1月29日、AMネット主催の連続学習会「カフェで学ぼう世界のしくみ」の第6回「地方の暮らしから見える世界の困った現実」を開催しました。
今年の冬は各地に大雪をもたらし、雪下ろしの作業中の事故などで大勢の方が亡くなっています。
地方、特に過疎化の進む地域には限界集落と呼ばれるコミュニティーの維持、存続が危ぶまれている集落が多く点在しており、ただでさえ日常の生活に不安を覚えることが少なくない中、今年の大雪は更にその生活を脅かすものとなっています。
一方、世界を見渡せば、今年1月にFAO(国連食糧農業機関)が、世界的に様々な食料の価格高騰が続いていることから、2008年の食料危機の再来を懸念して、今日の食料価格の高騰に警戒感を示す発表を行っています。
食料自給率40%、つまり、半分以上の食を海外に依存している日本ですが、国内の食を支えている農業も就農者の大幅な減少と高齢化、耕作放棄地の増大など問題山積という深刻な状況となっているのが現実です。
この日の学習会ではそうした食の生産基地とも言える農山村の現状を「過疎」や「限界集落」というキーワードとともに考えました。
作年の学習会「食と農をめぐる“つながり”」のときに話したことですが、例えば大阪府の食料自給率はたったの2%、東京都に至っては1%という状況です。
こうした中、過疎化や限界集落ともリンクしている農業や林業の問題、さらにはそれらの持つ多面的機能としての国土保全や環境、水源などの問題を考えるときに、地方で広がっている過疎や限界集落の問題は、都市に暮らす人とも決して無縁ではない、そういった“つながり”というものをもう一度社会全体で再認識することが重要だと思います。
経済のグローバル化や行き過ぎた自由化の動きが、こうした農業や林業、そして地方の暮らしに影響を与えていることは確実ですが、ではどうすれば良いのか、と問われると、この日もなかなか答えの出せないままとなってしまいました。けれども、まずは現実を知ること、つながりを再認識していくことが大事だと思います。この日の学習会がそのきっかけになれば幸いです。
2月26日には、また事務局メンバーがスピーカーになって、子どもの貧困に関するお話をいたします。是非多くの方にご参加いただければと思います。
(AMネット事務局・若間)