2013年07月18日

「日本のTPP交渉参加に関する意見」提出のご報告

「我が国のTPP交渉参加に関する御意見・御要望・情報等の収集について」
TPP対策本部に対し、以下の通り意見提出いたしました。

1、組織名
NPO法人 AMネット

2、提出意見@
(対象分野)市場アクセス(農業)
農産物の関税をゼロにすることで、カロリーベースで39%とただでさえ低い日本の食料自給率が、13%程度にまで低下すると見込まれている(農水省試算)。こうなると、主食である米ですら大半を輸入に頼ることになり、700万t以上の輸入増となる可能性が高い。米をはじめとする穀物の国際価格は、世界的に気候が不安定であることや、”新興国”と呼ばれる国々の旺盛な需要などを反映し、高止まりで推移している。こういった状況下で日本が大量の米を輸入すれば、さらに国際米価は高騰し、穀物の多くを輸入に依存している低所得国において、より一層の食料のひっ迫を引き起こしかねない。

また、世界の食料事情が厳しくなる中で、自国で消費する食料のほとんどを輸入に依存することは、日本の食料安全保障という観点からも、見通しが甘すぎると言わざるを得ない。

3、提出意見A
(対象分野)サービス(越境サービス)
資格の統一化が図られ、他国の医師資格や看護師資格が日本でも有効となれば、日本より賃金の低いTPP参加国から日本へと、医師や看護師の移動が促進されることが想定できる。そうなると、ただでさえ国内で医師や看護師が十分であると言えないマレーシアやベトナムから、医師や看護師がアメリカや日本を目指すようになり、医療を受ける権利の格差が拡大する恐れが強い。

4、提出意見B
(対象分野)サービス(金融)
金融制度には、日本の信用金庫・信用組合や共済など、その国の歴史的な経過を反映した制度がある。TPPではこういった相互扶助の側面が強い金融制度も、統一された金融制度の下に置かれなければならないと議論されていると見込まれる。そうなると、地域社会での資金循環を弱めたり、社会的弱者が相互扶助の制度に加入できなくなることが懸念される。

5、提出意見C
(対象分野)競争政策
競争政策の議論の中で、日本の中央社会保険医療協議会薬価専門部会などの存在が競争の妨げである、という議論が存在する。日本と同種の制度を持つオーストラリアなどは、こういった見解について否定的であると言われるが、製薬会社のロビーストなどの影響力が強いアメリカがこういった論陣の急先鋒である。薬価をある程度の統制価格から、完全な自由市場へと移行することにより薬価の上昇を招き、多くの薬利用者にとっては重い負担となることが懸念される。

6、提出意見D
(対象分野)政府調達
WTOで規定されている政府調達の市場開放について、TPPではさらに進めて、市町村にまで適用を広げることと、対象案件の単価を大幅に引き下げる、ということが議論されている。しかしながら、中小規模の自治体にとっては、恒常的に国際入札を行うことはほとんど無理である。そうした自治体に負荷をかけることは、ひいては税金で外部者に委託するしかなくなり、より多くの税金支出が必要になることと、地域の税金が地域外に流亡することが懸念される。

7、提出意見E
(対象分野)投資
外資による水源地への投資に対する法整備が十分でないと考える。
2011年11月11日参議院予算委員会において、佐藤ゆかり議員がTPPのISD条項について「現在日本国内でも外国資本による水源地帯の買収に対する防衛対策が課題となっている。この様な中で、水ビジネスで訴訟が発生した場合にどうなるのか?」という主旨の質問に対し、鹿野農水大臣は、「国内法で規制をかける」という答弁を行っている。
2012年4月の改正森林法により、土地取引90日以内に知事への届け出が必要となり、実態は把握できるようになったが、あくまで取引後の報告であり買収の歯止めにはならない。
各自治体の条例等はできつつあるものの、届け出制であり許可制ではない。TPP参加後の法整備は困難であり、15自治体が国にさらなる規制を求める意見書を提出したにも関わらず未対応のまま、TPPに参加するのは大きな懸念である。

