2016年12月01日

「グローバル化、変える時〜未来志向の貿易協定を!」AMネット会報LIM81号(2016年11月25日発行)より

AMネット会報LIM81号(2016年11月25日発行)より

「グローバル化変える時」〜未来志向の貿易協定を!

武田かおり AMネット

◇強行採決されたTPP
2016年11月4日、TPP承認案と関連法案は衆院TPP特別委員会で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決されました。なぜ強行採決と言われるのか。手続き軽視といえる経過をまとめてみます。

山本有二農水相は「強行採決するかどうかは佐藤勉さんが決める」と述べ批判を浴びる渦中、JA関係者に対し「農水省に来て頂ければ何かいいことがあるかもしれません」と利益誘導を匂わす、問題発言が再びありました。その他、@SBS米の不祥事(バックマージン)も明らかとなり、日本政府のTPP影響試算の前提条件が誤りだと分かった。試算し直すべき
ATPP協定文の誤訳・抜け落ちが発覚。内容が変わるため正しい協定で再度議論すべき、といった議論から「今国会での承認は拙速だ」と維新を除く野党が反発を強めていました。

上記の理由から当然、議事運営に混乱が生じ、佐藤議院運営委員長が「TPP特別委員会を開く状況に至っていない。与党に努力を求めたい」と同委員会で説明していた“本会議開会をめぐる協議のさなかの休憩時”に、国会の規則を破って一方的に開会。自民、公明と維新の3党で賛成多数となり、衆院TPP特別委で、TPP批准案を強行採決しました。

TPP特別委員会での採決は、野党議員が委員長席を取り囲んで抗議する中行われ、速記録は承認案と関連法案の採決部分の5カ所含む9か所が「聴取不能」の状態。民進党は「何を採決したのかがわからず無効だ」と、採決のやり直しを求めましたが聞き入れられまず、11日参議院に審議入りしました。

衆院通過後は、日本国憲法第60・61条の規定により、参院に議案が送られて30日経過すると「採決なしで自然成立」してしまいます。
今批准することは「この条件までは日本の国会は飲むのだ」と意思表示するようなもの。今後、別の貿易交渉でも譲歩を迫られるでしょう。


◇それでも日本政府はTPP批准するのか?

これまで「我が国が率先して動いて米国を引っ張り、早期発効の機運を高めていく」と日本主導でTPPを進めていくと何度も主張していた官邸は、完全にハシゴを外されました。他国の発言も混沌としています。

11月17日安倍総理は、大統領就任前のトランプ氏と異例の会談を行い、「トランプ次期大統領はまさに信頼できる指導者であると確信」と発言、その数日後「TPPは米国抜きでは意味がない。再交渉が不可能であること同様、根本的な利益のバランスが崩れてしまいます」と記者会見しました。

しかし、その約1時間後トランプ氏がTPP脱退を表明、その後オバマ大統領も、任期中の議会承認を 断念する考えを正式表明しました。

強行採決された11月4日、本来予定されていた衆院本会議が流れ、「パリ協定」の承認案の採決も延期。京都議定書の流れをくみ、日本主導を国際約束したはずのパリ協定は、日本は批准すらできないまま、同日発効しました。
安倍政権は、あまりにも世界情勢を読めないまま、信じたい情報だけを信じ、突き進んでいることが世界中に露呈した結果となりました。


◇日米FTAにつながる二国間交渉の中身

これまでTPP交渉と並行し、各国の交渉が進められてきました。これはTPP本体の協定とクロスし、より複雑化している所以でもあります。中でも、日米並行交渉は日本側のみの約束が非常に目立ちます。

安倍政権が2013年4月に日米で交わした書簡に
「両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定」
とありこれだけ幅広い分野が、参加直後に日米交渉で取り組むと決定されたことが分かります。

2016年2月、「保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡」とした日米交渉結果が政府からようやく出されました。

日本側のみ29ページに渡る米国政府に約束させられた内容が書かれる一方、米国側からの約束は一つもないという驚愕の結果となっています。

◇「保険」
アフラックの保険が全国の郵便局で販売されたことを想起させる
「民間の保険サービス提供者に対し、透明性あるかつ競争的な方法で日本郵政への販売網へのアクセスを与えることの重要性を確認」
と冒頭から書かれていることが象徴的です。

◇「透明性」
「政府審議会・諮問委員会において、外国の関係者を含む全ての利害関係者に対し、自国の関係者に対して与えられるものよりも不利でない条件で意見書を提出、会合を傍聴、出席を認めること」とあります。

つまり、日本企業より有利な形で政府の審議会などに「米国企業が日本の食の安全基準や、健康保険への薬の価格・保険収載などに口出しできる」仕組みです。

その他も非常に細かな部分まで約束され、明らかな内政干渉です。これ以外にも書簡があり、詳細な分析と国会での議論が必須です


◇「これから」の貿易協定は

2016年12月号「世界」の首藤信彦氏によると、米国NGOパブリックシチズンのロリ・ワラック氏とコロンビア大学ジャード・バーンスタイン教授が連名で、新しい貿易協定構想を提言しています。(但し、アメリカの国民益が第一という視点との首藤氏の指摘あり)

そこでは、「今後の貿易協定に必ず含まれるべき」として、通貨操作禁止の強制、労働者の権利・環境権の基準化など、「貿易協定から排除されるべき」として、投資家特権・ISDS条項、食の安全等を抑制する条項、金融規制を制限するルール、公共サービスを民営化しサービス部門の規制を制限する条項、政府調達政策への拘束条項などが挙げられています。

また、11月23日朝日新聞に掲載されたピケティ氏のコラム「グローバル化、変える時」は、非常に今後の私たちのあり方も示唆していると感じるため、抜粋、一部要約し紹介します。

「大統領選の結果から学ぶべき教訓は明らかだろう。一刻も早くグローバリゼーションの方向性を根本的に変えることだ。今そこにある最大の脅威は格差の増大と地球温暖化である。…貿易は本来あるべき姿、つまりより高次の目的を達成するための手段でなければならない。

関税その他の通商障壁を軽減するような国際合意は、もうやめにしないか。法人減税による財政ダンピングや、環境基準を甘くして生産コストを下げる環境ダンピングに対抗すべく、強制力ある数値規定をあらかじめ協定に盛り込んでおくべきだ。たとえば法人税率の下限や、罰則を伴うCO2排出量の確固たる目標値を定めよう。なんの対価もない貿易自由化交渉など、もはやあってはならない。

EUカナダのCETAは時代遅れで、破棄すべきだ。内容が貿易に限られ、財政面でも環境面でも拘束力を伴った内容がない。そのくせ「投資家の保護」のためにはあらゆる手立てが講じられ、多国籍企業は国家を民間の仲裁機関に訴えられるようになる。開かれた公の法廷を回避できる。

このタイミングで司法を弱体化させるなど常軌を逸している。優先すべきはその逆で、強力な公的機関を立ち上げ、その決定を守らせる力を持つ欧州検察庁のような組織を創設することだ。今こそ、グローバリゼーションの議論を政治が変えるべき時なのだ。」■


【朝日新聞2016年11月23日】
(ピケティコラム@ルモンド)米大統領選の教訓 グローバル化、変える時
全文はこちらから→http://www.asahi.com/articles/DA3S12671539.html
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2016年10月18日

TPP日米並行交渉結果サイドレターは、日本側の約束は29ページにわたる一方、米国側の約束はゼロという結果。

2016年10月17日TPP特別委員会 民進党 岸本周平氏の質疑で改めて驚いた。
TPPと並行して行われてきた日米交渉の書簡から。

「TPP断固反対」と選挙を戦った安倍政権が数ヶ月後に、TPP参加したことは周知の事実。
直後2013年4月に日米で交わした書簡にて以下記述がある。

両国政府は,TPP交渉と並行して,保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定」
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2013/4/130412_syokan.pdf


それに基づき、これまでの交渉結果をまとめられたものが2016年2月にまとめられた書簡(サイドレター)は全33ページ。
うち、日本側は31ページ。
米国側は、2ページのみ。
そして双方2ページは定型的なもので、
日本側のみ29ページにわたって、米国政府に約束させられた内容が書かれ、米国側からの約束は一つもない。

■保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/pdf/side_letter_yaku/side_letter_yaku21.pdf


「両国政府」が取り組んだはずの非関税措置への取り組み。
日本側のみこれほど約束させられた事実はどうみるのか。
米国に約束させることができたものはなにか?

政府側は何度も「法的拘束力はない」というが、
「こんなことまで要求するなんて、相手国に失礼でしょう。では、日本政府は他国政府に対して同様の約束を要求したのか」
という岸本議員の質問に対しても
「こういった交渉がされているのは日米のみ。これまでの経緯が違う」と岸田大臣。

これほど細かく、日本側だけ約束させられていることに政府として、問題意識はないようです。


このサイドレターでは、保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置について、非常に細かなことまで書かれていますが、これまで米国貿易障壁報告書で要求されてきた内容と非常に似ています。
(2016年から、外務省訳がなぜか概要のみなところも気になります)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/usakeizai.html

岸本議員の質疑やサイドレターで明らかになったものから少し列挙します(多すぎる)。

■衛生植物検疫措置では
・日本では禁止されている収穫後の防かび剤が、現在、米国からレモン・オレンジ等、輸入できなくなるため、(農薬なのに)食品添加物として認められている。
食品添加物のため、表示の必要があるが、これをなくせと米国から要求されているが、表示できなくなるのか?
→塩崎厚労大臣「表示をやめるわけではない」

・薬事・食品衛生審議会の審議を、厚労省の審議会である「農薬・動物用医薬品部会及び添加物部会が合同で審議を行う」と、日本政府がどこで審議するのかを決められている。

・ゼラチンコラーゲン
牛由来のゼラチンコラーゲンの食用の使用について、厚労省提案の管理措置を条件に、人の健康に対する危険性は無視できると結論。輸入規制を緩和した。

■投資(規制改革)
2020年までに外国からの対内直接投資残高を少なくとも倍増。
外国からの直接投資を促進、日本の規制の枠組みの実効性・透明性を高めるために、外国投資家他、利害関係者から意見・提言を求める。
定期的に規制改革会議に付託し、日本政府は規制改革会議の提言に従って必要な措置をとる。


■「保険」では
・民間の保険サービス提供者に対して、「日本郵政への販売網アクセス」を与えること
・郵政民営化法で、かんぽ生命保険との契約維持を要求しない
・総務省から金融監督庁に出向した場合、金融庁のみ報告する(つまり、総務省に報告し、かんぽに有利な扱いしないためだが、当然のこと)
・日本郵政鰍ェ連結損益計算書を年1回公表する(当然やっている)

■その他にも、「日本政府が当然やっていることを、いちいちピンポイントで約束させられていることの意味はなにか。
日本政府がどれほど信用されていないか。」

安倍総理は
「すでにやっていることだから、書いても問題はない」
と答弁。
しかし、「政府の立場として、これまでの文脈を考えても、日本は米国の奴隷なのかと思わせられる。」
といった岸本議員の指摘も追加します。

■岸本修平議員の動画は「TPPって何?」FBページの投稿からご覧いただけます。
https://www.facebook.com/groups/whatisTPP/permalink/1860467120840974/
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2016年10月02日

10月はTPP特別委員会が始まり批准が叫ばれる、まさに正念場。関西の動き紹介&AMネットも動きます!

■国会情勢
10月中に衆議院でTPP特別委員会が開かれ、TPP国会批准がどうなるか、まさに正念場です。

TPP特別委員一覧→http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_t5230.htm

■パリ協定は日本抜きで11月発効見込み

本来TPPよりもパリ協定の方が、国際的に注目度が高く、5月G7議長国として早期取りまとめすべき立場だったにもかかわらず、締結の見込みがなく、パリ協定は日本抜きで11月にも発行する見込み。

☆一部抜粋して紹介
【NHK9/30】パリ協定 日本は締結遅れ 発言力低下の懸念も
パリ協定が11月上旬にも発効する見通しとなる中、日本は締結の時期が見通せない状況(略)ことし5月にはG7の議長国としてパリ協定の早期発効を目指すとした首脳宣言を取りまとめる立場にありました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160930/k10010713501000.html


■AMネットおよび関西でのTPP関連活動
今が正念場です。ぜひ、一緒に声を挙げましょう。ぜひ参加してください。

◇東京「Tppを批准させない!10.15 SAT 1万人行動」に併せて、全国で一斉行動されます。
https://www.facebook.com/events/879831698814957/

大阪では、以下の場所で街宣行動が!
●10月15日(土)
11:00〜12:00 豊中駅前
11:30〜12:30 天満橋前
11:30〜12:30 森ノ宮駅前
12:00〜13:00 弁天町駅前
13:00〜16:00 JR天王寺駅
17:00〜17:45 阪急十三駅西口十三交差点(シアターセブン途中の三叉路

◇医療といえば、で有名な本田宏さん(NPO法人医療制度研究会副理事長)が登壇!AMネットもTPP前説。十三街宣終了後、参加いただけます!

10月15日(土)市民社会フォーラム第183回学習会
十三藝術市民大学社会学部『どうなる?TPPと医療』
https://www.facebook.com/events/285269681850831/
◇京都でも関連して多くの街宣が実施されます!
ぜひご参加ください。
https://www.facebook.com/againstthetpp/posts/312810362426989

◇京都でも関連して多くの街宣が実施されます!
ぜひご参加ください。
https://www.facebook.com/againstthetpp/posts/312810362426989

★TPP批准させない!!宣伝行動日@なんば高島屋前(食農大阪府民会議さん主催)
10月18日(火)
10月25日(火)15:00〜16:00 (10月18日(火)を変更しました。)
是非多くのみなさん参加お待ちしています。

◇AMネット事務局長武田が登壇
10月19日(水)「TPP批准はいのちとくらしを脅かす」主催:市民デモHYOGO
https://www.facebook.com/events/876167589186915/

大好評の山田正彦さん(元農水大臣)登壇!
10月22日(土)緊急学習会「このまま批准していいの?TPP」

https://www.facebook.com/events/1262521973800260/

◇集会&デモ
10月29日(土)TPP緊急行動・関西集会&デモ@うつぼ公園(予定)
https://www.facebook.com/againstthetpp/

◇署名
TPP協定を今国会で批准しないことを求める緊急署名
「TPP協定を今国会で批准しないこと」のみ求める国会請願署名です。
国会請願のため、ネット署名ができません。AMネットがかかわる学習会では署名準備していますので、ぜひご協力ください!
http://nothankstpp.jimdo.com/

国会議員にFAXで想いを届けよう!
作戦1で各委員にFAX100枚も!FAXさえあれば、だれでもどこからでも参加できます。
議員さんに確実に認知されています。

STOP Tpp!fax作戦2☆
https://www.facebook.com/events/1006135232823169/


それぞれができる事を、少しづつ。
1人1人の力は小さいですが、みんなでつながり、大きくしていきましょう。



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2016年06月24日

AMネット会報LIM2016年6月号より「TPP批准の前に交渉内容を明らかに!」原稿紹介

AMネット会報LIM79号(2016年5月号版より)
※AMネット会員(年会費3000円)の方に年4回程度発送している会報です。
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TPP批准の前に交渉内容を明らかに!
文責:AMネット事務局

国会での承認案と関連法案は審議持ち越しに
今年4月の衆議院本会議でTPPの承認案と関連法案の審議が始まりました。しかし、この議案は審議未了のまま、参院選後の秋の国会へと持ち越されることになりました。

そもそもこの国会で承認案が先送りとなったのは、政府の情報公開があまりにも不十分であったことが大きな要因です。政府は、野党からのTPP交渉に関する資料提出の要求に対し、表題と日付以外すべて黒塗り(通称のり弁)の文書で回答、交渉内容はあくまでも秘密との姿勢を取り続けています。

その一方で、TPP特別委員会の西川委員長によるTPP交渉の内幕を描いた本(直後に予約中止、現在発売中止)が委員会終了日後に販売予定だったことから、本の内容程度は話せるはずだと審議中断、さらに熊本地震の発生も重なり、審議未了で先送りとなりました。

タフネゴシエーターと言われた甘利大臣は、「睡眠障害」を理由に1月28日の辞任表明記者会見以降、1か月休養、更に2か月延長期間が過ぎた今も、一切国会に出て来ていません。

石原大臣は「各国との具体的なやりとりは公表しない。日本側の提案も、相手国の反論を想起してしまう」とし、コメ大幅譲歩の経過について「引継ぎを受けたのかどうか」すら「答えられない」と、まともに答弁する姿勢すら見えません。


国会で分かってきたこと
「聖域」重要5項目(594品目)のうち、関税撤廃除外の品目はいくつか尋ねた質問に、森山農水大臣も石原大臣も答弁できず審議は中断、再開後の委員会で「無傷はゼロ」であることが判明しました。“聖域の内容すら答弁してよいかどうか、とっさに判断できない”秘密主義だということが改めて、露呈しました。

「重要5品目の除外と再協議はどうなったか」という質問に石原大臣は、もともとTPP交渉では除外・再協議はないと答弁、聖域といいながら“交渉当初から捨てていた疑いも濃厚”であることも分かりました。

安倍総理は「例外を勝ち取った」と言いますが、「例外」という言葉はそもそもTPPにありません。国会決議も「聖域の除外と再協議」であり、決議違反は明らかにも関わらず、安倍総理は「国会決議にかなうかどうかは国会が決めること」と、責任を国会に押し付けています。また4月委員会審議で安倍首相は「TPP断固反対と言ったことはただの1回もない」と答弁。あの選挙ポスターは一体…?驚きを隠しきれません。

また、子宮頸がんワクチンとISD条項の関係も明らかになりました。

4月参院行政監視委員会で「WHOも勧奨再開を勧告、勧奨中止は日本だけ。TPPが発効後、米国メルク社等が、ISDSで数百億の損害賠償を請求するのでは」との山本太郎議員の質問に対し、塩崎大臣・澁谷審議官は、“米国メルク等が日本政府を訴えることは可能”と認める政府答弁をしています。

幅広くTPPの内容を知らせるためにも、こういった丁寧な中身の議論が求められる中、自民党 大島衆院議長は4月末、米下院のライアン議長と米国で会談し、TPP承認案等について「秋の(臨時)国会では結論を出せるのではないか」との発言が報じられました。


資料は黒塗り、交渉を担った甘利氏は、汚職疑惑と病気で国会不在、交渉の事務方トップの鶴岡主席交渉官も駐英大使に異動、石原・森山両大臣の答弁は前述のとおり…といった状況では、十分な審議など出来るはずもなく、審議時間は取ったという体裁さえ整えれば、あとは多数決で批准に持ち込む、批准ありきの姿勢が政府の対応に表れています。
TPP特別委員会に民進党のTPP賛成議員が多い懸念もありますが、参院選公約にTPP反対方針が明記されました。


米国、他参加国の状況

4月、元米国国防長官8人が、下院上院の共和党と民主党に「TPP批准を進めるよう」書簡を送り、現在の議会(2016年末)までに批准しなければ、TPP成立は困難になるとしています。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は「承認は来年以降」、ハッチ委員長は「五分五分」。11月8日大統領選挙後の新大統領が着任するまでのレームダック期間に審議・採決が進む可能性もあります。

トランプ氏もNAFTAを非難し保護貿易を訴える一方、「不利な協定ならば改訂する」と述べ、絶対反対かは微妙です。現時点で反対姿勢のクリントン氏も、大統領に決まればTPP協定の再交渉を求め、さらに厳しい要求をすることも懸念されます。

米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授は「TPPは悪い貿易協定であるという共通認識が広がりつつあり、米国議会では批准されないであろう」と指摘、変わらずどうなるか見えない状況です。

5月12日、ニュージーランド議会は、TPP協定の審議開始を採決、62対59で審議入りを決め、マレーシアはすでに批准を議会承認しています。

一方、TTIP(EU 米国の包括的貿易投資協定)が交渉決裂の可能性があると、5月、フランス政府の対外貿易担当責任者フェクル氏が発言しています。

インターネットや言論の自由、知的財産権の問題等で、EUを中心に大きな反対運動がおこったACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)は、大筋合意、署名まで進んだものの、批准国は日本だけで発効していません。日本政府は、このまま強引な審議を進めればACTAの二の舞の可能性もあります。


米国際貿易委員会(ITC)の環境影響調査から
5月18日、米政府機関の国際貿易委員会(ITC)が、TPPの経済効果分析をオバマ大統領と議会に提出しました。調査は批准に必要な手続きで、順調に批准手続きを米国も進めています。審議開始の見通しは立っていないものの議会調整ができれば、TPP実施法案(期限設定なし)を提出し、上下両院90日以内の審議で採決です。

このITC調査で米国経済はTPP批准で2032年GDP拡大わずか0.15%ポイントと分かり、米国民にとってもメリットがないことが明らかになりました。

また、今回のITC報告で、日米コメ交渉に「文章化していない約束」で、「米国に保証する」輸入枠が言及され、それは「密約」なのか、単なる「米国業界の期待」なのか? コメ以外にも何かあるのでは?と、懐疑的にならざるを得ません。

表の農産物全体でみても、米国は日本への農産物輸出が約4,000億円増と分析、一方日本政府は「米国以外」の影響も含めて生産減少額は1,300億〜2,100億円にとどまると予測、日本政府の試算とも大きく違うことが分かります。


日本政府試算のGDP14兆円拡大も、石原大臣は「効果がでる時期がいつかは分からない」と答弁、影響調査自体、意味ある試算なのかが問われています。


市民グループの動き
情報公開を求め分析する動きはもちろんのこと、「TPP交渉差止・違憲訴訟」の実施や、「STOP TPP」を掲げての官邸前アクションや各地での抗議活動なども継続的に行われており、夏の参院選そしてTPPの継続審議が行われる秋の国会に向けて、TPPを巡る動きは、大きなヤマ場を迎えています。

私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は緊急声明『TPP特別委員会において、丁寧で慎重な審議を求めます』を発表、

「黒塗り資料は外交文書でなく内部文書。保秘義務契約の対象になりえるのか。交渉は終わっており、自国民に自国の立場を説明するのは政府として最低限必要な説明。そもそも、TPP特別委員会の議員にすら「何が秘密なのかも秘密」であり、恣意的に政府が秘密にできてしまう。」と批判しました。


「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」では、TPP特別委員会の議員に要請文を送付、
「国会審議で、国会決議に関する政府の交渉対応を検証すべき。45ページ全て黒塗りでは、委員会審議が進められないのは誰が見ても明らかだ」と批判しました。

5/27・6/24・7/22「説明不足のままのTPP批准にNO!」街頭アピール、学習会も開催予定です。7月選挙、秋の国会に向けて、動き始めています。■
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2016年05月20日

AMネット会報LIM2016年2月号「TPP署名。でも本当に発効するの?」原稿紹介(市民側の分析概要あり)

AMネット会報LIM78号(2016年2月号版より)
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TPP署名。でも本当に発効するの?

武田 かおり (AMネット事務局長)

TPP、署名はしたけれど

2015年10月5日に大筋合意、TPP交渉は一応の決着を見ました。11月25日に「TPP政策大綱」発表、2016年1月7日にようやく日本政府による協定仮訳が公開されたものの、約6,000Pに及ぶ膨大な資料です。

1月14日には、TPP対策費3,122億円補正予算可決し、対策・予算のみ進行しています。
2月4日NZで署名式が行われ、各国が年内批准目指すと、日本ではすでにもうTPP発効が決まったかのように進んでいます。

しかし「ISD条項の仲裁判決と、日本での裁判判決とどちらが優先されるのか」という非常に重要でシンプルな質問すら、法務大臣が答えられず何度も国会審議がストップすると言うおそまつな状況です。

1月末の甘利大臣辞職で石原大臣が国会対応できるわけもなく、議論できる状態ではありません。今後、国会批准→締結→発効という順序になるわけですが、原則12か国全ての批准が必要です。

但し、2年超えても無理な場合は、GDP85%以上・6か国以上で発効、つまり日米が批准しないとTPPは発効しません。

米国大統領有力候補ほぼ全員TPP反対であり、その中でもサンダース氏は「私が大統領になっても破滅を招くような貿易協定に署名しない」と宣言しています。

与野党共に見直し、反対表明が相次いでおり、11月大統領選後に審議先送りの声がでています。カナダも政権交代でTPPに懐疑的であり「手順として署名はするが、批准は未定」とくぎを刺しての署名式参加であり、日本ほど前のめりな国はそうありません。

一方、反対の声が大きいとされていたマレーシアでは大多数が賛成の中、署名前に国会承認され、批准する体制が進んでおり、決して楽観視できるものではありません。


市民側の分析から見えてきたTPP

英文テキスト公開後、市民側の分析が進んでいます。市民団体・農業団体・労働組合等が協力し「TPPテキスト分析チーム」も日本で立ち上がり、1月末報告されました。その他情報から現時点で分かってきた懸念の一部をまとめました。


・農産品市場アクセス(2章より)

TPPでは原則関税撤廃であり、現在「例外」を勝ち取ったと政府は言っているが「除外」ではない。
除外は関税撤廃の対象としないということだが、例外では今後撤廃を迫られる可能性がある。

政府は「日本の関税撤廃率は95%、他国と比較して勝ち取った」と言うが、セーフガード含む全面見直しのための再協議を7年後に5か国と行うことが決まっており、7年間猶予をもらっただけではないか(7年後日本だけが農産品全般が再協議対象)。

しかも関税撤廃時期の繰上げ要請があれば、協議に応じる義務もある。更に、農業貿易に関する小委員会が設置され、恒常的に関税撤廃を迫られる仕組みではないか。


・食の安全(7・8章より)

「透明性」の記述があちこちにある。貿易交渉で言う「透明性」とは利害関係者、つまり企業が食の安全基準を決める際に、声を上げることができることを言う。

例えば、食品の表示制度を利害関係者と一緒に考えることになり、各国での制度がねじ曲がる懸念がある。「なんら日本の制度を変更する必要はない」と政府は言うが、変える仕組みが日米並行協議でも決まっている。SPS委員会が設置されるが、リスク分析が中心で、例えばコストベネフィット論で考えるリスクマネジメント等であり、予防原則を排除するやり方だ。


・投資章(9章より)

投資の定義は、会社・株式等、投資家が直接・間接に所有・支配するものとされる。「契約」も入っており投資の境界線が見えづらく、非常に広範。
また「公共福祉目的等の正当な政府措置」はISD対象から外されておらず、例えば「政府の許認可等が正当かどうか」で争える。

また、「企業の期待に添わなかった」だけで提訴されるとの懸念も、それだけではダメだが「公正衡平待遇」かどうかの正当性で争える。「公正衡平待遇」の意味は曖昧で、外国企業勝訴の根拠になってきた文言だ。

これまでの「多国籍企業が訴訟を乱発するのでは」という懸念に対し「濫訴防止策」で大丈夫と政府は言うが、TPP固有の言葉はほぼなく、抑止になっているとは言えない。

そもそも仲裁人の日常業務は多国籍企業顧問弁護士等であり、訴訟が多いほど、多国籍企業に有利な判定を下すほど、利益が出る存在であり、「そもそも中立な判定ができるのか」も問われている。


・国有企業(17章より)

TPPでいう国有企業の定義は「主として商業活動に従事」する「締約国が50%超の株式所有」等の条件。
不明な条件もあり特定が困難だが、数が非常に多く、研究機関含む病院、金融、高速道路・空港、投資ファンド、放送、資源・エネルギー関連、郵便等、幅広く含まれる。国有企業は各国様々な経緯・体制の中で成り立っており、地域の基礎的社会インフラも多く、地域の不安定要素が高まる懸念。


・医療分野(章立てなし)

「特許期間延長」による新薬価格の高止まり、「特許リンケージ制度」による後発薬承認が困難になる問題、加えて「産業上の利用可能性あるすべての技術分野の発明」が特許取得可能となり、診断・治療・手術も特許対象にできる。

