2016年11月26日

奈須りえ氏×岸本聡子氏×神田浩史氏パネルディスカッション「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

東京都大田区議の奈須りえさんとオランダのNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」の岸本聡子さん、さらにAMネット理事の神田浩史をコーディネーターに加えたパネルディスカッションの様子をお伝えします。

文責 AMネット 事務局

■講演1.「民営化でどうなる?公共の可能性は?」≪奈須りえさん≫ 
http://am-net.seesaa.net/article/444348256.html

■講演2.「より良い公営へ〜最新海外レポート」≪岸本聡子さん≫
http://am-net.seesaa.net/article/444348316.html


■パネルディスカッション(以下敬称略)

神田−−後半のパネルディスカッションは、会場からの質問を元に進めて行きたいと思います。

水道事業の民営化については、現政権下で成長戦略にも盛り込まれており、推進していこうという動きがあります。それと、現在進んでいるTPPやTiSA(新サービス貿易協定)の流れをつなげてみたときに、どのようなリスクが考えられるでしょうか。

奈須−−国内で行われている規制緩和と違い、TPPやTiSAが実施されると、ラチェット条項によって、いったん規制緩和されてしまった民営化はあと戻りできない、再公営化できないという状況が生まれてしまいます。さらにISDS条項によって、企業が見込んでいた収益を得ることができなかった場合も、企業が国家を相手に訴えることや損害賠償を請求することもできるようになってしまいます。

いくら大阪市が、水道事業を行う企業に様々な縛りを設けても、TPPが実施されれば、その縛り自体が機能しなくなる°ーれがあるのです。

岸本−−アルゼンチンで18の水道民営化事業が行われ、そのうち9つの事業が再国有化されました。そのうち6つが国際調停に持ち込まれて、全てアルゼンチン側が負けています。

さらに最近は、「国際紛争調停ビジネス」が広がっています。企業が海外投資を行い、うまくいかなかった場合に、弁護士事務所が企業と組んで訴訟に持ち込み、莫大な損害賠償を勝ち取ろうということを行っています。

そうしたことを背景に、ISDSにからむ国際紛争調停の数が、飛躍的に伸びています。日本がこうした訴訟の対象になるということも考えなければなりません。


神田−−大阪市がこのような時期に、簡単に民営化を進めようとしているのは、とても危険だと言えます。
一方で、国や自治体が自ら民営化を進めるのではなく、市民も知らないうちにIMFなどによって民営化が進められてしまうケースもあります。

岸本−−IMFの介入による民営化政策は、1つのパッケージとなっています。しかも、そういったことは昔の話だけではなく、現在も続いています。

例えばギリシャやスペイン、イタリアなどヨーロッパの債務国がヨーロッパ中央銀行、IMF、債権国などによって、半ば強制的に公的資産の売却を進められてしまうといった状況が生じています。

神田−−財政難に陥った政府が、財政支援の見返りに公的資産の売却、民営化を迫られるというケースは至るところで見受けられます。
もう1つ、現在の状況で考えておかないといけない論点に「人口減少」があります。人口減少を前提とした水道事業の見直しでも、民営化やあるいは広域化といったことがあり、大阪では都構想や府市の水道事業統合などの話も出ました。

奈須−−民営化によるコスト削減が達成できたとしてもその中身は、実際には非正規雇用などで人件費を削減しただけで、質の向上も望めないといったものかもしれません。

広域化についても、いったい適正規模がどれくらいなのかという基準も定かではありません。ニースの場合のように、給水人口が60万人程度であれば適正かもしれませんが、270万人の大阪市が、これ以上広域化して、本当に効率的になるのか、あるいは意思決定の問題はどうなのか、そういったことが、まだまだ不明確であり、多くの問題を抱えています。

これまで広域化で提示されてきた仕組みは、広域連合や一部事務組合など、私たちが直接選挙で選んだ人ではない人たちが、意思決定する仕組みです。民営化の問題で問われているのは、民主主義そのものなのです。

神田−−日本で民主的統治を考える上で、どのような仕組みが求められるのか、あるいはそれに適した事例はあるのだろうかと考えたときに、興味深い事例があります。それは岩手県の矢巾町での取り組みです。ここでは、水道事業の見直しのために、徹底した情報公開と住民主体、住民参加のワークショップを積み重ねています。
また、全国的に見れば、流域の中での水道事業の連携をどう高めていくのか、といったことも興味深い取り組みだと言えます。

大阪のような大きな都市で、水道の質を高めるためにはどうすれば良いのか。「公営」か「民営」かといった二者択一ではなく、現行の公営がベストで民営化はダメということでもなく、もっと幅広い議論が必要です。最後にお二人に意見をお聞きして締めくくりたいと思います。

奈須−−例えば「広域で効率的な経営」と「住民関与がきちんと担保されるガバナンスのある統治機構」、あるいは、少しぐらい非効率的でも住民の監視の目がちゃんと届くのが良いのか、少しくらい監視の目が行き届かなくても経済性を求めるのか、本来そういったところまできちんと考えることが、水道民営化を考える上で必要だと思います。

公務員の給料が高いとか、非効率だとかいう一面的な情報ばかりが表面化していますが、私たちはもっと大切な問題が隠されていることに気づかなければなりません。いかに必要な情報を市民に伝えていくかが重要です。今日の集会もその貴重な一歩だと思います。

岸本−−民主的な統治というものを考えたときに、選挙に行かない人が半分近くもいるのが現実で、果たして水道事業にどれだけの人が関与したいと思うのか、必要な情報が公開されたとしても、どれだけの人がそれを欲するのかという問題があります。こうしたことを考えたときに、水道の問題としてとらえるだけでは、なかなか解決策を見出すのは難しく限界があると思います。

こうした現実を踏まえた上で、民主的統治をどうやって実現していけばよいのか、今そういったことを考える上で、面白いことがスペインで起こっています。

街角や広場で集まった人たちの声が政治に反映されるようなことが実際に起きているのです。そうなったのは、若者の失業率が40%とか50%とか、そういう極端な状況が起きて、大規模なデモが続き、それでも自分たちの声を本当に反映してくれる政治が行われない失望の中で、自分たち自身の政党を、と実際につくられたのが「ポデモス」です。この党は、わずか数年で国政において第3党にまで躍進しています。

水道民営化の問題は、民主主義の根幹にかかわる問題でもあります。私たちは地道な活動を続けるだけでなく、気運をしっかりとつかみ取ることが大事です。ポデモスの広がりは、そういったことも表していると思います。

神田−−「民主化」、「民主的な統治」の重要性が、今日のお二人の話の中で、何度も出てきました。そして、それは皆さんと一緒に築いていくものだということ、また、そのためのヒントも数多く出して頂きました。是非、このことを活かして一緒に実現していきましょう。■

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2016年11月25日

「より良い公営へ〜最新海外レポート」≪岸本聡子さん≫「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

文責 AMネット 事務局

■講演2.「より良い公営へ〜最新海外レポート」
≪岸本聡子さん≫ 

本日は、国際的な視点も含めて議論の素材を提供できればと思っています。「民営化」「再公営化」さらに「公営」について考えるきっかけになればと思います。

国際機関でも民営化を疑問視
世界銀行は、公共事業の民営化という新自由主義に基づく政策を展開し続けてきました。しかし、その一方で、最近は民営化がうまくいっていないのではないか≠ニいう調査報告も行っています。

世界銀行は、2014年に442件の官民パートナーシップ(PPP:民間委託、指定管理者制度、PFI、民営化など)の検証を行い、そのうち「貧困対策に効果あり」としたのは9件しかなかったとしています。

また、国連経済社会局でも官民パートナーシップという枠組みが2030年の持続可能な開発目標に合致しているか≠ニいう検証を行い、「水」「道路」「エネルギー」「交通」など、効率的なサービスを供給するために導入されたにも関わらず、それに失敗している≠ニの結論を出しています。

国連機関や世界銀行は、もともと民営化推進の立場であるにもかかわらず、このようなレポートを発表していることは、大きな変化の現れであり、世界中で官民パートナーシップの失敗が無視できなくなってきていることを表しています。


再公営化は世界的趨勢
再公営化の動きは、2000年の時点では、たった2例しかなかったのですが、15年経ってその数は235にも膨らんでいます。しかも実際の再公営化は、この数字よりもさらに多いとことは確実です。

一方、再公営化したらそれで良い成果が出るのか、民主的な統治が行われるのか、と言えば必ずしもそうとばかりは言えません。実際のところ、理想的な住民参加や透明性確保がなされていると言えるのは、むしろ少数であり、運営や所有だけが移行したというケースも少なくありません。

しかし、こうした活動によって議会や市民参加が促進され、活発な議論を通して民主的運営が行われるきっかけになったことは、大いに注目すべきことだと思います。 


公公ネットワーク
フランスやスペインでは、公営企業がネットワーク作りを始めています。民営化の波を食い止めるためには、公営企業間の知恵や資源を結集して対抗していかなければならないからです。

例えばニースというフランス第5の都市で水道事業が最近再公営化され、先に再公営化したパリやグルノーブルが支援したという実例もあります。

ニースは、地理的に80%が山間地です。ニースに流れるバール川流域の49の市町村に適正にサービスを提供し続けるには、各自治体が民間企業と個別に契約している状態では、十分に対応しきれないというのが最大の理由となり、流域間の公的な連帯を作るために再公営が行われました。これは自治体間の公公パートナーシップが再公営化を支援できるということを示すものです。


「民営化」ではなく「民主化」を!
再公営化を考える上で、民主的な統治はとても重要です。公営でも民間でも透明性や効率性を高め、最低限の金額でより高いサービスを提供するための手段として、市民と自治体がいっしょに会社を作ろうという動きが進んでいます。

市民と自治体でつくったロンドンのエネルギー供給会社では、水道や電気料金を払えない貧困層の人々のために、貧困層でも支払い可能で、しかも自然エネルギーによる電力を供給するという提案が行われています。

これは市議会側からの発案ですが、市民側からも民主主義を公営企業のなかで、どう確立するのかという視点での提案も行われています。このロンドンの例は、新しいビジョン、そして本当の意味での公共を考えさせてくれるものです。

「民営化ではなく、民主化を」といった議論が大切です。これからも、そういった議論を皆さんと重ねていきたいと思います。

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2016年11月24日

「民営化でどうなる?公共の可能性は?」≪奈須りえさん≫ 「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

文責 AMネット 事務局

現在、大阪市では水道民営化案が議会に提出され、民営化に向けた動きが進んでいます。こうした中、7月16日に大阪市の「ヴィアーレ大阪」で、シンポジウム「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」をAMネットなど市民団体の主催により開催しました。
シンポジウムでは、東京都大田区議の奈須りえさんとオランダのNGO「トランスナショナル研究所」の岸本聡子さんによる講演、さらにAMネット理事の神田浩史をコーディネーターに加えたパネルディスカッションが行われ、参加者も250人を超え、このテーマに対する注目の高さを示しました。【以下シンポジウムの概要】


■講演1.「民営化でどうなる?公共の可能性は?」
≪奈須りえさん≫ 

公共サービスで重要なことは
一般的に民営化のメリットとしては、「価格の低下」や「サービスの向上」が言われています。しかし、民営化とは「非営利の公共サービスを、営利の経済活動に置き換える」ことです。現在、大阪市が提案している民営化では、たとえ経営の効率化によりコスト削減ができたとしても、それは価格ではなく、株主配当や内部留保などに回される懸念があります。さらに利益を縮小させるようなサービス向上など望めないし、最低限の質の確保にとどまる可能性も高いと思います。

水道に限ったことではなく、公共サービスについては、「質の確保」「適切な価格」「公平・平等・適正な提供」が重要です。

事業の継続性に関しても、経営破たんや大規模災害の時にはどうするかなど、様々な問題があります。さらに、私が気になっているのは、民営化した場合に「地域独占性の弊害」をどう排除していくかということです。水道料金に対する適正かつ有効なチェックをどう働かせることができるのか。現在は、それを議会が担ったり、公務員法による様々な制約の下で行われていますが、民営化すれば、それをどのように担保していくのか…。

大阪市自体も、水道民営化に関していくつかの課題を指摘し「持続性の確保や公共性の担保を維持するためには、市や市会によるガバナンスを確保することが重要」としています。しかしそのためにどうするのか、相当の工夫が必要ですが、その工夫が見られません。


 利益は企業に、リスクは市民に?
もう1つ、民営化に関してあまり表面化していませんが「事業に伴うリスクを、誰がどのように負担するのか」という問題があります。水道事業には「急激な物価上昇」や「金利変動」、「法制度リスク」、「不可抗力による遅延」など様々なリスクを伴います。大田区でも「PFI」など、民間の活力を利用した取り組みを行っていますが、現実には事業運営に伴うリスクは、いつも自治体の側が負い、民間事業者はリスクを負わないようになっている≠ニいうのが実情です。

また、公共事業が民営化されても、それを請け負う民間事業者は、公共助成が受けられたり、税制面での優遇措置があったりすることも考えられ、かなり優遇された中で事業を行うことが予想されます。
今回、大阪市が出している提案でもリスクの多くは自治体の側が負う内容になっています。つまり、民間事業者はリスク負担は少なく、何かあった場合には「市」がそして「市民」が税金などのかたちで負担しなければならない仕組みとなっているのです。

こうした状況下で、毎日使い続ける水を経済活動に組み入れることは、企業にとっては必ずもうかる美味しい仕組みがつくられる半面、リスクは最終的に市民が負うことになってしまいます。質の向上や料金の値下げなどは、長い目で見ればどこまで実現できるのか。将来的に、議会のチェックも働かなくなる中で、どうやって「質の確保」「適切な価格」「公平・平等・適正な提供」を担保していくのか、様々な懸念が払拭されない中で、大阪市の水道民営化が進められようとしています。

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2016年09月28日

「大阪の水道を考える市民の会」のパンフレット完成☆街宣9/29・10/13・10/17・11/24夜実施します!


■「大阪の水道を考える市民の会」として市民団体が集まりました
大阪市の水道、公共の役割を考える7/16開催イベント『ちょっと待って!その「水道」の民営化」を機に集まった市民団体で集まりました。

FBページ→https://www.facebook.com/osakawater/
イベント案内→https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

◇構成団体:AMネット/しみんマニフェスト大阪UP/大阪を知り・考える市民の会/近畿水問題合同研究会 他

■私たちのパンフレットができました!
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コンパクトに大阪市水道局資料からの大阪市の水道の現状、私たちの主張、海外トレンド等々、まとめています。
ぜひご覧ください!

◇パンフレットの無料ダウンロードはこちらから(A4*4枚)
https://drive.google.com/file/d/0Bz4cgaa9CBKLUy1Ld3hNcUF4bGM/edit

■街頭宣伝を行います!

9月29日(木)18:30〜@南森町3番出口
10月13日(木)19:00〜20:00@上新庄
10月17日(月)19:00〜20:00@弁天町
11月14日(月)19:00〜20:00@駒川中野

9月の大阪市会に合わせ、4回予定しています。
1人でも多くの人に、パンフレットをお渡しし、お話ししたい。
配布のお手伝い大歓迎!ぜひお越しください!

■カンパ募集中!
大阪市の水道が民営化されそうなことを、大阪市民に知ってもらうため、大量にパンフレット印刷しています。カンパで私たちの活動を支援お願いします。

郵便振替口座 : 00940−7−107411
口座名称 : AMネット (エーエムネット)


■パンフレット配布お願いします!
お住まいのマンションなど、大阪市民対象にパンフレット配布くださる方、募集中!
AMネットまで連絡いただくと発送します。(恐れ入りますが、発送料負担をお願いします)

■問い合せ先:NPO法人AMネット
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2016年07月15日

【記者会見報告】イベントページに14,000view超え!ちょっと待って!その「水道」の民営化

7月13日、大阪市会記者クラブにおいて、記者会見を行いました。
参院選後すぐのタイミングにもかかわらず、日経、朝日、時事他、計6名の記者に参加いただくことができました。

※プレスリリース
http://am-net.seesaa.net/article/439804612.html

まず、これまでの活動報告と、市会で私たちの陳情がとりあげられた議論の概要をお伝えしました。

・私たちのスタンスは、水道の民営化に絶対反対という訳ではなく、「水を公共財として長期的な視点で扱い、安全で安価な水に、誰もがアクセスできる」なら、公営でなくても良い。
ただ、民間会社である以上、営利目的にならざるを得ず、公共財として長期的な視点で扱える事業体を、消去法で考えれば、公営しか残らない。

・すでに海外事例では、「民営化が失敗だった」ともう一度公営に戻す事例が多数。しかし、再公営化も非常にコストがかかり、非常に難しい。それだけの手間とコストをかけても、公営に戻したほうが得だと判断し、実際に公営に戻せた自治体が235事例もある、ということ。

・当初は大阪市100%出資だが、3〜5年以内に株式売却するとあり、民間に放出されると、水道の持続性、公共性に興味を持たない、年金基金などの投資家が主要株主になる可能性がある。

・公営だからすべていいわけではない。
大阪市水道は、世界的に見てもうまくいっている公営水道であることは間違いない。
が、しかし、今がベストなのか?といえば、もっと上を目指すことができるポテンシャルが今はまだ残っている。

・今回の民営化案では、30年で910億円のコスト削減のメリットと言われる。
そのうちの300億円は人件費だが、公務員の人件費はコストだろうか?大阪市には技術があると言われるが、それは職員のノウハウであり、それは大阪市の財産。
近畿内ですでに技術を失ってしまった自治体が多数あると言われる。
そういった自治体を、今なら、大阪市水道局が助けられる可能性がある。大阪市単体で考えていいのか。


・すでに海外で「公共の可能性」を見出している事例を見ると、理事会などの意思決定に市民、市民側有識者などが関わっているケース。
今回7月16日イベントゲストの岸本聡子さんは、まさにその世界の再公営化した事例を見て集めてきた中心人物であり、「公共の可能性」を学ぶイベントを実施したい。


その後の、質疑応答でも闊達な意見交換があり、充実した会見となりました。

当日の議論が非常に楽しみです。ぜひお越しください!

【7/16(土)開催!】ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性 〜世界では235件も再公営化!〜
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/
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2016年07月07日

【プレスリリース】ちょっと待って!その「水道」の民営化〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜イベント開催のお知らせ

報道各位 プレスリリース
                2016年7月7日

イベントページに14,000view超え!
ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜
イベント開催のお知らせ
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

私たちは、「水道事業の民営化」に向けて大阪市議会に議案が提出されたことを懸念し、3月8日大阪市会に対して、「慎重な議論の求める陳情書の提出」を行いました。結果、陳情の内容に対し、おおさか維新はじめ各会派の質疑にも取り上げられました。また、陳情に関するFacebook投稿は7,000view近く、ブログでも500シェアを超え、陳情代表者であるNPO法人AMネットとして過去最高の反響です。

水道民営化は90年代がピーク。すでに今は、「水道民営化は失敗だった」と世界中で「再公営化」が進み、2015年時点で37か国235事業体が再公営化しています。それは途上国のみならず、ドイツ ベルリン市、水メジャー本拠地パリ市でも起こっています。

9月以降の交通水道委員会でも継続して行われる審議に向け、このたび私たちは「水道民営化の何が問題で、再公営化が進んでいるのか」、「再公営化においてなぜ市民が関わることがポイントで、どのように関わっているのか」を学び、世界で見いだされている「新たな公共の可能性」を学ぶイベントを開催します。水問題に関連した投稿はFacebookで注目を集めており、関連投稿はどれも1,000単位でviewが伸びています。

つきましては、下記のとおり、イベント内容及び,今後のアクションについてお知らせする記者会見を開催いたしますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席賜わりますようご案内申し上げます。


■記者会見 概要■
◇日時: 2016年7月13日(水)15:30 〜(30分〜1時間程度)
◇場所: 大阪市政記者クラブ
◇出席: 中野雅司(大阪を知り・考える市民の会)、武田かおり(NPO法人AMネット)、他調整中
◇内容: 水道民営化の問題、再公営化、水政策決定への住民参加、市議会&陳情報告、水イベント紹介など


■NPO法人AMネット■
2003年第3回世界水フォーラム以降、「水道民営化」による問題を注視し、海外NGO等と協働してきた。
その他、TPP等の自由貿易、規制緩和等で起こる問題の提起やオルタナティブ提示を行っている。


■本件に関するお問い合わせ先:NPO法人AMネット(担当:武田)
WEB:http://am-net.org/ E-MAIL:amnetosaka【@】yahoo.co.jp(【】を消去してください) 
TEL:080-3788-2750【電話番号が変わりました】

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2016年05月14日

【公務員はコストか、財産か】大阪市水道民営化から考える

【公務員はコストか、財産か】
大阪市水道の技術力はすごい。

高度浄水処理、日本で初めて水道GLPの認証もとった。ISO22000の認証も。この技術・ノウハウを持って、市域外の事業展開に活かすとしている。

だけど、ちょっと待って。
最新の機械を入れれば、認証が取れるのか。技術がすごいと言われるのか。

違う。
それを維持管理し使いこなせる人がいるから、技術があると言われるのだ。

大阪市の水道技術がすごいと言うことは、大阪市水道局の職員のノウハウがすごいということ。

その技術、つまり水道職員は大阪市の財産なのだ。でもそれを、お金に換算することは難しい。

でも、民営化すれば、モニタリング部署として残る20人以外は全て退職金を払って、民間の運営会社に移ることになる。
そのノウハウは、ほぼフリーで民間企業に移ってしまう。

すでに、関西圏でも技術を失ってしまった自治体は多数。
それを助けることができるのは大阪市しかないかもしれない。

大阪市の水道民営化の話は、大阪市だけで考える話ではないと思う。

■2016年水道民営化への条例案、市会へ提出を受けて
@大阪市水道「民営化こそ問題先送りだ!」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1071195819586057/?type=3&theater

A大阪市水道 民営化されたら「大災害時は大丈夫?」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1071444512894521/?type=3&theater

B大阪市水道民営化すれば、「市民負担が軽くなる?」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1084644201574552/?type=3&theater

■<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?
〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1086925211346451/?type=3&theater

■A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1087767437928895/?type=3&theater

■平成28年3月10日 交通水道委員会の動画はこちらから
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h28/20160310kousu2.html

■陳情及び記者会見の報告はこちらから
https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1078211742217798
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2016年03月23日

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…> <陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安

〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜

3月10日の交通水道委員会質疑にて維新の杉山市議が、陳情書の内容をもとに質問し、市が解答する場面がありました。ここでは敢えて、杉山市議と同様私たちも不安を取り除き、よりよい案を検討するために「不十分」なところを指摘したいと思います。


■問題は「値上げを断れるのか?」
水道局を民営化すると、
市に水道を運営する技能、経験、人材がなくなってしまい値上げを拒否する権限を形式的には持っていても、実質的には民間会社の値上げ要求を拒否できなくなるのではないか、
という私たちの懸念点を杉山市議は質問されました。

■市の姿勢が明らかに
しかし…市の経営改革課長の回答は以下のような形式的なものでした。

「市側の当該決定(値上げ拒否)に対し、運営会社側に不服等がある場合につきましては、両者で改めて協議等を実施する旨は定めているが、単に、当該決定のみを持って、運営会社側に契約解除権が発生することとはならず、仮に、こうしたことが原因で契約解除に至った場合でも、当然、市が当該損失を補償することにはならないものである。」※()内は筆者

この後、杉山市議は納得されたようで、この点についての質疑を終えてしまいました。

■実質的に断れる根拠は?
しかし、私たちが問題にしているのは…
数十年後の将来、大阪市の職員だった経験ある社員は、必ずいなくなります。
市職員はモニタリング部署の20名だけ。技術職はおらず、市役所内で異動すれば蓄積もできません。
そんな状態で、「値上げは不必要」だと、市側はどう判断するのか、心配です。

報告書ベースで判断する、外部有識者の考えが、判断基準のすべてになるのではないでしょうか?

もし、「値上げが必要」と市が判断すれば、次は市会に水道料金上限を引き上げる条例を上程することになります。

市会が拒否し再協議不調となった場合、「市事由の契約解除」となり、市は、損失相当額を運営会社に支払うことになります。

が、市も外部有識者も「必要」と判断した後、何を根拠に「市会は否決」できるのでしょうか?

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■「本当に値上げ要求を断れるのか?」

海外事例から見ても、運営会社からの値上げ要求を本当に断れるのか、公営の今よりも料金が高騰するのではないかと心配です。

また逆に、本当に値上げが必要な状態でも、適正な判断がそもそもできるのか?が問われています。


■杉山市議、あるいはすべての委員会に参加する議員に対して、上記の点についての追加質問をしていただき、市民ができるだけ不安なく決定できるように委員会での議論を進めることなくして、28日委員会採決、3/29日 本会議採決に至ることがなきよう、求めたいと思います。


■<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?
〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜
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■A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安
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■平成28年3月10日 交通水道委員会の動画はこちらから
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h28/20160310kousu2.html


■陳情及び記者会見の報告はこちらから

https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1078211742217798
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2016年03月22日

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?

〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜

3/10交通水道委員会において、維新杉山市議が、私たちの陳情内容を質問に取り上げてくださいました!しかし…


■大阪市水道民営化プランと「再公営化」は同じか?

世界中で「水道民営化が失敗だった」と、「再公営化」が進んでいる。それが世界の流れだと私たちは主張しています。

それを受けて、杉山市議は
「大阪市も同じ100%出資。ベルリン市も運営しているのは会社が100%出資というだけで、市の直営じゃない。だから、大阪市のこのプランと同じ。再公営化したベルリン市事例が世界のトレンドというなら、この大阪市プランも世界のトレンドだ」
旨、主張されました。

しかし、大阪市水道民営化プランは「水を市民の手から、営利企業に渡す」ことにつながりかねず、まさに「逆方向」です。

私たちは、民営化の失敗を反省し、公の関与を強めて、100%市出資まで戻してきた海外事例を総称して「再公営化」と呼んでいます。

それは、「水を営利企業から、市民の手に取り戻す」ことであり、世界の潮流だと主張しています。大阪市水道は公営であり、すでに「市民の財産」として「市民の手」にあります。


■なぜ「水を営利企業に渡す」ことになるのか?

「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」によれば、「3〜5年を目途に民間に株式売却」が検討されます。その後も「1億円以上の株式売却は、議会が議決すれば可能」と議会答弁されています。

つまり、1億円未満の株式売却は議会のチェックも不要です。
私たち市民、あるいは議会すら気が付かないまま、いつの間にか、大阪市100%出資会社でなくなる。そういった危険をはらんでいます。


株式売却.jpg

■売却した株の行方は?
いったん民間に放出した株式を、制御することは困難です。現在のインフラ投資は、世界的に年金基金などの機関投資家が主流です。

将来的に、海外の年金基金や機関投資家といった、必ずしも「水道事業の公共性・持続性」に関心を持たない株主が、大阪市水道運営会社の主要株主となる可能性が大いにあります。

■杉山市議には、そこを当局に聞いていただきたかったのに、非常に残念です。
杉山市議と同様私たちも、海外での事例も含めて慎重に検討・議論しながら、市民負担を最小限にしつつ、持続可能な水道のありかたを検討していきたいと思います。



■平成28年3月10日 交通水道委員会の動画はこちらから
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h28/20160310kousu2.html

■陳情及び記者会見の報告はこちらから
https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1078211742217798

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2016年03月08日

【陳情書提出&記者会見実施しました】「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」に関する陳情書

本日、大阪市会事務局に「「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」に関する陳情書」を提出するとともに、市会記者クラブにおいて記者会見を行いました(MBS・読売・朝日・毎日・共同・時事・日経他参加)。

陳情では手書き署名のみの対応となるため、ネットでダウンロードいただき、署名を郵送いただくという、非常に手間のかかる、また時間のない中であったにもかかわらず、311筆もの署名をいただきました。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

記者会見では、
・今、民営化が失敗だったと、民営化をやめて、「再公営化」が世界中で始まっていること
・3~5年をめどに株式を民間事業者に売却するが、いったん民間に放出された株式は制御できない懸念。
・各国事例から見ても、民営化後、民間事業者からの料金値上げを将来断れなくなること
・大阪市の料金は大都市の中で全国一安く、世帯の9割以上が給水原価より安い値段しか払っていない中、民営化すれば安くなるなど考えにくいこと
・TPP以外にも、新サービス貿易協定、FTAAP、RCEP等、大型の貿易協定交渉は今後進んでいく中、公共サービスが狙われている。過去のISD事例では、水道料金値上げを拒否したことでも訴えられている。
・民営化すれば、市会のチェックも行き届かなくなり、市民からも手が離れ、どうしてもブラックボックス化すること

等々、さまざまな懸念から、
「まずは大阪市水道が問題があるならば、まずは現状分析から、よりよい公営のあり方を模索すべきだ。」
「くれぐれも市会で慎重に審議すべき。そのための情報が明らかになっていないので、それをまずは明らかにしてほしい」
と訴えました。

詳細については、下記陳情項目をご覧ください。

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<以下提出陳情書>
大阪市会議長様

「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」に関する陳情書

【陳情趣旨】

本年2月9日に一部見直しが行われた「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」および、大阪市会平成28年第1回定例会にて、2月16日に提出された議案第106号「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」について、以下の通り陳情いたします。

1.  改正条例案では、「水道事業の業務について、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」を定め、「公共施設等運営権を設定することができる」としています。しかし、水道水を含む水資源は公共のものであり、その管理運営には長期的視野が必要です。公営水道事業の問題解決にあたっては、現状の課題およびその発生原因の分析からなされるべきであり、「民間資金等の活用」などの解決策を先に議論するべきではありません。

2.  改正条例案では、「事業開始後3~5年以内を目途に、新設株式会社の株式の一部を民間事業者に対して売却検討する」旨、記載されています。現在のインフラ投資は、世界的に年金基金などの機関投資家が主流です。将来的に、海外の年金基金や機関投資家といった、必ずしも「水道事業の公共性・持続性」に関心を持たない株主が、大阪市水道運営会社の主要株主となる可能性が大いにあります。

3.  水道設備には更新だけでなく、技術革新による設備のアップグレードが30年、50年の単位での検討が必要です。一方、30年を超える長期的な視点に立った施設等への投資がされることは、株主への説明が困難だと考えます。たとえば、契約期限が近づいた施設の更新がどう担保されるのか。契約年数の終了までの期間にとらわれず、適切な施設更新がされるのか懸念されます。

4.  これまで自治体同士の災害協定を超えて、公共の利益のために、阪神淡路大震災や東日本大震災等の災害時の対応において、日本全国の公営水道事業体が助け合ってきました。公共の利益のための、これまでの公営水道事業体同士の相互支援体制と、営利目的である民間事業者との整合性を、各自治体はどう判断するでしょうか。一方、大阪市の民間事業体は他自治体への支援をどのような基準で判断するのでしょうか。大災害時、営利目的の事業者である民間事業者との協働は、他自治体にとって前例もなく、これまでと同様の対応が可能なのか懸念されます。

5.  改正条例案が提案するPFI方式では、資産所有と政策的な責任は行政に留まるものの、料金収入の利益は民間事業者に譲渡されます。「リスクは行政に、利益は民間に」と言われる通り、結果的に市民のためにならないとの批判が国際的に高まっています。

6.  改正条例案では、水道料金等改定について手続きはあるものの、「再協議が不調となった場合、運営権者は市事由による実施契約の解除を行うことができる」、市事由の契約解除には「運営権者の損失相当額を支払う」旨、記載されています。これまでの各国事例から見ても市職員による現場技術喪失後、民間事業者からの料金改定等の要請拒否は実質的に不可能であり、将来の料金高騰につながると考えます。
7.  一方、公営水道事業の課題解決策として、民間資金の活用ではなく、適切な範囲で水道料金の値上げを行なうことは吹田市などでも予定されており、現実的な解決手段と言えます(日本水道協会の調査によると、平成21年からの4年間で126事業体が料金値上げを実施済です)。今後、長期間にわたって予想される耐震化や水道管網の更新、水道技術の安定的な継承などにかかる費用について、適切な情報開示と丁寧な対話を重ねた上で、住民自身が納得して負担することは、民主主義的手続きに沿った解決策の一つだと考えます。

8.  水道事業の民営化・民間参入については多くの失敗事例が存在します。民間委託契約を結んだとしても、水道事業者が契約内容を守らず、利益を優先した結果、インフラ投資の欠如や水道料金の値上げ、水質の低下などさまざまな問題が世界各国で引き起こされています。1980年代に水道事業を民営化し、「成功例」とされるイギリスにおいても2012年の世論調査で71%が「水道を国有化すべき」と回答しています。水道事業の課題解決においては、世界各国での歴史に学ぶべきであり、拙速な決断は避けなければなりません。

9.  ひとたび水道事業を民営化した国・自治体が再び公営に戻す「再公営化」が、世界各地で進んでいます。オランダのNGO(非政府組織)である「トランスナショナル研究所」の調査では、2015年時点で37か国235事業体が再公営化を果たしました。これらの動きは、発展途上国のみならず、ベルリン市やパリ市でも起こっています。

10.  「再公営化」にもリスクが伴います。それは、契約を途中で解除された民間事業者が違約金や期待されるはずだった利益を求めて提訴される可能性があるからです。仮に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効するようなことがあれば、大阪市が民間企業と契約解除をした場合、投資家対国家の紛争解決(ISD)条項によって、巨額の賠償金を支払うよう提訴されるかもしれません。30年契約を途中解除したベルリン水道は、株の買戻しに約1,600億円(12億800ユーロ)負担し、水道料金に重くのしかかっています。巨額の負債を抱えるリスクを引き受けるのではなく、将来にわたって安定した水道事業の運営に注力すべきです。

11. 昨今の報道で取り上げられている地方自治体による新興国での水道技術の移転は、ODA(政府開発援助)等の公金投入がなければリスクが大きく成功しないと考えます。



【陳情項目】
1. 「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」(以下、本方針)及び議案第106号「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」(以下、本条例案)の審議は、本方針及び本条例案が採択され実行された場合に生じる広範且つ長期的な影響を市議会として十分に考慮の上、長い目での大阪市民の利益を踏まえ慎重に議論を進めること。

2. 本方針及び本条例案の採否に関わらず、市議会として下記の情報及び分析を当局に求め、市民に公開すること。
1)大阪市水道の現状分析
@ 他都市に比べて企業債の比率が高いのはなぜか?
A 職員の生産性が他都市より低いのはなぜか?
B 水道管路の耐震化率が低いのはなぜか?
C 他都市と比較し、大阪市の水道料金をどう評価するか?その理由は?
D 他都市と比較し、大阪市の水道技術をどう評価するか?その理由は?


2)多様な事象・生活インフラとしての長期的な視点から事業の安定性確保と費用試算
PFI等の検討を行う前に、
@ 事業者が数十年という長期間に渡り、設備の更新投資を継続的に行うために必要な設備投資総額見込み、及び当該設備投資総額を踏まえた年間設備投資用積立額。
A 大災害等の発生時の偶発的事象に備えた人員・設備の冗長性の考え方、及び当該冗長性を換算した費用額
を明らかにさせる。


3)大災害時の他自治体等との連携及び相互支援の具体的な計画
自治体組織ではない事業者が大災害時にどのように他自治体と連携し、相互支援を行うのかの具体的スキーム及び計画を提示させる。


4)60年後の経営収支シミュレーションの提示
上記1)〜3)を踏まえ、契約最長期間である60年後の経営収支シミュレーションを自治体以外の事業者、公営の両方の事例で提示させる。


水は生活のもっとも基本的かつ不可欠なインフラであり、水へのアクセス(安価にいつでもだれでも利用できること)は大阪市民の生活にとって欠かせないものです。その運営者が大規模に変更される可能性がある上では、多様かつ偶発的な事象への対応を踏まえ、コスト試算を行い、公営との比較を行い判断を議会・市民ともに進めるべきであり、上記の情報・試算は最低限のものを考えております。

以 上

2016年3月8日


【陳情代表者】 
特定非営利活動法人AMネット


【共同呼びかけ団体】
大阪を知り・考える市民の会
しみんマニフェスト大阪UP
シーダー関西

【賛同人】
樫原正澄(関西大学教授)  
仲上健一(近畿水問題合同研究会 理事長)

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