2018年12月27日

メガFTAの波に飲み込まれる日本【交渉スケジュールあり】

AMネット会報LIM89号(2018年12月発行)より

メガFTAの波に飲み込まれる日本

報告:いしだはじめ(AMネット)

TPP11に続き、発効を控える日欧EPA

2018年1230日、いよいよTPP11(包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定)が発効します。TPPでは、物品の関税の削減に加え、サービス、人的交流、政策や規制、投資なども大幅な自由化が行われます。現在国会で審議されている外国人労働者の受け入れ緩和などもこの流れの一環です。農産物では食肉の輸入の大幅増や乳製品需要が輸入に傾くことで、畜産農家が大きく打撃を受けることが予測されています。


 もう一つのメガFTAの日欧EPA(日本・欧州連合経済連携協定)は、11月に衆議院本会議で可決。201921日発効を目指しています。


日欧EPAでは、EU産のワイン、牛肉、水産品の関税が即時撤廃されます。また、チーズやパスタ、チョコレートなども将来には関税が撤廃されるなど、農業国の多いEUは食品や農産物の輸出拡大に期待しています。関税以外でも、地理的表示(GI)や医療機器の規制、繊維製品のラベル表示で国際規格を適用するなど、いわゆる非関税障壁が大幅に撤廃されています。この他にも衛生植物検疫措置の簡素化、郵便・宅配サービスや通信サービスの公平性、ビジネスを目的とした人の移動の緩和、公共調達の開放、知的財産権の強化などが含まれています。

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日米TAGRCEPからFTAAP

 20191月からは実質的な日米FTAである日米物品貿易協定(日米TAG)交渉が始まります。TPPを上回る市場開放を求める、米国のさまざまな業界団体がこの交渉にプレッシャーをかけており、日本が大幅な譲歩をするのではと見られています。


 また、日本、中国を含むASEAN16カ国が参加するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)も、広域的な経済連携を実現のための構想で、人口規模で大きな経済圏と目されています。RCEP2018年中の妥結を目指し、早いスピードで交渉が重ねられましたが、関税で譲らないインドの抵抗で決裂。しかし、2019年中の妥結を目指しています。


 これらのメガFTAの先には、TPPRCEPの双方を包括するもっと広範囲な自由貿易圏を目指す、

FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)があります。APEC加盟国間に自由貿易圏を形成するというもので、2006年のAPEC首脳会議以降、何度も議題として取り上げられ、2014年に北京で開催されたAPEC首脳会議で「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けたAPECの貢献のための北京ロードマップ」が採択・承認されました。


 現在進められているメガFTAの最終的なかたちとされており、日本の一次産業や工業品メーカーは、メガFTAに飲み込まれるのではないかと危惧されます。■
posted by AMnet at 16:53| TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする