2010年07月13日

【報告】「オーガニックベジのいいはなし」第2弾


 さる6月28日、AMネット主催のディナー&トークライブ「オーガニック・ベジのいいはなし第2弾!」を大阪市北区にあるコモンカフェで開催しました。

 今回の話し手は、関西学院大学の人間福祉学部准教授で、料理好きでアジアのいろんな国の料理に詳しい川村暁雄さんです。

 料理のほうは、コモンカフェの木曜ランチ「ネリKitchen」担当の豊村恵子さんにお願いしました。
 当日は、豊村さんのマクロビオティックの料理をいただき、それから「世界をつなぐ食の輪」をテーマに、一つの料理、一つの食材を通して見えてくる世界の中の様々なつながりについて、川村さんの話をお聞きしました。

ほぼ満席となったオーガニックベジ第2弾.jpg


 まずは、沖縄料理のラフテー(豚の角煮?)から話が始まりました。ラフテーによく使われる昆布は、北海道産のものだそうです。一地方の一つの料理にも、実は地域を越えたつながりがあることが話され、さらにその北海道の良質な昆布は、中国などにも輸出されていたこと、沖縄が東南アジア諸国との交易の中心であったことなど、歴史的なことも含めて一つの料理を中心に話は広がっていきました。

 そして、次に川村さんが選んだ食材は、当日現物を持ってこられた“ツナ缶”、つまり、マグロの缶詰です。日本で流通しているツナ缶の多くは、タイ産のものだそうです。

ツナ缶.jpg


 そして、そのタイの缶詰工場で働く人の多くは、タイの人ではなく、ビルマ(ミャンマー)の人だということでした。タイ人よりも安い賃金で雇われているビルマの労働者たち、実はその多くはビルマ本国から逃げてきた難民だそうです。

 軍事独裁政権下にあるビルマから逃れて隣国タイへ渡ってきた難民は、条件の悪い労働環境におかれることが少なくありません。そんな人たちが生産に携わったツナ缶が、安い値段で日本に輸入されてきます。

 しかも皮肉なことに、そうした難民を生んだビルマに対して日本は経済援助を行い、さらに進出企業も開発事業の名の下に、いずれもそうした難民を生み出し続ける独裁政権に、資金を流入することに一役買っている面がある、ということを川村さんは話されました。

 本当に皮肉なことであり、残念なことだと思います。しかもそうした実情をほとんどの人は知らず、知らされず、目の前のツナ缶だけを喜んで受け入れている、それが今の日本の消費社会の現実です。そして、自分もそうした消費者の1人です…。

 普段、私たちが何気なく食べている料理やその食材、それがどこから来たものなのか、どうやって生産されたものか、そしてそれに携わっている人たち、1つの料理にもいろんなつながりがあるということを、知るきっかけを作ってもらったような気がします。

 オーガニック・ベジ第2弾は、第1回目に続き、ほぼ満席!

 好評につき、第3弾ということになれば、また食をめぐる新しい“つながり” が見えてくるかも知れません!☆

若間





posted by AMnet at 02:23| スタッフのつぶやき(若間) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする