2017年03月14日

【大阪市水道民営化・市会での議論】「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?#水道民営化 #水道法改正

【大阪市水道民営化・市会での議論】
「水道法改正での制度」と「現行プラン」と、どう違うのか?


今国会で議論されている「水道法改正法案」。
3月7日に閣議決定されましたが、詳細はいまだ不明です。

そんな中、平成29年3月9日交通水道委員会において、福田武洋委員(旭区選出:自民党会派代表者)の質疑が行われました。

「水道法改正での制度」と、「大阪市の水道民営化の現行プラン」と、どう違うのか?

<以下、市会での議論の概要>

福田:水道法改正の仕組みの概要を

局:今回の法改正では、地方公共団体が水道事業者としての位置づけを維持しつつ、厚生労働大臣の許可を受けて、水道施設の運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入

・厚生労働大臣の許可の申請
地方公共団体である水道事業者が実施計画書を提出し、
厚生労働大臣は、許可基準に適合していると認め許可

・実施計画書への記載事項
許可の対象とする施設や事業内容、運営権の存続期間のほか、事業の適正性や継続性を確保するための措置などは法律で定め、
更に省令でその他の事項や提出書類を定める

・許可基準
事業計画が確実かつ合理的であること、利用料金が要件に合致するかなどが法律で定め、
これらの基準適用に必要な技術的細目は、省令で定める


福田:つまり、市の事業認可をなくし、民間事業者に移すのが大阪市の現行プラン
厚労省の認可を受け、自治体に事業認可を残すのが改正案

市の責任・国の関与などはどう違ってくるか。

局:
【現行プラン】
水道事業者としての責任&国の関与:運営会社
要求水準達成・経営状況:市のモニタリング部署がチェック
水道料金改定:市・市会
災害時等:リスク分担を定め、市が主体的な役割を果たし、持続性の担保に責任を持つ仕組み


【改正案】
水道法上の最終責任:市
水道事業の全体方針の決定・全体管理:市
国の関与:市と運営会社双方
市に残すべき業務:個別の契約で、具体的に定める


福田:水道法改正法案が出されたばかり。
国会での審議・法案成立後に出る省令・ガイドラインを踏まえ精査する必要がある。


<ここまで>

(コメント)
災害時などの非常時やいざという時、将来世代への担保は、
「大阪市が主体的な役割を果たす」そうですが、
「大阪都構想」が実現し「大阪市がなくなった場合」はどうなるのでしょうか?


いざという時に真っ先に困るのが水。
将来にわたって安全で安価な水が「当たり前」でなくては困ります。

「自治体からの要望があったとはいえ、国自身も水道は、やはり公的関与をより残した形での官民連携だと感じる」と、福田市議も指摘。

報道でも「水道民営化」をやりやすくするための水道法改正と言われていますが、大阪市の現行の水道民営化プランは、公的関与を残さない形であり、そのさらに上を行っている、と言えます。

しかし、「公的関与があれば、民間の事業体でいいのか?」という疑問が残ります。

いずれのプランも通常の運営は民間事業者が行うが、「最終的な責任は市が負担」する形。

そもそも通常の運営をしない行政が、いざというときに、ノウハウ・人材はどうするのでしょうか?
どうやって責任を取るのでしょう?(…お金?)


いま議論されている官民連携の手法は「利益は民間に。リスクは行政に」と批判をうけているものです。

TPP以降、TiSA(新サービス貿易協定)など、他の貿易交渉も進んでおり、公共サービスは狙われています。
しかも、ラチェット条項やISDSで「後戻りが非常に困難」です。


民営化(の方向)へ行けば、短期的にはコストダウンするかもしれません。

例えて言えば「目の前の小銭を拾っている間に、後ろから札束を盗まれる」ことになりはしないのか、心配でなりません。


<この質疑の動画はこちらから>
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h29/20170309kousu2.html
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2017年02月16日

大阪市水道民営化プランは、この2・3月市会で結論の見込み。『大阪市の「水道民営化」「民間委託」を考える』

大阪市の水道も地下鉄・バスも、今は「みんなの共有財産」。
まちづくり、人の移動、命、健康…全てに関わる、大切な事業ですが、

@「事業単体で採算性」を考えることが、果たして適切なのか?
A民営化、株式会社化することで、営利目的の事業体になる道に進んでもいいのか。
B市民に還元されていた利益を、民間会社のものにしてもいいのか。
C問題解決には程遠いやり方でも、「スピード感をもって進める」ことを優先すべきなのか?

大阪市会・交通水道委員会で継続審議となっている「水道民営化」プラン。
2・3月議会が招集され、地下鉄民営化と共に審議されることになります。
現在の「水道民営化プラン」は、この2・3月市会での結論が出る見込み。しっかり最後まで注視する必要があります。

以下、先日シンポジウムでの配布テキストです。

2・3月市会に向けて、大阪市の「水道民営化」を考える

1.大阪市の水道の現状
@大都市で「水道料金が全国一、安い」(20年間値上げなし)
A「小口(一般家庭)」の単価の方が安い。
 よく、同じライフラインとして比較される電気・ガスは使うほど単価が安くなり、大口が有利
※日本水道協会資料より抜粋要約
多くの水道事業体が「一般家庭が安くなる」料金制度(逓増制)を採用する理由』
→「家庭用料金を低く抑えるため」
「水の浪費・水需要を抑制するため」
「合理的な水利用の促進のため」
「大量に使用するほど施設に負担がかかるため」


Bここ数年、年間100〜140億円超、H14年度以降もずっと黒字(高度浄水処理導入以降)。水道局収支シミュレーションで、今後24年間黒字見込み

C大阪市水道局の技術は全国的にもピカイチ。企業団、災害時も他自治体の頼りの存在

D技能職員はここ10年新規採用がなく、技術職も幹部のみ。大阪市の水道技術を支える職員の欠員状況が続き、現場が疲弊。加えて民間委託が進み、技術継承が困難。


2.将来世代に負担を先送りしないために「水道民営化?」

@市政改革プランの改革の柱「官民連携の推進」=PPPは国際的に批判される手法
A90年代、民営化された水道が失敗だったと「再公営化」が世界の潮流。
多国籍水企業の本拠地パリ市を筆頭に、フランス中心に少なくとも世界で235事例

⇒民営化失敗→公営に戻したいがコストが大変→それでも公営に戻した方が得、と判断されている。


3.大阪市の水道民営化プランの矛盾

@大阪市・海外事例のコスト削減の中身は、ほぼ「人件費」。民営化で、仕事は減らない。
不安定・低賃金労働者が増えるのが効率化?

A推進会派は維新のみ。
維新市議「大阪市が公共性等を担保するから大丈夫」と繰返すが、同時に、「担保する大阪市をなくす」動き。


4.「民間委託」は「効率が良い」のか?〜水道に限らず大阪市で進む非公務員化〜

@単年度契約で、毎年契約事務が発生
A事業者が変更の都度、職員が教えねばならない
B特に慣れるまでの期間、フォローは、職員がせねばならない(責任を負うのは行政)
C民間に現場を任せると、職員のノウハウの喪失のおそれ(行政のチェック能力喪失)
D長年の修理対応等の蓄積・ノウハウが喪失、購入コスト増大の可能性
E市会のチェックが困難
F災害時対応をどうするのか

⇒直営比率の高い大阪市が大都市で水道料金が一番安い=直営のほうがコストが安いのでは?
⇒何を民間委託すれば効率化されるか、もっと精査すべきでは?
現場を知らない職員ばかり=さらに「机上の空論」へ。「市民に近い行政」がさらに遠ざかる。


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2016年11月26日

奈須りえ氏×岸本聡子氏×神田浩史氏パネルディスカッション「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

東京都大田区議の奈須りえさんとオランダのNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」の岸本聡子さん、さらにAMネット理事の神田浩史をコーディネーターに加えたパネルディスカッションの様子をお伝えします。

文責 AMネット 事務局

■講演1.「民営化でどうなる?公共の可能性は?」≪奈須りえさん≫ 
http://am-net.seesaa.net/article/444348256.html

■講演2.「より良い公営へ〜最新海外レポート」≪岸本聡子さん≫
http://am-net.seesaa.net/article/444348316.html


■パネルディスカッション(以下敬称略)

神田−−後半のパネルディスカッションは、会場からの質問を元に進めて行きたいと思います。

水道事業の民営化については、現政権下で成長戦略にも盛り込まれており、推進していこうという動きがあります。それと、現在進んでいるTPPやTiSA(新サービス貿易協定)の流れをつなげてみたときに、どのようなリスクが考えられるでしょうか。

奈須−−国内で行われている規制緩和と違い、TPPやTiSAが実施されると、ラチェット条項によって、いったん規制緩和されてしまった民営化はあと戻りできない、再公営化できないという状況が生まれてしまいます。さらにISDS条項によって、企業が見込んでいた収益を得ることができなかった場合も、企業が国家を相手に訴えることや損害賠償を請求することもできるようになってしまいます。

いくら大阪市が、水道事業を行う企業に様々な縛りを設けても、TPPが実施されれば、その縛り自体が機能しなくなる°ーれがあるのです。

岸本−−アルゼンチンで18の水道民営化事業が行われ、そのうち9つの事業が再国有化されました。そのうち6つが国際調停に持ち込まれて、全てアルゼンチン側が負けています。

さらに最近は、「国際紛争調停ビジネス」が広がっています。企業が海外投資を行い、うまくいかなかった場合に、弁護士事務所が企業と組んで訴訟に持ち込み、莫大な損害賠償を勝ち取ろうということを行っています。

そうしたことを背景に、ISDSにからむ国際紛争調停の数が、飛躍的に伸びています。日本がこうした訴訟の対象になるということも考えなければなりません。


神田−−大阪市がこのような時期に、簡単に民営化を進めようとしているのは、とても危険だと言えます。
一方で、国や自治体が自ら民営化を進めるのではなく、市民も知らないうちにIMFなどによって民営化が進められてしまうケースもあります。

岸本−−IMFの介入による民営化政策は、1つのパッケージとなっています。しかも、そういったことは昔の話だけではなく、現在も続いています。

例えばギリシャやスペイン、イタリアなどヨーロッパの債務国がヨーロッパ中央銀行、IMF、債権国などによって、半ば強制的に公的資産の売却を進められてしまうといった状況が生じています。

神田−−財政難に陥った政府が、財政支援の見返りに公的資産の売却、民営化を迫られるというケースは至るところで見受けられます。
もう1つ、現在の状況で考えておかないといけない論点に「人口減少」があります。人口減少を前提とした水道事業の見直しでも、民営化やあるいは広域化といったことがあり、大阪では都構想や府市の水道事業統合などの話も出ました。

奈須−−民営化によるコスト削減が達成できたとしてもその中身は、実際には非正規雇用などで人件費を削減しただけで、質の向上も望めないといったものかもしれません。

広域化についても、いったい適正規模がどれくらいなのかという基準も定かではありません。ニースの場合のように、給水人口が60万人程度であれば適正かもしれませんが、270万人の大阪市が、これ以上広域化して、本当に効率的になるのか、あるいは意思決定の問題はどうなのか、そういったことが、まだまだ不明確であり、多くの問題を抱えています。

これまで広域化で提示されてきた仕組みは、広域連合や一部事務組合など、私たちが直接選挙で選んだ人ではない人たちが、意思決定する仕組みです。民営化の問題で問われているのは、民主主義そのものなのです。

神田−−日本で民主的統治を考える上で、どのような仕組みが求められるのか、あるいはそれに適した事例はあるのだろうかと考えたときに、興味深い事例があります。それは岩手県の矢巾町での取り組みです。ここでは、水道事業の見直しのために、徹底した情報公開と住民主体、住民参加のワークショップを積み重ねています。
また、全国的に見れば、流域の中での水道事業の連携をどう高めていくのか、といったことも興味深い取り組みだと言えます。

大阪のような大きな都市で、水道の質を高めるためにはどうすれば良いのか。「公営」か「民営」かといった二者択一ではなく、現行の公営がベストで民営化はダメということでもなく、もっと幅広い議論が必要です。最後にお二人に意見をお聞きして締めくくりたいと思います。

奈須−−例えば「広域で効率的な経営」と「住民関与がきちんと担保されるガバナンスのある統治機構」、あるいは、少しぐらい非効率的でも住民の監視の目がちゃんと届くのが良いのか、少しくらい監視の目が行き届かなくても経済性を求めるのか、本来そういったところまできちんと考えることが、水道民営化を考える上で必要だと思います。

公務員の給料が高いとか、非効率だとかいう一面的な情報ばかりが表面化していますが、私たちはもっと大切な問題が隠されていることに気づかなければなりません。いかに必要な情報を市民に伝えていくかが重要です。今日の集会もその貴重な一歩だと思います。

岸本−−民主的な統治というものを考えたときに、選挙に行かない人が半分近くもいるのが現実で、果たして水道事業にどれだけの人が関与したいと思うのか、必要な情報が公開されたとしても、どれだけの人がそれを欲するのかという問題があります。こうしたことを考えたときに、水道の問題としてとらえるだけでは、なかなか解決策を見出すのは難しく限界があると思います。

こうした現実を踏まえた上で、民主的統治をどうやって実現していけばよいのか、今そういったことを考える上で、面白いことがスペインで起こっています。

街角や広場で集まった人たちの声が政治に反映されるようなことが実際に起きているのです。そうなったのは、若者の失業率が40%とか50%とか、そういう極端な状況が起きて、大規模なデモが続き、それでも自分たちの声を本当に反映してくれる政治が行われない失望の中で、自分たち自身の政党を、と実際につくられたのが「ポデモス」です。この党は、わずか数年で国政において第3党にまで躍進しています。

水道民営化の問題は、民主主義の根幹にかかわる問題でもあります。私たちは地道な活動を続けるだけでなく、気運をしっかりとつかみ取ることが大事です。ポデモスの広がりは、そういったことも表していると思います。

神田−−「民主化」、「民主的な統治」の重要性が、今日のお二人の話の中で、何度も出てきました。そして、それは皆さんと一緒に築いていくものだということ、また、そのためのヒントも数多く出して頂きました。是非、このことを活かして一緒に実現していきましょう。■

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2016年11月25日

「より良い公営へ〜最新海外レポート」≪岸本聡子さん≫「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

文責 AMネット 事務局

■講演2.「より良い公営へ〜最新海外レポート」
≪岸本聡子さん≫ 

本日は、国際的な視点も含めて議論の素材を提供できればと思っています。「民営化」「再公営化」さらに「公営」について考えるきっかけになればと思います。

国際機関でも民営化を疑問視
世界銀行は、公共事業の民営化という新自由主義に基づく政策を展開し続けてきました。しかし、その一方で、最近は民営化がうまくいっていないのではないか≠ニいう調査報告も行っています。

世界銀行は、2014年に442件の官民パートナーシップ(PPP:民間委託、指定管理者制度、PFI、民営化など)の検証を行い、そのうち「貧困対策に効果あり」としたのは9件しかなかったとしています。

また、国連経済社会局でも官民パートナーシップという枠組みが2030年の持続可能な開発目標に合致しているか≠ニいう検証を行い、「水」「道路」「エネルギー」「交通」など、効率的なサービスを供給するために導入されたにも関わらず、それに失敗している≠ニの結論を出しています。

国連機関や世界銀行は、もともと民営化推進の立場であるにもかかわらず、このようなレポートを発表していることは、大きな変化の現れであり、世界中で官民パートナーシップの失敗が無視できなくなってきていることを表しています。


再公営化は世界的趨勢
再公営化の動きは、2000年の時点では、たった2例しかなかったのですが、15年経ってその数は235にも膨らんでいます。しかも実際の再公営化は、この数字よりもさらに多いとことは確実です。

一方、再公営化したらそれで良い成果が出るのか、民主的な統治が行われるのか、と言えば必ずしもそうとばかりは言えません。実際のところ、理想的な住民参加や透明性確保がなされていると言えるのは、むしろ少数であり、運営や所有だけが移行したというケースも少なくありません。

しかし、こうした活動によって議会や市民参加が促進され、活発な議論を通して民主的運営が行われるきっかけになったことは、大いに注目すべきことだと思います。 


公公ネットワーク
フランスやスペインでは、公営企業がネットワーク作りを始めています。民営化の波を食い止めるためには、公営企業間の知恵や資源を結集して対抗していかなければならないからです。

例えばニースというフランス第5の都市で水道事業が最近再公営化され、先に再公営化したパリやグルノーブルが支援したという実例もあります。

ニースは、地理的に80%が山間地です。ニースに流れるバール川流域の49の市町村に適正にサービスを提供し続けるには、各自治体が民間企業と個別に契約している状態では、十分に対応しきれないというのが最大の理由となり、流域間の公的な連帯を作るために再公営が行われました。これは自治体間の公公パートナーシップが再公営化を支援できるということを示すものです。


「民営化」ではなく「民主化」を!
再公営化を考える上で、民主的な統治はとても重要です。公営でも民間でも透明性や効率性を高め、最低限の金額でより高いサービスを提供するための手段として、市民と自治体がいっしょに会社を作ろうという動きが進んでいます。

市民と自治体でつくったロンドンのエネルギー供給会社では、水道や電気料金を払えない貧困層の人々のために、貧困層でも支払い可能で、しかも自然エネルギーによる電力を供給するという提案が行われています。

これは市議会側からの発案ですが、市民側からも民主主義を公営企業のなかで、どう確立するのかという視点での提案も行われています。このロンドンの例は、新しいビジョン、そして本当の意味での公共を考えさせてくれるものです。

「民営化ではなく、民主化を」といった議論が大切です。これからも、そういった議論を皆さんと重ねていきたいと思います。

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2016年11月24日

「民営化でどうなる?公共の可能性は?」≪奈須りえさん≫ 「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」開催報告

文責 AMネット 事務局

現在、大阪市では水道民営化案が議会に提出され、民営化に向けた動きが進んでいます。こうした中、7月16日に大阪市の「ヴィアーレ大阪」で、シンポジウム「ちょっと待って!その『水道』の民営化〜大阪の水のこれから 公共の可能性〜」をAMネットなど市民団体の主催により開催しました。
シンポジウムでは、東京都大田区議の奈須りえさんとオランダのNGO「トランスナショナル研究所」の岸本聡子さんによる講演、さらにAMネット理事の神田浩史をコーディネーターに加えたパネルディスカッションが行われ、参加者も250人を超え、このテーマに対する注目の高さを示しました。【以下シンポジウムの概要】


■講演1.「民営化でどうなる?公共の可能性は?」
≪奈須りえさん≫ 

公共サービスで重要なことは
一般的に民営化のメリットとしては、「価格の低下」や「サービスの向上」が言われています。しかし、民営化とは「非営利の公共サービスを、営利の経済活動に置き換える」ことです。現在、大阪市が提案している民営化では、たとえ経営の効率化によりコスト削減ができたとしても、それは価格ではなく、株主配当や内部留保などに回される懸念があります。さらに利益を縮小させるようなサービス向上など望めないし、最低限の質の確保にとどまる可能性も高いと思います。

水道に限ったことではなく、公共サービスについては、「質の確保」「適切な価格」「公平・平等・適正な提供」が重要です。

事業の継続性に関しても、経営破たんや大規模災害の時にはどうするかなど、様々な問題があります。さらに、私が気になっているのは、民営化した場合に「地域独占性の弊害」をどう排除していくかということです。水道料金に対する適正かつ有効なチェックをどう働かせることができるのか。現在は、それを議会が担ったり、公務員法による様々な制約の下で行われていますが、民営化すれば、それをどのように担保していくのか…。

大阪市自体も、水道民営化に関していくつかの課題を指摘し「持続性の確保や公共性の担保を維持するためには、市や市会によるガバナンスを確保することが重要」としています。しかしそのためにどうするのか、相当の工夫が必要ですが、その工夫が見られません。


 利益は企業に、リスクは市民に?
もう1つ、民営化に関してあまり表面化していませんが「事業に伴うリスクを、誰がどのように負担するのか」という問題があります。水道事業には「急激な物価上昇」や「金利変動」、「法制度リスク」、「不可抗力による遅延」など様々なリスクを伴います。大田区でも「PFI」など、民間の活力を利用した取り組みを行っていますが、現実には事業運営に伴うリスクは、いつも自治体の側が負い、民間事業者はリスクを負わないようになっている≠ニいうのが実情です。

また、公共事業が民営化されても、それを請け負う民間事業者は、公共助成が受けられたり、税制面での優遇措置があったりすることも考えられ、かなり優遇された中で事業を行うことが予想されます。
今回、大阪市が出している提案でもリスクの多くは自治体の側が負う内容になっています。つまり、民間事業者はリスク負担は少なく、何かあった場合には「市」がそして「市民」が税金などのかたちで負担しなければならない仕組みとなっているのです。

こうした状況下で、毎日使い続ける水を経済活動に組み入れることは、企業にとっては必ずもうかる美味しい仕組みがつくられる半面、リスクは最終的に市民が負うことになってしまいます。質の向上や料金の値下げなどは、長い目で見ればどこまで実現できるのか。将来的に、議会のチェックも働かなくなる中で、どうやって「質の確保」「適切な価格」「公平・平等・適正な提供」を担保していくのか、様々な懸念が払拭されない中で、大阪市の水道民営化が進められようとしています。

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2016年09月28日

「大阪の水道を考える市民の会」のパンフレット完成☆街宣9/29・10/13・10/17・11/24夜実施します!


■「大阪の水道を考える市民の会」として市民団体が集まりました
大阪市の水道、公共の役割を考える7/16開催イベント『ちょっと待って!その「水道」の民営化」を機に集まった市民団体で集まりました。

FBページ→https://www.facebook.com/osakawater/
イベント案内→https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

◇構成団体:AMネット/しみんマニフェスト大阪UP/大阪を知り・考える市民の会/近畿水問題合同研究会 他

■私たちのパンフレットができました!
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コンパクトに大阪市水道局資料からの大阪市の水道の現状、私たちの主張、海外トレンド等々、まとめています。
ぜひご覧ください!

◇パンフレットの無料ダウンロードはこちらから(A4*4枚)
https://drive.google.com/file/d/0Bz4cgaa9CBKLUy1Ld3hNcUF4bGM/edit

■街頭宣伝を行います!

9月29日(木)18:30〜@南森町3番出口
10月13日(木)19:00〜20:00@上新庄
10月17日(月)19:00〜20:00@弁天町
11月14日(月)19:00〜20:00@駒川中野

9月の大阪市会に合わせ、4回予定しています。
1人でも多くの人に、パンフレットをお渡しし、お話ししたい。
配布のお手伝い大歓迎!ぜひお越しください!

■カンパ募集中!
大阪市の水道が民営化されそうなことを、大阪市民に知ってもらうため、大量にパンフレット印刷しています。カンパで私たちの活動を支援お願いします。

郵便振替口座 : 00940−7−107411
口座名称 : AMネット (エーエムネット)


■パンフレット配布お願いします!
お住まいのマンションなど、大阪市民対象にパンフレット配布くださる方、募集中!
AMネットまで連絡いただくと発送します。(恐れ入りますが、発送料負担をお願いします)

■問い合せ先:NPO法人AMネット
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2016年07月15日

【記者会見報告】イベントページに14,000view超え!ちょっと待って!その「水道」の民営化

7月13日、大阪市会記者クラブにおいて、記者会見を行いました。
参院選後すぐのタイミングにもかかわらず、日経、朝日、時事他、計6名の記者に参加いただくことができました。

※プレスリリース
http://am-net.seesaa.net/article/439804612.html

まず、これまでの活動報告と、市会で私たちの陳情がとりあげられた議論の概要をお伝えしました。

・私たちのスタンスは、水道の民営化に絶対反対という訳ではなく、「水を公共財として長期的な視点で扱い、安全で安価な水に、誰もがアクセスできる」なら、公営でなくても良い。
ただ、民間会社である以上、営利目的にならざるを得ず、公共財として長期的な視点で扱える事業体を、消去法で考えれば、公営しか残らない。

・すでに海外事例では、「民営化が失敗だった」ともう一度公営に戻す事例が多数。しかし、再公営化も非常にコストがかかり、非常に難しい。それだけの手間とコストをかけても、公営に戻したほうが得だと判断し、実際に公営に戻せた自治体が235事例もある、ということ。

・当初は大阪市100%出資だが、3〜5年以内に株式売却するとあり、民間に放出されると、水道の持続性、公共性に興味を持たない、年金基金などの投資家が主要株主になる可能性がある。

・公営だからすべていいわけではない。
大阪市水道は、世界的に見てもうまくいっている公営水道であることは間違いない。
が、しかし、今がベストなのか?といえば、もっと上を目指すことができるポテンシャルが今はまだ残っている。

・今回の民営化案では、30年で910億円のコスト削減のメリットと言われる。
そのうちの300億円は人件費だが、公務員の人件費はコストだろうか?大阪市には技術があると言われるが、それは職員のノウハウであり、それは大阪市の財産。
近畿内ですでに技術を失ってしまった自治体が多数あると言われる。
そういった自治体を、今なら、大阪市水道局が助けられる可能性がある。大阪市単体で考えていいのか。


・すでに海外で「公共の可能性」を見出している事例を見ると、理事会などの意思決定に市民、市民側有識者などが関わっているケース。
今回7月16日イベントゲストの岸本聡子さんは、まさにその世界の再公営化した事例を見て集めてきた中心人物であり、「公共の可能性」を学ぶイベントを実施したい。


その後の、質疑応答でも闊達な意見交換があり、充実した会見となりました。

当日の議論が非常に楽しみです。ぜひお越しください!

【7/16(土)開催!】ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性 〜世界では235件も再公営化!〜
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/
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2016年07月07日

【プレスリリース】ちょっと待って!その「水道」の民営化〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜イベント開催のお知らせ

報道各位 プレスリリース
                2016年7月7日

イベントページに14,000view超え!
ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜
イベント開催のお知らせ
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

私たちは、「水道事業の民営化」に向けて大阪市議会に議案が提出されたことを懸念し、3月8日大阪市会に対して、「慎重な議論の求める陳情書の提出」を行いました。結果、陳情の内容に対し、おおさか維新はじめ各会派の質疑にも取り上げられました。また、陳情に関するFacebook投稿は7,000view近く、ブログでも500シェアを超え、陳情代表者であるNPO法人AMネットとして過去最高の反響です。

水道民営化は90年代がピーク。すでに今は、「水道民営化は失敗だった」と世界中で「再公営化」が進み、2015年時点で37か国235事業体が再公営化しています。それは途上国のみならず、ドイツ ベルリン市、水メジャー本拠地パリ市でも起こっています。

9月以降の交通水道委員会でも継続して行われる審議に向け、このたび私たちは「水道民営化の何が問題で、再公営化が進んでいるのか」、「再公営化においてなぜ市民が関わることがポイントで、どのように関わっているのか」を学び、世界で見いだされている「新たな公共の可能性」を学ぶイベントを開催します。水問題に関連した投稿はFacebookで注目を集めており、関連投稿はどれも1,000単位でviewが伸びています。

つきましては、下記のとおり、イベント内容及び,今後のアクションについてお知らせする記者会見を開催いたしますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席賜わりますようご案内申し上げます。


■記者会見 概要■
◇日時: 2016年7月13日(水)15:30 〜(30分〜1時間程度)
◇場所: 大阪市政記者クラブ
◇出席: 中野雅司(大阪を知り・考える市民の会)、武田かおり(NPO法人AMネット)、他調整中
◇内容: 水道民営化の問題、再公営化、水政策決定への住民参加、市議会&陳情報告、水イベント紹介など


■NPO法人AMネット■
2003年第3回世界水フォーラム以降、「水道民営化」による問題を注視し、海外NGO等と協働してきた。
その他、TPP等の自由貿易、規制緩和等で起こる問題の提起やオルタナティブ提示を行っている。


■本件に関するお問い合わせ先:NPO法人AMネット(担当:武田)
WEB:http://am-net.org/ E-MAIL:amnetosaka【@】yahoo.co.jp(【】を消去してください) 
TEL:080-3788-2750【電話番号が変わりました】

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2016年05月14日

【公務員はコストか、財産か】大阪市水道民営化から考える

【公務員はコストか、財産か】
大阪市水道の技術力はすごい。

高度浄水処理、日本で初めて水道GLPの認証もとった。ISO22000の認証も。この技術・ノウハウを持って、市域外の事業展開に活かすとしている。

だけど、ちょっと待って。
最新の機械を入れれば、認証が取れるのか。技術がすごいと言われるのか。

違う。
それを維持管理し使いこなせる人がいるから、技術があると言われるのだ。

大阪市の水道技術がすごいと言うことは、大阪市水道局の職員のノウハウがすごいということ。

その技術、つまり水道職員は大阪市の財産なのだ。でもそれを、お金に換算することは難しい。

でも、民営化すれば、モニタリング部署として残る20人以外は全て退職金を払って、民間の運営会社に移ることになる。
そのノウハウは、ほぼフリーで民間企業に移ってしまう。

すでに、関西圏でも技術を失ってしまった自治体は多数。
それを助けることができるのは大阪市しかないかもしれない。

大阪市の水道民営化の話は、大阪市だけで考える話ではないと思う。

■2016年水道民営化への条例案、市会へ提出を受けて
@大阪市水道「民営化こそ問題先送りだ!」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1071195819586057/?type=3&theater

A大阪市水道 民営化されたら「大災害時は大丈夫?」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1071444512894521/?type=3&theater

B大阪市水道民営化すれば、「市民負担が軽くなる?」
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1084644201574552/?type=3&theater

■<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?
〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1086925211346451/?type=3&theater

■A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1087767437928895/?type=3&theater

■平成28年3月10日 交通水道委員会の動画はこちらから
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h28/20160310kousu2.html

■陳情及び記者会見の報告はこちらから
https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1078211742217798
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2016年03月23日

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…> <陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安

<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安

〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜

3月10日の交通水道委員会質疑にて維新の杉山市議が、陳情書の内容をもとに質問し、市が解答する場面がありました。ここでは敢えて、杉山市議と同様私たちも不安を取り除き、よりよい案を検討するために「不十分」なところを指摘したいと思います。


■問題は「値上げを断れるのか?」
水道局を民営化すると、
市に水道を運営する技能、経験、人材がなくなってしまい値上げを拒否する権限を形式的には持っていても、実質的には民間会社の値上げ要求を拒否できなくなるのではないか、
という私たちの懸念点を杉山市議は質問されました。

■市の姿勢が明らかに
しかし…市の経営改革課長の回答は以下のような形式的なものでした。

「市側の当該決定(値上げ拒否)に対し、運営会社側に不服等がある場合につきましては、両者で改めて協議等を実施する旨は定めているが、単に、当該決定のみを持って、運営会社側に契約解除権が発生することとはならず、仮に、こうしたことが原因で契約解除に至った場合でも、当然、市が当該損失を補償することにはならないものである。」※()内は筆者

この後、杉山市議は納得されたようで、この点についての質疑を終えてしまいました。

■実質的に断れる根拠は?
しかし、私たちが問題にしているのは…
数十年後の将来、大阪市の職員だった経験ある社員は、必ずいなくなります。
市職員はモニタリング部署の20名だけ。技術職はおらず、市役所内で異動すれば蓄積もできません。
そんな状態で、「値上げは不必要」だと、市側はどう判断するのか、心配です。

報告書ベースで判断する、外部有識者の考えが、判断基準のすべてになるのではないでしょうか?

もし、「値上げが必要」と市が判断すれば、次は市会に水道料金上限を引き上げる条例を上程することになります。

市会が拒否し再協議不調となった場合、「市事由の契約解除」となり、市は、損失相当額を運営会社に支払うことになります。

が、市も外部有識者も「必要」と判断した後、何を根拠に「市会は否決」できるのでしょうか?

料金改定スキーム.jpg


■「本当に値上げ要求を断れるのか?」

海外事例から見ても、運営会社からの値上げ要求を本当に断れるのか、公営の今よりも料金が高騰するのではないかと心配です。

また逆に、本当に値上げが必要な状態でも、適正な判断がそもそもできるのか?が問われています。


■杉山市議、あるいはすべての委員会に参加する議員に対して、上記の点についての追加質問をしていただき、市民ができるだけ不安なく決定できるように委員会での議論を進めることなくして、28日委員会採決、3/29日 本会議採決に至ることがなきよう、求めたいと思います。


■<陳情が大阪市会で質問採用されました!しかし…>
@大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?
〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1086925211346451/?type=3&theater

■A水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安
https://www.facebook.com/amnetosaka/photos/a.355876991117947.76346.355377027834610/1087767437928895/?type=3&theater

■平成28年3月10日 交通水道委員会の動画はこちらから
http://www.gikai-web.jp/moviefile/w_h28/20160310kousu2.html


■陳情及び記者会見の報告はこちらから

https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1078211742217798
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