2012年03月17日

【世界水フォーラム@フランス】マルセイユ現地報告vol.3(2012.3.16)

2012年3月16日(金)

マルセイユの空は朝から曇り模様で、気温もあまり上がらず肌寒く感じました。
ですが、「オルタナティヴ水フォーラム」(FAME)で大きな収穫を得た一日でした。

世界中の市民団体や労働組合、草の根運動家や研究者が集まる「オルタナティヴ水フォーラム」(FAME)は、世界水評議会が主催する第6回世界水フォーラム(WWF)への具体的な代替手段を作成することを目的に開催されています。

水の保全と市民による水の管理のための運動は、オルタナティヴ水フォーラムや世界社会社会フォーラムなどのプラットフォームやキャンペーンを形成してきました。これらは、共有資源である水を再分配するために人々が連帯しようというものです。

水と衛生設備への人権を実現し、商業主義的な「民営化」ではない解決策を話し合う場であるFAMEは、次のような手段でそれらを追求する、と宣言しています。

・エコロジーや民主的な価値に基づいた水管理の代替ビジョン作成を推進すること
・世界的な水危機の解決策を見つけるために研究を続けること
・水の運動を持続可能なものにすること


昨日お伝えした通り、世界水フォーラムは企業主導で民間資本の注入によって水問題を解決しようというものであり、水資源や大気、土地、鉱物、動植物などにあらゆる自然を商品化しようとする「グリーン・エコノミー」を推進するものだとして批判されています。

FAMEが提案する代替策の中心となるのが「水と衛生設備への人権」と「公公連携」です。

「水と衛生設備への人権」については、多くのセッションで2010年7月と9月に国連総会および人権理事会で採択された決議案への言及がありました。こうしたオルタナティヴ水フォーラムに参加する人々が長い間運動を続けてきたことの結果である、として祝福されています。

もう一つの「公公連携」については、午後から二つのセッションが開催され、会場が満員になるほどの盛況ぶりでした。「公公連携」とは、公営企業同士が技術やノウハウ、資金、人材などを支援しあうという考え方のことで、国内での連携や、国境を越えた連携、開発援助の側面を持つ連携(南北協力)があります。

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<公公連携に関するセッション>


アメリカのNGO「Food and Water Watch」などが主催するセッションでは、世界人口の88%が公営企業による水供給や下水サービスを受けており、そうした公営企業を支援することがより良いサービスにつながることが強調されていました。ウルグアイとペルー、ワシントン(アメリカ)とクラビ(タイ)など、世界中で公公連携が広がっているとのことです。

「Food and Water Watch」が最近発表したリポート「公公連携:公営水道事業体の能力を活用するオルタナティヴ・モデル」では、公公連携が水道事業だけでなく、電力や建設など他の公共セクターにも活用できることが示されています。
http://www.foodandwaterwatch.org/reports/public-public-partnerships/

「気候変動の文脈における水と土地:公正な解決策に向けて」と題されたセッションでは、今年6月に迫った地球サミット「リオ+20」において水資源の管理が重要な議題となるという共通の認識のもと、世界水フォーラムやリオ+20で推進されている「グリーン・エコノミー」への批判と、現場で活動している人々こそが解決策を知っている、という提言がなされました。農民団体「ヴィア・カンペシーナ・フランス」の活動やフィリピンを中心に活動する「ジュビリー・サウス」、南アフリカのコミュニティ開発NGOの活動紹介がなされ、世界的な課題と地域での文脈と引きつけることの重要性を確認しました。


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<「気候変動の文脈における水と土地:公正な解決策に向けて」のセッション>

日本国内の運動はグローバルな課題をローカルな文脈と引きつけられているか、再確認する必要があると感じました。
この点はもう少し時間をかけて考えていきたい内容です。


明日はFAMEの最終日です。

閉会式の後は、水という人類共有の財産を祝福するために、
マルセイユ市内を歩くパレードが計画されています。

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<FAME会場の様子>

(堀内)


<参考>

「オルタナティヴ水フォーラム」(FAME)概要

 日程:2012年3月10日(土)-18日(日)
 場所:フランス・マルセイユ「Dock des Suds」
 主催:オルタナティヴ・フォーラム実行委員会(80を越える団体による運営)
 参加費:無料
 URL:http://www.fame2012.org/


posted by AMnet at 16:04 | TrackBack(0) | 世界水フォーラム2009/2012 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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