2017年08月12日

【骨太の方針】上下水道のPPP/PFIや広域化を促進:政府資料より抜粋

【日本水道新聞】上下水道PPPを重点化
2017年06月19日

骨太の方針 広域化は目標設定へ
 政府は9日、第10回経済財政諮問会議と第10回未来投資会議の合同会議で「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針)と「未来投資戦略2017」について議論し、同日に閣議決定した。
 公共インフラについては、引き続き経済・財政一体改革の一環としてPPP/PFIや広域化、公営企業改革などを促進する。また、経済成長の基盤として効果的かつ効率的な投資を進める方針を示した
http://www.suido-gesuido.co.jp/blog/suido/2017/06/ppp_11.html

<記事引用ここまで>

平成29年6月9日(金曜日)17時15分〜17時40分のわずか35分間、膨大な議題で実施された、平成29年第10回経済財政諮問会議・第10回未来投資会議合同会議。

ここでの議論を受けて(!)、骨太の方針が閣議決定されました。

<骨太の方針2017>
平成29年6月9日、「経済財政運営と改革の基本方針2017〜人材への投資を通じた生産性向上〜」(骨太方針)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定。

<うち、水道に関する記述>
D PPP/PFIの推進
上下水道等の経営の持続可能性を確保するため、2022 年度(平成 34 年度)までの広域化を推進するための目標を掲げるとともに、「未来投資戦略2017」及び「PPP/PFI推進アクションプラン(平成29 年改定版)」に基づき、コンセッション事業等をはじめ、多様なPPP/PFIの活用を重点的に推進する。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/2017_basicpolicies_ja.pdf


会議のポイントにも概要版にも、水道やインフラ、PPPについて議論した様子は全く伺えません。
が、これまた膨大な説明資料(なんと343ページ!)から、水道・インフラ輸出に関する部分を、メモ代わりに一部抜粋しましたので共有します。

▽会議情報
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0609/agenda.html

<以下、議事要旨より抜粋、貼付>
平成 29 年第 10 回経済財政諮問会議
第 10 回未来投資会議
議事要旨
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(開催要領)
1.開催日時:平成 29 年 6 月 9 日(金)17:15〜17:35
2.場 所:官邸4階大会議室

3.出席議員:
議長 安 倍 晋 三 内閣総理大臣
議員 麻 生 太 郎 副総理 兼 財務大臣
同 菅 義 偉 内閣官房長官
同 石 原 伸 晃 内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
兼 経済再生担当大臣
同 高 市 早 苗 総務大臣
同 世 耕 弘 成 経済産業大臣
同 伊 藤 元 重 学習院大学国際社会科学部教授
同 榊 原 定 征 東レ株式会社 相談役最高顧問
同 高 橋 進 株式会社日本総合研究所理事長
同 新 浪 剛 史 サントリーホールディングス株式会社
代表取締役社長
臨時議員 塩 崎 恭 久 厚生労働大臣
同 加 藤 勝 信 働き方改革担当大臣
【未来投資会議議員】
松 野 博 一 文部科学大臣
鶴 保 庸 介 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)
山 本 幸 三 内閣府特命担当大臣(規制改革)
金 丸 恭 文 フューチャー株式会社 代表取締役会長
兼社長 グループ CEO
五 神 真 東京大学 総長
竹 中 平 蔵 東洋大学教授、慶應義塾大学 名誉教授
中 西 宏 明 株式会社日立製作所取締役会長 代表執行役
南 場 智 子 株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長
越 智 隆 雄 内閣府副大臣
中 曽 宏 日本銀行副総裁


(議事次第)
1.開 会
2.議 事
2
平成 29 年第 10 回経済財政諮問会議・第 10 回未来投資会議
(1)「経済財政運営と改革の基本方針 2017」(案)について
(2)「未来投資戦略 2017」(案)について
3.閉 会

(説明資料)
資料1 内閣総理大臣からの諮問第 37 号について
資料2 「経済財政運営と改革の基本方針 2017」
資料3−1 「未来投資戦略 2017」(ポイント)
資料3−2 「未来投資戦略 2017」(具体的施策)

(配付資料)
資料4 経済財政運営と改革の基本方針2017
人材への投資を通じた生産性向上 概要(内閣府)
資料5 成長戦略による変革後の生活・現場(Society 5.0)
資料6 「未来投資戦略2017」概要
資料7 未来投資戦略2017 Society 5.0の実現に向けた改革

<議事要旨ここまで>


■説明資料とされている「未来投資戦略2017」(具体的施策)より、以下関連部分を抜粋して転載します。

【資料3−2「未来投資戦略2017」(具体的施策)(PDF形式:3,175KB)より以下、抜粋部分】
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0609/shiryo_03-2.pdf

(P123〜)
4.公的サービス・資産の民間開放(PPP/PFI の活用拡大等)
(1)KPI の主な進捗状況
《KPI》10 年間(2013 年度〜2022 年度)で PPP/PFI の事業規模を 21兆円に拡大する。このうち、公共施設等運営権方式を活用したPFI 事業については、7兆円を目標とする。
⇒2013 年度〜2015 年度の事業規模(2017 年1月時点の数値)
・PPP/PFI 事業:約 9.1 兆円
・公共施設等運営権方式を活用したPFI 事業:約5.1 兆円

(2)新たに講ずべき具体的施策
公共施設等運営権方式については、公共施設等の運営に民間の経営
原理を導入することにより、厳しい財政状況の下での効果的・効率的な
インフラ整備・運営を可能とするとともに、民間企業に大きな市場と国
際競争力強化のチャンスをもたらすものである。こうしたことから、
「PPP/PFI 推進アクションプラン(平成 29 年改定版)」(平成 29 年6月
9日民間資金等活用事業推進会議決定。以下この節において「アクショ
ンプラン」という。)に掲げられた空港、水道、下水道、道路、文教施
設、公営住宅について、引き続きその進捗や数値目標の達成に努めるほ
か、新たに掲げられたクルーズ船向け旅客ターミナル施設及び MICE 施
設についても数値目標の達成に向けた取組を強化する必要がある。
そのため、公共施設等運営権方式が重点的に対象とする分野を、「空
港、文教施設、クルーズ船向け旅客ターミナル施設、MICE 施設など国
内外訪問客増加等による需要拡大に対応した分野(成長対応分野)」と
「水道、下水道、有料道路、公営住宅、公営発電施設、工業用水道など
人口減少による需要減少等に対応したアセットマネジメントの高度化
や新規事業開発が必要な分野(成熟対応分野)
」に分類し、以下に掲げ
るそれぞれの分野特有の課題の解決を図る。

これにより、事業に不可欠な要素を官民間で移転させる仕組みを構
築し、納税者や利用者の立場に立って、公共サービス・資産の担い手を、
官と民から適切に選択されるようにすることが重要である。
そして、この仕組みは官とともに担い手となる民間企業からも信頼
され、その意見も踏まえて改善・精緻化していくことが重要である。そ
のためのガイドライン、改善メカニズムを含めた推進体制を整備し、運
用していくための施策も併せて実施する。


(略)

A)成熟対応分野で講ずべき施策

・地方公共団体による公共施設等運営権方式の上下水道事業への導入を
促進する観点から、一定の期間を設け、今後の横展開の呼び水となる
先駆的取組を通じ当該事業に有する債務を運営権対価で繰上償還す
る際に、補償金の免除・軽減により特例的に支援するため、PFI 法に
ついて、来年度から適用されるよう必要な措置を講ずる。

水道法の一部を改正する法律案の成立後、改正後の水道法に基づき、
省令等に委任されているものや、民間企業が水道事業の運営に関わる
ことを前提にした料金原価の算定方法等に関する事項について、関連
する地方公共団体や民間企業、専門家の意見等を踏まえながら、必要
な措置を講ずる。

・水道事業において、先行案件を形成するために、公共施設等運営権方
式の国内における成果が確認される前に取り組む案件など一定のも
のに限って、交付金や補助金による措置等によって、地方公共団体の
新たな負担感を最大限なくす仕組みの導入について、平成 28 年度補
正予算の執行状況等も勘案しつつ検討する。


(略)

B)推進体制の整備・運用のための施策

・官民の適切なリスク分担を構築する上で、瑕疵担保の負担や運営権対
価の返金、契約満了時の必要な資産等の買取り等の際、契約において、
一定の条件を満たした場合に施設の管理者が運営権者に一定の支払
を約束することが可能となるよう、関係府省における本年7月末まで
の契約の在るべき姿の検討結果を踏まえ、内閣府は当該支払を管理者
が行う法的根拠の必要性を検討し、必要に応じ、次期通常国会までに、
PFI 法について所要の措置を講ずる。

・上下水道事業においては、一定の定義された範囲を超える物価変動が
生じた場合には料金への転嫁を可能とする仕組みとするため、本年内
を目途に関係府省において物価変動の定義と料金への転嫁に関する
計算式を明らかにし、関連するマニュアルや許可基準の中に規定する
など、活用を徹底する仕組みを構築する。これを踏まえ、内閣府にお
いてガイドラインを策定する。

・適切なマーケットサウンディングの方法(開示すべき情報・項目と対
話の方法等)について、関係府省による海外事例調査や関係者へのヒ
アリング等を通じた本年7月末までの検討結果も踏まえ、内閣府にお
いて、ガイドラインを策定する。

・管理者以外の有する既存事業の引継ぎを運営権者に求める場合には、
運営権者に過度のリスクを負わせて引き継がせることとならないよ
にすることとし、これについて内閣府においてガイドラインを策定
する。

運営権者を選定する審査委員会について、原則として議事録を公開す
るというルール化
について、関係府省は今後の対応を検討し、内閣府
は本年7月末までを目途に民間事業者側への意向確認を行い、確認に
おいて問題がなければガイドラインを策定する。

・関係府省は、海外の事例や類似分野の取組等を参考に、本年7月末ま
でに「アクションプラン」に記載された観点からVFM(Value For Money:
支払いに対して最も価値の高いサービスを供給すること)の算定方法、
対価の支払い方、評価方法について検討する。その結果を踏まえ、内
閣府はガイドラインを策定する。

・運営権者への地方公共団体による出資や特定の企業による出資枠につ
いて、必要性が明確であり出資以外の方法ではその必要性に明確に応
えることができない場合を除いて、認めないこと、また、たとえ出資
を認める場合でも、出資額に対して過大な株主権限を要求することに
より入札参加者の資金調達必要額が不確定になるような条件を付さ
ないこととし、これについて内閣府はガイドラインを策定する。

公共施設等運営権方式を活用した PFI 事業の推進に当たっては、以下
の「5原則」が必要
であることから、内閣府の機能や権限、その権限
の行使のための組織の在り方(外部の中立的な専門機関の組成を含む)
について、諸外国の事例を踏まえて検討し、必要に応じ、次期通常国
会までに PFI 法について所要の措置を講ずる。

@ガイドライン化されたルールの運用と遵守徹底
分野を超えて公共施設等運営権方式が遵守すべきルールを、官民の議論を踏ま
えてガイドラインにまとめ、これを個別案件において徹底的に実施させる仕組
みであるべき。

A入口から出口までのハンズオン支援の実施
公共施設等運営権方式を初めて活用する地方公共団体など、ノウハウに乏しい
管理者に対してプロジェクトの「入口から出口まで」並走し、徹底的に支援で
きる仕組みであるべき。

B関係省庁との協議のワンストップ化
新たな分野やアプローチで公共施設等運営権方式に取り組む管理者が、複数の
関係省庁と協議する際に、管理者ができるだけワンストップで協議が可能な窓
口となる仕組みであるべき。

CPDCA サイクルの確立
全ての公共施設等運営権方式の案件で、運営権者の選定後に選定プロセス全体
を振り返って評価し、官民双方の立場から改善点を明らかにし、ガイドライン
等に常に反映させることができる仕組みであるべき。

D管理者と運営権者の間での調整・仲裁機能の確保
公共施設等運営権方式の事業開始後においても、運営権者からの改善要望を聞
き、これを管理者に伝えることで、新たな取組を常に生み出せる仕組みである
べき。

・これらのほか、アクションプランに掲げられた公共施設等運営権方式
に係る各取組について、関係省庁が連携しながら実行する。

・我が国の公共施設等運営権方式に関する制度や個別事業について、地
方公共団体に積極的に周知するとともに、国内外の主要都市において、
事業者や投資家向けの説明会を開催する。

(略)

(P165 〜)
@)我が国企業の国際展開支援
@ インフラシステム輸出の拡大

・インフラシステム輸出による経済成長の実現とともに我が国企業の競
争力強化のため、将来にわたり勝ち続けるインフラシステム輸出を目
指し、他の競合国と差別化を図るべく、「インフラシステム輸出戦略
(平成 29 年度改訂版)」(平成 29 年5月 29 日経協インフラ戦略会議
決定)における重点施策を、テロ対策を含む安全対策に十分配慮の上、
官民一体となって推進する。また、「自由で開かれたインド太平洋戦略」
の下での地域の連結性強化にも留意する。

・電力、鉄道、情報通信等の主要産業・重要分野において、IoT、AI 等
の高度な ICT の活用も念頭に、我が国インフラ輸出産業が将来にわた
る競争力強化に向けて進むべき方向性を示した海外展開戦略を策定
する。

・同戦略も踏まえたインフラシステム輸出の展開に向け、トップセール
スを推進し、また政策支援ツールを一層有効活用するとともに、次の
取組を行う。

-「質の高いインフラ投資」の概念を国際的に普及させつつ、インフラ
の「質」が正当に評価されるよう、相手国の入札制度改善・体制強
化等に向けた支援
に引き続き取り組む。その際、適切なメンテナン
ス・更新の必要性に係る理解促進・情報共有に努める。

-「面的開発」(都市形成・改善、地域開発、回廊・拠点開発)の推進
をはじめ、「最上流段階」である開発計画の策定や既存計画の見直し、
法制度整備支援、人材育成等の推進や、新興国が選好する PPP 案件
への提案力・実行力の強化に取り組むことにより、我が国企業の受
注機会拡大を目指す。

- その他、ア)インフラ案件に関する相談窓口、法的側面支援等に関
する機能・体制の充実等の官民のコンサルティング機能強化、イ)
我が国企業が新たな市場に進出し一層の競争力強化を図るための
他国と連携した第三国への取組の推進、ウ)鉄道、空港、都市・住
宅、下水道等の分野で案件形成から完工後の運営・維持管理までを
公的機関・企業がより本格的に実施できるようにする制度的措置の
検討を含め更なるインフラシステム輸出を推進する体制構築を進
める。

A 経済連携交渉、投資関連協定、租税条約の締結・改正の推進

・自由で公正な市場を、アジア太平洋地域をはじめ、世界に広げていく
ため、我が国が締結した TPP 協定の発効に取り組むとともに、参加国・
地域の拡大について議論を進めていく。また、日 EU・EPA、RCEP、日
中韓 FTA などの経済連携交渉を、戦略的かつスピード感を持って推進

する。我が国は、自由貿易の旗手として、こうした新しい広域的経済
秩序を構築する上で中核的な役割を果たし、包括的で、バランスのと
れた、高いレベルの世界のルールづくりの 牽けん引者となることを目指す。包摂的でイノベーション志向の成長をアジア地域に実現し、また
質の高い RCEP を実現するための対 ASEAN 協力を具体化していく。

・「投資関連協定の締結促進等投資環境整備に向けたアクションプラン」

(平成 28 年5月 11 日公表)の下、2020 年までに 100 の国・地域を
対象とする投資関連協定(投資協定及び投資章を含む経済連携協定)
の署名・発効を目指し、体制を強化しつつ交渉に取り組む。現在交渉
中の協定を含めると合計 82 の国・地域をカバーする見込みであると
ころ、本年内に、相手国と協議の上、更に 13 か国との間で新規に交渉
を開始することを目指す。

・租税条約については、我が国との投資関係の発展が見込まれる国・地
域との間での新規締結や既存条約の改正を通じ、我が国企業の健全な
海外展開を支援する上で必要な租税条約ネットワークの質的・量的な
拡充を進める。


中短期工程表「公的サービス・資産の民間開放(PPP/PFIの活用拡大等)」@
骨太方針@2017.jpg

中短期工程表「公的サービス・資産の民間開放(PPP/PFIの活用拡大等)」A
骨太方針A2017.jpg

<ここまで>
posted by AMnet at 16:08| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月31日

【拡散依頼】大阪市の水道、大丈夫?今なら間に合う!【公営のまま改革】が「一番お得!」採点の結果【公営が圧勝!】

【拡散依頼】大阪市の水道、大丈夫?「今なら間に合う!」


■「市民目線」で考えてみました■

いちばん「お得」なのは、公営?民営化?ワン水道?

採点の結果【公営が圧勝!】「公営のまま改革」が「一番お得」です!

〜8/1水の日に向けて〜

■「市民目線」で考えてみました@■
言いたくない!「あの時やっとけば…」
でも 『今 な ら 間 に 合 い ま す!!!』


大阪市の水道、このままで大丈夫?
osakawater1.jpg



■「市民目線」で考えてみましたA■大阪の水道
24年後に赤字になる、改革が必要。その通り!

どれが一番「お得?」
今の「公営」と
松井知事や吉村市長が言う「水道民営化」 「ワン水道」
(市と府の水道を一緒にする企業団統合や広域化)

大阪市民目線で、勝手に点数つけたら公営圧勝!
osakawater2.jpg



■「市民目線」で考えてみましたB■大丈夫?大阪市の水道
どれが一番「市民にとってお得? 」なのか?

市民目線で『公営が圧勝!』の結果に。

「公営」42点
「水道民営化」19点
「企業団統合」32点
「広域化」37点

採点表→https://drive.google.com/file/d/0B_MhgdFB8xzEdjVBVXR5NkhWM1U/view
osakawater3.jpg



■「市民目線」で考えてみましたC■大丈夫?大阪市の水道
市民目線で「公営」が圧勝。そのワケは?

@安くておいしい
A安心・安全
B持続可能性
■大阪市の水道現状■
全国の大都市水道料金で一番安く、年間100億円超の黒字。
水道料金値上げなしでも今後23年間、黒字予想の超優良企業
osakawater4.jpg



■「市民目線」で考えてみましたD■大丈夫?大阪市の水道
民営化・企業団・広域化が、今の「公営」に負ける、そのワケは?


▽民営化:料金高騰など、世界中で失敗が続く「時代遅れ」のやり方。
▽企業団統合:範囲が広すぎ、調整が大変。
▽広域化:そもそも大阪市に広域化のメリットがない。
osakawater5.jpg



■「市民目線」で考えてみましたE■
このままでは大阪市の水道技術力も危ない!


@人不足
こんなに減らして「いざという時」大丈夫?

A技術力の危機
吉村市長も誇る水道局の技術力も、実は火の車。でも今なら間に合う!

B民間委託進みすぎ
民間委託は、行政が現場を失うこと。
osakawater6.png



■「市民目線」で考えてみましたF■
「民間委託 進みすぎ」の、ダメな理由
@市民サービスが悪化
材料費だけ、一日で終わった 漏水工事。民間への業務委託で、時間・手間・工事料金、実は増えています。

A民間に任せても、仕事は減らない
B「業務委託=効率化」「民営化ありき」で進めすぎ
osakawater7.jpg


■「市民目線」で考えてみましたG■
市民にとって「よりよい水道」へ

こんな水道がいい!
@安心安全が当たり前に
長期的視点をもって、公平に全体のメリットを考えられる立場こそ公営の最大の長所。

A適正な水道料金でいこう!
今の大阪市の水道料金が、大都市で一番安いのは、前の世代が投資し、施設を作ってくれたから。

B新たな水道システムを
一番合理的なのは「公営」。だけど、このままじゃダメ。
「市民目線」で「大阪モデル」作っていこう!

osakawater8.jpg


■「市民目線」で考えてみましたH■
水道料金、上げたらどうなる?
大阪市水道局が分析しないので、作りました。


「公営企業で料金値上げした時の収支シミュレーション」
赤字回避するためは、どれほど水道料金の値上げが必要か、一般家庭で計算してみると。

大阪市2,073円(大都市平均2,866円)から200円UPで黒字が続く結果に。

黒字になるよう値上げしてもまだまだ大阪市の水道料金、全国平均より安いと判明!
osakawater9.jpg



■「市民目線」で考えてみましたI■
コストのかかる「民間委託」より、安い「公営」で!


民間委託にもいろんなパターンが。
なんでも「民間が対応」だと、当然、契約金額も上がり割高になります。

「直営(公営)」が普段から現場技術を維持し、すぐに対応。
それが一番安く&早く対応でき「効率が良い」&「安心につながる」ことが、一目瞭然。

osakawater10.jpg



■「市民目線」で考えてみましたJ■
民間委託って、手間がかかるんです。


実は「効率化」のもと、すでに民間委託はどんどん進んでいます。
民間と契約するための、契約事務が一体どれほど手間なのか?

民間委託だからこそ、対応遅くなる問題。

「これって本当に効率化?」
osakawater11.jpg



■「市民目線」で考えてみましたK■
【総括】「公営(大阪市の現状)」42点/50点満点


大阪市の水道局は、世界でも「目標」にされる存在。
でも、課題も満載。このままだと非常にマズイです。

@世界でもお手本の存在

A人員確保が必要です

B大規模事業体の責務を

C流域・水循環の視点強化を

D「大阪モデル」を目指そう

短期的・局所的なメリットにとらわれず、公共サービスだからこそできるメリットを打ち出すべき。現場・市民を巻き込んだ議論ができるシステムを作り、市民全体にメリットを!
osakawater12.jpg


■「市民目線」で考えてみましたL■
【総括】「民営化」19点/50点満点

そもそも「水道民営化は時代遅れ」。
議論する時間がもったいない。もっと希望ある政策を!

@将来リスクが大きい
Aそもそもメリットが少ない
B利益が外に出ていく
C水ビジネスは困難
D市民のメリットがありません

市民へのメリットはほとんどないうえに、リスクが大きすぎます。
osakawater13.jpg



■「市民目線」で考えてみましたM■
【総括】「企業団統合」32点/50点満点


「一緒にやれば」は非効率。「調整が大変」になるだけです。
大阪市民にとっても、メリットがなさすぎます。

@調整が大変
A市民から遠くなる
B技術力の低下が懸念
C市民のメリットがありません

▼「企業団統合が否決」されたワケ
大阪市会で否決された主な理由は

・大阪市水道局の資産を、全て
 企業団に無償譲渡

など。大阪市民にとって、
問題が増えるうえにメリットがないから、なんです。
osakawater14.jpg



■「市民目線」で考えてみましたN■
【総括】「広域化」37点/50点満点


大阪市を生かしたままの広域化なら、今すぐは不安はないが、将来は未知数。そもそも「メリットがほとんどない」ことをする必要があるのか疑問。

@調整が大変
A技術力の低下が懸念
B対象範囲が広すぎる
C市民のメリットが少なすぎ

▼今なら間に合う!大阪市の水道改革
市民目線で一番お得なのは「公営」。
それでも企業団統合や広域化、民営化にこだわるならば、「変えることが目的」になっているのでは?

「公営のまま改革」が一番お得です!

osakawater15.jpg


<採点表>
osakawater16.jpg

osakawater17.jpg


■採点表 無料ダウンロード:PDF A4 2枚)
https://drive.google.com/file/d/0B_MhgdFB8xzEdjVBVXR5NkhWM1U/view

■FB
https://www.facebook.com/osakawater/posts/1890359587953702

■ツィッター
https://twitter.com/amnetosaka/status/891180235693084672

■インスタグラム
https://www.instagram.com/amnetosaka/
posted by AMnet at 18:39| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

「水道料金、6割値上げ必要」?「今後の水道のあり方」を考えるなら、民営化と現状の比較だけでなく、大阪市水道局は「料金値上げした場合の収支シミュレーション」を出すべきだ。

◆「水道料金、6割値上げ必要」?
水道は自治体ごとに水道料金は10倍もの差があり、今後の値上げも自治体によってまったく状況が変わる。
まとめて計算して、いっしょくたに対策を考えることに意味があるのか?
単に、広域化や民営化を進めたいだけの推計に見えて仕方ない。

◆大阪市はどうか?
大阪市は平成41年に10%の値上げでよいという試算がある。

「今後の水道のあり方」を考えるなら、民営化と現状の比較だけでなく、大阪市水道局は「料金値上げした場合の収支シミュレーション」を出すべきだ。


→【朝日新聞6/13】水道料金、6割の値上げ必要 政投銀が今後30年を試算
http://www.asahi.com/articles/ASK634JTBK63ULBJ004.html

赤字を出さずに継続するには、約30年間で6割の水道料金の値上げが必要との試算を日本政策投資銀行がまとめた。


<参考>
【チーム水日本】「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?」 全国事業体ごとの推計結果

http://www.waterforum.jp/twj/dl/docs/20150226_3.pdf
※この試算では、大阪市は将来10%でOK(1世帯約200円/1か月の値上げ)


【日本政策投資銀行】水道事業の将来予測と経営改革
http://www.dbj.jp/ja/topics/region/industry/files/0000026827_file2.pdf
※全国の数字をまとめて計算した結果が6割料金値上げ必要との結論

posted by AMnet at 01:23 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

AMネット会報LIM83号より「祝!大阪市水道民営化プラン廃案!が、しかし…」

2017年5月発行、AMネット会報LIM83号より原稿転載

祝!大阪市水道民営化プラン廃案!が、しかし…


大阪市水道民営化プランをめぐる状況
2016年2月、大阪市の水道民営化にかかる条例が再提案されました。同年9月、通ってもいない水道民営化後の運営会社事務所の敷金や工事等への補正予算案(2年間で1億9000万円)が提出されるも非難が続出し、11月吉村市長は異例の議案撤回。混とんとしましたが、2017年3月議会にて、この水道民営化プランは、廃案となりました。

しかし、市会終了後、吉村市長は「改正水道法に基づく民営化」を検討しつつ、府域ワン水道を目指すと表明。近い将来、また新たなプランが出される見込みです。

報道によると、民営化と並行して卸売りだけでなく「末端給水までを企業団が担当、大阪府内の水道事業を一つに統合」「大阪市を除く府内42市町村でつくる、大阪広域水道企業団にルール変更も求め大阪市が加盟する」ことを検討するとし、現竹山企業長を口だけの統合と批判、水道統合を堺市長選挙の争点にする考えです。

しかし、そもそも「大阪府内を一つに統合」「大阪市を企業団に加盟」といった内容は、橋下氏ができなかったこと。状況も全く違う事業体を一つにするのは至難の業です。各自治体が熟考すべき問題であり、竹山堺市長の責任を問うたり、争点化すること自体が的外れです。

また、「水道法改正」が閣議決定され、今国会で可決されようとしています。改正の趣旨は水需要の減少、施設の老朽化、技術者不足等の課題に対応し「水道の基盤強化」を図るためとしていますが、@都道府県が主体となり広域連携の推進、A適切な資産管理の推進に加え、B官民連携(PPP)の推進も含まれており、水道民営化を促す内容であることに、多くの懸念と批判を受けています。

都道府県単位で進められる広域化
水源・距離・施設等々全く条件の違う自治体を、とにかく一緒にすればうまくいくのか?
広域化のメリットが出る地域は、あるでしょう。しかし適正な単位は、都道府県でしょうか?

今なら一つ一つの地方議会で議論する素地が残る水道民営化も、この情勢下、広域化で技術を失う自治体が多数になれば、将来、一気に民営化が進む懸念も捨てきれません。

スケールメリット、給水人口の密度、配水管、事務経費…。それぞれの効果額は?
「広域化すれば、必ず効率がよくなる」わけではありません。まずは、広域化で生まれるメリットに対する分析が必要です。

大阪市水道局の技術は、今後も不滅か?
大阪市会では「大阪市水道局の技術力はすばらしい」「大規模事業体として大阪市の技術力で、近畿のみならず西日本の、特に中小事業体への技術協力は責務」「大阪市にもメリットがある」「そのために研修センターの稼働を高めよう」等、市長はじめ会派問わず共通の認識です。

ピーク時3,000人いた水道局職員は、昨年1,600人、今年は1,500人まで落ち込み、将来1,000人体制を目指す、としています。
しかし、これだけ人を減らして、現場経験を積めるのか?現場経験のないまま、他都市への技術協力や研修は、どこまで可能なのか?
大阪市自身の技術力は、本当に維持できるのか?また、現状のまま民間委託を進めると、現場力を失う懸念、契約にかかる事務コストの増大にもつながり、効率が良いのか大きな疑問です。

水道料金の改定を実施する他都市も増える中、民営化ありきの大阪市水道局は、料金値上げの収支シミュレーションすら出していません。これまでのやり方・市長の提案する方向性で「今後も大阪市水道局に、その技術力を残せるのか?」市民にとってよりよい水道を目指すための、冷静な議論が必要です。■



posted by AMnet at 23:39 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

改正水道法に基づく民営化であれば、議会側の懸念も払拭できる?【産経4/7】吉村大阪市長、水道局の民営化に法改正受け再挑戦へ

「公共性が保てない」
「水道は生活の基盤。地下鉄以上に民営化になじまない」
「運営会社の経営が行き詰まったら給水はどうなるのか」
という市会の懸念。

その他、
「大阪市がモニタリングするといっても、現場を持たないのにモニタリングなどできるのか?」
「情報公開も限界、子会社間での取引など把握できず、ブラックボックス化するのでは?」

などなど、大阪市議会 交通水道委員会では、さまざまな懸念が出され、廃案になった民営化プラン。

しかし吉村市長は
「民営化しやすくなった改正水道法」であれば懸念払しょくできると判断したようです。

…?無理でしょう。ポイントがずれています。


【産経新聞2017/4/7】吉村大阪市長、水道局の民営化に法改正受け再挑戦へ
http://www.sankei.com/west/news/170407/wst1704070013-n1.html

大阪市水道局の民営化議論をめぐり、吉村洋文市長は、今通常国会に提出されている水道法改正案を活用し、あらためて水道事業の民営化を目指す方針を固めた。市はこれまで民営化議案を市議会に提案、約1年かけて議論が行われてきたが「公共性が保てない」などとする慎重意見が根強く、3月末に廃案となっていた。
吉村市長は、改正水道法に基づく民営化であれば、議会側の懸念も払拭できると判断。並行して大阪府内の水道事業を一つに統合することも目指す。

 政府が提出している水道法改正案では、水道事業認可と給水義務を自治体に残したまま民営化することが可能。運営会社が議会の承認を受けて厚生労働省の許可を受ける仕組みで、水道料金は自治体が事前に条例で上下限を設定でき、自治体が運営会社を監視・監督することになる。

 廃案になった市の民営化議案では、浄水場や水道管などのインフラは市が保有したまま、30年間の運営権を、市が全額出資する新会社に売却する計画だった。

給水義務を新会社が負うため、市議会では、自民や公明などから「水道は生活の基盤。地下鉄以上に民営化になじまない」「運営会社の経営が行き詰まったら給水はどうなるのか」といった懸念があがり、廃案となっていた。

市提案の民営化議案が廃案となったこと受け、吉村市長は改正水道法に基づく民営化を目指す方針を表明。「法改正によって議会が指摘していた懸念を解決できる」としている。また、法改正を想定し、大阪市だけでなく、宮城県や奈良市、浜松市も水道事業の民営化を検討しているという。

 さらに、吉村市長は大阪府内の水道事業を一元化する構想も並行して進める方針で、大阪市を除く府内42市町村でつくる大阪広域水道企業団に大阪市が加盟することを検討

現在、企業団は各市町村へ水の卸売りのみを担当し、消費者への末端給水は各市町村が担っているが、吉村市長は、卸売りだけでなく末端給水までを企業団が担当することで「府内の水道事業全てを一元化するべきだ」と主張している。

 ただ、大阪広域水道企業団の企業長を務める竹山修身堺市長はこうした方針に消極的。大阪維新の会政調会長でもある吉村氏は10月7日に任期満了を迎える堺市長選で、続投を目指す竹山氏に対して対抗馬を擁立し、水道統合を争点にする考えだ。

<ここまで>
posted by AMnet at 14:30 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月23日

【大阪市水道民営化・市会での議論C】「水道事業の経営形態見直しについて〜収支シミュレーションは信頼できるのか?いびつな案になっていないか〜

【大阪市水道民営化・市会での議論】
@「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?
http://am-net.seesaa.net/article/447934673.html

A「これまでの水道統合協議は、どのような経過で進んできたのか?維新へのブーメラン」
http://am-net.seesaa.net/article/448019152.html

B「水道事業の経営形態見直しについて〜水道民営化を推進する唯一の会派、維新の質疑から」
http://am-net.seesaa.net/article/448069081.html



今回の報告はC「水道事業の経営形態見直しについて〜収支シミュレーションは信頼できるのか?いびつな案になっていないか〜です。

経営形態見直しについて、以下2人の市議が質疑されました。

杉山幹人委員(東淀川区選出:維新 副委員長)
武 直樹委員(生野区選出:OSAKAいくの 会派代表者)

賛成の維新の杉山市議質疑(報告B)の次は、武議員を見ていきます。

主な主張は
1、料金値上げを回避するための経営形態変更というが、収支シミュレーションでみても数年しか変わらない。

2、そもそも収支シミュレーションの算定条件、30年間もの長期間の予想を信頼できるのか?

3、公共性を求めるあまり、経営自由度がなくがんじがらめ。民営化のメリットが失われ、いびつな形に。

4、「経営形態変更」することが目的へと、問題が矮小化している。



<以下、市会での議論の概要>
C「水道事業の経営形態見直しについて
〜収支シミュレーションは信頼できるのか?いびつな案になっていないか〜

【収支シミュレーションは信頼できるのか】


武:経営形態変更の質疑への応対のために、これまで膨大な手間とコストがかかっており、そろそろ結論を出すべきだ。

経営形態の見直しの必要性は
「給水収益の減少が続くが、災害対策などコストは増大する見込み。経営の効率性・生産性を向上させ、料金値上げを回避する」
とある。

しかし、経営形態を変更しても、トレンドは同じ。30年間の収支シミュレーション期間直後の平成60年以降赤字となるのでは?
結局、料金改定の時期が延びるだけで、避けられないのでは?


局:運営権の活用により、相当期間、料金値上げを回避できることは大きな意義がある。



武:とにかく市民にとっては「数年でも黒字期間がのびればよい」ということか。
運営会社に変えれば、今後もずっと黒字が続くというのであれば考慮に値するが、数年しかない。

収支シミュレーションを見れば、この先赤字になることが明らか。
赤字転落直前で、シミュレーション期間がうまいこと切れている。これはたまたまなのか?作為的なのか?

そもそも収支シミュレーションはあっているのか?
例えば、収支シミュレーションの算定条件は平成27年度の黒字77億円だが、実際の決算は145億円と2倍近く違っている。
この数字で算定し直せば、赤字転落時期はさらに先に延びるのでは?
大阪市の予算でも毎年10年の粗い試算がされているが、毎年かなり変わっている。本当に信頼できるのか?

局:専門家のアドバイスの元、収益・費用も極力盛り込んでいる。ただし30年間の長期のため、経営環境の変化によって変わる。

しかし、運営会社の収支は、民間的経営手法の導入により、コスト削減効果が発生するため、公営企業との比較でいえば収支上もコストメリットの差が継続的に続く。

武:30年先までは、やはりわからない。
それなのに、「30年先に赤字にあるから今決めろ」と。それほどメリットがないのに、なぜ急ぐ必要があるのか。



【管路更新のペースアップは実現できるか】

武:更新が必要な管路がたくさん残っている。
平成27年度末での管路耐震化率は26.2%、現行プラン案では、30年後約2200`を更新し70%を目指すとある。

平成24年度までは年間55q、近年は年間70qのペースを、運営形態の変更で年間80qにするとあるが、どんな手法なのか。

局:民間手法の活用により「工期の短縮」と「工事費用の削減」で、管路耐震化ペースアップを実現する見込み。


「工期短縮」…請負者トン協力体制の構築、長期契約に基づく指示書方式を採用。工事発注の弾力化・手続きの効率化により短縮。加えて、単価契約方式を採用。設計・積算業務の効率化を図る。

「工事費用の削減」…小規模工事のまとめ発注や、柔軟な価格交渉が可能な比較見積もり方式の導入による競争性の促進


武:その手法は、公営企業のままでもできるのではないか?経営形態を変更する決断の根拠は、これでできるのか?

公営・運営会社ともに、管路耐震化は80`でシミュレーションされているが、現状、公営企業は70`。
70`で算定すると黒字期間が伸びるのでは?


局:公営企業では70`が上限だが、運営会社では80`できると考える。
シミュレーションは、比較のため、同条件で算定している。70`で計算すると赤字転落は5年程度先送り予想。耐震化は約300`遅れる。


武:シミュレーション、5年先送りだと平成58年、運営会社だと60年くらいと2年しか変わらない。

複雑なスキームを作っても、この程度のメリットしかない。


【まとめ】

武:「公共性の担保」を目指せば目指すほど、株式会社化することでの経営メリットを失っている。
目的が、「経営形態を変更する」ことに矮小化されている。


常に大阪市の管理下にあり、料金改定の権限すらない会社に経営努力が生まれるのか?こんな自由度のない案でいいのか?
こんな自由度のない会社に転籍し、公務員の身分を失う職員のモチベーションは上がるのか?何を糧にがんばれるのか?


公共性を目指せば目指すほど、重要視されるあまり、経営の自由度が極端に制限されたいびつなものになっているうえに、「えいや」といけるものすごいメリットもない。

だから結論も出ない。しかし、大阪市水道局は、このままの公営企業のままでいいと思っておらず、むしろ公営企業のままでは未来はないのかと考える。

公共性と自由度のバランスのとれた経営形態の見直しは必要だが、今回の案には賛成できない。


(コメント)
水道事業に「公共性の担保」が特に重要であることは、どの会派も異論がありません。

しかし、武議員指摘の通り、
「公共性を目指せば目指すほど、重要視されるあまり、経営の自由度が極端に制限されたいびつなものになっているうえに、「えいや」といけるものすごいメリットもない」
に尽きると思います。


そもそも「公共性の担保」と「経営の自由度」は両立できるのか。

相反するからこそ、維新の杉山議員の言われる通り
「これ以上、水道局が汗をかけるところがない」
にも関わらず、メリットがない案にしかならない。

メリットがないのに、経営形態を変更する意味がどこにあるのか?


水使用量の減少による収入減の一方、水道管更新など老朽化でのコスト問題は、全国共通です。

数十年後の将来、経営が厳しくなることは、まず間違いありませんが、民営化は
「自力で水道事業をやることを行政があきらめる」ことであり、行政の責務を放棄することだと言えます。

水がなくては生きていけません。
将来、公営・民間関わらず、経営が苦しくなると予想するのであればこそ、行政が責任もってやるべきではないでしょうか。



※武議員配布資料

@大阪市水道局作成の経営収支シミュレーション及び算定条件
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/pdf/20170313take1.pdf

A「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?」 全国事業体ごとの推計結果」より大阪市ページを抜粋
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/pdf/20170313take3.pdf
posted by AMnet at 13:56 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月17日

【大阪市水道民営化・市会での議論B】「水道事業の経営形態見直しについて〜水道民営化を推進する唯一の会派、維新の質疑から」#水道民営化

【大阪市水道民営化・市会での議論B】
「水道事業の経営形態見直しについて〜水道民営化を推進する唯一の会派、維新の質疑から」#水道民営化



【大阪市水道民営化・市会での議論】
@「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?
http://am-net.seesaa.net/article/447934673.html

A「これまでの水道統合協議は、どのような経過で進んできたのか?維新へのブーメラン」
http://am-net.seesaa.net/article/448019152.html



平成29年3月13日交通水道委員会では、経営形態見直しについて、以下2人の市議が質疑されました。

杉山幹人委員(東淀川区選出:維新 副委員長)
武 直樹委員(生野区選出:OSAKAいくの 会派代表者)

まずは、「水道民営化」を推進してきた唯一の会派、維新の杉山市議から見ていきます。


<以下、市会での議論の概要>

【経営形態見直しについて】

杉山:(これまでの議論で、水道民営化の現行プランに対する)市民の誤解・不安・反対意見について、そのような懸念には及ばないと確認できた。

水道法改正内容は)自治体サイドからの要望もあり、市に事業認可を残すことで、大災害など不測の事態に際し、水道運営に対する市の公共的役割や責任を担保することがねらいと考える。

一方、運営会社が事業認可を取得する、大阪市の現行プランは、
水道事業の公共性を確保する点は、優先度の高い価値観として、既に十分考慮された形になっているものと理解しているが、その点について局の見解は?


局:(公開資料に記載済みの、これまで通りの答弁)

水道事業は、市民生活に密接に関わる事業。水道事業の公共性については、引き続き確保していくことを大前提として、制度設計を進めてきた。

新たに設立する運営会社:国から事業認可を得た水道事業者として、平常時の事業運営については全面的に責任を負い、運営は、市との実施契約や要求水準に従う。

市に設置するモニタリング部署:履行をチェックするとともに、必要があれば、運営会社に対し、業務改善等の指示を行う。


水道料金:現在の料金水準をそのまま、上限として条例で定める。運営会社は、自らの裁量だけで値上げをすることはできない。
市との協議や常設する外部有識者機関の意見具申等を踏まえるとともに、最終的には、議会の議決を要する。


平常時は運営会社が責任を負うが、地震等の大規模災害により、国庫補助の対象となるような水道施設の損壊が生じた場合には、市は水道施設の所有者として、主体的に施設の復旧等、必要な措置を講ずることとしているなど、今回の経営形態見直しプランにおいては、水道事業の持つ極めて高い公共性に鑑み、市の果たすべき役割、責任等についても、詳細に定めている。


杉山:事業の公共性を確保するという点では、すでに十分留意したプランになっている。



【海外事例について】

杉山:これまで、フランスやドイツ、イギリスでの、特に失敗事例といわれるものを具体的に取り上げてきた。

今回、局として、改めて、海外事例について詳細な検証を進めた、その検証結果について、現在の市の経営形態見直しプランとの比較等も含めて、局の見解は?


局:昨年8月の内閣府の調査を参考に、当局としても独自に、外部専門家への調査委託も行い、主に、フランスのパリ市やドイツのベルリン市、イングランド ウェールズ地方の事例について、詳細に検証。

パリ市・ベルリン市は「再公営化」と言われる事例。

両市に共通する背景に水道料金の上昇への市民の不満。

加えてパリ市は事業会社への管理監督業務を、事業会社にも出資している民間事業者に委譲。
監督する側・される側が利益相反の関係に。

ベルリン市は、市と民間事業者の間で非公開の協定が締結、民間事業者に高い利益率を保証していたことなど。

イングランド事例。
事業の公共性を確保するため、国により事業会社に対する管理・監督を行う組織が設置(オフワット)、料金の規制や経営モニタリングを実施。

市のプランでは、運営会社による事業運営について、客観性、透明性の確保に努める。


杉山:つまり、パリ市・ベルリン市の失敗した理由を研究し、そうならないように、また、イギリスのオフワットもうまくいっているいい事例として、取り入れればいい。

現行プランは、日本で先行事例のない初めてのケース。

国の成長戦略に、大阪市は名指しされており、国との協議・調整も完了。税負担の軽減要望も前向きな回答を得ている。

実際、厚労省の担当に「大阪市が汗をかけることはまだ何か残っているのか?水道局ができることはまだあるのか」と聞いたら、大阪市はよく勉強している。他検討中の自治体と比較しても進んでおり、大阪市のできることはない、と褒められた。

つまり、後は議会で懸念事項を詰めることしか残されていない。
現行プランは、クリアすべき点はすべてクリアされていると理解している。局の見解は?


局:現行プランは先行事例がなく、懸念等、関係省庁と一つ一つクリアにしてきた。

例えば、災害復旧時の国庫補助については、公営と同様にその対象となる
法人税等の新たな負担の軽減措置を要望し、日本再興戦略の中で「交付金や補助金による措置等によって、新たな負担感を最大限なくす仕組みの導入を検討する」と前向きかつ具体的に明記された。

これまでの市会での議論等を踏まえ、運営会社の人材確保に資するため、事業期間の延長も可能など修正をしてきた。
局として、考えられる課題解消に向け、最大限務めている。

杉山:本当に水道局は頑張ってくれている。

水道料金が減少し続ける厳しい経営環境の中、市民の大切なライフラインである水道を、将来にわたり持続・安定させていくためには、水道事業において特に留意すべき「公共性」は損なうことなく、さらなる運営基盤の強化、効率化を図ることが不可欠。

運営権制度を活用した経営形態の見直しは、これらの課題をクリアする極めて有効な手法であり、わが会派としては、以前から申し上げているとおり、市民メリットの実現を図るため、できるだけ早期に、議会での賛同を。

<ここまで>



(コメント)

▽「懸念に及ばないと確認できた」と 冒頭、 杉山市議は言われました。
しかし、これまでの市議会での議論や公開されている資料を、いくら見ても懸念は募るばかりです。

▽例えば、市に設置する「モニタリング部署」。
現場をなくした職員が、どうやってモニタリングするのか?
そもそも、大阪市が作るという運営会社への要求水準自体、いつまで作成できるのか?非常に疑問です。


▽「事業の公共性を確保」
十分に留意されたといいますが、民間マインドを持つ=ビジネスの論理で動く、ということ。

公共性と利益が同じ方向であればいいのですが、常にそうではありません。
公営企業であれば、水道で得た利益はすべて水道のために使われますが、民間会社になれば、株主 配当・ 利益の確保が必要になります。


例えば「節水」
限りある水資源のため、「節水シール」で市民に節水を促す場面はよく見られます。しかし、民間会社からすれば、売り上げが下がること。

例えば「漏水への対応」
漏水は貴重な水資源であり市民生活にも影響するため、 さまざまな調査や工事を、かなりのコストをかけて行っています。

「漏水対策に使うコスト」と「漏水で失う利益」のどちらが大きいのか?
「未然の漏水対応するより、事故が起こってから対応する方が安いのでは?」といった、 そろばんをはじくことになるのではないでしょうか。




▽水道料金の本当の問題。「将来、値上げを断れるのか?」

民間委託会社に対し「そんなんまだいらん」「高すぎる」と、コストダウンさせるのはよくあること。
それができるのは現場を知ればこそ、ですが、現場を知る大阪市の職員は、民営化すれば将来いなくなります。

現場を持たない大阪市が、運営会社からの値上げ要求を本当に断れるのか?断る根拠を持てるのか?

海外事例でも民営化後、水道料金が高騰するケースは多く、公営の今よりも料金が高騰するのではないかと心配です。


※参考:水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1087767437928895/?type=3&theater




▽海外での失敗した理由を研究し、対応しているから大丈夫?

現行プランは、日本で先行事例のない初めてのケースです。
しかし海外では似たような事例が数多く存在します。

海外では失敗ばかりでも、大阪市だけは成功する…?

民営化し、ビジネスマインドを持つことが、水道に適しているのか?
公共性と利益の相矛盾するものを、本当に将来にわたって、公共性が担保できるのか?

しかも、公共性を担保する主体の大阪市が、都構想で、なくなるかもしれないのに…?


▽税負担の軽減措置

今回、上下分離方式で、大阪市が資産を持つことで固定資産税は不要ですが、民営化すると、当然、法人税がかかります。

現在、大阪市は政府に対し、法人税の免除を要請しており、
「交付金や補助金による措置等によって、新たな負担感を最大限なくす仕組みの導入を検討する、と前向きかつ具体的に明記された。」
とあります。

しかし、民営化された日本郵政は法人税を支払っています

税の公平性の観点からも、「未来永劫、水道の運営会社だけ、交付金や補助金などの措置を受ける」ことが、本当に可能なのでしょうか?

公営企業であれば不要の法人税は、国・大阪府など、多くが大阪市外に流出することになります。



▽水道料金の改定は?

杉山市議自身が
水道料金が減少し続ける厳しい経営環境の中…」と言われています。

言われる通り、今後の人口減少や節水を考慮すれば、水道料金収入は、このままだと下がると予想されます。

一方、通常の民間会社であれば、まずは「売り上げの増加」を考えますが、「民営化でコストダウン」ばかりが議論の中心となるのは、なぜなのでしょうか?

実は、大阪市の水道料金設定は、98%の世帯が、「水の原価」より安く、水を買っています。

大阪市はすでに大都市で一番水道料金が安く、大阪府内でも一番安い基準。
他都市では値上げする自治体もでていますが、大阪市では、20年間値上げされていません。


--水道を民営化せねばならないほど、経営環境が悪化する…。

そうであれば、将来世代のためにも、これほど安い、原価割れの水道料金システムを続けてもいいのか。

料金値上げありきではなく、今の課題・懸念を解決するにはどのような形が最適なのか。


議案提出以降、維新の市議は
「極めて有効な手法」「市民メリットの実現を図るため早期実現を」
と言いますが、本当に、それ以外の手法、それぞれのメリットデメリットをきちんと検証したのか、非常に疑問です。
(ちなみに、料金改定した場合の、収支シミュレーションはされていません。)


※参考:大阪市水道民営化すれば、「市民負担が軽くなる?」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1084644201574552/?type=3&theater



▽そもそも、競争原理や、経営の自由度を高めることが民営化のメリットのはずです。
しかし地域独占の水道は、競争がありません。
公共性の高い、命の水を維持しようとすると、どうしても自由度が低くなります。

大阪市水道局の説明は非常に分かりやすく、頑張っていることは確かです。

しかし、これほどの公共性を、民間企業に求めることが、そもそも困難なのではないでしょうか?



※参考@
・水道局独自の調査は公開されていない模様(2017年3月16日現在)。
・内閣府資料
「フランス・英国の水道分野における官民連携制度と事例の最新動向につい 2016年8月」
http://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/houkoku/report/pdf/h28kaigai_suidou.pdf


<この質疑の動画はこちらから>
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h29/20170313kousu2.html
posted by AMnet at 20:53 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月16日

【大阪市水道民営化・市会での議論A】「これまでの水道統合協議は、どのような経過で進んできたのか?維新へのブーメラン」#水道民営化 #水道法改正


【大阪市水道民営化・市会での議論@】※「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?

【大阪市水道民営化・市会での議論A】「これまでの水道統合協議は、どのような経過で進んできたのか?」

大阪知事に橋下氏就任、2008年以降始まった水道事業の府市統合協議。
現在は吉村市長提案の水道民営化の現行プランが、大阪市会で議論されています。

直近の話題として、「水道事業の府域一元化」をめぐり、竹山市長・吉村市長の「企業団との統合」への発言、「(企業団の)水道事業を大阪府に戻したい」という松井知事の発言も出ており、複雑なものになってきました。

松井知事の言うように「水道事業を大阪府に戻す」ことは可能なのか?
これまでの大阪市の水道事業の議論・経緯はどうだったのか?

平成29年3月9日交通水道委員会において、多賀谷俊史委員(住吉区選出:自民党)の質疑で、その整理がされています。


<以下、市会での議論の概要>

【第1期:橋下知事・平松市長時代】

多賀谷:副首都推進本部会議などで、松井知事、竹山市長が水道の府市統合について発言している。
当時の橋下知事と平松市長の間での水道統合協議が、なぜ実現しなかったのか、その経緯は?


局:平成20年2月〜22年2月:当時の大阪府水道部と大阪市水道局と統合協議を行った。

大阪市の提案は、コンセッション型の指定管理者制度。
「府に資産や用水供給料金の決定権を残したまま、
府の用水事業そのものを、大阪市が受託する」もの。

平成21年9月:当時の橋下知事と平松市長でいったん合意。

しかし、
・合意した指定管理者制度への府議会の関与の形骸化
・府内42市町村の意見反映の担保

などの意見から、42市町村の理解が得られず

平成22年1月:府内42市町村の首長会議で、指定管理者制度を選択せず、「企業団方式」を選択。

平成23年4月:府の用水共有事業を承継し、府営水道事業は廃止。
府内42市町村での「大阪広域水道企業団」が設立、竹山市長が企業長に就任。


多賀谷:橋下知事と平松市長でいったん合意した案が、どうしてダメになったか。
大阪市が何かしたように言われるが、知事も了解しており、それは違う。

大阪市は協力する立場だが、市町村と直接契約し、広域行政として所管している大阪府が、第一義的な説明責任があり、大阪府に責任がある。

橋下知事が当時、42市町村をまとめきれなかったのが原因。



【第2期:松井知事・橋下市長時代】

多賀谷:その後、橋下市長が、企業団と大阪市の水道事業を統合する方針をだしたが、実現せず。この経過は?


局:平成24年3月以降、企業団と42市町村で協議を重ね、統合案について平成25年4月、大阪市含む府内43市町村の首長会議で承認。

大阪市会で統合案の議案提出するも、「市民にメリットがない」と、平成24年5月否決。

主な懸念事項

・市水道局の資産を、全て企業団に無償譲渡

・市域水道事業会計と企業団の用水供給事業会計の分離と、本市の水道料金維持が、制度的に担保されていない

・統合後における企業団議会の定数37名のうち、本市配分枠が7名と少ない

・企業団が市水道局の技能職員及び外郭団体を引き受けない

・統合後の水ビジネスの推進が明確でない

・本市以外の市町村と企業団との統合について期限を切らず、府域一水道の促進につながらない


府内43市町村での統合案と、市会との隔たりがあり、企業団との統合協議を一旦中止。


【第3期:松井知事・吉村市長時代】

多賀谷:その後、運営権制度の活用に舵を切り、現在に至っている。(※下記補足参照)

現行プランには、運営会社が府内の市町村からの業務を受託する「運営の一元化」も目指していくとある。



【松井知事の直近の発言を踏まえて〜企業団の解散〜】
多賀谷:「用水事業を府に戻したい」と、松井知事が発言。どのような手続きが必要か。


局:
@一部事務組合である大阪広域水道企業団の解散手続き
大阪府による用水供給事業の開始の手続き。

A大阪広域水道企業団、その構成団体である42市町村、及び大阪府の間で、解散後の財産処分や企業団職員の処遇など、事業承継に関する事項を定める(想定)

B地方自治法に基づき、企業団の構成団体である42 市町村すべての議会の議決

C大阪府議会において、大阪府における用水供給事業の設置条例を制定し、併せて広域的水道整備計画の変更

D水道法に基づき、厚生労働大臣による企業団としての事業廃止 許可及び、大阪府への事業開始認可


多賀谷:42 市町村すべての議会の議決が必要。松井知事のいう「水道事業を府に戻す」のは、現実的でない。


【副首都推進本部会議での直近の議論を踏まえて〜府域一水道〜】

多賀谷:これまでの経緯を踏まえ、副首都推進本部会議での直近の議論から。
企業団の竹山市長が「府域一水道実現のため、水道事業統合を再検討してほしい」と発言。

これに対し、吉村市長は「かつて否決されたものと、同じもので再度やっても無理」と発言★。
その通りだ。
都構想も、前の案と同じでは無理。吉村市長自身が同じことを言っている。


また、松井知事は「竹山市長が企業団を一つにまとめないと(ダメ)」
「大阪府は水道部を企業団に渡したので、水道をコーディネートする権限がない」と言っているが、本当にそうか?


局:府営水道が廃止され、市町村と直接契約関係はないが、府域水道を把握する部署はあると聞いている。
(なぜか職員が言いよどむ。多賀谷委員は「事前通知したのに」と)


多賀谷:府域水道の事業認可するのは大阪府。
森友と同じく、権限がないと言いながら、本当はある。
竹山市長に責任を押し付けている。


<ここまで>


(コメント)
▽「水道を、大阪府に戻したい」という松井知事の言葉にどれほど現実味があるのか?

2016年末、副首都推進本部会議(※参考)で松井知事は、

「まずは企業団という形に駒を進めたけど、今となっては一元化に向けては、やっぱり一歩あそこでとまっといたほうがよかったなと。

今やったらできるんでね。だからあれ企業団から返してもらわれへんかな、もう。

企業団に渡して、あのとき渡さんかったらよかったというのをずっと思うんでね。」

と発言しています。

「今やったらできる」という発言も、この答弁で「現実的にほぼ不可能」であることがあきらかになりました。

「今となっては、あそこで止まっといたらよかった」
「あの時渡さんかったらよかった」
と今さら言われても、戻せないものは戻せません。


▽囲み取材でも、松井知事は
「今の企業団、竹山さんやる気ない。(前のプランのままの)竹山さんの案☆では、大阪市内の水道料金上がる形になる。大阪市民が納得しないし、議会も通らない。
そんな無理難題で言うなら、やる気がないということ。やる気ないなら大阪府に戻してもらいたい。今ならできる」

旨、発言しています。

しかし、42市町村の自治体は、水道料金・自己水源・資産状況等々、まったく状況が違います。そもそも、そんな簡単に統合できるわけがなく、竹山市長への批判は的外れと言わざるを得ません。

そもそも、第一義的な責任をあった、橋下知事自身が説得できなかった。(上記の区分けでの、第1期)

つまり、「橋下知事がやるといったのに、出来なかったこと」を、竹山市長のやる気の問題にすり替え、人のせいにしている、と言わざるを得ません。
堺市長選挙を睨んで、政局に使いたいがためではないか?と懸念します。


▽大阪市は全国の大都市で水道料金が安く、大阪府内でも一番安い基準。

竹山市長の案がどうこう言う前に、
府域一水道によって、大阪市以外の大阪府内の料金が下がることはあり得ても、
「大阪市の水道料金が上がらない案」は、現実的に可能なのか、そもそも疑問です。


▽竹山市長の「府域一水道実現のために、水道事業統合の再検討」への発言に対し、
松井知事が「前のプランのままだでは通らない。無理筋だ」☆
吉村市長が「かつて否決されたものと、同じもので再度やっても無理」★

と発言。(あれ…?ブーメランでは?)

これに対し、多賀谷市議は
「大阪市民にメリットがないからつぶれた話で、その通り」
「良いことを言われている。しかし、否決された都構想も同じこと。前と同じプランでは通らない。」
と指摘しました。



▽どんな水道が市民にとって、より良いものなのか。

選挙や政局に惑わされず、簡単に戻せないもの、なくては生きていけない重要な公共財だからこそ、もっと慎重に考えるべきです。



(※第3期の経過の概要補足)
平成25年6月大阪市戦略会議で「水道事業の民営化の検討」が発表
平成26年4月「水道事業民営化基本方針案」提示(パブコメ実施で反対意見が圧倒的多数)11月「実施プラン案」提示
平成27年8月「修正実施プラン案」が提示
平成28年2月吉村市長が「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」を提出

平成29年3月現在、継続審議中


※参考
副首都推進本部会議≪第7回議事録≫
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00237658/281227_gijiroku.pdf

<この質疑の動画はこちらから>
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h29/20170309kousu3.html

posted by AMnet at 12:25 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

【大阪市水道民営化・市会での議論】「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?#水道民営化 #水道法改正

【大阪市水道民営化・市会での議論】
「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?


今国会で議論されている「水道法改正法案」。
3月7日に閣議決定されましたが、詳細はいまだ不明です。

そんな中、平成29年3月9日交通水道委員会において、福田武洋委員(旭区選出:自民党会派代表者)の質疑が行われました。

「水道法改正での制度」と、「大阪市の水道民営化の現行プラン」と、どう違うのか?

<以下、市会での議論の概要>

福田:水道法改正の仕組みの概要を

局:今回の法改正では、地方公共団体が水道事業者としての位置づけを維持しつつ、厚生労働大臣の許可を受けて、水道施設の運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入

・厚生労働大臣の許可の申請
地方公共団体である水道事業者が実施計画書を提出し、
厚生労働大臣は、許可基準に適合していると認め許可

・実施計画書への記載事項
許可の対象とする施設や事業内容、運営権の存続期間のほか、事業の適正性や継続性を確保するための措置などは法律で定め、
更に省令でその他の事項や提出書類を定める

・許可基準
事業計画が確実かつ合理的であること、利用料金が要件に合致するかなどが法律で定め、
これらの基準適用に必要な技術的細目は、省令で定める


福田:つまり、市の事業認可をなくし、民間事業者に移すのが大阪市の現行プラン
厚労省の認可を受け、自治体に事業認可を残すのが改正案

市の責任・国の関与などはどう違ってくるか。

局:
【現行プラン】
水道事業者としての責任&国の関与:運営会社
要求水準達成・経営状況:市のモニタリング部署がチェック
水道料金改定:市・市会
災害時等:リスク分担を定め、市が主体的な役割を果たし、持続性の担保に責任を持つ仕組み


【改正案】
水道法上の最終責任:市
水道事業の全体方針の決定・全体管理:市
国の関与:市と運営会社双方
市に残すべき業務:個別の契約で、具体的に定める


福田:水道法改正法案が出されたばかり。
国会での審議・法案成立後に出る省令・ガイドラインを踏まえ精査する必要がある。


<ここまで>

(コメント)
災害時などの非常時やいざという時、将来世代への担保は、
「大阪市が主体的な役割を果たす」そうですが、
「大阪都構想」が実現し「大阪市がなくなった場合」はどうなるのでしょうか?


いざという時に真っ先に困るのが水。
将来にわたって安全で安価な水が「当たり前」でなくては困ります。

「自治体からの要望があったとはいえ、国自身も水道は、やはり公的関与をより残した形での官民連携だと感じる」と、福田市議も指摘。

報道でも「水道民営化」をやりやすくするための水道法改正と言われていますが、大阪市の現行の水道民営化プランは、公的関与を残さない形であり、そのさらに上を行っている、と言えます。

しかし、「公的関与があれば、民間の事業体でいいのか?」という疑問が残ります。

いずれのプランも通常の運営は民間事業者が行うが、「最終的な責任は市が負担」する形。

そもそも通常の運営をしない行政が、いざというときに、ノウハウ・人材はどうするのでしょうか?
どうやって責任を取るのでしょう?(…お金?)


いま議論されている官民連携の手法は「利益は民間に。リスクは行政に」と批判をうけているものです。

TPP以降、TiSA(新サービス貿易協定)など、他の貿易交渉も進んでおり、公共サービスは狙われています。
しかも、ラチェット条項やISDSで「後戻りが非常に困難」です。


民営化(の方向)へ行けば、短期的にはコストダウンするかもしれません。

例えて言えば「目の前の小銭を拾っている間に、後ろから札束を盗まれる」ことになりはしないのか、心配でなりません。


<この質疑の動画はこちらから>
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h29/20170309kousu2.html
posted by AMnet at 12:31 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

大阪市水道民営化プランは、この2・3月市会で結論の見込み。『大阪市の「水道民営化」「民間委託」を考える』

大阪市の水道も地下鉄・バスも、今は「みんなの共有財産」。
まちづくり、人の移動、命、健康…全てに関わる、大切な事業ですが、

@「事業単体で採算性」を考えることが、果たして適切なのか?
A民営化、株式会社化することで、営利目的の事業体になる道に進んでもいいのか。
B市民に還元されていた利益を、民間会社のものにしてもいいのか。
C問題解決には程遠いやり方でも、「スピード感をもって進める」ことを優先すべきなのか?

大阪市会・交通水道委員会で継続審議となっている「水道民営化」プラン。
2・3月議会が招集され、地下鉄民営化と共に審議されることになります。
現在の「水道民営化プラン」は、この2・3月市会での結論が出る見込み。しっかり最後まで注視する必要があります。

以下、先日シンポジウムでの配布テキストです。

2・3月市会に向けて、大阪市の「水道民営化」を考える

1.大阪市の水道の現状
@大都市で「水道料金が全国一、安い」(20年間値上げなし)
A「小口(一般家庭)」の単価の方が安い。
 よく、同じライフラインとして比較される電気・ガスは使うほど単価が安くなり、大口が有利
※日本水道協会資料より抜粋要約
多くの水道事業体が「一般家庭が安くなる」料金制度(逓増制)を採用する理由』
→「家庭用料金を低く抑えるため」
「水の浪費・水需要を抑制するため」
「合理的な水利用の促進のため」
「大量に使用するほど施設に負担がかかるため」


Bここ数年、年間100〜140億円超、H14年度以降もずっと黒字(高度浄水処理導入以降)。水道局収支シミュレーションで、今後24年間黒字見込み

C大阪市水道局の技術は全国的にもピカイチ。企業団、災害時も他自治体の頼りの存在

D技能職員はここ10年新規採用がなく、技術職も幹部のみ。大阪市の水道技術を支える職員の欠員状況が続き、現場が疲弊。加えて民間委託が進み、技術継承が困難。


2.将来世代に負担を先送りしないために「水道民営化?」

@市政改革プランの改革の柱「官民連携の推進」=PPPは国際的に批判される手法
A90年代、民営化された水道が失敗だったと「再公営化」が世界の潮流。
多国籍水企業の本拠地パリ市を筆頭に、フランス中心に少なくとも世界で235事例

⇒民営化失敗→公営に戻したいがコストが大変→それでも公営に戻した方が得、と判断されている。


3.大阪市の水道民営化プランの矛盾

@大阪市・海外事例のコスト削減の中身は、ほぼ「人件費」。民営化で、仕事は減らない。
不安定・低賃金労働者が増えるのが効率化?

A推進会派は維新のみ。
維新市議「大阪市が公共性等を担保するから大丈夫」と繰返すが、同時に、「担保する大阪市をなくす」動き。


4.「民間委託」は「効率が良い」のか?〜水道に限らず大阪市で進む非公務員化〜

@単年度契約で、毎年契約事務が発生
A事業者が変更の都度、職員が教えねばならない
B特に慣れるまでの期間、フォローは、職員がせねばならない(責任を負うのは行政)
C民間に現場を任せると、職員のノウハウの喪失のおそれ(行政のチェック能力喪失)
D長年の修理対応等の蓄積・ノウハウが喪失、購入コスト増大の可能性
E市会のチェックが困難
F災害時対応をどうするのか

⇒直営比率の高い大阪市が大都市で水道料金が一番安い=直営のほうがコストが安いのでは?
⇒何を民間委託すれば効率化されるか、もっと精査すべきでは?
現場を知らない職員ばかり=さらに「机上の空論」へ。「市民に近い行政」がさらに遠ざかる。


posted by AMnet at 11:53 | TrackBack(0) | 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする