2015年04月17日

署名しました→第7回世界水フォーラムテグ・慶尚北道「水への人権宣言」「韓国の市民社会への連帯 私たちの未来のために水を守る主要な闘いとして水への権利を守る」

韓国の市民社会への連帯
私たちの未来のために水を守る主要な闘いとして水への権利を守る

 私たち、アジアにおいて水の正義を求める運動体は、4月13日・14日に韓国で開催されたオルタナティブ・フォーラム「すべての人々への水を守る」に参加した韓国の労働組合、市民社会グループ、社会運動に向けて、私たちが持つ水への人権と、水を公共のものとして守る共通の闘いに関する連帯を表明します。

 私たちは、韓国の公営水道システムがさらされている水の民営化と企業化に対して、アジアの他の多くの国の人々とともに、韓国公務員労働組合(KGEU)と立場を同じくします。すでに腐敗にまみれ、人々を最優先しないことが証明されているにも関わらず、民間セクターに資するこのガバナンス・モデルは、世界銀行、アジア開発銀行やその他の国際金融機関によって継続的に推進されており、新自由主義のアジェンダを遂行する政府によって採用されています。多くの発展途上国でこうした新自由主義とまったく同じモデルが、水と衛生への人権を侵害し、水を商品に変え、市場を自分たちのものにしたり、資源の配分を思うままにしたり、水・食料・エネルギーという複合的な危機を本質的に深刻なものにしています。

 私たちは、韓国政府と公営企業である水資源公社(K-Water)が進める「グリーン・エコノミー(Green Economy)」に反対の声を上げます。飛躍的で資本主義的なロジックであるグリーン・エコノミーは、自然とその機能に対して価格を設定することでそれらを守ろうとしており、人々、特に貧困コミュニティのアクセスや水サイクル、相互関連性についてはほとんど関心がないか、まったくありません。これは、企業による水の収奪を強化し、私たちの社会と自然が金融市場に従属させられるだけのものなのです。このモデルはすべての人々にとって水と衛生へのアクセスを提供するものではなく、また、持続可能な世界を支援するものでもありません。

 私たちは、KGEUとその他の韓国における水の運動が展開している、水と衛生の権利に関する政策と実践のキャンペーンも支持しています。「新公共管理(New Public Management)」という名前でナーグプル、マニラ、大阪、セブ、その他の主要な都市で展開されているような官民連携や企業参入といった、さまざまな形態で現在進行形の水の民営化プロジェクトに対抗し、私たちは自身の経験を共有し、関連性を強化します。

 私たちは、脱民営化と公公連携・公とコミュニティの連携や水サービス供給の民主的なモデル、資源管理と流域保全などの方法で、公共の水を守る闘いに参加します。水は必要不可欠な資源であり、これがなければ地球上のすべての生命が生き延びられません。こうした理由により、水は公的な領域に留められるべきなのです。

 アジアにおける私たちの闘いと運動は、民営化という波を徐々に変化させています。インドネシアにおいては、教育や組織化の努力という市民の運動により、世界銀行によって18年前に強制された水に関する法律の無効化に成功し、水は公共のものである、との宣言がなされました。インドにおいては、ニューデリーで新たに選出された政府が、市民に対して基本的な水を無料で保証する政策を約束しました。そして、水は人権であることや利益を優先する民間サービスを拒否する宣言を発表しました。

 このようなさまざまな成果を持って、私たちは韓国とアジアの仲間たち、そして、その他の地域の水の正義を求める運動とともに、民主的・公的な水サービスと資源の管理を目指して、今後も政策提言やキャンペーンを継続していきます。特に、国際金融機関と多国籍企業、新自由主義的な国家を対象とします。

 これらの持続的な行動により、わたしたちは、人権原則、ジェンダー平等、社会正義、人々の参加、透明性、アカウンタビリティ、水のガバナンスの民主化という原則の下で、私たちの未来の水を守るために継続的に活動していきます。

国際金融機関、多国籍企業は水から出ていけ!水を人々の手に!水資源とサービスの商品化と民営化に反対!水への人権を尊重し、保護し、遂行せよ!

署名:
Focus on the Global South (フィリピン)
Freedom from Debt Coalition (フィリピン)
KRUHA-Indonesia (インドネシア)
Jubilee South- Asia Pacific Movement for Debt and Development (フィリピン)
Globalization Monitor (香港)
特定非営利活動法人 AMネット (日本)
特定非営利活動法人 水政策研究所 (日本)
全日本水道労働組合 (日本)


【和訳:堀内葵(AMネット)】
posted by AMnet at 00:44 | TrackBack(0) | 署名・賛同文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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