すっかり遅れてしまいましたが、先日(12月19日〜20日)参加してきた、
第23期関西NGO大学第4回「とってもええこと?“エコ”活動〜エコ活動の表と裏〜 の報告をいたします
発題者の
田中優さん(未来バンク事業組合理事長、日本国際ボランティアセンター理事)のお話は
「温暖化」「エネルギー問題」「戦争」、それらにまつわる「お金の問題」と、広範囲に渡る内容のものでした。
雪冠をかぶったキリマンジャロの写真が映しだされ始りました。
乾季には ほとんど雨が降らないサバンナ。
そんな過酷な環境で動物たちが生き続けてこられたのは、キリマンジャロから流れ出る雪解け水のおかげ。
ところが、次に映しだされた写真にはほとんど雪がありません。
同じ季節に撮られた写真なのに。。。。
その間、たったの7年。
現在の水量で、一体どれだけの動物の命を支える事が出来るんでしょう?
続いて流氷の写真が映し出されます。
流氷の上を犬ぞりで移動し、アザラシ猟を行うイヌイットの人たち。
今では、流氷が溶ける時期が早まった事で狩猟可能な期間が短くなり、渡り鳥猟を始めているそうです。
さらには、流氷の上で子育てを行うアザラシ達にも繁殖・生存の危機が迫っています。
そして、先日ニュースで話題になっていた、白くまの共食い。
各地で温暖化の「しわ寄せ」が問題になっているのに、
なのにナゼ、温暖化は重要視されて来なかったのでしょう?
自分たちには関係ないから?
「TVの中の出来事」と思っているから?
田中優さんのお話は続きます。
現在使われているエネルギーの問題、
石油を筆頭に、天然ガス・パイプライン・鉱物・水といった資源の獲得争いが、紛争の火種になっていると
ex)ウィグル自治区 ー 天然ガス、油田 etc
チベット ー 鉱物資源、油田、水 etc
しかも、紛争・戦争は、人の命を奪うだけでは無く、
エネルギーの大量消費、二酸化炭素の大量排出で地球の寿命まで縮めている
と話されます。
今まで気づきませんでしたが、言われてみると「なるほど」です。
8時間(最高速度)の飛行で、日本人1人の一生分の二酸化炭素を排出する戦闘機F15が空を飛び交い、地上では燃費250m/Lの戦車が走りまわる。
莫大な軍事費を掛けて何をしているんでしょう?
田中優さんの言葉が浮かびます。
自然エネルギーにシフトしていく事で世界の紛争を終わらせれるのでは?
でも、地球に住む生物は意思を固めたんですね
『お互いに助け合わず、殺しあおう』
みんなで滅びよう!と決心した
自殺の惑星
そんなことは無い!!!そう叫びたいところです。
が、自分の知らないところで戦争に加担している事を知りました。
みなさまは、自分の預金の使われ方、ご存知でしょうか?
以前、郵便貯金が戦争資金に充てられていた事を聞き、もしかしたら?と思いつつも、利便性重視で銀行を決めていました。
銀行を貯金箱の様に思っていましたが、「預金も投資」だと考えると調べて選ぶのは当たり前ですよね。。。
そして話は私たちの生活に欠かせない「電気」の話になっていきます。
原子力、火力から、風力、水力、地熱、太陽etc..の自然エネルギーを用いた発電方法の話を聞いている時、普段自分が使っている電気がどうやって発電されてるのか気に留めていなかった事に気づきました。。。
毎日お世話になっているのに、なんとも無責任な話です。
(関西電力は50%が原子力発電ということでした。)
家庭内の電力消費、四天王のお話。
(1)エアコン
(2)冷蔵庫
(3)照明
(4)テレビ
家電の省エネ化が進み消費電力が、'95年製品と比べ冷蔵庫90%カット!
そのほかでも50%カット!
貯めて置けれなかった電気が貯められる!?
しかも半永久的に使えるバッテリーが開発されたそうです。
他にもいくつかの明るい事例が挙げられていきます。
埼玉県小川町プラントの例(
NPOふうど)
団地から生ごみを貰ってくる
↓
空気に触れない(大きな風船の中に入れる)形で発行させる
↓
バイオガス・メタンガス(都市ガス)
↓
発電機を付け、発電した電気は東京電力へ販売
↓
最後に液体肥料が残る(有機農家に販売)
この仕組みの原料(生ごみ)を出してる団地の人たちには地域通貨を渡し、お祭りの日に市場に持っていくといろいろな野菜とお米等と交換してもらえるそうです。
ゴミが無くなって、ガスが採れて、電気が採れて、熱が採れて、化学肥料がいらなくなって、しかも有機米、有機野菜が採れる/貰える。
なんて賢い!! 私も、その団地に住みたいです!
営利目的で出来ている事は、非営利でも出来る!!
違いは出資者に配当金が無い事。
その信念に基づいた、優さんが関わられている活動
未来バンク
非営利の住宅会社 etc...
分かりやすい説明を聞いていると、すごく簡単な様に思えてしまいますが、本当に行動に移して事業を成立させてしまうところがすごい!!
お話をされていく言葉の中に、いくつも心に残る言葉がありました。
1つは「合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)」
意味は、小さい点1つ1つは正しいと思っていても、全体を見ると間違っている。と言う事だそうです。
それって、とても悲しい事ですよね。
そして何度も繰り返し言われていた言葉
「原因を間違えると解決策も間違える」
キリマンジャロの写真から始まった今回のお話。
「温暖化」「エネルギー問題」「戦争」「お金の問題」
なんて広範囲の内容なんだ。と思いましたが、それぞれの問題が密接に関係しているからこそ、どれも抜かす事は出来ないってことですね。
私たちは1日過ごす中にも、沢山の選択をしながら暮らしています。
エビアンを飲むのか、六甲のおいしい水を飲むのか
車に乗るのか、電車に乗るのか
一枚多く着るのか、設定温度を1℃上げるのか
そんな些細な選択一つ一つが、どこか遠い国に住む人の生活、
関わる企業の方針に影響しているんですね。
二酸化炭素排出量、世界第5位の日本(2006年度)。
サバンナの動物たち、イヌイットの人たちの問題は「TVの中の出来事」でもなく、「私たちに関係ない」事でもありませんでした。
私たち1人1人の力は『微力』だけど『無力』ではない。
何に対してもですが、結果が直ぐに見えない時
自分のしている事に意味があるのかい?と心が折れそうになってしまう私には、今回一番心に響いた言葉です。
できる事から、できる事だけでも続けていく事
些細な事でも、周りの人と声を上げて広めていく事
それって、やっぱり大事なんですね。
微力であっても、無力とは違うから。
最後には「明るい明日」が見えて来る様なお話でした
今回の講座内容は、コチラの本が元になっているそうです。
『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』(扶桑社新書、2007年)
↓ グループで振り返り中
私の居たグループは、もっぱら「ピークオイル問題」と「資源争い」の話題でした。
優さんのお話の後は、今回から始まるNGO大学のグループワークについて説明がありました。
↓ グループワークについて説明する浜本副校長(
大阪YMCA)
昨年のグループワーク発表の紹介
↓ パームオイルの問題点を伝える人形劇
インフォメーションタイムには、嶋道さんがしっかりAMネットの宣伝してくれました
↓
それでは 皆様良いお年を!!
来年もよろしくお願いいたします。