2016年03月03日

【プレスリリース】瞬く間に5000viewを獲得した、「水道民営化」への陳情書提出アクションのお知らせ

報道各位 プレスリリース
2016年3月3日

瞬く間に5000viewを獲得した、
「水道民営化」への陳情書提出アクションのお知らせ

私たちは、「水道事業の民営化」に向け「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」が大阪市議会に議案提出されたことを懸念し、3月8日大阪市会に対して、「慎重な議論の求める陳情書の提出」を行います。陳情書は現在、Facebookにて注目を集め5000viewを超えていますが、これは陳情代表者であるNPO法人AMネットとしては過去最高の反響になっています。


「水道民営化は失敗だった」と世界中で民営化した水道事業体の「再公営化」が進んでいます。2015年時点で37か国235事業体が再公営化、それは途上国のみならず、ドイツ ベルリン市、水メジャー本拠地のパリ市でも起こっています。水は公共のものであり、長期的視野に立った管理運営が必要です。まずは、世界各国での歴史に学ぶべきであり、拙速な決断は避けるべきです。私たちは市議会での慎重な審議と、審議のための判断材料の提示を求めます。

つきましては、下記のとおり、陳情書の内容及び,今後のアクションについてお知らせする記者会見を開催いたしますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席賜わりますようご案内申し上げます。

■記者会見 概要■
◇日時: 2016年3月8日 14:30〜(30分〜1時間程度)
◇場所: 大阪市政記者クラブ
◇内容: 条例案の問題要旨(別紙陳情書)説明及び世界の水道事例を学ぶ学習会の案内等


■陳情■ 
◇陳情代表者: NPO法人AMネット
2003年第3回世界水フォーラム以降、「水道民営化」による問題を注視し、海外NGO等と協働してきた。

■学習会ご案内■ 大阪を知り・考える市民学習会 PART 7 (別紙チラシ参照)
1) 基調講演『世界の水道に今、何が起こっているのか?』(仮題)   橋本淳司氏(アクアスフィア代表)
2) パネルディスカッション(パネラー)橋本淳司氏、大阪市会議員(調整中)
『大阪の水道に民営化が言われているのは、なぜか?そして、それは本当にいい選択なのか?』

【日時】平成28年3月12日(土曜日)12:30開場 13:00開演 17:00終了予定
【資料代】500円)<定員60名> ※要申込み
【場所】大阪市中央区谷町2-2-22 NSビル 9F 
【主催】大阪を知り・考える市民の会 【共催】平松邦夫 「公共政策ラボ」

FB投稿
https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1070939092945063

陳情書(3/3時点)
→ https://drive.google.com/file/d/0Bz4cgaa9CBKLY1N5ZngxZ3ZhYlk/view?usp=sharing


<以下陳情書案>

大阪市会議長様

「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」に関する陳情書【案】

【陳情趣旨】
本年2月9日に一部見直しが行われた「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」および、大阪市会平成28年第1回定例会にて、2月16日に提出された議案第106号「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」について、以下の通り陳情いたします。

1、改正条例案では、「水道事業の業務について、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」を定め、「公共施設等運営権を設定することができる」としています。しかし、水道水を含む水資源は公共のものであり、その管理運営には長期的視野が必要です。公営水道事業の問題解決にあたっては、現状の課題およびその発生原因の分析からなされるべきであり、「民間資金等の活用」などの解決策を先に議論するべきではありません。

2、改正条例案では、「事業開始後3~5年以内を目途に、新設株式会社の株式の一部を民間事業者に対して売却検討する」旨、記載されています。現在のインフラ投資は、世界的に年金基金などの機関投資家が主流です。将来的に、海外の年金基金や機関投資家といった、必ずしも「水道事業の公共性・持続性」に関心を持たない株主が、大阪市水道運営会社の主要株主となる可能性が大いにあります。

3、水道設備には更新だけでなく、技術革新による設備のアップグレードが30年、50年の単位での検討が必要です。一方、30年を超える長期的な視点に立った施設等への投資がされることは、株主への説明が困難だと考えます。たとえば、契約期限が近づいた施設の更新がどう担保されるのか。契約年数の終了までの期間にとらわれず、適切な施設更新がされるのか懸念されます。

4、これまで自治体同士の災害協定を超えて、公共の利益のために、阪神淡路大震災や東日本大震災等の災害時の対応において、日本全国の公営水道事業体が助け合ってきました。公共の利益のための、これまでの公営水道事業体同士の相互支援体制と、営利目的である民間事業者との整合性を、各自治体はどう判断するでしょうか。一方、大阪市の民間事業体は他自治体への支援をどのような基準で判断するのでしょうか。大災害時、営利目的の事業者である民間事業者との協働は、他自治体にとって前例もなく、これまでと同様の対応が可能なのか懸念されます。

5、改正条例案が提案するPFI方式では、資産所有と政策的な責任は行政に留まるものの、料金収入の利益は民間事業者に譲渡されます。「リスクは行政に、利益は民間に」と言われる通り、結果的に市民のためにならないとの批判が国際的に高まっています。

6、改正条例案では、水道料金等改定について手続きはあるものの、「再協議が不調となった場合、運営権者は市事由による実施契約の解除を行うことができる」、市事由の契約解除には「運営権者の損失相当額を支払う」旨、記載されています。これまでの各国事例から見ても市職員による現場技術喪失後、民間事業者からの料金改定等の要請拒否は実質的に不可能であり、将来の料金高騰につながると考えます。

7、一方、公営水道事業の課題解決策として、民間資金の活用ではなく、適切な範囲で水道料金の値上げを行なうことは吹田市などでも予定されており、現実的な解決手段と言えます(日本水道協会の調査によると、平成21年からの4年間で126事業体が料金値上げを実施済です)。今後、長期間にわたって予想される耐震化や水道管網の更新、水道技術の安定的な継承などにかかる費用について、適切な情報開示と丁寧な対話を重ねた上で、住民自身が納得して負担することは、民主主義的手続きに沿った解決策の一つだと考えます。

8、水道事業の民営化・民間参入については多くの失敗事例が存在します。民間委託契約を結んだとしても、水道事業者が契約内容を守らず、利益を優先した結果、インフラ投資の欠如や水道料金の値上げ、水質の低下などさまざまな問題が世界各国で引き起こされています。1980年代に水道事業を民営化し、「成功例」とされるイギリスにおいても2012年の世論調査で71%が「水道を国有化すべき」と回答しています。水道事業の課題解決においては、世界各国での歴史に学ぶべきであり、拙速な決断は避けなければなりません。

9、ひとたび水道事業を民営化した国・自治体が再び公営に戻す「再公営化」が、世界各地で進んでいます。オランダのNGO(非政府組織)である「トランスナショナル研究所」の調査では、2015年時点で37か国235事業体が再公営化を果たしました。これらの動きは、発展途上国のみならず、ベルリン市やパリ市でも起こっています。

10、「再公営化」にもリスクが伴います。それは、契約を途中で解除された民間事業者が違約金や期待されるはずだった利益を求めて提訴される可能性があるからです。仮に大阪市が民間企業と契約をし、後日、契約解除をした場合、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に盛り込まれている投資家対国家の紛争解決(ISD)条項によって、巨額の賠償金を支払うよう提訴されるかもしれません。30年契約を途中解除したベルリン水道は、株の買戻しに約1,600億円(12億800ユーロ)負担し、水道料金に重くのしかかっています。巨額の負債を抱えるリスクを引き受けるのではなく、将来にわたって安定した水道事業の運営に注力すべきです。

11、上記事項を鑑み、水道事業においては公共施設等運営権制度の導入を議決する前に、下記陳情項目を提示した上で、市会での慎重な議論を要請します。
2016年3月

【陳情項目】
1.大阪市水道経営の課題解決のために以下、自己分析を市民にも示してください。
(1)他都市に比べて企業債の比率が高いのはなぜか?
(2)職員の生産性が他都市より低いのはなぜか?
(3)水道管路の耐震化率が低いのはなぜか?
(4)他都市と比較し、大阪市の水道料金をどう評価するか?その理由は?
(5)他都市と比較し、大阪市の水道技術をどう評価するか?その理由は?
(6)上記項目において、大阪市同様、公営企業である他政令指定都市との違いが出たのはなぜか?

2.施設更新
適切な更新投資を運営権者に行わせる担保を、具体的に市民にも提示ください。

3.災害時対応への懸念
大災害の発生時にどのように他自治体と連携し、相互支援を行うのか、具体的に市民にも提示ください。

4.導入にあたっては不安が払しょくされないので、以下の項目を市民にも示してください。
(1)料金値上げでの財政シミュレーションの提示
大阪市水道局を公営としたまま、水道料金を値上げした場合の財政状況のシミュレーションを算出してください。併せて、持続可能な水道事業運営のためには、月額でどの程度の家計負担増が必要になるのかのモデル提示をお願いします。

(2)60年後の経営収支シミュレーションの提示
最低でも契約最長期間である60年後の経営収支シミュレーションの提示をお願いします。
一部見直し案では30年後の経営収支シミュレーションしか提示されておらず、長期的な視野に立った議論とは言いがたい状況です。例えば、民営化を実行しても平成29年度の黒字は4億円のみです。それ以降の値上げは避けられず、問題の先延ばしに過ぎません。

(3)モデル事例及び新興国での水ビジネス成功事例の提示
大阪市のモデルとなるような国内外でのPFI導入の成功事例及び新興国での水ビジネス成功事例を提示して下さい。昨今の報道で取り上げられている地方自治体による新興国での水道技術の移転は、ODA(政府開発援助)等の公金投入がなければリスクが大きく成功しないと考えます。


【陳情代表者】
特定非営利活動法人AMネット

【共同呼びかけ団体】
大阪を知り・考える市民の会
しみんマニフェスト大阪UP
シーダー関西

【賛同人】
樫原 正澄(関西大学教授)
仲上 健一(近畿水問題合同研究会 理事長)
(他調整中)


※陳情書は現在更新中であり、変更の可能性があります※

posted by AMnet at 22:47 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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