2009年03月19日

イスタンブールより(2) 「すべての人に水を:我々の共有物としての水を管理する…挑戦と解決策」

090319 - Water is a Human Right.png

3月19日(木)
国際コモンデー
「すべての人に水を:我々の共有物としての水を管理する…挑戦と解決策」


の速報です(写真の横断幕:「水はすべての人間にとっての人権である」)。

昨年、国連総会議長の水問題アドバイザーに就任したモード・バーロウ氏(写真左から2番目)を始め、水問題に関わる国際NGOが開催したシンポジウムです。「水は基本的人権である」という共通理解のもと、水道私営化の問題や女性が意思決定に参加することの重要性、すなわち、水や衛生設備へのアクセスは、効率性によってのみ捉えられるのではなく、正義やジェンダー平等、人間の尊厳、そして民主主義にとって重要であることなど、さまざまな観点からのスピーチがなされました。

休憩時間にはコスタリカのミュージシャンによる弾き語りライヴも披露され、和やかに雰囲気に包まれました。

(AH)
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イスタンブールより(1) 「水の公正:公平な水への権利と民主的な水政策を求める市民社会の運動」

090818 - Water Justice.png

世界水フォーラムおよびNGOによる「人々の水フォーラム」が開かれているトルコ・イスタンブールに到着しました。今日から数日間の動きをこのブログでお伝えして行きます。

まず、3月18日(水)に行なわれた『水の公正:公平な水への権利と民主的な水政策を求める市民社会の運動』の様子をお届けします。いくつかあるセッションのうち「水の公正(Water Justice)」に参加しました。水問題とジェンダーの関わりや、「水は基本的人権である」ことを盛り込んだウルグアイの国民投票運動など、多様なスピーカーによるセッションで、昨年NGOが開催したふたつのワークショップ(ボリビア・コチャバンバ、インド・タミルナドゥ)の映像が上映されました。

(AH)
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2009年03月18日

第5回世界水フォーラム、平和的に抗議行動を行う市民が弾圧される

第3回世界水フォーラムが京都で開催されたのは、すでに6年も前ですが、その後第4回世界水フォーラム(メキシコ)を経て、第5回世界水フォーラムが3月16日からイスタンブールで開催されています。

WWF venue

世界の水問題への解決策を探るため、世界中から3万人の関係者が「参加」する、トルコでの最大の国際イベントのひとつ、と報道されています。

イスタンブールに駆けつけているのは、3万人の約3万円の参加費という、日本の一般市民はおろか、貧しい国で水問題の影響を直接受けている人々には払えるはずのない金額を払って参加している人々ばかりではありません。世界中で「水の公正」を求めて日々活動しているウォーター・ジャスティス・アクティビストも集結しています。

ところが、平和的に「水の公正」を求めている世界からの市民に対し、トルコ政府側は大きな弾圧をかけています。

まず、16日にデモが開催され、世界水フォーラム会場に向けて、300人ほどの世界やトルコからの市民が行進しました。
「水はいのち、利益をうみだすものではない」と平和的に行進していた市民に対して、高圧放水銃や催涙ガスが使用されています。そのデモでは、17人が逮捕されました。

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2009年03月17日

世界水フォーラム・NGOの取り組み(3)

水の公正:公平な水への権利と民主的な水政策を求める市民社会の運動

日時:3月18日(水)13:30〜18:00
場所:Makina Muh. Odasi, Room 2, Ipek Sokak (Ipek Street), Taksim

共催:労働組合(ABVAKABO FNV)、PSI、Wageningen大学水管理学科

 このセミナーにおいて、世界の多様な地域で「水の公正を求める」市民社会運動が起きていることを示す。参加者は、メインストリームの官僚的で新自由主義的な水政策や、階級・ジェンダー・人種差別が「統合水管理政策」に盛り込まれているかについて、根本的な批判を行なう。参加者は、効率性・客観性・中立性という言説の背後にある政治的選択が覆い隠す、既存の、またいわゆる専門家による「水政策」に反対する。
 いくつかの事例では、市民社会運動は十分で清潔な水を手に入れる権利に焦点を当てる。又別の事例では、公的で集中的な水管理を強化することに注目し、私営化や自治体・コミュニティーから水を取り上げようとする動きを防ごうとする。権力を持ったエリートや多国籍企業の手から意思決定権を守り、水の私営化が利用者、市民、そして労働者へ及ぼす悪影響に対する闘いである。セミナーはまた、人種やジェンダー承認と民主的な水管理、そして人々・農民・先住民の運動というもう一つの水管理の知恵などの事例を取り上げる。
 多くの会議が水への権利、アクセス、そして民主的闘争という多様な話題に触れるであろうし、プレゼンテーションの後には、このように異なった市民社会グループ(労組、NGO、地域コミュニティー、助成団体、学者)が共通の目標の目標に向かって恊働できるのかを議論する。基本的には、十分なアクセスと水への民主的管理(それを維持するのであれ、取り戻すのであれ)について議論することになるであろう。

主催者:
1. ABVAKABO FNV: Jerry van den Berge: jvandenberge@abvakabo.nl
2. Wageningen University/IWE: Rutgerd Boelens: rutgerd.boelens@wur.nl

言語:英語

プログラム:
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2009年03月16日

世界水フォーラム・NGOの取り組み(2)

「水への権利を実現する:民主化と公公連携(PUPs)−世界水フォーラム・サイドイベント」

主催:トランスナショナル研究所(TNI、オランダ)、国際公務労連PSI)、法・政策・人権研究所(インド・チェンナイ工科大学)

日時:3月17日(火)8:30〜10:30
場所:世界水フォーラム VIP Block / Kasimpasa 1-2

本イベントは、最貧困層の人々による水と下水設備へのアクセスを改善するために、水道事業者間による公公連携(PUPs)が持つ潜在力に焦点を当てる。PUPsは、世界中で失敗事例が相次いでいる公民連携(PPPs)とはまったく異なる仕組みである。PUPsは費用対効果が大きく、低リスクで、持続可能な規模を目指し、地域での管理を基本とした、透明性・説明責任のある、労働者と市民社会が参加する仕組みである。これらの理由により、PUPsは急成長を遂げており、水分野において今やPPPsよりもPUPsを採用する国が増えつつある。

パネリスト:

- Ms. Santha Sheela Nair, IAS, インド・農村開発省飲料水供給課 (交渉中)
- David Hall, 国際公務労連研究所、グリニッジ大学
- Jaime Morell, Consorcio Provincial de Aguas de Sevilla, スペイン
- Guillermo Amorebieta, Aguas Bonaernenses Sociedad Anonima (ABSA), アルゼンチン
- Vibhu Nayar, IAS, インド・タミルナドゥ地方政府水資源省
- Marcela Olivera, フード・アンド・ウォーター・ウォッチ、「水と生活を守るコーディネイター」ボリビア・コチャバンバ
- Faraj El-Awar, UN-Habitat、グローバル水事業者パートナーシップ連盟、プログラム・マネージャー

詳しくは、トランスナショナル研究所Satoko Kishimoto まで。
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2009年03月15日

世界水フォーラム・NGOの取り組み(1)

NGOたちは世界水フォーラムでどのような活動を行うのでしょうか。

開催地トルコのNGOには主に二つのグループがあります。

Another Water Management Is Possible Campaign
(「もう一つの水管理は可能」キャンペーン

と、

No to Privatization of Water Platform
水の私営化に反対するプラットフォーム

です。

なぜ二つの分かれているのかは諸説あるので、ここでは省略しますが、共に世界水フォーラムの外側で独自のイベントを開催しています。

まず、「キャンペーン」は3月19日に「すべての人に水を:我々の共有物としての水...挑戦と解決策(Public Water for all: Managing Our Water Commons… Challenges and Solutions)」というイベントを開催します。世界的な水危機とその解決策を模索するために、世界水フォーラム内外の関係者に広く参加を呼びかけており、「水への人権」を宣言することを目的としています。

そして、3月20日〜22日にかけて、「もう一つの水フォーラム2009(Alternative Water Forum 2009)」(リンク先PDF)を開催します。

これは、ラテン・アメリカ、アフリカ、アジア、ヨーロッパなど、水を巡る世界各地の人々の運動を紹介し、「水は人権である」ことを広く訴えかけるフォーラムです。スピーカーには昨年、水問題における国連総会のアドバイザーに選ばれたカナダのモード・バーロウ(Maude Barlow)氏を始め、各地のNGO関係者が予定されています。

一方、「プラットフォーム」は3月15日〜22日に「水の商品化に反対プラットフォーム」を開催します。こちらはデモ、ワークショップ、フォーラムなど、さまざまな手法で水の商品化への反対を訴えています。

これら二つの現地での動きに加え、今回の世界水フォーラムでは3月14日〜3月22日を「水への公正を求めるグローバル行動週間(The Global Week of Actions for Water Justice)」と設定し、世界各地でこの主旨に沿った行動を呼びかけています。18日にはコロンビアで水を守るデモンストレーションが計画されたり、20日には「すべての人に水を」というキャンペーンがポルトガルで開催されます。こうした世界中の取り組みは、こちらに掲載され、随時更新されていきます。

ちなみに、AMネットが7日に開催した「世界のピンチは地域のチャンス!」も行動週間の一環です(少し早いですが。。)
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世界水フォーラム・セッション紹介

いよいよ世界水フォーラムの開催が明日に迫ってきました。
ここでは7日間の開催期間中にどのようなセッションが行なわれるかを紹介します。

テーマは6つに大別され、それぞれいくつものセッションに分かれています。

Theme 1: Global Change and Risk Management
テーマ1:地球規模の変化とリスク管理

1.1 Adapting to Climate change
  気候変動への適応
1.2 Water Related migration, changing land use and human settlements
  水に関係した移動、土地利用の変化、および人の定住
1.3 Managing Disasters
  災害管理

Theme 2: Advancing Human Development and the MDGs
テーマ2:人間開発の促進とミレニアム開発目標

2.1 Ensuring Water, Sanitation and Hygiene for All
  すべての人に水・下水処理、衛生状態を保障する
2.2 Water for Energy, Energy for Water
  エネルギーのための水、水のためのエネルギー
2.3 Water and Food for ending Poverty and Hunger
  貧困と飢餓を終わらせるための水と食糧
2.4 Multiple Uses of Water
  水の多面的利用

Theme 3: Managing and Protecting Water Resources
テーマ3:水資源の管理と保全

3.1 Basin Management and Transboundary Cooperation
  流域管理と国境を超えた協力
3.2 Ensuring Adequate Water Resources and Storage Facilities to meet Agricultural, Energy and Urban Needs
  農業・エネルギー・都市のニーズを充足させるための十分な水資源と貯蔵施設の確保
3.3 Preserving Natural Ecosystems
  自然生態システムの保護
3.4 Managing and Protecting Surface, Ground, Soil and Rainwater
  表流水、地下水、土壌、雨水の管理と保全


Theme 4: Governance & Management
テーマ4:統治と管理

4.1 Implementing the Right to Water and Sanitation for Improved Access
  アクセスを改善するために、水と衛生への権利を実現する
4.2 Institutional Arrangements and Regulatory Approaches for Efficient and Effective Water Management
  効率的で効果的な水管理のための制度の準備と規制的アプローチ
4.3 Ethics, Transparency and Empowerment of Stakeholders
  倫理、透明性、および利害関係者に力を与える
4.4 Optimizing Public and Private Roles in Water Services
  水サービスにおける「公」および「私」の役割の最適化

Theme 5: Finance
テーマ5:財政

5.1 Sustainable means of financing local water authorities and systems
  地域の水事業者とシステムの持続可能な財政手段
5.2 Pricing Strategies as a tool for a Sustainable Water Sector
  持続可能な水セクターのための道具としての料金戦略
5.3 Pro-poor Financing Policies and Strategies
  貧困層向けの財政政策と戦略

Theme 6: Education, Knowledge and Capacity Development
テーマ6:教育、知識、能力開発

6.1 Education and Capacity Development Strategies
  教育と能力開発戦略
6.2 Water Science and Technology: Appropriate and Innovative Solutions for the 21st century to better address the needs of society
  水科学と技術:社会のニーズをさらに伝えるための21世紀にふさわしく、革新的な解決方法
6.3 Using the Assets of Professional Associations and Networks to Achieve the MDGs
  ミレニアム開発目標を達成するための専門的ネットワークの蓄積を利用する
6.4 Data for All
  すべての人にデータを
6.5 Water & Culture
  水と文化


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2009年03月09日

第5回世界水フォーラム

3月16日〜22日の日程で、第5回世界水フォーラムがトルコ・イスタンブールで開催されます。

AMネットはトルコにメンバーを派遣し、現地での会議の様子やNGOの動きを速報でお伝えします。その準備段階として、「世界水フォーラムとはなんぞや?」「今回のテーマは?」といった事柄をここで伝えていきます。

世界水フォーラムとは、世界中の水問題を研究するシンクタンクである「世界水会議」が、各国政府や国際機関の協力のもと、3年に一度開催している国際会議のことで、第1回目は1997年にモロッコ・マラケシュで、第2回目は2000年にオランダ・ハーグ、第3回目は2003年に京都・滋賀・大阪で、そして前回第4回目はメキシコ・メキシコシティで開かれました。

この会議では世界中から水問題に関わるさまざまな人々が集まります。例えば、各国政府、水関連企業の重役、交際機関の職員、そしてNGOなどの市民団体です。

こうした人々が水問題の解決へ向けて知恵を出し合うわけですが、重要なポイントがあります。それは、「世界水会議」が目指しているビジョンは、水の商品化や私営化、大規模な開発によって、水資源管理の全てを民間企業に引き渡すような水管理モデルを提示している、ということです。近年では私営化モデルからの脱却が見られますが、それでもなお「公民連携」という仕組みを誇示し続けています。

「世界水会議」は、多国籍水関連企業や国際金融機関などから構成されており、市民社会の意見はほとんど反映されてきませんでした。

では、NGOたちは世界水フォーラムでどのような活動をしているのでしょうか?次回はこのことについて書きます。

(AH)
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