2009年11月09日

代書屋


「代書屋」というのは今でいう司法書士のこと。
上方落語の逸品で、今の桂春団次師匠や故・桂枝雀師匠の十八番。
枝雀師匠の生誕70周年。
けど、そのチケットは早々に売り切れで手に入らず。


折りしも、春団次門下三番弟子の桂春之輔師匠が初めて「代書屋」を掛けるというので、天満天神繁昌亭夜席に初見参。
開演10分前にたどり着くも、何とか二階の座席にありつきました。


まずは春之輔門下二番弟子の咲之輔が「東の旅・発端」。
上方落語の初歩中の初歩のネタ。
けど、緊張感ありありで、活舌とテンポだけ頑張っている様は、結構きつい。
記憶が飛びかかった頃に、折りよく終演。


次いで一番弟子の壱之輔の「禁酒関所」。
まくらで咲之輔をいらいまくって、場をつかんでから噺へと。
間の良さ、声量の良さで、緩んだ寄席をキューっと引き締め、客を引き寄せます。
入門2年目の咲之輔に対して、13年目の壱之輔。
伊達に年季は喰ってません。


続いて、昼席で襲名披露興行を続けている三代目春蝶が登場。
父親は故・枝雀とともに上方落語の将来を担うと期待されていたタイガース狂の故・二代目春蝶。
親の七光りねたを長めのまくらに。
演じたのは「七段目」。
所作が難しい芝居噺。
故・桂吉朝直伝といういうには、まだまだながら、無難にまとめ上げ、襲名は噺家を大きくする?なんて、変に納得。


中入り前は漫才の横山たかし・ひろし師匠。
大看板の師匠ながら、いつも変わらぬホラ吹き漫才。
年配女性に大うけし、場内、爆笑の渦。
ちょっとたかし師匠の活舌が気になるも、前半ホラ吹きまくって、後半落としまくる、おなじみのパターン。


中入り後、笑福亭鶴笑の紙切り。
去年の6月、大阪・中之島公会堂でエコ落語をお願いして以来の再会。
その時も感じたけど、この人の場仕切りは天才。
場内を一瞬で鶴笑ワールドに染めてしまいます。
紙切りだけでみんなが大爆笑。
世界を股にかけて活躍されてるだけあります。


そして、いよいよ大トリの春之輔師匠。
まくら無しにいきなり「代書屋」。
今や上方落語の大看板の一人ながら、自分の師匠の十八番を演じる緊張感が伝わってきます。
丹念に春団次師匠の「代書屋」をなぞっていき、そのまま下げに。
春之輔師匠、上方落語の噺家さんでも一、二を争う男前。
けど、キャラは三枚目。
春団次師匠の華麗さをなぞるよりも、故・枝雀師匠ほどとは言わないまでも、もうちょっと独自の崩しが入った方が良かったのでは。
今後の展開に期待です。

(神田浩史)


posted by AMnet at 10:38| スタッフのつぶやき(神田) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする