、学習会も開催予定です。7月選挙、秋の国会に向けて、動き始めています。■
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2016年06月18日

北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol.3

AMネット会報LIM78号(2016年2月発行)より

北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol. 3
清水 敬弘(北見地区農民連盟 事務局長)

 北海道・オホーツクの農業団体職員、清水 敬弘です。
第3回目では、日本政府のTPP「影響試算」の農業団体としての見解や、【聖域】とまで呼称されてきた重要5品目が北海道内ではどの様な位置づけにあるかなども含め、検証していきたいと思います。

ご案内の通り、日本政府は昨年12月24日に影響試算額を公表しました。

3年前に3.2兆円の経済効果があると試算した実質GDP(国内総生産)は、今次のTPP協定で何と、14兆円も増加すると見込む一方で、農林水産物は万全な国内対策によって、影響は再度『限定的』であるとし、1,300〜2,100億円に留まると過小評価しました。

この試算公表には、私ども農業団体のみならず、各界の有識者からも厳しい批判が相次いでおります。

また、なぜ一度、協定合意した農畜産物の品目も、7年後に「再協議」のテーブルに上げられてしまうのか?明確に政府から示されない状態が続いています。私どもは、政府が示した影響試算は、【効果を過大評価し、被害を過小評価】するものであり、その対応姿勢は、まるで戦前の「大本営発表」を思わせると厳しく追及しております。


 これまで北海道の農業団体は、各関係機関・団体と連携を深めながら、衆・参両院での「国会決議」を遵守せよ!と訴え続けてきました。それらは、繰り返し本編でお伝えしてきた【聖域】と呼ばれる重要5品目の影響が極めて大きい地域が北海道農業であるからです。


歴年にわたり、『日本の食糧生産基地』と呼称され、国の農政誘導が進められてきた北海道では、広大な農地面積を有する反面、重要5品目に全て該当する『コメ・小麦・てん菜・馬鈴しょ』などを幾多の歳月をかけ品種改良し、『寒冷地作物』として確立してきました。

とりわけ、小麦・馬鈴しょと同様にオホーツク地域では、砂糖の原料となる「てん菜(別名:砂糖大根)」は、民間の製糖工場に原料を搬入し精製糖として食卓に並ぶまでの過程で、実に数多くの関連企業との連携を必要とします。

畑で収穫するためのトラクター・各収穫機械の「農機具メーカー」に始まり、収穫した「てん菜」原料を大型トラックで製糖工場に搬入し不純物を迅速に搬出するまでを担う「運送会社」や工場内の各部署ごとに働く「専門スタッフ」など、てん菜生産のみを抽出しても農業は地場産業者とともに歩む、極めてすそ野の広い基幹産業であります。

他方、前述の農作物等が栽培することが難しい地域では、牛・豚(重要5品目)などの畜産振興を推進することで、広大な北海道の農地を守り抜いてきました。

しかし、輸入農畜産物とは圧倒的な「内外価格差」があることから、『政府管掌作物(国が内外価格差是正を目的に、作物価格を決める「国家貿易品目」に指定される作物:コメ・麦等)』で国内農業衰退を防いできました。


私どもはTPPなどの貿易交渉で『関税差益』が撤廃されると、【世界の常識】である自国の農業生産はもとより、代替作物が存在せず、地域農業者がこれまで「てん菜」等を生産することで果たしてきた『地域コミュニティ(地域雇用)』をこの先は守ることができないとの「統一見解」を持っています。


また、関税収入は農業・農村振興にも役立ててきました。

近年、全国各地で乱発する自然災害を最小限に食い止めるための国土保全・治水効果など、農地の『多面的機能』を日本以外の諸外国では農業政策により、当たり前のように支援しています。

関税収入が枯渇した状態で、日本政府は『必要財源』を一体どのように講じていくのでしょうか。


最後になりますが、私ども北見地区農民連盟では、過日2月5日に、最高決議機関である「第57回定期総会」において『TPP断固反対、批准阻止を強く求める特別決議』を採択しました。

いつから、農業団体は、国会批准対策を諦めたのか?と、生産現場・内外から強いしっ責を受けています。私どもはこの先も、北海道農業・農村を守ることは日本の「基礎食料生産」を守り抜くことに直結するとの観点から、取り組みを強く継続展開してまいります。■


■AMネット会報LIMは年4回程度発行。会員の方に送付しています■
個人会費は年間3000円。会員からの会費や、様々な方からの寄付がAMネットの活動を支えています。会員になるとニュースレター『 LIM(リム) 』の購読、学習会への参加、 情報提供、公開学習会の割引などの特典もあります。 みなさんも、会員になってAMネットの活動を支援して下さい。
入会案内→ http://am-net.org/join/join.html
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2016年05月29日

AMネット会報LIM79号発行〜TPP批准の前に交渉内容を明らかに!〜

昨日無事、会報を発送いたしました!
いつも印刷している公共施設がいっぱいで、どうなることかと思いました。
いろんなテーマでさまざまな方たちが活動しているんだなーといつも嬉しくなります^^

AMネット会報LIMは、年4回程度、AMネット会員の方に送付しています。
会費や様々な方からの寄付がAMネットの活動を支えています。(年会費3,000円)
よろしければぜひ! → http://am-net.org/join/join.html


AMネット会報LIM79号発行(2016年5月)

〜TPP批准の前に交渉内容を明らかに!〜

目次:
P2 TPP批准の前に交渉内容を明らかに!        AMネット事務局
P4 特区になじまぬ保育行政の規制緩和 国家戦略特区と規制改革が私たちの生活に与える影響
                          いしだ はじめ(AMネット)
P5 世界の潮流と逆行する、大阪市水道民営化 武田 かおり (AMネット)
P7 北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol.4
                     清水 敬弘(北見地区農民連盟 事務局長)
P8 活動報告
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2016年05月20日

北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol. 2

AMネット会報LIM77号(2015年12月発行)より
北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol. 2

清水 敬弘(北見地区農民連盟 事務局長)

※vol.1はこちらから 

第2回は、TPPが今後、北海道にもたらす様々な影響等について考えたいと思います。

北海道は『日本の食糧生産基地』と呼ばれ、TPPの他、貿易交渉事における農畜産物「関税交渉」では、最も甚大な影響が及ぶとされる地域です。
日増しに明らかになる交渉結果で、強く批判されているのが【聖域】と呼称され、北海道で多くを生産するコメや牛肉を含む「重要5品目」の関税交渉における『大幅譲歩』であります。

実は、北海道で意欲をもって農業を始める若き農業青年は、大半の方が親の栽培する農産物が、『政府管掌作物※』であることを知りません。

TPP問題を知ることは、国内外をめぐる農業政策の『違いや構造的課題』を知ることです。

日本国内で栽培する野菜類や果樹などの『市場流通品目』と、『政府管掌作目※』との収支の違いや仕組みを勉強する機会が乏しいことから、北海道の各JAでは青年部・女性部向けの「農政学習会」などを進める様になりました。
国が内外価格差是正を目的に、作物価格を決める「国家貿易品目」に指定される作物:コメ・麦等)

ここからは、前述のTPP交渉「大筋合意(大幅譲歩)」ではどの様な影響が予測されるのかを検証していきます。
現在、日本の関税収入は約9,300億円(平成23年内閣府調べ)とされ、多種多様な国内農畜産物をその『重要度』などによって高関税をかけ、農作物の無秩序な輸入を防いでいます。

これまで、関税収入を財源とし農業政策を構築していた農水省は、「足りない部分は(国民理解を経て)一般財源で賄う」と、北海道の政府説明会で回答しました。

我々は、今もなお財政逼迫し【借金大国】と揶揄されている日本の国民各層に「納税者理解」を得ることは極めて難しいものと理解しています。従って、前述の「国家貿易品目」指定の『政府管掌作物』は事実上、作付できず、そのほとんどが海外原料に置き換わることが予測されます。

 かつて、日本の貿易交渉では1951年の丸太関税撤廃や、1964年の木材「完全輸入自由化」が断行され、全国各地の林業振興は荒廃し、北海道で林業関連の雇用を失ったマチは、その後衰退の一途を辿りました。

「農業生産だけは失ってはならない!」と訴える、基礎自治体首長が北海道には多数おります。それは、農林水産業が、『基幹産業』として、地域のコミュニティ形成を担ってきたからです。


北海道庁農政部では、TPPが農業分野に与える影響試算額を見直し、総額1兆5,846億円、地域雇用でも11.2万人失われると下方修正しました。しかし、私どもの『独自試算』では、これ以上のインパクトがあるとみており、現在も、影響試算の検証を続けております。


また一方で、北海道はTPP妥結以降も、広大な大地を利活用して、大規模畑作・酪農経営ができると論じる各界有識者の方々がおられますが、これは大きな間違いです。

規模の大小を問わず、農業経営にも『損益分岐点』があり、TPP以前から国の政策誘導などによって、大規模畑作・酪農経営を行うために、高額な借り入れをした資本投資の支払いが残る農家が多くいます。


前述の、意欲ある当地の若き農業青年は、来る日も早朝から夜遅くまでの『過重労働』を、こなしています。

大切な『親子時間(先代から農業経営を学ぶ時間)』や農政学習の時間の代償の上に、農地面積や家畜頭数の『規模拡大』を進めてきました。あくまでも、農業経営は『個人の判断』です。

しかし国や農水省が提示する農業政策推進は『政府管掌作物』栽培であり、北海道農業者の近未来の経営判断に極めて大きな地域影響を及ぼすことを、私は前職が農業者であった経験則から痛いほど理解しております。

そのため、この先の見通しが全く立たない経営体が後を絶たず、健全経営の家族農家でも余力財産がある内にと、『見切り(離農)』をすることが予測されています。


最後になりますが、【終わりの始まり】が見えてしまうかの様な国内農畜産物関税の『大幅譲歩』となるTPPの大筋合意ですが、国会批准までは時間が残されております。
この先も、北海道農業は日本を支え続ける基礎食料生産を持続していくためにも、私どもは決して諦めることなく、TPP断固反対運動の各種対策を講じてまいります。

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AMネット会報LIM2016年2月号「TPP署名。でも本当に発効するの?」原稿紹介(市民側の分析概要あり)

AMネット会報LIM78号(2016年2月号版より)
※AMネット会員(年会費3000円)の方に年4回程度発送している会報です。
会員となって応援していただけると大変うれしいです。
よろしくお願いいたします! → http://am-net.org/join/join.html

TPP署名。でも本当に発効するの?

武田 かおり (AMネット事務局長)

TPP、署名はしたけれど

2015年10月5日に大筋合意、TPP交渉は一応の決着を見ました。11月25日に「TPP政策大綱」発表、2016年1月7日にようやく日本政府による協定仮訳が公開されたものの、約6,000Pに及ぶ膨大な資料です。

1月14日には、TPP対策費3,122億円補正予算可決し、対策・予算のみ進行しています。
2月4日NZで署名式が行われ、各国が年内批准目指すと、日本ではすでにもうTPP発効が決まったかのように進んでいます。

しかし「ISD条項の仲裁判決と、日本での裁判判決とどちらが優先されるのか」という非常に重要でシンプルな質問すら、法務大臣が答えられず何度も国会審議がストップすると言うおそまつな状況です。

1月末の甘利大臣辞職で石原大臣が国会対応できるわけもなく、議論できる状態ではありません。今後、国会批准→締結→発効という順序になるわけですが、原則12か国全ての批准が必要です。

但し、2年超えても無理な場合は、GDP85%以上・6か国以上で発効、つまり日米が批准しないとTPPは発効しません。

米国大統領有力候補ほぼ全員TPP反対であり、その中でもサンダース氏は「私が大統領になっても破滅を招くような貿易協定に署名しない」と宣言しています。

与野党共に見直し、反対表明が相次いでおり、11月大統領選後に審議先送りの声がでています。カナダも政権交代でTPPに懐疑的であり「手順として署名はするが、批准は未定」とくぎを刺しての署名式参加であり、日本ほど前のめりな国はそうありません。

一方、反対の声が大きいとされていたマレーシアでは大多数が賛成の中、署名前に国会承認され、批准する体制が進んでおり、決して楽観視できるものではありません。


市民側の分析から見えてきたTPP

英文テキスト公開後、市民側の分析が進んでいます。市民団体・農業団体・労働組合等が協力し「TPPテキスト分析チーム」も日本で立ち上がり、1月末報告されました。その他情報から現時点で分かってきた懸念の一部をまとめました。


・農産品市場アクセス(2章より)

TPPでは原則関税撤廃であり、現在「例外」を勝ち取ったと政府は言っているが「除外」ではない。
除外は関税撤廃の対象としないということだが、例外では今後撤廃を迫られる可能性がある。

政府は「日本の関税撤廃率は95%、他国と比較して勝ち取った」と言うが、セーフガード含む全面見直しのための再協議を7年後に5か国と行うことが決まっており、7年間猶予をもらっただけではないか(7年後日本だけが農産品全般が再協議対象)。

しかも関税撤廃時期の繰上げ要請があれば、協議に応じる義務もある。更に、農業貿易に関する小委員会が設置され、恒常的に関税撤廃を迫られる仕組みではないか。


・食の安全(7・8章より)

「透明性」の記述があちこちにある。貿易交渉で言う「透明性」とは利害関係者、つまり企業が食の安全基準を決める際に、声を上げることができることを言う。

例えば、食品の表示制度を利害関係者と一緒に考えることになり、各国での制度がねじ曲がる懸念がある。「なんら日本の制度を変更する必要はない」と政府は言うが、変える仕組みが日米並行協議でも決まっている。SPS委員会が設置されるが、リスク分析が中心で、例えばコストベネフィット論で考えるリスクマネジメント等であり、予防原則を排除するやり方だ。


・投資章(9章より)

投資の定義は、会社・株式等、投資家が直接・間接に所有・支配するものとされる。「契約」も入っており投資の境界線が見えづらく、非常に広範。
また「公共福祉目的等の正当な政府措置」はISD対象から外されておらず、例えば「政府の許認可等が正当かどうか」で争える。

また、「企業の期待に添わなかった」だけで提訴されるとの懸念も、それだけではダメだが「公正衡平待遇」かどうかの正当性で争える。「公正衡平待遇」の意味は曖昧で、外国企業勝訴の根拠になってきた文言だ。

これまでの「多国籍企業が訴訟を乱発するのでは」という懸念に対し「濫訴防止策」で大丈夫と政府は言うが、TPP固有の言葉はほぼなく、抑止になっているとは言えない。

そもそも仲裁人の日常業務は多国籍企業顧問弁護士等であり、訴訟が多いほど、多国籍企業に有利な判定を下すほど、利益が出る存在であり、「そもそも中立な判定ができるのか」も問われている。


・国有企業(17章より)

TPPでいう国有企業の定義は「主として商業活動に従事」する「締約国が50%超の株式所有」等の条件。
不明な条件もあり特定が困難だが、数が非常に多く、研究機関含む病院、金融、高速道路・空港、投資ファンド、放送、資源・エネルギー関連、郵便等、幅広く含まれる。国有企業は各国様々な経緯・体制の中で成り立っており、地域の基礎的社会インフラも多く、地域の不安定要素が高まる懸念。


・医療分野(章立てなし)

「特許期間延長」による新薬価格の高止まり、「特許リンケージ制度」による後発薬承認が困難になる問題、加えて「産業上の利用可能性あるすべての技術分野の発明」が特許取得可能となり、診断・治療・手術も特許対象にできる。

「透明性」として、日米交換文書で外国医療関連企業が医薬品・医療機器の保険収載の可否や価格決定する中医協(中央社会保険医療協議会)に利害関係者として口出し可能に。

今後、TPPでは健康保険をそのままおいて、「透明性」の名のもとに新薬を高価なまま販売する一方で、国家戦略特区等で混合診療を進め、民間医療保険の拡販が進むと懸念されます。


・規制の整合性(25章)

米国が提案、交渉を主導した新しい分野。
「各国間で異なる規制措置」の存在がビジネスの障害として、各国の規制措置に対処するもの。これはISD不適用だが「通報」のアプローチにより、規制整合性小委員会において、検討・質問・討議でき、強制力があるものに。今後、日本国内では規制改革会議によって権限強化されていくのではないか。


市民社会の動きなど

TPP協定は「生きている協定」であり、今回の交渉結果で終わりではありません。例えば、TPP委員会が設置され、発効3年以内に協定改定・修正を検討することが決まっています。

政府調達(公共事業など)は、3年以内に適用範囲の拡大を再交渉、国有企業も5年以内に追加交渉といった具合です。TPP交渉優先でストップしていた他協定も今後進んでいくことになります。「透明性」を盾に、利害関係者として多国籍企業が私たちの気づかぬところで、政府審議会等で意思決定に参画していきます。

TPP署名式の会場近くでは、TPP反対デモに数千人が参加し意思表示がされました。
日本国内の活動は現在、協定分析・その内容を広めることを重点とし、さまざまな情報発信・分析がされています。TPP交渉差止・違憲訴訟の会では2/22第3回口頭弁論が、4/11には第4回期日が決まり、現在原告1,977人、会員5,219人と人数もどんどん増えています。あきらめるにはまだまだ早い!■


posted by AMnet at 00:27 | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする