<1/29公述概要>
1,「リスク分担」が明確でない。
カジノ実施方針・募集要項のリスク分担(※末尾参考参照)では「詳細は、実施協定で示す」とあるだけで、区域整備計画にリスク分担が書かれていない。災害時など被害が出た際に、「大阪市の責任」とどこまで補償を求められるかも不明である。このような将来リスクが不明のまま、議決すべきではない。
実施協定は契約であり、リスク分担が確定したのち、リスクを議会で議論してから議決すべき。
2,「契約解除」の記載もない。
実質的に、IR事業者はいつでも撤退可能。
今予算で790億円予算措置したとしても、開業前の撤退も可能である。
一方、大阪府市は撤退させれば、損害賠償請求リスクがある、不平等な内容。
契約解除の記載がないということは、そのリスクも試算できていないということだ。
3,「IR事業用地の適正確保」によるリスク
土地所有者としてのIR事業用地の適正確保(土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去)について、引渡し前に限るのか、将来に渡るのかすら明確でない。文脈としては将来に渡ると読める。また松井市長も「市の責任」と言いきり、市会で議決されば、大阪市の対応を期待してIR事業者は投資することとなる。となると、適正確保を大阪市が実施しないとなれば、ISDSの訴訟リスクにも直結する。
逆に大阪市がIR事業用地の適正確保を負担したとなれば、新たに、それ以前の土地売買等の契約者との不平等も起こり、訴訟となる可能性が起こる。つまりいずれにせよ、将来世代に訴訟のタネを残すこととなる。
4,「投資家の期待」を裏切った場合のリスク 〜ISDS条項〜
TPP等の投資協定による投資家対国家の紛争解決手続き、ISDSによるリスクを考慮されていない。
将来、カジノを止めると公約にあげての知事・市長が誕生したとしても、ISDSによって、多額の賠償請求が発生する可能性が高く、将来世代の選択を奪いかねない。
途中解約だけでなく、災害時の被害について、大阪市負担で改修する予算が通らないなどとなれば、ISDSの対象になりえるのではないか。
5,大阪IRは実質65年契約
大阪IRは35年と非常に長く、さらに「事業の継続を前提として」30年間の延長を協議されるため、実質的に65年ものライセンスを認めている。
マカオの更新も20年から10年に変わるにも関わらず、なぜこれほど長いのか。
ほとんどの大阪市民は、松井市長の言った「lRには1円も使わない」という発言から、これほど費用が高騰していることも知らない。
夢洲にかかる財政リスクも、IR計画の縮小も知らない。
市民にこれらを周知し、住民投票で市民の意思を測るべきだ。
また4/28の国への申請期限ありきで進めていると懸念している。延期すべきだ。
<ここまで>