2022年03月15日

DXで便利でOK? DXで力を持つのはだれ?〜デジタル資本主義 vs デジタルコモンズ〜

デジタル化で生活は確かに便利になるかもしれない。だけど…
商品検索したら、似たほうな公告が出るだけでしょ?
いいえ、それだけではないのです。


スーパーシティ構想の区域指定地域が発表されたばかりの日本(全国28地域)。

シンポジウムに先立ち、少しでもDXがすすんだ後の社会を想像するために、
関連原稿を公開します。


AMネット会報 LIM98号(2022年3月発行)より
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DXで便利でOK?
平賀 緑(AMネット理事)
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You are what you eat.
あなたはあなたの食べたものでできている。

では、私たちは自分の心身を作る食べものを、どう選んでいるだろうか。
身体に良いもの、健康的なものが望ましい。でも味や予算も気になる。
食べたいものが近くに売っていないかもしれない。何を食べるか選ぶのが楽しみという人もいるけれど、毎日の献立が悩ましい人も多いらしい。

そんなとき、AI(人工知能)がビッグデータやアルゴリズムを駆使して、私の好みやニーズに適した食事をオススメしてくれたら、その食材セットやレシピをタイミング良く届けてくれたら、便利かも知れない。
ちょうど気になっていた物がタイミング良くセールされていたら買うだろう。それくらい、販売サイトのオススメ機能は精度を上げている。


Amazonに代表されるネットショップたちは、私たちの購買履歴だけでなく、サイトで見た閲覧履歴、クリック履歴、検索履歴などを蓄積したビッグデータや、ますます賢くなるAIなどを駆使して、販売方法を革新しているらしい。
膨大な人数から集めた膨大なデータを蓄積して購買パターンを分析することによって、私が「欲しい」と思う前に「あなた今これ欲しいでしょ?」とオススメしてくれることが可能らしい。

つまり、私が「お腹空いた」と感じて何食べようかと考え始める前に、絶妙なタイミングで私の好みや健康状態に最適と判断した食事を、ドローンも駆使した配送システムで届けてくれることも、すでに技術的には可能だろう。
問題は、私の心身を作る「私にとって良い食べもの」を、誰がどんな基準で決めてくれるかということだ。


「健康的な食事」は、あんがいコロコロ変わる。
例えば、私が研究対象としている油脂については、戦後すぐの飢餓状態では高栄養食品と推奨され、そのうち動物性脂肪が悪いとしてマーガリンが推奨され、そのうちトランス脂肪酸が悪いとしてバターが見直されなどなど、時代によって「良い油」は変わってきた。
また、バナナは黄色、トマトは赤色という「自然な(あるべき)」色も、企業や政治や技術などが絡み合って形成されてきた(詳しくは、久野愛『視覚化する味覚 食を彩る資本主義』岩波新書、2021年)。

技術はさらに進み、今では、味覚や聴覚も電子的な刺激で操作できるらしい。同じグラスからいろんなカクテルを飲んでいる気分になれたり、3DCG仮想空間「メタバース(metaverse)」で全身の感覚も含めた「分身」になりかわったり、できるらしい。
『マトリックス』は、技術的にはもう可能なのかもしれない。気がつけば、それくらいデジタル技術が進んでいる。

プロパガンダが生まれたという100年前から現在まで、商品開発やマーケティング戦略をふくめて、私たちの選択を導く技術やノウハウは恐ろしく素晴らしいレベルにまで極められていた。
そこにDXは私たちの五感も情報ももっていこうとしている恐れがある。

私が感じる味や色や音、良いと判断するための情報、欲しいと思う気持ちまでを他者が影響できるようになったとき、では問題は、その技術を、だれがどう使うのか。
その技術を、私たちが管理し勝手に使われることに対して歯止めをかけることができるのか。

「良い食べもの」も、人によっては、有機的に栽培された土臭い野菜を良いと考えるか、植物工場で栽培された衛生的な野菜を良いと考えるか、その判断はさまざまだし、その判断が「私」のアイデンティティーにも繋がる。
私は私が食べたものでできているなら、その決定権は私が持っていたいと思う。■





posted by AMnet at 20:27| 国家戦略特区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月22日

【3/20(日)開催!】DXで力を持つのはだれ?〜デジタル資本主義 vs デジタルコモンズ〜▼AMネット総会シンポジウム@オンライン▼


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▼3/20(日)開催!AMネット総会シンポジウム@オンライン▼

 DXで力を持つのはだれ?

 〜デジタル資本主義 vs デジタルコモンズ〜

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スーパーシティ構想や自治体システムなど行政のIT化、

マイナンバーや顔認証、スマート農業、教育データ利活用などなど、

あらゆる分野で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が唱われ、

デジタル化とデータの一元化が進んでいます。


■デジタル化は諸刃の剣。

私たちの生活が、便利で効率的になるかもしれない。

でも、ビッグデータを手にした側は、私たちの情報を分析し、何のために使うでしょうか?


■テクノロジーは中立でありえない。

デジタル化の推進は、人類の進化というだけでなく、新たなフロンティアを求める現代資本主義の動きともいえるでしょう。

それらに対して、その技術とデータを民主的に活用するための「デジタルコモンズ」が必要です。

デジタル化による力を、資本と一部の企業に委ねるのか、人々の手に取り戻すのか。

スーパーシティ構想をはじめ、都市部と農村とで進むデジタル化の現状を知ることで、デジタルデモクラシーを考えてみましょう。


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■日程 3/20(日) @オンライン(要申込)

・シンポジウム:15:00〜17:00

※シンポジウム前に同じURLにて、会員総会を13:30〜14:30にて開催します。

(申込みされた方、どなたでもオブザーバー参加できます)


■基調講演 

15:00〜16:00「誰がルールを決めるのか デジタル監視資本主義と自治 ・ 民主主義 」

 内田聖子さん(NPO法人アジア太平洋資料センター<PARC>共同代表)


■都市のデジタル化

16:00〜16:20 「デジタル情報収集のための大阪万博&カジノ⁈」

 武田かおりさん(NPO法人AMネット事務局長)


■農村のデジタル化 

16:20〜16:40 「ポストコロナの食と農と世界のフード・アグテック推進:米国からの現地報告)」

 松平尚也さん(NPO法人AMネット代表理事)

16:40〜質疑応答

17:00 終了


司会:平賀 緑さん(京都橘大学准教授・AMネット理事)

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■定員 100名(要事前申込、開始1時間前に締め切ります)


■参加費 1000円(AMネット会員 無料)


■申込

https://amnetosaka20220320.peatix.com/

 ※お支払い方法は、Peatixによる事前決済(クレジットカード、コンビニ払い)です。

 ※主催者の都合による中止の場合を除き、購入済チケットのキャンセルはできません。

 ※続けて開催するため、総会・シンポジウムとも申し込みは同じです。

 ※お申し込みいただいた方に、事前にURLをお送りいたします。

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■登壇者紹介

▼内田聖子さん(NPO法人アジア太平洋資料センター<PARC>共同代表)

出版社勤務などを経て2001年より同センター事務局スタッフとなる。自由貿易・投資協定のウォッチと調査、政府や国際機関への提言活動、市民キャンペーンなどを行う。TPPウォッチの国際NGOネットワークにも所属し、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアなどの市民社会とともに活動。共著に、『徹底解剖国家戦略特区―私たちの暮らしはどうなる?』(2014年、コモンズ)など。


▼武田かおりさん (NPO法人AMネット事務局長)

2001年、持続可能な経済と社会のしくみを目指し、AMネットで活動を始める。世界中の「水道民営化」の失敗を知る団体として、大阪市の水道民営化プランに対する懸念を市議会に届けるなど、問題提起を行う。水道民営化問題をきっかけに「大阪都構想」「IRカジノ」など、地元大阪市のテーマについても、他団体と協働し活動している。


▼松平尚也さん(NPO法人AMネット代表理事)

農・食・地域の未来を視点に情報発信する農業ジャーナリスト。近畿大学非常勤講師。京都大学農学研究科に在籍し国内外の農業や食料について研究。農場「耕し歌ふぁーむ」では地域の風土に育まれてきた伝統野菜の宅配を行ってきた。ヤフーニュースでは、農業経験から農や食について語る。NPO法人AMネットではグローバルな農業問題や市民社会論について分析する。有料記事「農家ジャーナリストが耕す「持続可能な食と農」の未来」配信中。メディア出演歴「正義のミカタ」「めざましテレビ」等。

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■AMネット会員募集中

この機会にご入会いただければ、参加費は無料になります(年会費3,000円)。

@お名前A会報発送先住所を、「入会&3/6参加」の件名でお知らせください。

E-MAIL:amnetosaka★yahoo.co.jp(★を@に変えてください)

TEL:070-4412-7006


――――――

ここまで

総会シンポジウムDX20220320.png
posted by AMnet at 21:32| AMネット主催イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月02日

大阪IRの区域整備計画への陳情書を提出しました〜リスク分担が明確でなく、契約解除の記載もない。将来の訴訟のタネを撒くことになる。



大阪市会議長  丹野 壮治様
「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)」に関する陳情書

【陳情趣旨】
損害賠償等、長期間にわたる事業契約によるリスクが不明瞭なままであり、カジノ設置に関する問題点が市民に知らされていない。
大きな財政等の影響を受けるにもかかわらず、今回の区域整備計画の議決が実質的に大阪市会の最終判断となる。

大阪IRは35年と非常に長く、さらに「事業の継続を前提として」30年間の延長を協議する、とあり、実質的に65年ものライセンスを認めている。
65年後も「延長なし」等、明記されておらず未来永劫付き合う可能性もある。

ほとんどの大阪市民は、lR事業者が撤退しない限り、35年、最大65年間の契約とは知らない。
カジノができてから市民が「辞めたい」と思っても、実質的にやめられない可能性が高い。

世論調査でも反対が多く、賛成の人もほとんど状況を知らず、加えて、将来反対するやもしれぬ世代は止められない構造になっており、まさに市民不在と言わざるを得ない。


1,「リスク分担」が明確でなく、「契約解除」の記載もない。
カジノ実施方針・募集要項のリスク分担(※末尾参考参照)では「詳細は、実施協定で示す」とあるだけで、区域整備計画にリスク分担が書かれていない。

一方、「想定されるリスク」への役割分担は記載されており、被害が出た際に、「大阪市の責任」とどこまで補償を求められるかも不明である。
このような将来リスクが不明のまま、議決すべきではない。

また、契約解除に関する記載もない。
実質的に、IR事業者はいつでも撤退可能であり、今予算で790億円予算措置したとしても、開業前の撤退も可能である。

一方、大阪府市は撤退させれば、損害賠償請求リスクが発生する。

最低でも、区域整備計画だけでなく、実施協定が確定したのち、リスクを真摯に検討し、議論を経た後とすべきである。
以下に述べる2、3、による損害賠償請求など、将来世代の多大なツケとなる可能性があると考える。

また、事業実現に向けた主な課題として「新型コロナの影響」「国の詳細制度設計(IR税制・カジノ管理規制等)」「夢洲特有の課題」とあるが、これら「解決が必要不可欠」な課題が解決できる見込みもない。


2,「IR事業用地の適正確保」によるリスク

土地所有者としてのIR事業用地の適正確保(土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去)について、引渡し前に限るのか、将来に渡るのかすら明確でない。

第5回副首都推進本部会議資料4「IR事業用地の適正確保について」には、「土地所有者として市が負担」とあり、開発により、夢洲の土地改良費がどれほど青天井になっても、大阪市の負担は将来に渡る。

たとえ契約上、法的責任はないとしても、市長が言いきり、市会で議決されば、大阪市の対応を期待してIR事業者は投資することとなる。
となると、適正確保を大阪市が実施しないとなれば、3,に指摘するリスクにも直結する。

逆に大阪市がIR事業用地の適正確保を負担したとなれば、新たに、それ以前の土地売買等の契約者との不平等も起こり、訴訟となる可能性が起こる。

つまりいずれにせよ、将来世代に訴訟のタネを残すこととなる。


3,「投資家の期待」を裏切った場合のリスク 〜ISDS条項〜
TPP等の投資協定による投資家対国家の紛争解決手続き、ISDSによるリスクを考慮されていない。

将来、カジノを止めると公約にあげての知事・市長が誕生したとしても、ISDSによって、多額の賠償請求が発生する可能性が高く、将来世代の選択を奪いかねない。

ISDSは実際の損害額だけでなく、投資家の「正当な期待」を害した、として「公正衡平待遇」義務違反が認定されれば、「儲かるはずだった利益」も、賠償することとなる。逸失利益が何十年も渡ると認定されれば、賠償額がいかほどになるか想像もできない。

「大阪IR反対に合理的な根拠がない」と認定されれば、「収用と同等の措置」と主張された場合も、損害賠償の対象となる。


【陳情項目】
1、 社会的コスト・経済損失も計算されていない。財政リスクが大阪市の負担になり、将来世代に及ぶ市民生活にも影響が非常に大きい。
大阪市民の意見を聞くべく、議員提案による条例を制定し、住民投票を実施すること

2、 夢洲の土地改良費790億円について、慎重に予算審議を進めること。

陳情者
NPO法人AMネット


<ISDSについて参考情報>

※これまでの仲裁で投資家の多くが主張し、問題となってきたのが「公平衡平待遇」と「収用」。多くの仲裁事例で「投資家の正当な期待」を保護しなかったことをもって「公正衡平待遇」義務違反が認められてきた。投資家にとっては、投資保護協定は一種の「保険」やリスクヘッジとして位置づけられる。

※対象となる紛争は「投資家と締約国の間で生ずるあらゆる投資に関する意見の相違」と非常に範囲が広い協定が多くを占める。日本は32の投資協定と投資規律を含む16のEPA(TPP含む)が発効。(2021年2月時点)日本と投資協定が結ばれていない場合も、協定を結んでいる国に現地子・孫会社を設立し、子・孫会社を通じて投資すればその国の協定によってカバーされる。

※協定によって内容、たとえば投資財産の定義もさまざまだが、ほとんどの協定で「企業等の法人としての投資のみならず、株式・出資・その他の形態の企業の持ち分・債権・貸付金・法令や知的財産権、契約に基づく権利等」が含まれ得る。投資協定の内容は協定ごとにさまざまであり、明確な基準はない。

※ISDS仲裁手続きの多くは、3人の仲裁人による一審制。仲裁人は数十人しかおらず、国・投資家側が同じ事務所のケースも。過去判例は、双方の承認がなければ原則非公開。

※過去判例では政府が環境保全や健康被害の防止等を理由とした規制措置であっても、投資協定違反とされ、損害賠償責任が認められたケース有。


【参考】リスク分担について(実施方針35P・募集要項26P)より抜粋

第7 設置運営事業の円滑かつ確実な実施の確保に関する事項

5. リスク分担の基本的な考え方
(2) 法令等変更
a. 法令等(c.に示す特定条例変更等を除く。)の制定又は変更により設置運営事業者に増加費用又は損害が生じるときは、設置運営事業者が当該増加費用又は損害を負担するものとする。

b. 法令等の変更によって本事業の前提となる環境に重大な変化が生じていると認められるときは、大阪府と設置運営事業者は協議の上、必要な範囲で実施協定又は区域整備計画等の見直しを行うことができる。

c. 事業期間中に、本事業にのみ適用される等、設置運営事業に特別に影響等を及ぼす大阪府又は大阪市による条例等の制定又は変更(以下「特定条例変更等」という。)が行われ、設 置運営事業者に損害等が生じた場合、大阪府又は大阪市は、自らが行った特定条例変更等によって設置運営事業者に生じた損害等をそれぞれ補償する。

※要するに、「国の法令変更へのリスクは事業者が負うが、大阪府・市の方針変更は、府・市が損害賠償する」ということ。府市のみリスクを負うこととなる可能性が高い。
posted by AMnet at 22:53| AMネット主催イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月29日

大きく変わった大阪IRカジノの計画&損害賠償などのリスク〜大阪IR公聴会で公述しました〜

大阪IRの区域整備計画について、公聴会で公述しました。
わずか5分と短く、以下5ポイントのみ指摘しましたので、ご紹介します。

大阪IRカジノ資料はこちらから ↓

<1/29公述概要>

1,「リスク分担」が明確でない。

カジノ実施方針・募集要項のリスク分担(※末尾参考参照)では「詳細は、実施協定で示す」とあるだけで、区域整備計画にリスク分担が書かれていない。災害時など被害が出た際に、「大阪市の責任」どこまで補償を求められるかも不明である。このような将来リスクが不明のまま、議決すべきではない。

実施協定は契約であり、リスク分担が確定したのち、リスクを議会で議論してから議決すべき。


2,「契約解除」の記載もない。

実質的に、IR事業者はいつでも撤退可能。

今予算で790億円予算措置したとしても、開業前の撤退も可能である。

一方、大阪府市は撤退させれば、損害賠償請求リスクがある、不平等な内容。 

契約解除の記載がないということは、そのリスクも試算できていないということだ。


3,「IR事業用地の適正確保」によるリスク

土地所有者としてのIR事業用地の適正確保(土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去)について、引渡し前に限るのか、将来に渡るのかすら明確でない。文脈としては将来に渡ると読める。また松井市長も「市の責任」と言いきり、市会で議決されば、大阪市の対応を期待してIR事業者は投資することとなる。となると、適正確保を大阪市が実施しないとなれば、ISDSの訴訟リスクにも直結する。


逆に大阪市がIR事業用地の適正確保を負担したとなれば、新たに、それ以前の土地売買等の契約者との不平等も起こり、訴訟となる可能性が起こる。つまりいずれにせよ、将来世代に訴訟のタネを残すこととなる。


4,「投資家の期待」を裏切った場合のリスク 〜ISDS条項〜

TPP等の投資協定による投資家対国家の紛争解決手続き、ISDSによるリスクを考慮されていない。

将来、カジノを止めると公約にあげての知事・市長が誕生したとしても、ISDSによって、多額の賠償請求が発生する可能性が高く、将来世代の選択を奪いかねない。

途中解約だけでなく、災害時の被害について、大阪市負担で改修する予算が通らないなどとなれば、ISDSの対象になりえるのではないか。


5,大阪IRは実質65年契約

大阪IR35年と非常に長く、さらに「事業の継続を前提として」30年間の延長を協議されるため、実質的に65年ものライセンスを認めている。

マカオの更新も20年から10年に変わるにも関わらず、なぜこれほど長いのか。

ほとんどの大阪市民は、松井市長の言った「lRには1円も使わない」という発言から、これほど費用が高騰していることも知らない。

夢洲にかかる財政リスクも、IR計画の縮小も知らない。

市民にこれらを周知し、住民投票で市民の意思を測るべきだ。

また4/28の国への申請期限ありきで進めていると懸念している。延期すべきだ。


<ここまで>



posted by AMnet at 20:52| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月28日

大阪IRってどういうもの?2019年大阪IR基本構想と2021/12公開されたカジノ計画は別モノ。勉強会資料を公開します。

大阪IRの計画って、どういうもの?
勉強会用に作成した資料を取り急ぎ公開します。

カジノはあんまりかもだけど、IRは欲しいから。と賛成されていた方。

2019年12月に発表された大阪IR基本構想と、今回の大阪IRの区域整備計画(2021年12月23日に発表)は、別物になってしまっています。

この計画だとカジノのための税金投入
これまで賛成されていた議員も、思いなおすべきじゃないでしょうか。

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2・3月議会で、IRカジノの計画と、790億円の土地改良予算が議決されます。
その後、IRカジノの審議は大阪府に移るため、大阪市の判断は今回が実質的に最後です。

IRカジノはカジノの収益で、MICE(国際会議場・展示場施設)等の施設を運営しますが、
今回の計画は、カジノ以外の施設が縮小しており、当初の計画とは変わっています。
(今後も状況次第で、議会の議決なく、IR部分を縮小することも可能)


1,収支計画・施設計画など(区域整備計画より)

@初期投資額 約1兆800億円
経済波及効果 (建設時)約1兆800億円、(運営)約1兆5800億円/年

A総延床面積:100万u(2019年12月大阪IR基本構想)→77万u(区域整備計画)
宿泊施設:3000室→2500室
展示場:10万u→2万u
※インテックス大阪7万u

B年間売上 4800億円→約5200億円(うちカジノが約4200億円(約80%)

※大阪IR 掛金で約6兆円*。(年間1000万人が60万円掛ける計算)
 JRA 約3兆円、パチンコ 約15兆円(2018年)、セブンイレブン売上 約5兆円
 MGM(29施設) 掛金で約14兆円*。(*総粗収益(GGR)7%で計算)

・来場者数 1500万人→年間約2,000万人(国内約1400万人、国外約600万人)
※うち、1070万人がIRへ行く想定。2019年インバウンド約3,190万人
 (USJの来場者数は年間1450万人)

CIRからの収入 確定しているものは、土地賃貸料35年の875億円。
納付金・入場料(6000円)の府市合計は年間約1060億円と想定。(530億円づつ)

D事業期間 35年契約。事業期間終了後、「事業の継続を前提に」30年の延長を協議。
実質的に最低65年間のライセンス。※マカオのライセンスは20年→10年に変更。


2,大阪市の負担・リスク(大阪市の年間税収は7500億円)

@必要毎年の経費/先行投資(大阪府・市想定)
ギャンブル依存症対策 約14億円/4億円
警察力強化(340人体制) 約33億円/71億円
夢洲IR関連インフラ 約4億円/??
消防力強化(40人体制) 約4億円/20億円      合計約55億円/95億円+??

Aリスクに取り組む「役割分担」は決まっているが、「リスク分担」は未定のまま、今回の議決
損害賠償請求された時、大阪市がどこまで負担するのかが不明

B夢洲の土地改良費は、「土地所有者である大阪市の責任」と松井市長が発言。

C社会的コスト、経済損失は試算されていない。

D新型コロナ・国のIR税制(海外客の所得税免税など)の早期法制化・夢洲の課題、この3つの解決が「必要不可欠」であり、公民連携して取り組む。とあるが、ダメだったら?

→区域整備計画の府市議決→国に申請・認可→実施協定の締結=契約

E契約解除の規定がない。
IR事業者は実質的にいつでも撤退可能。
一方、大阪府市が撤退時は、莫大な損害賠償をせねばならない。


3,会場地「夢洲」のリスク
@夢洲は、大阪市が唯一持つ最終処分地。埋立終了後、物流拠点として土地売却。国際コンテナ戦略港湾として、関西の物流の中心拠点。ヤード面積不足でコンテナを高積みしており、コンテナ仕分けも非効率、周辺道路は渋滞、海も沖待ちが発生している。
※咲州・舞洲は80%以上売却済、投資もほぼ回収済

A最終処分地として数十年に渡り、高度成長期の浚渫土、アスベスト含む建築残土、一般廃棄物等を埋め立ててきた。土壌汚染だけでなく、地盤沈下、越波、津波・高波、液状化、地下水等、さまざまな対策が必要。
→商業地として、将来に渡り大阪市が負担するのか?の判断が問われる。

B開発すればするほど、夢洲はコストがかかる。夢洲に集客施設を作る=高層建築物を建設=最終処分地に埋めた汚染土壌を掘り返し、大阪市が土地改良費負担。軟弱地盤のため、50mの杭が必要。
(35年の賃貸料875億円も、すでに以下土壌改良費で支出。だが@Aの理由から、今後も想定外のコスト増が見込まれる)

<参考>(直近のコスト増報道のみ)
・土壌汚染の他、液状化、地中障害物撤去費で、790億円負担増が判明。(12/21報道)
・大阪メトロ延伸で250億円→346億円に増加(1/12報道)
軟弱地盤対応、メタンガスの防爆対策、地盤沈下、地中障害物の撤去等
・夢洲駅周辺のまちづくり 民間事業者の応募ゼロのため33億円+30億円(1/12報道)

posted by AMnet at 00:01| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

2025万博の一体なにが問題なのか〜大阪・関西万博をSDGs万博にするために〜公聴会で発言しました

「SDGs達成」をいうだけでは、SDGsは達成できません。
「未来社会の実験場である大阪・関西万博は、いかにSDGs達成にチャレンジしたのか」
それを環境面から図るのが「環境アセスメント」です。

ですがEUでは「環境」だけでなく、「社会」「経済」も含めた「持続可能性アセスメント」へ移行しています。
つまり、環境アセスだけでは時代遅れになってしまっているのです。

しかし、現在の博覧会協会の出してきた環境アセス準備書は、
環境アセスとしても、あまりにもお粗末…としか言えない状態です。

一体、何がどう問題なのか。
@SDGs万博にふさわしい環境アセスメントを
Aなぜ夢洲を会場としたのか
B最低でも「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「大阪市環境基本計画」と整合性をとるべき
の3つの視点から述べました。


2021年12月11日、大阪市の公聴会に参加し、公述した内容に若干修正したものを掲載します。


<以下公述内容>

大阪・関西万博は跡地利用がカジノであることから「カジノ万博」っていうふうに一部でも言われたりもしています。
しかしもともとSDGs達成を目標として、それが評価されて誘致に成功した経緯もあり、国際的な約束でもありますので、SDGs万博にふさわしいアセスメントを実施してほしいです。

 安倍元首相も参加した首脳級の閣僚会合、2020年のSDGsサミットで「行動の10年」っていうのが始まっています。
要するにSDGsを達成するためにより具体的な行動をそれぞれのセクターがしないといけないという意図で、「行動の10年」が始まっている。

それ以降の計画にもかかわらず、「参加者が取り組む」ばかりで、博覧会協会が、万博が主体となってどういうふうに達成するのかという事業もないし、指標もない。

どれぐらい達成したかを測る環境アセスメントにすらそのあたりの指標がない。

参加者が発表したり、議論したり、そういう「場の提供」だけが博覧会協会の仕事ではなくて、これだけ巨費の公金を投入する大きな事業ですから、「会期の前の計画段階から会期中、会期後にわたって、どのような具体的な計画・削減目標を持ってSDGsの達成に貢献したのか」というのを示すべきです。

逆に私たちからすると、その環境アセスメントで謳われたことは、具体的にどういう状態になれば、博覧会協会はSDGs達成をこの万博でできたという判断をするのか、私たちが理解することにもつながります。

 大阪・関西万博が「負の遺産」とならないように、どのように貢献したのか、博覧会協会がどう考えているのかというのを明確に示すべきですし、そのための目標の明示、指標、そういったものは必須です。

 次に、「持続可能性アセスメント」の実施についてです。
SDGsは環境だけではなく、社会、経済、その三側面というのが必須です。
ですので、環境だけでなく、社会、経済が勘案された「持続可能性アセスメント」を実施してくださいというのを博覧会協会に私たちは何回も協議でお伝えしてるんですけれども、計画段階はもう終わっているということでそれは難しいというのみです。

 「ISO20121への適合を視野に入れて、ESMSの導入を検討する」っていうふうに2020年12月、博覧会の基本計画で記載がされましたが、その1年後、11月のアセスメントの説明会においてもなお「構築・導入に向けてその具体化に向けて検討する」といった、結局「検討」の状態から1年以上経っても、1年ぐらい経っても変わってない、ずっと検討してるだけでです。

協議の場でも博覧会協会に「その検討は進んでいるのか」と聞いても、「まだ検討しています、全然進んでいない」といった回答であり、本当にやる気があるのかなと私たちも疑います。

まだ4割しかパビリオンが決まってないっていう報道もありました。
会場計画が決まっていない中で準備書が決まっています。
これから会場計画どんどん変わっていくっていうことが大前提であるならば、変わった段階でどういうふうに追加調査をしていくのか。変わることが決まっているのですから、それを踏まえた追加調査の計画っていうのも明らかにすべきです。


20年前の愛知万博よりも10年前のミラノ万博よりも、レベルの低い、昔の環境アセスメントしか実施しないというのは、SDGsを目的として開催する大阪万博として本当にそれでいいのか。

SDGsの精神をどのように引き継いで発展させて、未来につなげていくのか。
そのための大事な手法の一つが環境アセスメントであると思います。

何十年も前に大阪市が制定した条例のとおりのアセスメントではなくて、やっぱりそれに加えてどういうふうに未来型で変えていくのかっていうのを示してほしいなと思っています。


 二つ目です。
なぜ夢洲を会場に選定したのかというのを、最低でも環境面から合理的に説明すべきだと思います。

 準備書の第1章の説明も「会議で決まったから」みたいな話で、説明会のときに私は、もう1回質問をしたのですけれども、そのときは「閣議決定されたから」といった回答でした。だから「決まったから仕方がない」というだけの話になっています。

 大阪市との協議では、もともと「夢洲1区は家庭ごみなどの焼却灰で埋め立てたので、緑地やメガソーラーなど制限付きの利用で、万博には利用しない」と説明を受けていました。

使用すると決まった後は「1区の土壌汚染に警鐘を鳴らし、博覧会協会も危険性を認識しているはずです」というふうに私たちは説明を受けました。

なんですけれども、使わないと言っていたはずの1区に「グリーンワールド」と名称が付けられて、交通ターミナルやエントランス広場、要するに車で来られる方ってみんなそこを通るわけです。

で、屋外のイベント広場に使われる。ベストプラクティスの発表する場としてされている会場もここになっているということで、使われないはずだった夢洲1区を使うにもかかわらず、どういうふうにして運用し、評価するのかといった指摘も全然ない。もともと使えないとしていた土地なのにもかかわらず。

 これまでの協議では、大阪港湾局が「危険だと協会には伝えてます」という。
で、大阪都市計画局は「港湾局が大丈夫だと言っている」。
博覧会協会は「大阪市が大丈夫と言っている」みたいなかたちで、東京オリンピックのときと同じように、誰が責任取るのかっていうのがわからない。

結局、「うちは誰かが大丈夫って言ってたから大丈夫」「私は大丈夫じゃないって伝えてる」みたいな話で誰も責任取らないようなかたちになっていて、多分、このままいくと本当に何かあったときに、責任の押し付け合いになるんじゃないかって懸念しています。


 アクセス不足も指摘されているところですけれども、此花大橋、夢舞大橋の拡張工事が始まります。

此花大橋を利用して夢洲に入る通行量というのは17,149台ということで、大渋滞になったら窒素酸化物が倍化、三倍化する。
すでに物流だけでかなり渋滞しているのにもかかわらず、そういった複合汚染を考慮した評価をまったくされてない。

準備書を見ると、「大阪市が表示した場所等の複合汚染を考えている」と書いていたけれども、結局IRは事業者が未定だからということで、複合汚染をまったく考慮されていないままの準備書になっているということが信じられません。

IR事業者がまだ決まってなくても、港湾施設はありますし、地下鉄の延伸工事も決まっている。

夢洲だけでこれだけあるにもかかわらず、本当だったら、大阪・関西万博なんだから大阪・関西の全体の影響を測るべきにもかかわらず、夢洲の中のことすら、会場内しか考えていない。

複合汚染をまったく考慮されていない、その評価がないっていうことにちょっと本当にびっくりしています。


 しかもその夢洲のコンテナっていうのは2025年までに40パーセント増やすっていうのが大阪市の港湾計画ということで、さらに渋滞が進む。

しかも工事中ということでさらに大渋滞が起こるんじゃないか。
そもそも夢洲に物流拠点と集客施設の併存っていうのがそもそも可能なのか、環境への影響はどうなるのかっていう評価もされていません。


当初の予定も崩れてIRのホテルもなく、日帰りの客しかいない。

そういった中で、先日博覧会協会に「こんな集客計画のままでいいんですか、USJの1日当たり4倍の集客なんか本当に大丈夫なんですか」と聞いたら、「ドバイの万博はそのままの計画でいってるから、うちもいく」といった回答でした。

ドバイ万博の集客目標2,500万人のうち、今、このままいくと1,400万人ぐらいしか来ないっていうような進捗になっている中で、本当にこのまま日帰り客しか想定できない大阪・関西万博、1日USJの4倍のまま、この無理筋な集客計画のままにインフラ整備を大阪市民の税金を使って本当に進めるべきなのか。

メガソーラーまで加えて夢洲を会場にするよりも、もう現実に即して夢洲以外にするか、IRカジノの予定地とかで埋め立てがもう終了している場所を使うとか、規模縮小していく、そういった配慮が必要なのではないかと。


大屋根もそうです。
もともとパビリオンとかは半年で全て原則撤去になりますから、莫大な廃棄物が出る。

特に大屋根が象徴的ですけれども、半年で壊すものにこれだけのお金を使う、環境もそうですし、社会にも経済にも、これSDGsからも問題ないと言えるのか。

 ごみの最終処分地がなくなるのもそうです。
海には限りがある。大阪湾どこでも埋められるわけじゃない。
将来世代の、ごみの最終処分地がなくなっているということを十分に考えねばなりません。


「夢洲を会場にどうしてもする」のであれば、夢洲の優位性っていうのを環境影響およびSDGsの観点から合理的な説明をすべきだと思います。


 三つ目です。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「大阪市環境基本計画」と整合性がとれていません。

 大阪市は「SDGs未来都市」として、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」がG20のサミットのときに首脳宣言として出されて採択され、共通のグローバルビジョンとして、G20のみならず他国や、国際機関に呼びかけていく、そういった大阪を冠にしたプラごみゼロのビジョンを出しているわけです。

 加えて、「大阪市環境基本計画」のほうにも万博を機会と捉えてSDGsを進めていくとか、素晴らしいことがいっぱい書いてあるわけです。

「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」とか「大阪市環境基本計画」というのがせっかくある。
「大阪」が冠ついた、世界中にうたったプラごみゼロのビジョンが出ているにもかかわらず、今の計画は2019年のG20から数年しか経っていないのに、もはやその最低限の整合性すら取れていない内容の環境アセスメントで、大阪市として許していいのかっていうふうに思います。


 要するに、せっかく万博なんだから未来社会の実験場として、もう会期前から、調達からですね、脱プラ、脱炭素もそうですし、そういった、チャレンジがないとだめだと思います。

このままいくと「SDGs達成の手法」っていうのが、「Society 5.0」とか「ICT」だけになってしまう。

「万博のレガシー」が「カジノ」と「ビッグデータ・ICT」だけになってしまう。

それで本当にいいんですかという話です。


 あとは全体的にアセスの対象期間というのが、会期中だけとかあまりに限定的過ぎます。
期間も場所もあまりにも対象範囲が狭すぎる。

 東京オリンピックでも、木材調達が熱帯林乱伐されているっていうことで、今、アメリカの環境団体から通報されていますけれども、世界的に注目をされるっていうことをちゃんと考えて、工期中から、最初から最後までちゃんとやってほしいということです。


 せっかく大阪市の専門家委員になっていただいている先生にとっても、はっきり言ってアカデミックのこれからのスタンスとして恥ずかしいレベルの環境アセスメントになってしまってると私は思いますし、これでSDGsって言われたら、SDGsウォッシュとしか正直思われないようなものに、やっぱり先生方を巻き込んでいいのかっていう点からも、大阪市としてきっちり対応すべきだと思いますし、先生のほうからもやっぱり博覧会協会に対して言うべきことは言ってほしいです。

自分の専門分野だけではなくて、総合的に自分たちの関わるSDGsを達成するための環境アセスメントとして、これからの日本のアセスメントとして、SDGs万博としてどういうふうにすべきなのかっていう評価軸っていうのを、しっかりと大阪市としても求めていただきたいと思っています。

<ここまで>


■以下参考リンク先

▼2025年日本国際博覧会環境影響評価準備書に関する公聴会の開催及び公述申出書の受付について

▼大阪市環境影響評価専門委員会

▼博覧会協会

▼大阪・関西万博 基本計画書

▼準備書
・準備書の要約書

・準備書本体

posted by AMnet at 21:08| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月05日

枚方市の水道民営化。浄水場だけかと思いきや、ほぼすべての施設が一気に民営化される!

枚方市の水道で、「切り売りの民営化」が始まっている。

資料を読むほどに、あまりに乱暴であること、
民営化のメリットがあまりに見えないこと、
枚方市民にも全く知られていないため、急遽まとめることにした。


ざっと資料を呼んだ感想は…

@浄水場だけと思いきや、枚方市の「水道施設のほとんどすべて」を丸投げ!!

Aなんのための民営化なのか、メリットなしで、まったく不可解


B企業はほぼノーリスクで運営可能

C事業範囲が膨大すぎて、受けられる企業が限られる=企業同士の競争すらない

D民営化の「効果」すら明確でない


というか、そもそも水道職員を減らしすぎ。

→平成8年の 230 人から平成 18 年に 144 人
事務の効率化や民間委託を進め、平成 24 年4月1日時点で 111 人
1996年〜2012年の16年間で、職員半減!!

もしかして…
職員減らしすぎて、運営できないから「民営化」⁈

「公務員減らしすぎて、職員だけでは運営できない…」
という理由で、民間委託・民営化が、進んでいいのか?

ほんと、公務員削減を評価するの、やめましょうよ。

人件費は削減出来ても、委託費に会計上変わるだけ。
官製ワープアができるだけ。
市民の資産を失うだけ。

市民にとって、いったい何のメリットがあるだろう?

以降、枚方市の資料を使いながらざっと説明する。


▼「中宮浄水場更新事業及び浄水施設運転維持管理業務等委託」

契約締結が2021年度中。
事業期間は2046年3月まで、と25年の計画だ。

民営化の実施方針。
その他、資料関連



@枚方市の「水道施設のほとんどすべて」丸投げ
給水原価も安めな自己水が8割!という優秀さなのに、丸投げ??
枚方市の水道職員は一体何人残るのだろうか。

市のノウハウ喪失も心配。
(市にノウハウがないと、企業の言いなりに支払わざるを得ず、割高になる懸念)


▽事業名称は
「中宮浄水場更新事業及び浄水施設運転維持管理業務等委託」

ですが、事業の対象となる公共施設等の種類は
・中宮浄水場
・中宮浄水場高度浄水施設
・場外施設(29 施設)

※枚方市水道ビジョンでは「水道施設25施設」記載。

sekkei.jpg運転.png運転2.png

この一覧の施設すべてが、民営化される。
枚方市の水道関連施設は、一体何が残るのだろう…(本庁だけ?)


Aなんのための民営化なのか、まったく不可解
民営化の目的は
施設が古くなり限界だから、
「安定運営」と「さらなるコスト削減」のため、としか書かれていない。

民営化の大きなメリットとされるのは
「自治体にはお金がないからできないけど、民営化すれば、民間企業が資金調達する」
なのだが、資金調達するのは、枚方市!!!

そのメリットすらない。一体なんのメリットが??
(結局は水道料金で払うだけですが)

結局、
職員減らしすぎて、バンザイ(降参)した、という図式⁈


B企業はほぼノーリスクで運営可能
リスク分担表を見ると、
ざっくり、「事業者の責によるもの」以外は、枚方市の負担。

消費税の変更リスク、住民対応、追加コストの発生…
枚方市が費用を負担してくれる!

災害時も物価変動対応も、原則、枚方市持ち!

つまり、
普通の民間企業が企業負担しているものも、枚方市持ちです。


C受けられる企業が限られ、企業同士の競争すらない。

あまりにも事業範囲が広く、丸ごと民営化されており、これを実施できる企業はそうない。

そもそも、水道管は一つで地域独占が可能。
水道事業には企業間の競争がない。

運営期間中も競争がない。
25年後、他の会社が受託できるか?

つまり、数十年単位で独占できる可能性大。

現時点で入札状況は公開されていないようだが、一社入札だった模様。


D民営化の効果すら明確でない
どのくらいコストカットできるのかも見る限り試算すら公開されていない。
ただただ「民営化すれば効率化できる」「民間にできることは民間へ」だけ。

世界中で「民営化しても効率化されない」ことが、この2・30年で結果出ているにもかかわらず、
それだけが根拠とは、理解に苦しむ。

民営化には手法が多くあり、
枚方市の民営化の手法は、DBOであり、PFIの一種だ。

「PFIやコンセッションは民営化ではない」などという方もおられるが、
欧米などで使われている民営化の手法の多くはPFIだ。
逆に、完全民営化された水道は、世界中にほぼない。


逆に聞きたい。

「民間にできないことってなんですか?」

「民間に渡し、営利目的にしてはいけないものがあるだけではないですか?」と。



大阪市の水道事業全体の民営化が廃案となった。

が、その後、大阪市は管路耐震化事業の民営化を進めている。

今後、「切り売りの民営化」に大阪は舵を切るだろう、と思っていたが、まさにこれが「浄水場版」の事例ではないかと想像します。

もし、
職員減らしすぎて、運営できないから「民営化」なのであれば、

かっこ悪すぎです。


posted by AMnet at 12:26| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする