2009年12月23日

日本の子どもの貧困のこと(1)


2年ほど前から「日本の子どもの貧困」に関心を持っています。


先日、「子どもの貧困 in Japan」という学習会(11/14)を担当させていただいたのですが、思ったより多くの方々に関心を持っていただき、びっくりするやらうれしいやら。未熟者の担当者がメインを務める学習会にご参加いただいた皆さま、この場を借りて感謝しますexclamation


「貧困」とは何だろう?お金がないと物が買えないだけでなく、実は社会的に排除されたり孤立してしまうこと、特に子どもの場合には成長過程でいろんな機会が奪われて、人生全体に影響するほどの不利を背負ってしまうこと、だから大人になってもなかなか貧困から抜け出せず、その子どもも同じ環境に置かれてしまうこと、などを話し合いました。改めて「貧困」がなぜ問題なのかを考える機会になったかなと思います。


日本で、「子どもの貧困率」が先進国の中でアメリカに次いで高い状態であることは、最近ようやく知られるようになりました。母子家庭の貧困率が60%を超えることも、ようやくメディアで紹介されるようになってきました。でも、所得の再分配後(税金やら福祉の手当てやらで収入が調整された後)に、貧困率が下がるどころか上がってしまう(exclamation×2)特異な国であることは、参加者の方々も一番驚かれた現実だったようです。日本の福祉政策は、貧困を拡大してしまう状態にあるのです。ようやく「子ども手当」も決着し、少しは子どもの貧困が是正されるのではないかグッド(上向き矢印)と期待しています。


また、貧困は親たちの心の余裕を奪ってしまいます。日々の生活のために働くことに忙しすぎる親たちは、十分に子どもをケアする余裕がなくなってしまうのです。「貧しいけれど楽しい我が家」と言いますが、現実はそんなに甘くはない。。


日本の子どもの貧困は、私たち日本の大人に責任があると思います。もちろん多くの大人たち特に若者の貧困は、日本社会にとって重大な問題ですが、それがさらに次の世代にも受け継がれ始めていることは、よくよく考えなければならないと実感しています。世界中の貧しい子どもたちに手を差し伸べているNGOは、世界中に多くあります。では、だれが日本の貧しい子どもに目を向けてくれる? 私たち日本人は安穏と見ていていいの? と考え始めたのが、この問題を調べ始めるきっかけでした。


どうして子どもがこんなに深刻な状態になったのか、どうすれば次の世代に悪い連鎖を残さずにすむのか、実はすぐ身近にある問題を、見て知って考えることから道が開けるのではないかと思っています。


次回は、「貧困」の概念をちょっと広げて、孤立する親を支援する活動の話を書きます。


(渡里)

posted by AMnet at 17:44| スタッフのつぶやき(渡里) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする