2017年09月25日

【10/21 (土)開催!】ブランド米もあぶない!〜種子法廃止で私たちが失うもの〜

AMネットが参加する「ほんまにええの?TPPネットワーク」主催で「タネ」の現場のお話を伺います。
ぜひご参加ください!

【10/21 (土)開催!】ブランド米もあぶない!
〜種子法廃止で私たちが失うもの〜


【ブランド米があぶない!】
今、日本には300以上のブランド米があります。
地域ごとの気候風土にあわせて育成されたさまざまな「タネ」。
実は、ほとんどの新しいブランド米は、“県”の研究所で生まれ、守られています。

地酒を作る酒米「山田錦」などもその一つ。
地域の気候風土に合わせ、生まれた「タネ」は、地域のあらゆる特産物に
生まれかわり、地域の農業・産業と密接な関係を築いてきました。

その都道府県の研究資金の根拠が「種子法」。
公共財産として、大切に積み上げたノウハウも、守るすべも今、
危機にさらされています。



【タネを制する者は、世界を制す】

たかが「タネ」。されど「タネ」。「タネを制する者は、世界を制す」ともいわれます。
タネが消えると食べものが作れません。

“県”が、これまで果たしてきた役割、そしてこれから。
何が、どう変わっていくのか。現場からのお話を伺います。


■会 場:大阪社会福祉指導センター 研修室3
( 「谷町六丁目」C番出口徒歩5分/「谷町九丁目」A番出口徒歩7分)
http://www.osakafusyakyo.or.jp/test_dummy_newhp/accessmap.html


■参加費:500円
■日 時:2017年10月21日(土)14:00〜16:00 (開場13:30)予定


■ゲスト:山田倫章さん
(大阪府立農林水産総合研究所
食の安全研究部園芸グループ作物担当 主任研究員)

※準備都合上、できるだけ事前に申込をお願いします。
メールo-shoudanren【@】mb8.seikyou.ne.jp (※【】を削除してください)
又は FAX 06―6941―5699
まで、お名前をお知らせください。


■主催・問い合わせ先:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク
http://tpposaka.hatenablog.com/
https://www.facebook.com/tpposakanet/
posted by AMnet at 22:54| 関連イベント案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【11/12(日)開催!】『ジケイジ・カフェ』知ろう話そう生活を変える一歩シリーズ 第2回〜目からウロコのお金編〜

【11/12(日)開催!】『ジケイジ・カフェ』
知ろう話そう生活を変える一歩シリーズ 第2回
〜目からウロコのお金編〜

私たちの身の回りの、知ってるようで知らない大事なこと。
意外と多そうですよね?
生活に欠かせない『食』『お金』『医療』について、3回シリーズでプチ勉強会を開催します。話を聞いて、同じテーマに興味のある人と話し合ってみませんか?

▽第2回目は『お金』がテーマ。

当たり前のように使い、私たちの生活を左右しているお金。
無いと困ったり、大切な存在だけど・・・
あれ??そもそも、お金ってなんだろう?

お金のしくみが変わると、世の中変わっていくかも!?
そんな目からウロコのお金編です。


■日時 11/12(日) 14:00〜16:00(受付 13:30~)

※第3回は1月13日(土)〜医療ってこれからどうなるの?!編〜

■場所 自敬寺 【大阪市淀川区西三国2-12-43】
https://yahoo.jp/yRkyWP
最寄り駅: 阪急宝塚線 三国駅(徒歩10分)
または 御堂筋線 東三国駅(徒歩13分)

■参加費 一般 700円
    AMネット会員&学生 500円
☆美味しいお菓子&お茶付き

■第2回講師 武田かおりさん
(AMネット事務局長)

■ご予約は amnetosaka@yahoo.co.jp まで
・お名前
・参加人数
・終了後の懇親会(近くのお店の予定)に、参加されるかどうかをお知らせ下さい

※子連れ参加OKです
※当イベントページで参加ボタンを押して頂いた場合も、お手数ですが別途メールでご連絡お願いします。
※当日参加可能ですが、お菓子などの準備があるため、できるだけ事前に、メールでお申し込みお願いします。

■主催 NPO法人AMネット 
WEB: http://am-net.org/
posted by AMnet at 22:51| AMネット主催イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

国家戦略特区の規制改革は誰のもの?〜国家戦略特区がはらむ問題点〜

<AMネット会報LIM84号より転載>

国家戦略特区の規制改革は誰のもの
国家戦略特区がはらむ問題点

いしだ はじめ(AMネット)

総理大臣の思惑で決定できる制度上の欠陥
2014年よりはじまった国家戦略特区。
「内閣総理大臣主導の下、強力な実行体制を構築して、大胆な規制改革と税制措置等を行う、これまでとは次元の違う特区制度の創設」を検討するとして、2014年5月9日の第1回国家戦略特区ワーキンググループ(以降WG)がスタートしました。

このWGの座長は八田 達夫氏(大阪大学社会経済研究所招聘教授、アジア成長研究所所長)ですが、八田氏はWGから上げられてきた事案について諮問する「国家戦略特区諮問会議」の有識者議員を兼務しています。

この第1回のWGの中で有識者の原 英史氏が制度設計について次のように述べています。
「構造改革特区・総合特区制度のいずれも、基本的には、『地方公共団体が提案・申請→国が認める」という枠組み』であったために、『地方のイニシアティブ』を重んじるあまり、国が受け身になって」しまいうまくいかなかった」とし、今回は『総理主導』の特区制度の提案をしています。

「総理を長とする『特区諮問会議』を設置する(特区担当大臣、民間有識者メンバーなどで構成し、議題に応じて関係大臣が出席)」と提案。その原案となっているのは、第6回「産業競争力会議」で有識者議員でもある竹中平蔵氏が示した「アベノミクス戦略特区」のイメージです。

特区1.png


諮問会議で優先課題を提示
内閣府のサイトでは国家戦略特区は自治体や民間事業者からの提案をもとに、あくまでも自治体、民間事業者、国の三者が対等の立場で規制改革メニューについて協議し、区域会議、諮問会議を経て規制改革メニューに追加するプロセスを謳っています。

しかし、制度の根底にあるのは総理を長とする民間有識者議員で構成される「特区諮問会議」主導の下に規制改革メニューの骨格が規定され、その規定に沿った提案の多くが事業化されていると言えます。なぜか。それはWGの第2回会議で示された規制改革事例に現れています。


「集中ヒアリング」で取り上げる具体的な規制改革事項(案)が挙げられており、「外国人医師の国内医療解禁」、「有期労働契約期間(5年)の延長」「公設民営学校の解禁」、「農地流動化のための農業委員会の関与廃止」、「保険外併用療養の範囲拡大(評価実施体制の柔軟化等)」など、現在までに実施された規制改革の骨格ともいえる項目が組込まれているからです。

諮問会議では何度となく民間議員より優先的に取り組む課題が提示され、その意図に沿ってWGや区域会議が進められてきました。

自治体、民間事業者からの提案→各省庁を交えた区域会議で規制の解除を検討→諮問会議で事業決定のような構造にはなっていますが、WGや諮問会議で優先課題を提示→自治体、民間事業者がそれに沿った提案を行い、区域会議を経て諮問会議で決定する、という構造になっており、WGの有識者や諮問会議の民間議員と総理大臣の思惑で規制改革が進められているのが実態と言えます。 

特区2.png

外国人人材活用は誰のための制度か
「外国人材の活用」は規制改革の柱の一つです。上の表は、内閣府が2017年5月に出した、規制改革事項等の活用状況のうち、外国人活用に関する事項を抜粋したものです。規制改革事項として次の3つが挙げられています。

・外国人家事支援人材の活用
・創業人材等の多様な外国人の受入れ促進
・クールジャパン外国人材の受入れ促進
しかし「クールジャパン外国人材の受入れ促進」は、提案自治体や事業者が存在しません。

「規制改革は行ったが活用する事業体が無い」外国人人材に関する規制改革に限りませんが、特にこの分野では民間議員による利益相反の疑いがあります。

特区3.png

諮問会議の有識者議員の一人である竹中平蔵氏は様々な民間企業の肩書を持っています。よく知られているのは「パソナグループ取締役会長」ですが、それ以外にも「オリックス社外取締役」、「森ビルアカデミーヒルズ理事長」、「一般社団法人外国人雇用協議会顧問」をはじめ10以上を数えます。

外国人家事支援事業については、神奈川県をはじめ、東京都、大阪府、兵庫県が指定を受け3都府県で適合事業者が決まり、スタートしています。認定されたのは下記事業者で、株式会社パソナも含まれています。
・株式会社ダスキン
・株式会社パソナ
・株式会社ポピンズ
・株式会社ベアーズ
・株式会社ニチイ学館
・株式会社ピナイ・インターナショナル

外国人雇用協議会の政策提言のポイント
これ自体非常に疑わしいことですが、ことは家事支援人材に留まりません。
竹中氏が顧問を務める一般社団法人外国人雇用協議会(http://jaefn.or.jp/)は、「政府の政策・制度の改善を実現」を設立趣旨に掲げています。その政策提言のポイントは右の図2の通り。

提言概要の1番目にクールジャパンが提示され
「『クールジャパン』分野では、日本の優れた文化・技術・技能を働きながら身につけたい外国人が存在する一方で、さまざまな領域で在留資格により就労が阻まれている。」とあります。

中でも「『新・高度人材』の受入れ」の項目では「『クールジャパン』をさらに高めていくには、エンジニア、サイエンス、デザイン等、分野を問わず、文化・技術・技能を進化させていくクリエイティブな人材が不可欠であり、世界から予備軍を集めて切磋琢磨する環境を作ることが必要と、唱えています。

「海外の制度も参考にしつつ、現行の高度専門職の在留資格の拡大等により、企業等に所属しないフリーランスの高度人材(「新・高度人材」)についても、受入れを拡大すべき。」としています。

「「外国人雇用相談センター」(仮称)の設置」では、「国家戦略特区の枠組みを活用し、入管局とは別途、国・自治体・民間が一体となった相談窓口を整備し、企業や外国人が相談できるようにすることを提案する。」とあり、現実に「創業人材の受入れに係る出入国管理及び難民認定法の特例」として新潟市、愛知県、広島県、今治市で実現されています。

この団体の会員企業には、株式会社AOKIホールディングス、株式会社アルク、株式会社ニトリホールディングス、株式会社三越伊勢丹ホールディングスなど名立たる企業が名前を連ねています。

国家戦略特区における外国人人材の分野は、まさに外国人雇用協議会の提言に沿ったものであり、この団体の会員企業への利益誘導に繋がっていくことは十分に考えられます。■

posted by AMnet at 18:00| 国家戦略特区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月11日

北海道通信〜この先の『食と農と環境』の取り組みへ〜vol.9【日欧EPAチーズ編】

<AMネット会報LIM84号より転載>

北海道通信〜この先の『食と農と環境』の取り組みへ〜vol.9
【日欧EPAチーズ編】

白川 博

北海道の白川 博です。今号では、日欧EPA交渉における北海道農業に大きな影響を与えることなどが懸念される乳製品、特にチーズに焦点をあてお伝えします。

○ 日欧EPA交渉「大枠合意」によるチーズ等への影響

欧州からのチーズや豚肉など、輸入農畜産物への関税は大幅に引き下げ、一部は完全撤廃となりました。日欧EPAの「大枠合意」発表以降、国内農畜産物の98%の品目にも上る関税撤廃との見方が強まっています。

そのような状況の中、北海道農業に大きな影響を与えるとされるのがチーズを中心とした乳製品関連で、とりわけ最大の焦点とされたのはカマンベールなどの「ソフト系チーズ」です。シュレッドチーズ・ブルーチーズ以外の「ソフト系チーズ」は29.8%の関税を課し、TPPでも関税が維持されていました。

しかし今回の大枠合意で、低関税枠を設け、段階的に関税を引き下げ、16年目に初年度の2万dから3万1千dまで増量した枠内の関税を撤廃することで合意。TPPを大きく上回る譲歩は、北海道の酪農・畜産関係者に対して、極めて大きな衝撃と強い不安を与える内容となりました。

○ 北海道のチーズ振興と都府県への影響
現在、北海道内には大手乳業や中小のチーズ工房を含め140の施設が点在しており、食や観光産業に対する魅力発信の一翼を担っています。

国産チーズの98%が、北海道産の生乳由来です。
道府県は生乳を単価の高い「飲用乳」中心とし、北海道産の生乳の8割は「飲用乳」ではなく、生クリームやチーズ・バターなどの「加工品向け」に製造することで、国内生産を安定化させ、都府県との「需給安定」のバランスを保ってきました。

しかし、日欧EPAの輸入緩和と価格低下で欧州の乳製品が入ってくれば、北海道産の生乳は「加工品向け」ではなく、現況でも不足しがちな「飲用乳」への転換を余儀なくされます。これまで、北海道以外の酪農家(生乳生産量で約4割を占める)との間で維持されてきた『需給調整機能』が失われるでしょう。

結果、「需給安定」のバランスが崩れ、北海道のみならず、日本酪農総体にも大きな影響を与える問題となります。
都府県の中小規模の乳業メーカーでは、国内競争が激化することで運営が成り立たず、廃業を余儀なくされる可能性なども示唆されています。

北海道産チーズの主流は、カマンベールやモッツァレラチーズに代表される「ソフト系チーズ」です。

 一方、日本人の嗜好性を徹底的に分析し、将来有望な「市場」が見込めるとして、EU諸国が豚肉の「テーブルミート」と並び、虎視眈々と市場開放を求めているのも「ソフト系チーズ」です。

 大幅な輸入増加が見込まれる欧州産の高品質かつ多種多様で安価なチーズと、やっと市場価値が上がってきたばかりの国産チーズ。「すみ分け」対策ができなければ、事実上、価格競争に太刀打ち不可能とされ、それだけ、欧州産のチーズを含む乳製品は脅威と言えます。

○ 欧州の市場開放への対策
欧州には農家所得を支える「直接支払い政策」があり、自国の農業を守り抜く制度・政策にも、欧州と日本では大きな違いがあります。

農家所得に占める自国の補助金割合を「農業支援度」と呼称します。農家の所得のうち補助金が占める割合は、日本が4割弱であるのに対して、フランスは9割以上、ドイツも7割です。つまり、国内の農畜産物が下がっても「所得補償」により経営維持が可能です。

この様な「農家の所得を国策で賄う」国内政策は、農業先進国では常識とされるものです。そうした「裏づけ」があって、欧州では強い価格競争力を維持できているのです。さらに、欧州の生乳価格は、世界で最も競争力があるNZと同水準と言われていることも交渉の強みであります。

一方、仮に国産チーズ並びに乳製品が、欧州並みの政策(補助金等)であればどうでしょうか?生乳品質では「世界最高峰」の厳しい基準をクリア、国産生乳と卓越した技術者の相互シンクロによって、欧州チーズに何ら遜色ない乳製品を生産できることは現段階でも実証されています。

しかしながら、未だ「生産基盤」が盤石でない国内生産量と価格政策の上に、圧倒的な生産量と品数・価格で輸出を目論む欧州とはその差が歴然としています。

○ 今後の「日欧EPA交渉」対策について
 日欧EPAにおける「国内対策」を注視すると同時に、政府が日欧EPA「大枠合意」に至った分野の影響試算の公表が先決です。また、あらゆる貿易自由化攻勢に対し、生産現場への信頼を欠いたままのさらなる市場開放は、わが国の基礎食糧生産の放棄だと、粘り強く訴えてまいります。■
posted by AMnet at 23:47| 北海道通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする