2022年01月29日

大きく変わった大阪IRカジノの計画&損害賠償などのリスク〜大阪IR公聴会で公述しました〜

大阪IRの区域整備計画について、公聴会で公述しました。
わずか5分と短く、以下5ポイントのみ指摘しましたので、ご紹介します。

大阪IRカジノ資料はこちらから ↓

<1/29公述概要>

1,「リスク分担」が明確でない。

カジノ実施方針・募集要項のリスク分担(※末尾参考参照)では「詳細は、実施協定で示す」とあるだけで、区域整備計画にリスク分担が書かれていない。災害時など被害が出た際に、「大阪市の責任」どこまで補償を求められるかも不明である。このような将来リスクが不明のまま、議決すべきではない。

実施協定は契約であり、リスク分担が確定したのち、リスクを議会で議論してから議決すべき。


2,「契約解除」の記載もない。

実質的に、IR事業者はいつでも撤退可能。

今予算で790億円予算措置したとしても、開業前の撤退も可能である。

一方、大阪府市は撤退させれば、損害賠償請求リスクがある、不平等な内容。 

契約解除の記載がないということは、そのリスクも試算できていないということだ。


3,「IR事業用地の適正確保」によるリスク

土地所有者としてのIR事業用地の適正確保(土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去)について、引渡し前に限るのか、将来に渡るのかすら明確でない。文脈としては将来に渡ると読める。また松井市長も「市の責任」と言いきり、市会で議決されば、大阪市の対応を期待してIR事業者は投資することとなる。となると、適正確保を大阪市が実施しないとなれば、ISDSの訴訟リスクにも直結する。


逆に大阪市がIR事業用地の適正確保を負担したとなれば、新たに、それ以前の土地売買等の契約者との不平等も起こり、訴訟となる可能性が起こる。つまりいずれにせよ、将来世代に訴訟のタネを残すこととなる。


4,「投資家の期待」を裏切った場合のリスク 〜ISDS条項〜

TPP等の投資協定による投資家対国家の紛争解決手続き、ISDSによるリスクを考慮されていない。

将来、カジノを止めると公約にあげての知事・市長が誕生したとしても、ISDSによって、多額の賠償請求が発生する可能性が高く、将来世代の選択を奪いかねない。

途中解約だけでなく、災害時の被害について、大阪市負担で改修する予算が通らないなどとなれば、ISDSの対象になりえるのではないか。


5,大阪IRは実質65年契約

大阪IR35年と非常に長く、さらに「事業の継続を前提として」30年間の延長を協議されるため、実質的に65年ものライセンスを認めている。

マカオの更新も20年から10年に変わるにも関わらず、なぜこれほど長いのか。

ほとんどの大阪市民は、松井市長の言った「lRには1円も使わない」という発言から、これほど費用が高騰していることも知らない。

夢洲にかかる財政リスクも、IR計画の縮小も知らない。

市民にこれらを周知し、住民投票で市民の意思を測るべきだ。

また4/28の国への申請期限ありきで進めていると懸念している。延期すべきだ。


<ここまで>



posted by AMnet at 20:52| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月28日

大阪IRってどういうもの?2019年大阪IR基本構想と2021/12公開されたカジノ計画は別モノ。勉強会資料を公開します。

大阪IRの計画って、どういうもの?
勉強会用に作成した資料を取り急ぎ公開します。

カジノはあんまりかもだけど、IRは欲しいから。と賛成されていた方。

2019年12月に発表された大阪IR基本構想と、今回の大阪IRの区域整備計画(2021年12月23日に発表)は、別物になってしまっています。

この計画だとカジノのための税金投入
これまで賛成されていた議員も、思いなおすべきじゃないでしょうか。

ー−−−−−−

2・3月議会で、IRカジノの計画と、790億円の土地改良予算が議決されます。
その後、IRカジノの審議は大阪府に移るため、大阪市の判断は今回が実質的に最後です。

IRカジノはカジノの収益で、MICE(国際会議場・展示場施設)等の施設を運営しますが、
今回の計画は、カジノ以外の施設が縮小しており、当初の計画とは変わっています。
(今後も状況次第で、議会の議決なく、IR部分を縮小することも可能)


1,収支計画・施設計画など(区域整備計画より)

@初期投資額 約1兆800億円
経済波及効果 (建設時)約1兆800億円、(運営)約1兆5800億円/年

A総延床面積:100万u(2019年12月大阪IR基本構想)→77万u(区域整備計画)
宿泊施設:3000室→2500室
展示場:10万u→2万u
※インテックス大阪7万u

B年間売上 4800億円→約5200億円(うちカジノが約4200億円(約80%)

※大阪IR 掛金で約6兆円*。(年間1000万人が60万円掛ける計算)
 JRA 約3兆円、パチンコ 約15兆円(2018年)、セブンイレブン売上 約5兆円
 MGM(29施設) 掛金で約14兆円*。(*総粗収益(GGR)7%で計算)

・来場者数 1500万人→年間約2,000万人(国内約1400万人、国外約600万人)
※うち、1070万人がIRへ行く想定。2019年インバウンド約3,190万人
 (USJの来場者数は年間1450万人)

CIRからの収入 確定しているものは、土地賃貸料35年の875億円。
納付金・入場料(6000円)の府市合計は年間約1060億円と想定。(530億円づつ)

D事業期間 35年契約。事業期間終了後、「事業の継続を前提に」30年の延長を協議。
実質的に最低65年間のライセンス。※マカオのライセンスは20年→10年に変更。


2,大阪市の負担・リスク(大阪市の年間税収は7500億円)

@必要毎年の経費/先行投資(大阪府・市想定)
ギャンブル依存症対策 約14億円/4億円
警察力強化(340人体制) 約33億円/71億円
夢洲IR関連インフラ 約4億円/??
消防力強化(40人体制) 約4億円/20億円      合計約55億円/95億円+??

Aリスクに取り組む「役割分担」は決まっているが、「リスク分担」は未定のまま、今回の議決
損害賠償請求された時、大阪市がどこまで負担するのかが不明

B夢洲の土地改良費は、「土地所有者である大阪市の責任」と松井市長が発言。

C社会的コスト、経済損失は試算されていない。

D新型コロナ・国のIR税制(海外客の所得税免税など)の早期法制化・夢洲の課題、この3つの解決が「必要不可欠」であり、公民連携して取り組む。とあるが、ダメだったら?

→区域整備計画の府市議決→国に申請・認可→実施協定の締結=契約

E契約解除の規定がない。
IR事業者は実質的にいつでも撤退可能。
一方、大阪府市が撤退時は、莫大な損害賠償をせねばならない。


3,会場地「夢洲」のリスク
@夢洲は、大阪市が唯一持つ最終処分地。埋立終了後、物流拠点として土地売却。国際コンテナ戦略港湾として、関西の物流の中心拠点。ヤード面積不足でコンテナを高積みしており、コンテナ仕分けも非効率、周辺道路は渋滞、海も沖待ちが発生している。
※咲州・舞洲は80%以上売却済、投資もほぼ回収済

A最終処分地として数十年に渡り、高度成長期の浚渫土、アスベスト含む建築残土、一般廃棄物等を埋め立ててきた。土壌汚染だけでなく、地盤沈下、越波、津波・高波、液状化、地下水等、さまざまな対策が必要。
→商業地として、将来に渡り大阪市が負担するのか?の判断が問われる。

B開発すればするほど、夢洲はコストがかかる。夢洲に集客施設を作る=高層建築物を建設=最終処分地に埋めた汚染土壌を掘り返し、大阪市が土地改良費負担。軟弱地盤のため、50mの杭が必要。
(35年の賃貸料875億円も、すでに以下土壌改良費で支出。だが@Aの理由から、今後も想定外のコスト増が見込まれる)

<参考>(直近のコスト増報道のみ)
・土壌汚染の他、液状化、地中障害物撤去費で、790億円負担増が判明。(12/21報道)
・大阪メトロ延伸で250億円→346億円に増加(1/12報道)
軟弱地盤対応、メタンガスの防爆対策、地盤沈下、地中障害物の撤去等
・夢洲駅周辺のまちづくり 民間事業者の応募ゼロのため33億円+30億円(1/12報道)

posted by AMnet at 00:01| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

2025万博の一体なにが問題なのか〜大阪・関西万博をSDGs万博にするために〜公聴会で発言しました

「SDGs達成」をいうだけでは、SDGsは達成できません。
「未来社会の実験場である大阪・関西万博は、いかにSDGs達成にチャレンジしたのか」
それを環境面から図るのが「環境アセスメント」です。

ですがEUでは「環境」だけでなく、「社会」「経済」も含めた「持続可能性アセスメント」へ移行しています。
つまり、環境アセスだけでは時代遅れになってしまっているのです。

しかし、現在の博覧会協会の出してきた環境アセス準備書は、
環境アセスとしても、あまりにもお粗末…としか言えない状態です。

一体、何がどう問題なのか。
@SDGs万博にふさわしい環境アセスメントを
Aなぜ夢洲を会場としたのか
B最低でも「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「大阪市環境基本計画」と整合性をとるべき
の3つの視点から述べました。


2021年12月11日、大阪市の公聴会に参加し、公述した内容に若干修正したものを掲載します。


<以下公述内容>

大阪・関西万博は跡地利用がカジノであることから「カジノ万博」っていうふうに一部でも言われたりもしています。
しかしもともとSDGs達成を目標として、それが評価されて誘致に成功した経緯もあり、国際的な約束でもありますので、SDGs万博にふさわしいアセスメントを実施してほしいです。

 安倍元首相も参加した首脳級の閣僚会合、2020年のSDGsサミットで「行動の10年」っていうのが始まっています。
要するにSDGsを達成するためにより具体的な行動をそれぞれのセクターがしないといけないという意図で、「行動の10年」が始まっている。

それ以降の計画にもかかわらず、「参加者が取り組む」ばかりで、博覧会協会が、万博が主体となってどういうふうに達成するのかという事業もないし、指標もない。

どれぐらい達成したかを測る環境アセスメントにすらそのあたりの指標がない。

参加者が発表したり、議論したり、そういう「場の提供」だけが博覧会協会の仕事ではなくて、これだけ巨費の公金を投入する大きな事業ですから、「会期の前の計画段階から会期中、会期後にわたって、どのような具体的な計画・削減目標を持ってSDGsの達成に貢献したのか」というのを示すべきです。

逆に私たちからすると、その環境アセスメントで謳われたことは、具体的にどういう状態になれば、博覧会協会はSDGs達成をこの万博でできたという判断をするのか、私たちが理解することにもつながります。

 大阪・関西万博が「負の遺産」とならないように、どのように貢献したのか、博覧会協会がどう考えているのかというのを明確に示すべきですし、そのための目標の明示、指標、そういったものは必須です。

 次に、「持続可能性アセスメント」の実施についてです。
SDGsは環境だけではなく、社会、経済、その三側面というのが必須です。
ですので、環境だけでなく、社会、経済が勘案された「持続可能性アセスメント」を実施してくださいというのを博覧会協会に私たちは何回も協議でお伝えしてるんですけれども、計画段階はもう終わっているということでそれは難しいというのみです。

 「ISO20121への適合を視野に入れて、ESMSの導入を検討する」っていうふうに2020年12月、博覧会の基本計画で記載がされましたが、その1年後、11月のアセスメントの説明会においてもなお「構築・導入に向けてその具体化に向けて検討する」といった、結局「検討」の状態から1年以上経っても、1年ぐらい経っても変わってない、ずっと検討してるだけでです。

協議の場でも博覧会協会に「その検討は進んでいるのか」と聞いても、「まだ検討しています、全然進んでいない」といった回答であり、本当にやる気があるのかなと私たちも疑います。

まだ4割しかパビリオンが決まってないっていう報道もありました。
会場計画が決まっていない中で準備書が決まっています。
これから会場計画どんどん変わっていくっていうことが大前提であるならば、変わった段階でどういうふうに追加調査をしていくのか。変わることが決まっているのですから、それを踏まえた追加調査の計画っていうのも明らかにすべきです。


20年前の愛知万博よりも10年前のミラノ万博よりも、レベルの低い、昔の環境アセスメントしか実施しないというのは、SDGsを目的として開催する大阪万博として本当にそれでいいのか。

SDGsの精神をどのように引き継いで発展させて、未来につなげていくのか。
そのための大事な手法の一つが環境アセスメントであると思います。

何十年も前に大阪市が制定した条例のとおりのアセスメントではなくて、やっぱりそれに加えてどういうふうに未来型で変えていくのかっていうのを示してほしいなと思っています。


 二つ目です。
なぜ夢洲を会場に選定したのかというのを、最低でも環境面から合理的に説明すべきだと思います。

 準備書の第1章の説明も「会議で決まったから」みたいな話で、説明会のときに私は、もう1回質問をしたのですけれども、そのときは「閣議決定されたから」といった回答でした。だから「決まったから仕方がない」というだけの話になっています。

 大阪市との協議では、もともと「夢洲1区は家庭ごみなどの焼却灰で埋め立てたので、緑地やメガソーラーなど制限付きの利用で、万博には利用しない」と説明を受けていました。

使用すると決まった後は「1区の土壌汚染に警鐘を鳴らし、博覧会協会も危険性を認識しているはずです」というふうに私たちは説明を受けました。

なんですけれども、使わないと言っていたはずの1区に「グリーンワールド」と名称が付けられて、交通ターミナルやエントランス広場、要するに車で来られる方ってみんなそこを通るわけです。

で、屋外のイベント広場に使われる。ベストプラクティスの発表する場としてされている会場もここになっているということで、使われないはずだった夢洲1区を使うにもかかわらず、どういうふうにして運用し、評価するのかといった指摘も全然ない。もともと使えないとしていた土地なのにもかかわらず。

 これまでの協議では、大阪港湾局が「危険だと協会には伝えてます」という。
で、大阪都市計画局は「港湾局が大丈夫だと言っている」。
博覧会協会は「大阪市が大丈夫と言っている」みたいなかたちで、東京オリンピックのときと同じように、誰が責任取るのかっていうのがわからない。

結局、「うちは誰かが大丈夫って言ってたから大丈夫」「私は大丈夫じゃないって伝えてる」みたいな話で誰も責任取らないようなかたちになっていて、多分、このままいくと本当に何かあったときに、責任の押し付け合いになるんじゃないかって懸念しています。


 アクセス不足も指摘されているところですけれども、此花大橋、夢舞大橋の拡張工事が始まります。

此花大橋を利用して夢洲に入る通行量というのは17,149台ということで、大渋滞になったら窒素酸化物が倍化、三倍化する。
すでに物流だけでかなり渋滞しているのにもかかわらず、そういった複合汚染を考慮した評価をまったくされてない。

準備書を見ると、「大阪市が表示した場所等の複合汚染を考えている」と書いていたけれども、結局IRは事業者が未定だからということで、複合汚染をまったく考慮されていないままの準備書になっているということが信じられません。

IR事業者がまだ決まってなくても、港湾施設はありますし、地下鉄の延伸工事も決まっている。

夢洲だけでこれだけあるにもかかわらず、本当だったら、大阪・関西万博なんだから大阪・関西の全体の影響を測るべきにもかかわらず、夢洲の中のことすら、会場内しか考えていない。

複合汚染をまったく考慮されていない、その評価がないっていうことにちょっと本当にびっくりしています。


 しかもその夢洲のコンテナっていうのは2025年までに40パーセント増やすっていうのが大阪市の港湾計画ということで、さらに渋滞が進む。

しかも工事中ということでさらに大渋滞が起こるんじゃないか。
そもそも夢洲に物流拠点と集客施設の併存っていうのがそもそも可能なのか、環境への影響はどうなるのかっていう評価もされていません。


当初の予定も崩れてIRのホテルもなく、日帰りの客しかいない。

そういった中で、先日博覧会協会に「こんな集客計画のままでいいんですか、USJの1日当たり4倍の集客なんか本当に大丈夫なんですか」と聞いたら、「ドバイの万博はそのままの計画でいってるから、うちもいく」といった回答でした。

ドバイ万博の集客目標2,500万人のうち、今、このままいくと1,400万人ぐらいしか来ないっていうような進捗になっている中で、本当にこのまま日帰り客しか想定できない大阪・関西万博、1日USJの4倍のまま、この無理筋な集客計画のままにインフラ整備を大阪市民の税金を使って本当に進めるべきなのか。

メガソーラーまで加えて夢洲を会場にするよりも、もう現実に即して夢洲以外にするか、IRカジノの予定地とかで埋め立てがもう終了している場所を使うとか、規模縮小していく、そういった配慮が必要なのではないかと。


大屋根もそうです。
もともとパビリオンとかは半年で全て原則撤去になりますから、莫大な廃棄物が出る。

特に大屋根が象徴的ですけれども、半年で壊すものにこれだけのお金を使う、環境もそうですし、社会にも経済にも、これSDGsからも問題ないと言えるのか。

 ごみの最終処分地がなくなるのもそうです。
海には限りがある。大阪湾どこでも埋められるわけじゃない。
将来世代の、ごみの最終処分地がなくなっているということを十分に考えねばなりません。


「夢洲を会場にどうしてもする」のであれば、夢洲の優位性っていうのを環境影響およびSDGsの観点から合理的な説明をすべきだと思います。


 三つ目です。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「大阪市環境基本計画」と整合性がとれていません。

 大阪市は「SDGs未来都市」として、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」がG20のサミットのときに首脳宣言として出されて採択され、共通のグローバルビジョンとして、G20のみならず他国や、国際機関に呼びかけていく、そういった大阪を冠にしたプラごみゼロのビジョンを出しているわけです。

 加えて、「大阪市環境基本計画」のほうにも万博を機会と捉えてSDGsを進めていくとか、素晴らしいことがいっぱい書いてあるわけです。

「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」とか「大阪市環境基本計画」というのがせっかくある。
「大阪」が冠ついた、世界中にうたったプラごみゼロのビジョンが出ているにもかかわらず、今の計画は2019年のG20から数年しか経っていないのに、もはやその最低限の整合性すら取れていない内容の環境アセスメントで、大阪市として許していいのかっていうふうに思います。


 要するに、せっかく万博なんだから未来社会の実験場として、もう会期前から、調達からですね、脱プラ、脱炭素もそうですし、そういった、チャレンジがないとだめだと思います。

このままいくと「SDGs達成の手法」っていうのが、「Society 5.0」とか「ICT」だけになってしまう。

「万博のレガシー」が「カジノ」と「ビッグデータ・ICT」だけになってしまう。

それで本当にいいんですかという話です。


 あとは全体的にアセスの対象期間というのが、会期中だけとかあまりに限定的過ぎます。
期間も場所もあまりにも対象範囲が狭すぎる。

 東京オリンピックでも、木材調達が熱帯林乱伐されているっていうことで、今、アメリカの環境団体から通報されていますけれども、世界的に注目をされるっていうことをちゃんと考えて、工期中から、最初から最後までちゃんとやってほしいということです。


 せっかく大阪市の専門家委員になっていただいている先生にとっても、はっきり言ってアカデミックのこれからのスタンスとして恥ずかしいレベルの環境アセスメントになってしまってると私は思いますし、これでSDGsって言われたら、SDGsウォッシュとしか正直思われないようなものに、やっぱり先生方を巻き込んでいいのかっていう点からも、大阪市としてきっちり対応すべきだと思いますし、先生のほうからもやっぱり博覧会協会に対して言うべきことは言ってほしいです。

自分の専門分野だけではなくて、総合的に自分たちの関わるSDGsを達成するための環境アセスメントとして、これからの日本のアセスメントとして、SDGs万博としてどういうふうにすべきなのかっていう評価軸っていうのを、しっかりと大阪市としても求めていただきたいと思っています。

<ここまで>


■以下参考リンク先

▼2025年日本国際博覧会環境影響評価準備書に関する公聴会の開催及び公述申出書の受付について

▼大阪市環境影響評価専門委員会

▼博覧会協会

▼大阪・関西万博 基本計画書

▼準備書
・準備書の要約書

・準備書本体

posted by AMnet at 21:08| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月20日

「夢洲のような危険な場所で万博を開催すべきではない。集客施設を作ってはならない」BIE(博覧会国際事務局)へレターを出しました。

【万博やるなら夢洲以外で!今なら間に合う!】


莫大な開発費用かつ、軟弱地盤・災害時に逃げ道もない夢洲。

会場決定には、BIE総会(12/1)で承認が必要です。

(オリンピックでいうIOCが、万博ではBIE)


11月中に、BIEに「夢洲から会場変更して」とレターを出しませんか?

bie-paris.org/site/en/

トップページの一番上の一番右「CONTACT」から。

ツィッター →@bieparis
https://twitter.com/bieparis

FB
https://www.facebook.com/bieparis

英語が苦手な方は、こちらの翻訳、非常に優秀です。

https://www.deepl.com/translator


「夢洲のような危険な場所で万博を開催すべきではない。集客施設を作ってはならない」

私たちAMネットも、BIE(博覧会国際事務局)へレターを出しました。


2020年11

特定非営利活動法人 AMネット


BIEご担当者様

平和と友情を築くための万国博覧会の開催に向けてのご尽力に、心から感謝いたします。

私たちAMネットは大阪市を拠点とし、約25年にわたり活動してきたCSOです。


1,夢洲のような危険な場所に、集客施設を作ってはなりません。

今後30年以内に7080%の確率で、南海トラフ地震が発生すると言われています。

夢洲は、埋立途中の軟弱地盤であるばかりか、島へのアクセスは橋とトンネルの2つだけです。

津波・高潮がくれば、トンネル・橋ともに閉鎖され、逃げることもできません。

島を渡れたとしても、隣接地域も液状化や津波による浸水などの危険性が指摘されています。

隣接地域に住む約33万人の住民ほぼ全員が避難者になると、南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会で明らかになっています。

その結果、最大28万人/日と想定される万博への来場者と住民で、避難所を取り合うことになるでしょう。


2,通常の万博開催時も、夢洲へのアクセスが不足している。

大阪港で唯一、大型コンテナ船が着岸できるのが夢洲です。

関西の物流の拠点である夢洲は、すでに周辺道路は渋滞しています。

また、万博来場者のピーク予想の朝8時台は、物流だけでなく、出勤・通学のピークとも重なります。


3,夢洲会場での万博開催は、BIE総会決議違反の可能性があります。

1994年第115BIE総会決議をBIEは重視すると、私たちは理解しています。

決議には

“人類の知識の向上および相互理解並びに国際協力への貢献を 本質的に目的とする”

“会場の立地条件と跡地利用計画については、自然環境の保全にどのような考慮が払われるか”