8、提出意見F
(対象分野)知的財産
1.
TPP交渉の知的財産分野で著作権の保護期間延長について交渉されています。日本での保護期間は現在作家の死後50年(映画は70年)ですが、これをさらに20年延長する可能性があると言われています。このことでどのようなメリットがあると日本政府は考えているのでしょうか。20年延長されることで、すべての著作物に影響が及び、パブリックドメイン化が遅れることになります。「アーカイブなど古い作品の流通」「古い作品に基づく新たな創作」などに弊害をもたらし、創作意欲の委縮に繋がると思われます。現実には50年後にも経済価値を維持できる作品は全体のほんの2%であるという指摘もあります。延長によって本来パブリックドメインとして「青空文庫」などで著作権の切れた作品を
誰でも自由に楽しむことができなくまってしまいます。

9、提出意見G
(対象分野)知的財産
著作権侵害の非親告罪化も議論されているようですが、それが海賊版対策等どのような効果があると考えているのでしょうか。それよりもデメリットのほうが重大です。日本では、2007年に文化審議会・著作権分科会で「親告罪の範囲の見直し」が議論の対象となりましたが、「一律に非親告罪化してしまうことは適当でない」という判断のもと「慎重に検討することが適当である」という結論に至っていたました。日本弁護士連合会も2007年に著作権者などの権利者の告訴による著作権侵害の発見が効率的であり、また、権利者の意思に反してまで刑罰権を行使するのは適切ではないとして、非親告罪化に反対する意見書を出していました。また日本では本格的フェアユース規定がないためバランスが取れ
ないという現状もあります。それでも著作権侵害の非親告罪化が必要と考えるなら、その妥当性を示してください。

10、提出意見H
(対象分野)知的財産
診断、治療方法の特許対象化が議論されています。しかし、現行の日本の特許に関する法律では人体の存在を必須の要件とするもの、具体的には、人間を手術する方法、人間を治療する方法、人間を診断する方法に関する発明は、「産業上の利用可能性」がないとして、特許を受けることができません。医療方法に特許を認めると、緊急の患者が病院に運び込まれてきたときに、治療を行う医師が特許権者に許諾を得なければ命が助からないという状況が発生しうるのではないかと危惧されています。日本の法律を変えてまで特許の対象範囲を拡大する必要があるのでしょうか。

11、提出意見I
(対象分野)知的財産
臨床実験データの排他的独占権が議論されていると聞きます。日本には薬事法第14の4に再審査制度が規定され、新有効成分医薬品の場合で、8年間後発医薬品(ジェネリック医薬品)の申請が事実上できないようになっています。しかし、日本の「事実上のデータ保護」では不十分とされ、「排他的独占権」として、「独占権」があると判断されるならば、特許とは別の新しい独占権を創出する必要があります。この場合、データ保護に積極的な権利を付与することから、その権利内容、範囲などについて広範囲の権利が付与され、その結果さらに後発医薬品の承認が遅れることにならないのでしょうか。

12、提出意見J
(対象分野)全般
4月12日駐米日本大使発書簡において「TPP交渉と並行して、保険、透明性/貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定…(中略)、これらの成果が法的拘束力を有する協定、書簡での交換、新たな又は改正された法令その他相互に合意する手段を通じて、両国についてTPP協定が発効する時点で実施されることを確認します」
とあるが、「その他相互に合意する手段」とは何か。

また、4月24日のマランティス米通商代表代行発 上院下院議長宛書簡において
「日本との二国間協議においては、TPP交渉参加国が追及している高い水準で包括的な目標を追求することについての日本の用意に焦点を当てた。…(中略)日本はまた、全ての物品(農産物と工業製品の双方)を交渉の対象とすること…(中略)本年達成していくことを確認した。(中略)非関税措置に関する詳細な協議の結果、我々は2013年4月12日に、日本との合意及び日本による行動の強固なパッケージをまとめ、これを発表した」
と米国は発表している。

「聖域なき関税撤廃は参加の前提ではないことが明確になった」と安倍総理は言ったが、どちらが正しいのか。安倍総理の発言が正しいのであれば抗議すべきである。
「日本との合意及び日本による行動の強固なパッケージ」とあるが、これは米国の記載はない。「その他相互に合意する手段」といい、一方的に日本が飲まされるように見える。
日米並行協議においても対等な交渉が可能なのか、TPPに入れ込めないものを日米協議に入れ込まれる懸念がある。

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2013年07月10日

国際水協力年 水シンポジウム 及びセミナー 案内

国際水協力年
水シンポジウム 及びセミナー 案内
AMネット会員の皆様
今年は国際水協力年です。私たちNPO法人AMネット、NPO法人ソムニード、NPO法人水政策研究所は以下のシンポジウム及びセミナーを企画しています。
ぜひともご参加ください。

国際水協力年セミナー
第1回 「水道民営化で、私たちの水はどうなるの?」
  「水道民営化で、私たちの水はどうなるの?ボリビアで起こったこと、大阪で起こるかもしれないこと」

大阪市は2013年6月、水道事業の民営化という方針を正式決定しました。
従来、地方自治体が担ってきた水道が「ビジネス」になると、
いったいどんな良いこと/悪いことがあるんでしょうか?
既に水道事業が民営されたボリビアの事例を学び、
大阪市の、日本の水道の「これから」を考えます。

日 時 7月24日(水)19時から20時半
講 師 武田 かおり(AMネット)、中村寿夫(NPO法人水政策研究所理事)
会 場 エル大阪6階研修室
参加費 500円 (*7/21参議院選挙の「投票済証明書」を見せた方は無料)
参加申し込み このアドレスから→(http://somneed.org/support/participate/event/#seminar01
主 催 NPO法人ソムニード
共 催 NPO法人水政策研究所、NPO法人AMネット

第2回 「毎日使う洗剤と水処理 私たちにできること」 洗濯用、食器用、掃除用・・・私たちの暮らしのあらゆる場面に登場する、洗剤。
身近な洗剤を切り口にして
何気なく使っている「蛇口」の向こう側をのぞいてみます。

日 時 7月31日(水)19時から20時半
講 師 石中 英司(AMネット)、北川雅之(NPO法人水政策研究所理事)
会 場 エル大阪6階研修室
参加費 500円 (*7/21参議院選挙の「投票済証明書」を見せた方は無料)
参加申し込み このアドレスから→(http://somneed.org/support/participate/event/#seminar02
主 催 NPO法人ソムニード
共 催 NPO法人水政策研究所、NPO法人AMネット


国際水協力年水シンポジウム
       「地域コミュニティがつくる、水の未来」

日 時 2013年8月17日(土)午後2〜5時 
会 場 エル大阪
参加費 無料
参加申し込み このアドレスから→(http://somneed.org/support/participate/event/#sympo
主 催 NPO法人ソムニード
共 催 NPO法人水政策研究所、NPO法人AMネット

21世紀は水の世紀
地球温暖化に伴う気候変動と人口増加による圧迫により、既に世界中で深刻な水不足及び分配の不公正が起こっており、食糧生産にも大きな影響を及ぼしつつあります。

地域コミュニティレベルでの水資源の再生
この現状に対し、ソムニードは、「環境・経済・コミュニティのバランスがとれた社会」の実現をビジョンに掲げ、水源涵養地をめぐる周囲の自然環境(居住地、耕地も含む)を総合的に捉える視点から、インド・ネパールにおいて、地域住民による自然資源管理に取り組んできました。

具体的には、マイクロ・ウォーターシェッドと呼ばれる流域範囲において、住民が森林、水、土地を総合的に把握し、計画を作り、実践するサポートをしてきました。

「水問題」解決先進国・日本を目ざして
国連の国際水協力年である2013年にあたって、インドやネパールの事例をふりかえると共に日本の事例にも学び、
@地域コミュニティによる水資源マネジメントの意義と
Aそれを他地域および日本においてさらに展開していくための提言と具体的な方法
を広く発信します。そのことによって、足元の、そして世界の水問題解決に貢献します。

講演・パネルディスカッション登壇者
神田 浩史 氏 NPO法人泉京・垂井理事、西濃環境NPOネットワーク副会者
佐久間智子  NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)理事
和田 信明 認定NPO法人ソムニード代表理事
中田 豊一 認定NPO法人ソムニード代表理事/参加型開発研究所長
Mudunuru Ramaraju 認定NPO法人ソムニード インドプロジェクトオフィサ-
前川香子 認定NPO法人ソムニード 海外事業チーフ

助成 
 助成法人 トヨタ財団
後援
 日本水フォーラム
*************************************************************************************** 特定非営利活動法人 AMネット
〒532-0006 大阪市淀川区西三国2-12-43 自敬寺内
WEB:http://am-net.org/ 
BLOG:http://am-net.seesaa.net/
FB:https://www.facebook.com/amnetosaka
E-MAIL:amnetosaka@yahoo.co.jp 
TEL:080-3773-2894
※できるだけメールでの連絡をお願いいたします。
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2013年07月04日

7/27開催「農家とつながる食卓〜持続可能な社会への展望~」のご案内@大阪

7月27日、大阪・西中島南方のこじんまりカフェでおいしく食べて、まじめに考え、平賀緑さんと語り合うイベントを開催します!
要申込みです☆ ぜひご参加ください!


○●○ 3回シリーズ「農家とつながる食卓〜持続可能な社会への展望~」のご案内 ○●○


とれたての旬の野菜や純白な米で彩られた食卓は私達に健康と幸せをもたらしますが、
現実はそのようにうまくいっていません。

海外の食料に依存し、食品の安全に警鐘が鳴り自由貿易により国内・国外の農家の貧困化が進み、もしTPPに参加するとさらにどうなるか・・・

私達AMネットは、「農家と消費者のつながりが見えない」事に問題の本質があると考えています。

今回のシリーズでは、京都市の北部で田畑を耕している松平尚也さんの食材を用いた料理を中心に食べながら
「農家との繋がり」に注目し、講師に私達と農家を巡る社会についてお話を伺います。



その後、参加者、講師とスタッフで私達の社会について関心ある事を遠慮なく語り合いたいと思います。
ぜひお越しください。



まず一回目は、健康・社会・社会正義までつなげた食料政策を研究している平賀緑さんを招き、
「なぜ、いかにして農家とのつながりが見えなくなったのか」そのためどのような問題に農家や消費者が直面しているかについて一時間近く講演していただき、その後、参加者、平賀さんとスタッフで最後まで交流を深めたいと思います。


※2回目(9月下旬予定)はAMネット代表理事松平尚也の田畑に行って現場を見ます!
3回目(2014年1月10日)はカフェでAMネット理事神田浩史と「どのように農家と繋がった持続可能な社会を実現するか」を考えます。

■詳細はこちらから→ http://am-net.org/event/2013/20130727.pdf


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日時:7月27日(土)18:00~20:30(受付開始時間:17:40)

場所:リクレイミングカフェ(http://reclaimingcafe.com/
    (大阪市東淀川区東中島2丁目8-16 阪急西中島南方駅より徒歩7分)

参加費:3000円(食費およびワンドリンク費込) ※要申込み
    ※AMネット会員、学生は2500円
    ※食事準備の都合上、7月24日までに連絡いただきますようお願いいたします)

申し込み:NPO法人 AMネット E-MAIL:amnetosaka【あっと】yahoo.co.jpまで
※【あっと】を@に変えてください。


主催:特定非営利活動法人 AMネット
〒532-0006 大阪市淀川区西三国2-12-43 自敬寺内
WEB:http://am-net.org/ BLOG:http://am-net.seesaa.net/
FB:https://www.facebook.com/amnetosaka
E-MAIL:amnetosaka【あっと】yahoo.co.jp TEL:080-3773-2894
 ※できるだけメールでの連絡をお願いいたします。

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