9月25日に開催した、AMネット主催の連続学習会:カフェで読み解く世界の仕組み「お役所仕事って言われるけれど…〜役所から見える社会」の報告です。
今回の話し手は、AMネットの監事の佐野雅哉さんです。
佐野さんは、大阪市の職員で、役所の仕事を通じて見えてきた社会の矛盾や大阪市の生活保護に関する実態などについて話をされました。
昨今の景気の悪化などで大阪では生活保護の申請をする人が増えているそうです。
しかし、本当に生活保護の必要な人がいる半面、貧困ビジネスと呼ばれるような詐欺的な手口で生活保護に群がる人たちもいるそうです。
また、生活保護よりも就職口や、一時的な支援で立ち直れるケースも少なくないとのことでした。
しかし、実際にはケースワーカーも不足していてなかなかそれぞれの人に合った有効な手が打てないことが多いそうです。
こうしたことから、生活保護については、本当に必要な人はともかく、ポーターラインにある人、働ける人には、保護よりも就労支援や自立支援が必要で、制度の見直しも含めて抜本的な改革が必要だと言います。
また、生活保護が増えている背景として、行き過ぎた自由化や規制緩和の問題があり、非正規雇用など不安定な労働形態が増え、企業にしても厳しい競争に晒されて低賃金で、都合の良い時だけ雇うというような、昔はなかったことが増えていると指摘されていました。
それは役所にしても同様で、職員の削減や非正規雇用者が増加しているそうです。
今回、いろいろと市の取り組みや仕事の内容を聞いて、
世間で思われているほど役所の仕事は楽ではないということも知りました。
(若間)