2012年2月24日(金)、AMネット、PHD協会、関西NGO協議会の共催によるカフェイベント
「水からつながる日本とアジア/〜日本とネパール、インドネシアの農家が語る水をめぐるドラマ〜」が大阪市内のevent space 「雲州堂」で行われました。

話し手は、AMネット代表の松平尚也さん、そしてPHD協会がネパールとインドネシアから招いた
農業研修生のパッサン・ラマさんとエリザ・フィトリさんです。
この学習会では松平さんから世界や日本の水事情の話が行われ、
さらに実際に農に携わる3人の対談が行われました。さらに途中、“水検定” も行われ、
日本や世界の水を取り巻く現実について考えました。
今回の学習会で特に印象に残ったのが、
研修生の人たちの語る日本の暮らしや農業に対する感想でした。
「日本では水道の蛇口をひねれば、すぐに水が出てきてとても便利」
「日本に来て水道の衛生的なところがすごく良いと思った」
「故郷では不衛生な水をそうとは知らずに皆が使っていて、それで病気になったりすることも少なくない」
と、日本の水事情の良さを語ってくれました。
しかしその一方で、
「故郷の国では離れたところまで重たい水を汲みにいかないといけない。
けれども、その不便さや大変さの中で水の有り難さを知ることができた。
日本は便利過ぎてかえって水を大事にしていないように思う」――と鋭い指摘もありました。
さらに日本での農業研修についても
「農業の研修に行って、トラクターに乗ったが、とても疲れた。
機械で作業をすると一人で何でもできるが、そのことで、
集団作業をしなくなり、コミュニケーションもなくなる。
そして土の中の生き物も死んでしまう」
「機械は便利だけど、人とのつながりや自然とのつながりを失った農業になってしまう」
研修生の彼女たちの見た日本、それは便利だけれども、何かがおかしい。
決して文明の何もかもがすばらしいと言えるものではない。
便利さを得た反面、失ったものも少なくないし、むしろ失ったことさえ気づかずに生きている。
今の日本の現実、現代文明の落とし穴、そして先進国やそこに生きる私たちの傲り…。
――そんなことを改めて感じさせてもらった学習会でした。
若間