“不動産開発の質”といったものが挙げられています。

しかし夢洲で開催すれば、

・埋め立て可能な海面は、わずかしか残っていない。希少な埋立地である、ごみの最終処分地、夢洲を、土砂で埋め立てる。

・工期が短く、圧密沈下の期間が不足のため、軟弱地盤。

・緑が少ない大阪の、貴重な生物多様性ホットスポット夢洲の自然を壊す。

・跡地利用の計画は、IRカジノおよび、スマートシティ。

スマートシティは、環境・健康への懸念だけでなく、万博を口実に、必要な住民合意も省略される可能性が大きい。


これらが、大阪万博のレガシーと許容されるでしょうか。


4,夢洲会場では、SDGs達成から遠のきます。

BIE総会決議にある通り「すべての博覧会は、現代社会の今日的なテーマを持たなくてはならない」ことから、大阪・関西万博がSDGs達成を目的とし開催されると認識します。

しかし、夢洲が会場では、万博開催によりSDGs達成から遠のきます。


このままでは、「なぜ夢洲会場を承認したか」、BIEも説明責任を問われることになりかねません。

問題点が未解決のまま、承認してよいのでしょうか。

夢洲開発による巨額な費用も、多くが大阪市民の負担であり、将来に禍根を残します。

BIE総会決議を踏まえ、長い歴史をもつ万博の原点に立ち返った真摯な再検討、賢明な判断を求めます。


<参考リンク>

1994 年 BIE 総会決議

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25447/00207317/shiryou_2sankou1and2.pdf

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25447/00221998/sawada2_biesoukai.pdf


BIEの審査視点等

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25447/00221998/2_biesinsasiten.pdf


国際博覧会の歴史

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25447/00221998/sawada1_rekishi.pdf


2025年万博基本構想検討会議

http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/kokusaihakurankai/banpakukihonkaigi.html

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2020年11月19日

緊急声明 「広域行政一元化条例は、住民投票で示された民意に反する」


緊急声明 

「広域行政一元化条例は、住民投票で示された民意に反する」

NPO法人AMネット


大阪市廃止・特別区設置の住民投票で示された意思は「政令指定都市・大阪市を存続」させることだ。

詳細はまだ不明なものの、現在の知事・市長の発言から「広域行政一元化条例」は、都構想と同じく「大阪市の財源と権限を奪う」ものであり、「自治の否定」だ。

二度否決した民意を無視するものであり、主に以下理由から条例設置に強く抗議する。


1、財源・権限、自治の喪失。都構想とほぼ同じことが起こる。


大阪都構想が否決された主な理由は、

@大阪市の廃止。

A大阪市の税収と財産の約1/3を、大阪府に無償で移管。

(大阪市の持つ広域行政を府に移管するため、財源と権限をセットで失う)

B市民サービスの悪化。

(収入は増えないのに分割コストが増える。権限も失い、市民サービスが悪化する)

であった。


広域行政一元化条例が制定されると、以下のように、大阪都構想とほぼ同じことが起こる。

-@都構想と同じく、政令市の権限である広域行政を、大阪府に移管。

-A都構想と同じ。大阪市の税収と財産の約1/3を大阪府に無償で移管。

-B予算の硬直化。大阪市内での財源調整ができず、市民サービスが悪化。


これまでも高齢化等による社会保障費の増大に対応し、公共事業を減らすなどして大阪市内で財源調整されてきた。

しかしこの条例ができれば、大阪市は毎年、大阪府に税収の約1/3を差し出し、広域行政に使われる。

大阪市は残された金で、市民サービスを行うしかない。


つまり、大阪市に市民サービスに掛けるお金が不足し、大阪市が反対したとしても、

大阪市の税収で、カジノなど巨費のビッグプロジェクトを大阪府が進めることが可能になる。


これらすべて、都構想のデメリットとして懸念されていた内容そのものである。



2、水道、消防も大阪府へ。都構想と全く同じ。

都構想反対の理由として、水道料金の値上げの懸念も大きかった。

しかし、この条例では水道も、消防も大阪府に行くと想定されている。

これでは都構想と全く同じだ。

大阪市のままであれば当面の水道料金の値上げは不要だが、大阪府が決めることになる。

大阪府内で最も安価な、大阪市の水道料金は上がるしかない。

大阪市の水道民営化は2017年の市会で否決されたが、大阪府が民営化を決定した場合、大阪市は従わざるを得ない。

消防車や救急車を購入する権限すら大阪市が失う点も、この条例は都構想と同じである。


100億円もの税金を使い、二度否決された住民投票は一体何だったのか。

「究極の民主主義が住民投票」と言っていた知事・市長は、民主主義を否定するのか。

民意を無視し、実質的に都構想と同じ条例を出すなど決して許されない行為であり、条例設置に強く抗議する。

<声明文は、以下リンクからもDLできます>
posted by AMnet at 21:36| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月20日

文字起こししました→副首都推進局職員に聞く!大阪市廃止/都構想勉強会(10/9開催)

2020年10月9日、中央区地域振興会さん主催で開催された、
「あなたの疑問に大阪市副首都推進局が答えます。
大阪市廃止/都構想勉強会」
https://www.facebook.com/events/2736879589919320



▼11月1日(日)まで公開!当日の動画はこちらからご覧になれます。



▼当日配布資料の大阪市に全戸配布された、説明パンフレット
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000513/513378/shiryou.pdf


AMネット理事武田が司会し、さまざまな質疑がされました。
副首都推進局の職員の方の回答で分かったことを、一部要約しご紹介します。
(注:は、AMネットで分かりやすくするため、書き込んでいます)


@大阪市は廃止される。
(注:大阪市役所がなくなるのではない。大阪市という自治体がなくなる)

A「今のサービスを維持する」というのは、特別区設置されるその瞬間まで。
それ以降は「維持するように努力する」が、決めるのは特別区。
特別区長・区議会が決める。

(注:今の住民サービスを維持するかどうか、今の大阪市は言う権利がない。言えるのは、特別区設置する瞬間まで)

設置の際.jpg

B今の24行政区にあった地区社協をどうするかは、社協が決める。

現在の社協は、法律に基づき、大阪市と行政区単位で設置されている。
特別区以降は、特別区に設置されるが、4特別区になるか、複数の特別区での設置になるか、社協が決める。
過去の市町村合併時、それぞれにあった社協を一つにし、支所・出張所といった形で維持するケースが多い。

(注:都構想後、どうなるか全く決まっていない。が、過去の事例から言えば、24区ある社協は合併され、維持されない可能性が高い)

C二重行政「等」の改革効果額の未反映分とされる、効果額の約半分は地下鉄民営化。
重複機能の統合、いわゆる二重行政の統合効果としてあげられた「港湾」は10月1日に、大阪市のままで実施済み。
残り二つの研究所等の統合は、実施済み。

(注:二重行政の無駄を削減と言われたが、実際の効果額としてはほとんどない。今回の財政効果額で計算されているのは、すでにやったものが、今後も効果を上げるだろうという予定の効果額)
※末尾に画像貼り付けています。

D大阪市の財産は、事務分担移行に伴い、事業の遂行に必要不可欠なものについて、大阪府へ移行。
大阪府に移行する主な財産は、府道、大規模公園、インテックス大阪国際見本市会場という、広域事務に必要な財産。
広域事業が終了すれば、特別区に承継することを「基本として」協議される。

(注:基本とか原則、というのは例外がある前提。もし大阪府が売却してしまっても、戻ってくる保証はないということ)

E経済効果の試算(P36嘉悦学園の試算)は、あくまで「参考資料」
特別区の財政が大丈夫という試算は、P33の財政シミュレーションのみ。
協定書の中身、法律上必要な項目は、42ページある説明パンフレットの@からJ(18ページから32ページ)のみ。

(注:住民投票の結果、どうなるか確定しているのは@〜Jのみ)
※末尾に画像貼り付けています。

F自治体運営に最低限必要なコスト(基準財政需要額)は、特別区への分割コストが反映されていない。
これまでの大阪市としてもらっていた地方交付税相当額が、特別区へ配分される財源となる。

(注:スケールメリットが期待された市町村合併と違って、大阪市が勝手に分割。
今後も、分割コストを算定した増額モデルでは計算されず、国からも大阪市のスケールメリットあったままで計算された、基準財政需要額からの交付金しかもらえない。)


G財政シミュレーションの税収の伸びは、国の成長モデルの伸び率を使ったもの。
都構想によるものではない。
大阪市の粗い試算が元。特別区の導入は試算されていない。
ただし、移行・人員増によって増えるコストは、これまでのAの改革効果額の未反映分で吸収できるから大丈夫という試算。

※この部分のみ、職員の方の回答を以下抜粋
「ベースとなっております財政局の出してる、いわゆる粗い試算と言ってるものは、現在の大阪市をベースに作った将来推計でございます。それにこれまでの改革効果額で、粗い試算の中に未反映のものについては、今回の財政シミュレーションに加えております。それに加えまして、組織体制の影響額、すなわち人件費であったり特別区の設置コストなどをもりこんだ結果、特別区全体では収支見通しでマイナスになることはない、というのがこの資料の定義」

※末尾に画像貼り付けています。

H一人当たりの裁量経費
絶対に支払ねばならない義務的支出は変わらない。それにプラスする市民サービスができるかどうかは、この自由裁量の経費があるかどうかで変わる。

各特別区役所の裁量経費というのは、だいたい200億から207億という形で算定。それを人口で割りますとこの金額になる。
(1人あたりの裁量経費、中央区は35,012円。淀川区34,851円、天王寺区31,376円、北区32,721円)

他都市との比較では、箕面市の9万円台、少ないところ4万円台前半。

裁量経費.jpg

■実際の書き起こしはこちらからご覧いただけます。
https://drive.google.com/file/d/1zaGDb7M7IowjPPlvuRXXScnlWgkWwph4/view?usp=sharing

※書き起こしを読み返すと、司会 武田の理解不足で、職員の方の回答とちぐはぐになっているところがあります。
申し訳ございません。ご了承ください。


<以下参考画像>

C二重行政「等」の改革効果額の未反映分
改革効果額1.jpg改革効果額2.jpg改革効果額3.jpg

E経済効果の試算(P36嘉悦学園の試算)は、あくまで「参考資料」
経済効果.png


G財政シミュレーションの税収の伸びは、国の成長モデルの伸び率を使ったもの。
都構想によるものではない。
財シミュ.jpg
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2020年06月08日

新型コロナ対策に、吉村知事の“リーダシップ”はどう発揮されたのか▼プレスリリースすらないのに、テレビで発表。役所も学校も現場大混乱〜

AMネット会報LIM95号より、会報発送前ではありますが、原稿を公開します。

新型コロナ対策に、吉村知事の“リーダシップ”はどう発揮されたのか

AMネット事務局

吉村洋文 大阪府知事の新型コロナウィルス対策が評価され、人気が上がっています。

しかし吉村知事・松井市長が掲げた重要施策の多くが、プレスリリースすらありません。

つまり「行政として何の準備もないまま、メディアで発表している」ということです。


▼吉村知事の評価をあげた「大阪方式」とは?

最初のきっかけは313日、指定医療機関に入院〜民間のホテルでの宿泊療養等、症状によって患者を分ける「大阪方式」を出したことです。

しかしその後、専門病院をどのように検討したのか。

大阪府HP(対策ページや専門家会議等資料)には、病院のリストもなく、検討した形跡すら見えません。


▼市長の独断?!コロナ専門病院

4月14日、大阪市立十三市民病院(以降、十三市民病院)をコロナ専門病院にすると、松井市長が発表しました。

大阪方式発表1か月後ようやく1つ目の専門病院であるにもかかわらず、大阪府・市HPには、報道発表資料すら見つかりません。

経緯は「市立病院機構理事長に依頼したところ可能との意見だったので、その場で方針決定した」という松井市長のTwitterで知れるのみです。

4.jpg

(大阪市HPより4/14報道資料。その前後にも記載なし。役所の準備がないまま、発表したことが分かります)

▽職員や患者にとって、「寝耳に水」の発表

十三市民病院をコロナ専門病院にする―。市民病院機構の理事長に確認したと松井市長は言うものの、当該機構の部長レベルも、当該機構を統括する「大阪市健康局」も、「十三市民病院」の院長も知らされず、報道資料もありません。

結果、病院への問い合わせが殺到し、現場が対応に追われることとなりました。


十三市民病院は、地域医療の中核病院です。出産間近の妊婦含め分娩の予約ほとんどが、急遽ほかの病院に割り振られました。

地域医療の中核にもかかわらず、救急・外来が休止となり、入院患者も転院・退院となりました。

2つ目のコロナ専門病院(民間病院)6月中旬の運用予定と、いずれも今回のピークには全く間に合いません。


実は、大阪市には20183月末に閉院した住吉市民病院が残っていました。

しかし、十三市民病院をコロナ専門病院にすると発表があった数日後、解体工事が始まったのです。

このタイミングでの解体は適切なのか、本当に全く活用できないのか、検討はきちんとされたのか。

十三市民病院が適切だったのか、さらに疑問が残ります。


▼知事の独断?! 大阪府の休業要請支援金

4月10日NHK『かんさい熱視線』にTV出演した吉村知事は、「府単独での休業補償は、現状は出来ない」「広く補償する東京都のような財源がない」といった発言を、繰り返していました。

しかしわずか5日後、大阪府も休業要請支援金(中小企業100万円、個人事業主50万円支給)を受け付けると吉村知事は発表。

報道発表資料もなく、府庁も大阪市役所も、現場はマスコミ報道で初めて知ったと聞きます。

支援金は歓迎すべきものの、府議会の日程もなく、財政難の大阪府で、意思決定はどうなされたのでしょうか。

2.jpg

(大阪府HP報道発表資料より抜粋。
4/22に、「休業要請支援金相談センターの設置」のプレスリリースはある↑のに、
吉村知事が発表した4/15後も、「休業要請支援金を始める」内容の報道資料がない↓ことが分かります。)

1.jpg

同時に「大阪府と市町村で1/2ずつ負担」と発表しましたが、報道によると大阪市(=松井市長?)以外は知らされていなかったようです。

最終的に、422日大阪府市・町村長会が、協力の申入れをすることで事業は進みましたが、正式な知事からの協力要請は423日。

市・町村長会が協力を受け入れた翌日です。

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(吉村知事の公務日程より抜粋。4/23に知事が正式に要請したことが分かります。)


府内市町村は財源のばらつきがあります。

府内市町村の首長も、行政・議会の関与もなく、意向すら聞かず、他自治体の大きな財源を使う政策を、勝手に吉村知事が決めてもいいのでしょうか。

支給が遅れているという報道も出始めています。

この支給遅れも、知事の”リーダーシップ”による現場大混乱が一番の原因ではないのでしょうか。

【参考記事6/9まいどなニュース】
「届かぬ大阪府の休業要請支援金…支給決定まだ2割「1カ月以上状況分からず」「支払い間に合わない」と悲鳴」



▼「大阪モデル」緑信号になるよう、基準を変更

5月5日、吉村知事は緊急事態宣言での休業要請などの解除の判断とする大阪独自の指標「大阪モデル」を発表しました。

「見える化」すると、太陽の塔などをライトアップまでした大阪モデル。

しかし524日、緑信号の基準を維持できないと明らかになった前日の23日、吉村知事は緑信号が続くよう、基準を変更したのです。

この基準変更の意思決定はどうなっていたのか。開示請求の結果、「吉村知事のトップダウン」だと分かりました。

https://note.com/kaijiwada/n/na64e33c988dd

京都大iPS細胞研究所 山中伸弥所長が「結果を見てから基準を決める。大阪府の対策が、科学から政治に移ったことを意味します」と懸念した通りです。


▼他都道府県との調整・連携は?

吉村知事は就任以降、「関西広域連合委員会」に出席したことがありませんでした。『関西圏域における新型コロナウイルス感染症への対応』を議題とした3月に2度開催された委員会も、両日とも「公務なし」にもかかわらず、欠席。4月にようやく、初めて出席しました。

「全国知事会」の出席も、万博決議の一度のみ。9月入学の前向き発言で小池知事とニュースを賑わせた時が、2回目の出席です。

知事会等に参加せず、事前調整もないまま「大阪は経済の中心だから」とマスコミで発表する…。他都道府県との連携は大丈夫なのか心配です。


▼プレスリリースすらないのに、テレビで発表

知事のメディア露出は非常に多く、4月28回、5月は30回を超え、Twitterでの発信にも熱心です。

しかし、大阪府HPには「新型コロナウィルス感染症対策サイト」はあるものの、対策サイトのはずが、府の対策が一見してわかるページはありません。

「大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」の配布資料や議事次第はありますが、何が決まり、進捗はどうなのか。議事録もなく、何をやっているかすらわかりません。


前述の重要施策が、大阪府・市HPに報道発表すらないということは、開示請求からも、行政が何も準備もないまま、知事・市長の一存で発言していることは明らかです。周辺自治体との調整もなく、行政も知らぬまま、知事・市長が勝手にテレビで伝えていいのでしょうか。


2018年大阪北部地震時、大阪市長だった吉村氏は、「大阪市内の幼・保育所、小・中・高校は、安全確保のため、全て休校にする指示を出した」と、Twitterで発信しました

しかし、吉村市長が教育委員会に休校措置を指示したのであれば、それを受けて教育委員会が休校を各校に伝え、対応できるようになって、かつ大阪市HPサイト等で公式発表してから、吉村市長のアカウントで発表すべきです。

登校中の時刻に起こった地震。児童の安全確認に追われる学校では、公式発表もないままに、吉村氏のTwitterをみた保護者からの問合わせが入り、教育委員会に確認しても分からず、児童のお迎え、昼食をどうするかなど、教育現場も保護者も振り回される結果となりました。


松井市長が防護服の代わりに集めた雨がっぱも、開示請求の結果、松井市長の思い付きであったことが判明しています。
https://note.com/kaijiwada/n/n7a70dc8efff3

(実際、30万着集まった雨合羽は、1か月以上たった今も約19万着、行先がないまま残っています。(市議会答弁より)

※その後、医療現場で使いきれない雨がっぱを、教育現場に取りに来いと教育委員会が通達をだしています。
https://twitter.com/jxyezp9fou8aycr/status/1268926039180193792

※大阪市HP「新型コロナウイルス感染症にかかる寄附物品について」2020/6/8更新分より抜粋

https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000501/501001/bougokifu.pdf

5.jpg


私たちの目に見えづらい行政の中で、このような事態が、日々起こっていると容易に想像できます。

検討すらされていない、思い付きの市民受けしそうなことを発信するのがリーダーシップなのでしょうか。

知事の思い付きの帳尻合わせに忙殺され、行政のポテンシャルを発揮しそこねていないでしょうか。


そもそも市民病院を減らしたのも、保健所の人員削減を進めたのも、「二重行政の無駄」として、公衆衛生(府)・環境科学(市)と、機能が違う大阪府・市の地方衛生研究所を統合し、独立行政法人化し、これらを成果として宣伝してきたのも、橋下氏以降の維新の党です。


今回のコロナ禍で、国だけでなく自治体の役割が再評価されていますが、「大阪市を廃止」する、2度目の大阪都構想の住民投票を今年111日に予定通り行うと、今も知事・市長は強調しています。


歴史学者 住友陽文氏が先日Twitter

「大阪維新が苦手なのは、ずばり行政そのものなのではないか。住民がいて、生活をし、(略)病気になれば安心して医療を受けられ、年を取れば福祉がある。そういう住民という実体のあるものを相手にした日常的な行政のことだ。」

と指摘しました。

カジノ・リニアといった“打上花火”は得意でも、行政が苦手な知事が、行政の現場を右往左往させている状況で、市民の生活はよくなるでしょうか。何を言ったのかではなく、「何をやっているか」を見るべきです。■


posted by AMnet at 21:21| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月25日

SDGs達成に貢献する万博にするための意見書を、大阪市・博覧会協会に提出しました。

SDGs達成を目的として開催される、大阪・関西万博。


なのですが、環境アセスメントの方法書を見ても、SDGsの文字がどこにもありません。。。残念過ぎます。

加えて、会場が「夢洲」であることで、SDGs達成から、逆に遠のくのでは?というのも、私たちの大きな懸念です。

本日12/25、大阪市と日本博覧会協会を訪問し、夢洲懇談会の一員として、今回は6団体で一緒に意見書を提出しました!

よりよい万博にするため、市民が意見を言える機会が今。

「こんなことを調べて欲しい」「これが心配」といった、
いろんな意見を受けて、これからどんな環境アセスメントになるか、が決まります。

2019年1月6日〆切で、大阪市・博覧会協会が、環境アセスメントへの意見を受付しています。

AMネットが提出した意見書は
「SDGs達成のための万博にするために、説明してほしい」というもので、要旨は以下の3つ。

@環境アセスメントにSDGsの視点を。開催前〜開催後・跡地利用も念頭に。

Aなぜ夢洲なの? 逆に、持続可能な開発目標であるSDGsと大きくずれるのでは?
懸念する8つの視点から「他候補の6会場より、夢洲がSDGs達成に貢献できる」具体的理由を説明して!

B上下水道の整備、計画も決まってないけど、送水ルートが限られており、いざという時どうなるの?

よろしければ参考にしていただき、多くの方の提出をお願いいたします。

☆AMネットが提出した意見書はこちらからDL可能です。【Wordファイル】


<提出先>
■公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
環境影響評価方法書の公表及び意見の受付について

■2025年日本国際博覧会環境影響評価方法書等の写しの縦覧並びに意見書の受付について


<以下、AMネットとして提出した意見書です>

1、SDGsの観点を、環境アセスメントに取り入れるべきです。

方法書・立候補申請書に事業の目的として記載され、「2025年万博基本構想検討会議」整備等部会部会長も発言している通り、日本は万博開催でSDGs達成に貢献すると、世界に約束したも同然です。

そもそもこの方法書にSDGsに関する記載がなく、その視点をもつ全体像・具体策もありません。SDGsの精神に則り、アセスメントを実施してください。

開催中は当然として、万博前および万博後・跡地利用に関しても、どのようにしてSDGs達成に貢献するのか、明示してください。


2、なぜ夢洲を会場としたのか、明確に説明ください。

夢洲を会場とすることで、逆に持続可能な開発目標であるSDGsと大きくずれるのではないかと懸念します。なぜ夢洲なのか。どのようにしてSDGs達成の貢献につなげるのか、他候補の6会場より、夢洲がSDGs達成に貢献できる、具体的理由を説明してください。

特に以下項目について、最低限、他6会場との比較検討の結果を明示すべきです。


@目標1. 貧困をなくそう

大阪府知事・大阪市長が「万博とカジノはセット」と度々明言されています。

「持続可能で強靱、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」SDGsとIRカジノは矛盾しないか。考え方、立ち位置をしっかりと説明すべきです。


A目標11. 住み続けられるまちづくり

京都議定書同様、日本の地名が冠になった国連防災世界会議で採択された2030年までの国際的な防災指針「仙台防災枠組20152030」が、SDGsにも取り入れられています。

「仙台防災枠組20152030にそって、災害リスク・防災の観点から、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う(ターゲット11.b)」。

夢洲は、汚染土壌、汚染水、軟弱地盤、台風、高潮、地震、液状化、護岸沈下、津波、コンビナート火災、避難経路、避難先の受入れ状況等、多くの懸念が寄せられています。SDGsの観点からも、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施に関するリスクアセスメントを自主的に実施し、明確にすべきです。


B目標12. 作る責任、つかう責任

海面には限りがあり、私たちが使える海は残りわずかです。大阪市民が今後、1020年使えるごみの最終処分地に、税金を使って購入した土砂で埋め立てる理由および、新島フェニックスとの関係を説明ください。


-1 埋立の回避、埋立必要規模の最小化

夢洲を会場とすることでの、ごみ処理および埋立地の喪失等、影響について回答ください。


「大阪湾フェニックス計画に参画し、長期的展望に立った最終処分地の確保を図っている。(2.2.10 廃棄物(1)一般廃棄物 P46)」との記載がありますが、フェニックスは、近畿24168市町村を受け入れる重要な処分地です。瀬戸内法、瀬戸内海環境保全基本計画、瀬戸内海の環境の保全に関する大阪府計画にある「埋立ての回避、埋立て必要規模の最小化」の趣旨からも、夢洲を処分地として延命化を図るべきだと考えます。


-2 大規模災害等に備えた災害廃棄物の処分地の確保

大規模災害時、早期の復旧・復興のためには、災害廃棄物の迅速かつ計画的な処理が必要であることは過去の災害からも明らかです。


大規模災害等に対し、仮置き場および最終処分地の重要性からも、夢洲を開発して良いのか。加えて「近畿ブロック大規模災害廃棄物対策行動計画」への影響はないか回答ください。


「瀬戸内海環境保全基本計画(5廃棄物の処理施設の整備及び処分地の確保)」「瀬戸内海の環境の保全に関する大阪府計画(35-3)」の「廃棄物の処理施設の整備及び処分地の確保」にも、「廃棄物の海面埋立処分に際しては、環境保全と廃棄物の適正な処理の両面に十分配慮するとともに、当該処分地が地域で果たす役割や大規模災害等に備えた災害廃棄物の処分地の確保に対する社会的要請の観点から、整合性を保った廃棄物処理計画及び埋立地の造成計画によって行うものとする」とされています。


また、南海トラフ巨大地震により、近畿ブロック全体で災害廃棄物が約7,900万トン、津波堆積物が約900万トン、合計で約8,800万トン発生すると推計されています(中央防災会議防災対策推進検討会議による同地震の被害想定)。



-3 埋立てに当たっての環境保全に対する配慮

「瀬戸内海環境保全基本計画」「瀬戸内海の環境の保全に関する大阪府計画」にある通り、沿岸域の環境の保全、再生及び創出に関する目標である、「海面の埋立てに当たっては、環境保全に十分配慮することとし、環境影響を回避・低減するための措置が講ぜられていること」「特に藻場・干潟等は、一般に生物多様性・生物生産性が高く、底生生物や魚介類の生息・生育、海水浄化等において重要な場であることを考慮するものとする。」とあります。これらに対し実施する措置を回答ください。


加えて、夢洲を会場とすることで「2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成(ターゲット12.2.)」と矛盾しないか、説明すべきです。


C目標13. 気候変動に具体的な対策を

 気候変動について、会場内での温室効果ガスの排出抑制等しか検討されておらず、あまりに不十分です(P81)。

地球温暖化により「今のペースで温室効果ガスの排出が続けば、今世紀末に海面上昇が1メートルを超える可能性がある」と、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2019年9月に「海洋・雪氷圏特別報告書」の政策立案者向けの要約版を公表したばかりです。

高潮や津波等、今の想定のままでよいのか。「気候関連災害や自然災害に対する強靭性及び適応の能力を強化(ターゲット13.1)」できるのか。

「海洋・雪氷圏特別報告書」を踏まえ、地球温暖化の影響および対策も検討すべきです。



D目標15. 陸の豊かさを守ろう

夢洲は「大阪府レッドリスト2014」において生物多様性ホットスポットAランクに指定されています。「自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し…緊急かつ意味のある対策を講じる。(ターゲット15.5)」と矛盾しないか、説明すべきです。


E会場決定プロセスへの懸念

他候補会場とどのように比較検討され、夢洲に決定されたのか。パート―ナーシップおよび市民参加型プロセス、議会の関与等、決定までのプロセスを具体的に明示してください。


2025年万博基本構想検討会議」での検討がされたと方法書に記載がありますが、議事録・資料からも6会場を候補とし検討を始めたにも関わらず、夢洲が候補地にあがったとたん、夢洲が決定したかのように、第1回から夢洲ありきで議論が進んでいるように映ります。


F5つのP、パートナーシップの強化

 調査・予測・評価・事後調査において、情報公開と市民参加を促進し、幅広い市民および市民団体との連携し、協働する手法を提示し、確実に実施すべきです。


G持続可能性アセスメント・防災に関するリスクアセスメントを実施すべきです。

SDGs前に開催されたミラノ博において、SDGsへの寄与を謳った持続可能性アセスメントが実施されています。大阪万博はSDGs達成を目的として開催する万博であり、SDGsゴールの5年前、2025年というタイミングで実施する重要な位置にあります。

大阪万博では、2、@で前述の通り、防災に関するリスクアセスメント及び、ミラノ万博よりもさらにヴァージョンアップした持続可能性アセスメントを、自主的に実施すべきです。



3、上下水道の整備、災害時

20181月、山口県周防大島町において、橋の送水管の破断事故が発生し、数日間水道が届かなくなりました。夢洲への送水計画は不明ですが、送水ルートが限られていることは明らかです。同様の事態が起こった際に、15〜30万人規模の命に係わる事態となります。


そもそも、夢洲まちづくり計画の詳細も決まっていない中で、アセスメントを実施すべきではありません。

非常時、どのような計画・体制になるのか。上水・下水ともに、どのように整備計画を立てるのか。通常時のみならず、災害時を含めた整備計画を決定し、説明すべきです。

posted by AMnet at 18:03| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月02日

【大阪IR基本構想へパブコメを送ろう!8/9〆切】夢洲に集客施設を作るのは、無理!夢洲万博は半年間で2,800万人の集客を想定…(USJ来場者は約年間1400万人)

【パブコメを送ろう!8/9〆切】

大阪IR基本構想(案)へのパブリックコメントが始まっています。


大阪IR基本構想(案)より抜粋


1章14P「IRの立地」

IR基本構想1章14PIRの立地.jpg

2章34P「安心して滞在できるまちの実現」

 IR基本構想2章34P安心まちづくり.jpg


に対する、パブコメとしてよろしければお使いください。


■パブコメ提出・構想案はこちらから
「大阪IR基本構想」(案)に対する府民意見等の募集について

http://www.pref.osaka.lg.jp/irs-kikaku/ir_pubcomme/index.html



■夢洲に集客施設を作るのは、無理!■

万博やIRカジノで、人を集めていいの?
万博会場は、夢洲と決まったわけではありません。


【夢洲】ってどんなところ?

@大阪市民があと10~20年、タダで捨てられる「ごみの最終処分地」です。


「グリーンテラス」予定地(画像左の緑ゾーン)
一般ごみの焼却灰が1000万dも埋め立てられており、ダイオキシン・PCBなどの有害物質のため、現在立ち入り禁止の区画です。

「IRカジノ・万博」予定地
浚渫土砂が埋立土砂の80%を占めます。この浚渫土砂は、100年近くにわたり、重化学工業の工場排水・廃液が沈殿している大阪湾の海底地層で、有害。非常に危険です。

夢洲機能配置イメージ.jpg



A夢洲は、埋立途中の水びたしの土地。


(2018年10月の夢洲航空図)

夢洲航空図.jpg

産業廃棄物や浚渫土砂の埋立は、建築物を建設するかどうかで埋め立てるのか変わってきます。

しかし夢洲は埋立も、周囲の護岸設計も、そもそも「建築物の建設を想定されていない」場所です。


夢洲は、埋め立て地だから「沈下」します。

建築物を予定した関空ですら想定以上に沈み、「洪積層の沈下」という従来の常識を覆す事実が起きています。


夢洲は、建築を想定せず埋立てた、埋立途中の水びたしの土地。

その下は、阪神淡路大震災で多くの家屋が倒壊した沖積粘土層の軟弱地盤。

その下にある洪積層も、関空では沈んでいるのです。


B災害時、夢洲は孤立します。

2018年の台風被害で関空は陸の孤島となりました。災害時に大人数を島外へ避難させるのが困難だと明らかです。

万博は、半年間で2,800万人の集客を想定しています(USJ来場者は年間1400万人)。


夢洲へのアクセスは、橋とトンネルの2つしかありません。


コンテナ船が来るたび、すでに大渋滞しています。災害でなくとも、万博で2800万人もの集客をさばく余裕はありません。



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2019年06月30日

Name of the Document In order to avert risks and realize potentials of Yumeshima, development projects of visitors attraction facilities (World Expo/IR Casino) should be reconsidered.

 Name of the Session Local to Global ‘SDGs & Yumeshima Expo: Yumeshima Risks and Potentials’

Name of the Document In order to avert risks and realize potentials of Yumeshima, development projects of visitors attraction facilities (World Expo/IR Casino) should be reconsidered.

Summary ➢ Yumeshima is a high-risk location in terms of natural disasters, and visitor attraction facilities should not be built there.

➢ Yumeshima should be left as a biodiverse hotspot and a logistics hub, for achieving its potential abilities.

➢ This proposal is based on various opinions of citizen groups and intellects in Osaka.

Background and Current Situation ‘World Expo 2025 is to be held in Yumeshima?’

Yumeshima is not only a ‘biodiverse hotspot’, but also the focal point of logistics in Kansai ‘with a pivotal role in international freight transportation strategy’. At the same time, countermeasures against disasters (regarding soft ground and typhoons, etc.) are also a major issue. Some critics say the World Expo 2025 and a casino are incompatible.

Even under these circumstances, with no decision at Osaka City Assembly, the project for holding the World Expo 2025 in Yumeshima is about to become an established fact.

[SDGs]

In light of SDGs Goal 11 ‘Making cities inclusive, safe, and sustainable ’, there are many serious issues, among others, weakness against major disasters, concerns about pollution, waste management, loss of biodiversity, which need to be considered. It is also a major issue that local residents have little opportunity to participate in the discussion making process. The Yumeshima development projects need to be reconsidered in order to achieve a goal of ‘Promotion of SDGs through the World Expo’ described in the Government’s “SDGs Action Plan 2019”.

AM-Net(Advocacy and Monitoring Network on Sustainable Development)


[Natural Environment]

Yumeshima, the planned location for the World Expo, has been recognized as a A rank biodiverse hotspot area by the Osaka Red List 2014, along with Osaka Nankou Bird Sanctuary in Sakishima. In response to the questionnaire submitted by the Nature Conservation Society of Osaka in 2018, both Osaka Prefecture and Osaka City answered that they recognize the importance of preserving biodiversity in Yumeshima. However, we would like to raise the issue that this viewpoint is not evident at all in a current plan of the Expo & IR.

Nature Conservation Society of Osaka


[Logistics]

At a time when international cargo ships are increasing in size, Yumeshima, with a depth of 15 meters, plays a pivotal role as a hub for international freight and, as initially planned, it is essential for boosting Osaka economy. It is physically impossible for a logistics base and a tourism base to co-exist on that island with just one bridge and one tunnel. We are afraid that, if a current plan is enforced, both will be failed and a huge investment will be lost. ‘Yumeshima' is best suited for use as a landfill and a logistics base.

Network of Concerned People about the Future of Osaka


[Pollution]

Yumeshima is an island of waste, filled and created by approximately 10,000,000 tonnes of burned waste over the past 28 years. It is clear that this island is susceptible to dangers of ground subsidence and natural disasters. Into the 2nd zone for the World Expo and the 3rd zone for the IR, non-industrial waste has been carried. Regarding the 1st zone, there are concerns about soil pollution due to dioxin contamination. This land is not suitable for a green terrace zone to be built as a part of the World Expo facilities. Yumeshima is common goods for citizens, so the landfill site should be maintainedas such for the next 20 years.

NGO Osaka Citizen Network


[Air Pollution Increase]

The Yumeshima World Expo will dramatically increase the volume of automobile traffic between Yumeshima and the Osaka Bay area with the transportation of 28 million visitors, in addition to that of employees and supplies. Severe pollution from the coastal industry in this area previously caused serious illnesses, and if the car and traffic emissions are added this time, it could result in a return of the occurrence of air pollution diseases such as asthma.

Association for Pollution-free Osaka


[Soft Ground]

When a major earthquake occurs on the Nankai Trough, it is said that Yumeshima could face a tsunami of 3.2m tall; or 5.4m at high tide. The tsunami could rush over Yumeshima at speeds comparable to a car. In that case it is said that the tsunami would be 1.5 times taller, and there is a high possibility that the foundations for a casino and the World Expo would be flooded. In addition, as dredged soil is used in Yumeshima and will be covered with a few meters of high-quality sand, it is subject to liquefaction damage.

Yoshiaki Tainosho (Emeritus Professor, Kobe University: Geology)


[Finance]

Reclaiming Yumeshima island and building the ‘IR’ casino and World Expo related infrastructure might bear not only natural disaster risks but also an huge financial problem. Almost 100 billion yen* will be spent for reclamation work and infrastructure development. Making casino companies pay 20 billion yen for the subway extension is symbolic of the Expo’s requests to the casinos. The major development plan of Yumeshima based on overpredicted demand is a threat to citizens' life.

Akira Yamada (Emeritus Professor, Nagoya City University: Local Finance)

* These figures are excerpted from ‘Land development and foundation maintenance project of Yumeshima ward’ made by Osaka City as a part of FY2019 mayor’s budget assessment hearing materials). The figures are the ones revealed as Osaka City’s share of the non-venue construction cost categorized under the related operating expenses..


[Economy]

The Yumeshima casino anticipates sales of 380 billion yen. A profit rate of Casino is expected to be 7%. And, in order to achieve a profit of 380 billion yen, a bet of more than 5 trillion yen, 14 times bigger than the profit, is needed. According to the plan, 57 billion yen in casino taxes will be injected into Osaka local administration, but 100,000 to 200,000 new gambling addiction cases will inevitably be born. Obviously it is not worthy to do so.

Teruo Sakurada (Professor, Hannan University: Accounting)


➢ To local administrations, businesses and community members in Osaka and the greater Kansai region

The location for the World Expo has not been finalized as Yumeshima. Based on the latest scientific knowledge, other candidate sites should be considered calmly in order to make use of the potential of Yumeshima and to avoid risks.

Key Contributors AM-Net(Advocacy and Monitoring Network on Sustainable Development), Nature Conservation Society of Osaka, The future of Osaka Net, NGO Osaka Citizen Network, Association for Pollution-free Osaka, Yoshiaki Tainosho (Emeritus Professor, Kobe University: Geology), Akira Yamada (Emeritus Professor, Nagoya City University: Local Finance), Teruo Sakurada (Professor, Hannan University: Accounting)

Proponents Knowing Osaka & Thinking for Osaka Group, Others



posted by AMnet at 22:28| 大阪問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする