2010年01月21日

「こどもの里」


前回、孤立する親支援の話を書きます、と書いたんですが、その前に。


先日、釜ヶ崎にある「こどもの里」という所を訪問する機会がありました。ここは、児童館と学童保育を兼ね合わせたような子どもの居場所で、家庭養護寮として子どもの生活の場にもなっていて里親も引き受けているそうです。でも実は、子どもだけじゃなく、親も、必要がある人は誰でも受け入れてくれる場所です。


日本最大規模のドヤ街と言われる釜ヶ崎の中にあって、駅から歩く途中も労働者風の方が大勢おられて一種独特の雰囲気がありました。なんとなく場違いのような感じがして。「こどもの里」の入口を入ると、亡くなった子どもたちの写真が何気なく飾られていて、それもちょっとした衝撃でした。ここは、外国籍の人や施設で育った人、10代の若い夫婦やひとり親家庭も多く、その中で、精神疾患を抱えてしまう親御さんも多いそうです。


虐待や暴力などで親から相談を受けることも多く、子どもの支援というだけでなく、親も含めてどんな状況でも全部ひっくるめて支援していくという姿勢が、びんびんと伝わってきました。支援などという言葉は適当じゃないかもしれません。全部ひっくるめて関わっていく、一緒に問題に向き合っていく、という感じ。設立当初から30年、ずっと問題に向き合ってこられた館長さんは、本当にすごい人です。スタッフの人たちも、明るく礼儀正しくて、子どもはここでホッとできるんだろうなーと感じます。


考えてみれば、私の家から1時間ぐらいで行けちゃう場所なんですよね。なのに、初めて釜ヶ崎という現実に触れた気がしました。私に何ができるんだろう、、、と考えつつ、今このブログを書いています。


でも、「わが町にしなり子育てネット」なんていう地域ぐるみで助け合って子育てしようという取り組みができていたり、地区のさまざまな個々のケースを、子どもと直接関わる実務者たちで話し合う場があったり、地域での仲間のつながりを作って助け合っていこうという取り組みがあることも、教えていただきました。地域住民の一人一人のつながりが、結局は日本全体、世界全体へ拡がっていく大切な源になるのかなー、などと改めて思うきっかけとなりました。


次回こそ、虐待を軽度の段階で予防するための、孤立する親支援の仕組みについて、書きますね。


(渡里)

posted by AMnet at 12:50| スタッフのつぶやき(渡里) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする