2017年02月16日

大阪市水道民営化プランは、この2・3月市会で結論の見込み。『大阪市の「水道民営化」「民間委託」を考える』

大阪市の水道も地下鉄・バスも、今は「みんなの共有財産」。
まちづくり、人の移動、命、健康…全てに関わる、大切な事業ですが、

@「事業単体で採算性」を考えることが、果たして適切なのか?
A民営化、株式会社化することで、営利目的の事業体になる道に進んでもいいのか。
B市民に還元されていた利益を、民間会社のものにしてもいいのか。
C問題解決には程遠いやり方でも、「スピード感をもって進める」ことを優先すべきなのか?

大阪市会・交通水道委員会で継続審議となっている「水道民営化」プラン。
2・3月議会が招集され、地下鉄民営化と共に審議されることになります。
現在の「水道民営化プラン」は、この2・3月市会での結論が出る見込み。しっかり最後まで注視する必要があります。

以下、先日シンポジウムでの配布テキストです。

2・3月市会に向けて、大阪市の「水道民営化」を考える

1.大阪市の水道の現状
@大都市で「水道料金が全国一、安い」(20年間値上げなし)
A「小口(一般家庭)」の単価の方が安い。
 よく、同じライフラインとして比較される電気・ガスは使うほど単価が安くなり、大口が有利
※日本水道協会資料より抜粋要約
多くの水道事業体が「一般家庭が安くなる」料金制度(逓増制)を採用する理由』
→「家庭用料金を低く抑えるため」
「水の浪費・水需要を抑制するため」
「合理的な水利用の促進のため」
「大量に使用するほど施設に負担がかかるため」


Bここ数年、年間100〜140億円超、H14年度以降もずっと黒字(高度浄水処理導入以降)。水道局収支シミュレーションで、今後24年間黒字見込み

C大阪市水道局の技術は全国的にもピカイチ。企業団、災害時も他自治体の頼りの存在

D技能職員はここ10年新規採用がなく、技術職も幹部のみ。大阪市の水道技術を支える職員の欠員状況が続き、現場が疲弊。加えて民間委託が進み、技術継承が困難。


2.将来世代に負担を先送りしないために「水道民営化?」

@市政改革プランの改革の柱「官民連携の推進」=PPPは国際的に批判される手法
A90年代、民営化された水道が失敗だったと「再公営化」が世界の潮流。
多国籍水企業の本拠地パリ市を筆頭に、フランス中心に少なくとも世界で235事例

⇒民営化失敗→公営に戻したいがコストが大変→それでも公営に戻した方が得、と判断されている。


3.大阪市の水道民営化プランの矛盾

@大阪市・海外事例のコスト削減の中身は、ほぼ「人件費」。民営化で、仕事は減らない。
不安定・低賃金労働者が増えるのが効率化?

A推進会派は維新のみ。
維新市議「大阪市が公共性等を担保するから大丈夫」と繰返すが、同時に、「担保する大阪市をなくす」動き。


4.「民間委託」は「効率が良い」のか?〜水道に限らず大阪市で進む非公務員化〜

@単年度契約で、毎年契約事務が発生
A事業者が変更の都度、職員が教えねばならない
B特に慣れるまでの期間、フォローは、職員がせねばならない(責任を負うのは行政)
C民間に現場を任せると、職員のノウハウの喪失のおそれ(行政のチェック能力喪失)
D長年の修理対応等の蓄積・ノウハウが喪失、購入コスト増大の可能性
E市会のチェックが困難
F災害時対応をどうするのか

⇒直営比率の高い大阪市が大都市で水道料金が一番安い=直営のほうがコストが安いのでは?
⇒何を民間委託すれば効率化されるか、もっと精査すべきでは?
現場を知らない職員ばかり=さらに「机上の空論」へ。「市民に近い行政」がさらに遠ざかる。


posted by AMnet at 11:53 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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