「透明性」として、日米交換文書で外国医療関連企業が医薬品・医療機器の保険収載の可否や価格決定する中医協(中央社会保険医療協議会)に利害関係者として口出し可能に。

今後、TPPでは健康保険をそのままおいて、「透明性」の名のもとに新薬を高価なまま販売する一方で、国家戦略特区等で混合診療を進め、民間医療保険の拡販が進むと懸念されます。


・規制の整合性(25章)

米国が提案、交渉を主導した新しい分野。
「各国間で異なる規制措置」の存在がビジネスの障害として、各国の規制措置に対処するもの。これはISD不適用だが「通報」のアプローチにより、規制整合性小委員会において、検討・質問・討議でき、強制力があるものに。今後、日本国内では規制改革会議によって権限強化されていくのではないか。


市民社会の動きなど

TPP協定は「生きている協定」であり、今回の交渉結果で終わりではありません。例えば、TPP委員会が設置され、発効3年以内に協定改定・修正を検討することが決まっています。

政府調達(公共事業など)は、3年以内に適用範囲の拡大を再交渉、国有企業も5年以内に追加交渉といった具合です。TPP交渉優先でストップしていた他協定も今後進んでいくことになります。「透明性」を盾に、利害関係者として多国籍企業が私たちの気づかぬところで、政府審議会等で意思決定に参画していきます。

TPP署名式の会場近くでは、TPP反対デモに数千人が参加し意思表示がされました。
日本国内の活動は現在、協定分析・その内容を広めることを重点とし、さまざまな情報発信・分析がされています。TPP交渉差止・違憲訴訟の会では2/22第3回口頭弁論が、4/11には第4回期日が決まり、現在原告1,977人、会員5,219人と人数もどんどん増えています。あきらめるにはまだまだ早い!■


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2015年12月27日

12月発行AMネット会報LIM77号より「TPP大筋合意?成立まではまだ遠い!」原稿紹介

TPP大筋合意?成立まではまだ遠い!


TPP大筋合意の報道を受けて、11月13日に神戸市立こうべまちづくり会館で、『TPP大筋合意?成立まではまだ遠い!』が「市民と政府のTPP意見交換会・神戸実行委員会」主催で行われました。当日、AMネット事務局長の武田かおりと理事の神田浩史が講演を行った内容から再構成しました。


1.TPP入門/武田かおり
TPPは、投資・サービス・政府調達なども含め、幅広い分野で自由化を推し進める国際協定である。こうした包括的な協定を可能にするキーワードとして「自由貿易」、「規制緩和」の2つが挙げられる。自由貿易は、関税や非関税障壁の撤廃を目指すもので、これに対応して国内ルールが変更され、規制緩和が進んでいる。
規制とは、許認可・介入・手続き・禁止などのルールを決める法律等で、その中には無駄なものもあるが、私たちを守るものも数多くある。しかし、最近の規制緩和は、医療や雇用など、私たちを守る規制がターゲットとなっている。

こうした規制緩和は、特にアメリカからの要求によるものが多い。その1つである「外国貿易障壁報告書」2015年版では、「透明性」として全ての利害関係者に対し政府「諮問機関への参加」、かんぽ生命の新たな保険認可をしないよう事業を制限する内容、食の安全にかかわる「衛生植物検疫(SPS)協定」では狂牛病関連で制限がかかっている牛の月齢緩和・牛由来のコラーゲン等の再市場開放、東京オリンピック等の大規模公共工事の開放など様々なものが対象となっている。

今回公開されたTPP概要でも、医療や車の規制など多数の「透明性」が求められている。
政府審議会などで企業側が直接口を出すことができる制度になるのではと、非常に危険だと感じている。


自由貿易や規制緩和を望むのは、世界中でビジネスの拡大を図るためであり、圧倒的に多国籍企業が有利となる。国内の規制緩和を日本の経済界も求めており、TPPや自由貿易の問題は、アメリカ対日本というよりも、企業対市民という構図だ。


2.TPPの今〜「大筋合意」を受けて〜
/神田浩史

TPPがその効力を発揮するには、まだ何段階ものステップがあり、先行きは不透明である。にもかかわらず日本国内では、すでにTPPを先取りしたかたちで制度変更が進められている。そもそも、現在言われている「大筋合意」とは「偽装合意」ではないのか?合意を演出することで、国内の規制緩和を推し進めようとしているように思える。

これから何が起こるのか

現時点では、ニュージーランド政府が合意後に発表したテキスト6,000ページも暫定版。TPP発効には本来、12カ国全ての批准が必要となるが、これも2年以内に批准できない場合は、域内のGDP85%を占める6カ国以上の批准があれば発効できることになっており、日米が批准しないと成立しない。しかし米国議会や大統領候補者から、反対や交渉見直しの声が相次いでおり情勢は非常に不透明だ。

またTPPが恐いのは、「生きている協定」であり、発効後3年以内に協定の修正を検討するということがすでに盛り込まれている。その他報道等によると、公共事業などの「政府調達」は適用範囲の拡大を3年以内に再交渉、日本郵政も対象とされる「国有企業」は5年以内に追加交渉、日本と数か国は7年後に関税等を再協議することになる。今後、合意文書が確定してもそれで終わりではなく、更に改定・修正が加えられる。つまり、現時点で大きな影響はないと政府が説明していても、今後は分からない。
TPPを使って、かねてからのアメリカの対日要求を、全面的に飲まされたに過ぎない。

TPPへの疑問〜グローバルな協定と言いながら〜
TPPに賛成する人も反対する人も国益になるか否かを中心に議論することが多いが、果たしてそれで良いのか、そういう観点ばかり語られることに大いに違和感を覚える。TPPによってますます南北格差が広がると懸念される。

そして、TPPでの関税撤廃などにより、日本の食料輸入が増えることが予想されているが、それは単に日本の食料自給率が下がる、国内の農業が大変になるということだけでなく、国際的な食料需給のバランスが崩れ、世界の飢餓人口をさらに増大させることにつながりかねない。また、遠くの地域から運ばれてくるモノをこれ以上消費し続けることになれば、ますます地球環境問題を深刻化させることにもなる。TPPは経済のグローバル化を進めるというが、実際は経済のブロック化を進め、そのことが安全保障にも影響を及ぼしかねない。

TPPへの疑問〜私たちの暮らしへの影響〜
例えば食品添加物などの問題や国民皆保険制度もTPPでは守られると言っているが、直接的にではなくとも周辺から切り崩される可能性もあり、この先どうなるかは分からない。
金融面でも郵貯、かんぽが取り沙汰されているが、私は「共済」を特に心配している。

さらに雇用や政府調達への影響、そして地域主権や住民主権が脅かされるということも考えておかなければいけない。しかもこういったことはTPPだけでなく、TPPを先取りするように国内ですでに進んでいる国家戦略特区や規制改革、さらにTPP以外でも「TiSA」(新サービス協定)などでも進んでいる。TPPやTiSAに含まれている「ラチェット条項」は、いったん自由化したものを後戻りさせないというもので、このような協定が結ばれてしまうと、国内でやっている水道などの公共サービスも一度民営化してしまうと元に戻せなくなってしまう。

私たちに大きな影響を及ぼす恐れがあるにもかかわらず、TPPやTiSAなどは秘密交渉で進められており、市民の権利や民主主義そのものを侵害している。そうしたものに対して、公聴会やパブリックコメントの実施をはじめ、情報公開をしっかり求めていくこと、さらに違憲訴訟や地方議会にも請願や陳情などを行っていくことなどの対抗策が必要だ。


TPPやTPP的な発想からの脱却 
〜穏豊〈おんぽう〉社会の実現〜

現在の日常生活は、様々なかたちで海外からの収奪によって成り立っていると言っても過言ではない。その一方で、国内の農林水産業などは海外からの安い産品の流入もあり、衰退してきている。かつては、河川の流域においてエネルギーや食料などの循環がしっかりと根付き、地域の豊かさを形成していた。もう一度そういったものを見直し、それを現代に活かしていければ、TPPなんて怖くない、と言えるような社会(穏豊〈おんぽう〉社会)がつくれるのではないかと考えている。■

文責:AMネット事務局
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2015年12月25日

AMネットも関わる「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、12/18声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。

AMネットも関わる「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。
http://tpposaka.hatenablog.com/entry/2015/12/20/164040

情報公開不十分な中、10/5のTPP大筋合意。そして10/9に政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、11/25「総合的なTPP関連政策大綱」を決定しました。
でもちょっと待って。

@TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみ。

A日本語での条文公開もしていない。

BTPP協定の公式言語に日本語を入れる要求もしていない。

C大筋合意にかかる内容が国会議員にすら公開されていない。

D大筋合意にかかる審議日程も示されていない。

E影響試算も、関税収入がどれくらい減るのかも分からない。

そんな状態で、「対策」だけ先に決まっていくことに大きな違和感を覚えます。

「どんな影響が出るのか」分からないのに、効果的な対策はできるのか?
「その対策が適正なのか」どう判断するのか?
「私たちのくらしへの影響は?」
政府は「大丈夫」というけど、その根拠を教えてほしい。

政府がまずやらなければならないことは、全ての情報公開と説明責任を果たすこと、そして、私たちにどんな影響を及ぼすのか明らかにすること。そして、国会決議との整合性、そして国会審議をきっちりと行うことではないでしょうか。

なにもかもが不十分なまま進められている、今のTPP交渉は許されません。私たちは協定からの撤退を日本政府に求めます。


※私たち「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。


声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」

2015年10月 5日、TPP「大筋合意」と発表された。しかし日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料を見れば、これらの合意は衆参国会決議に反することは明白である(※)。非関税分野では、通関の迅速化や、ISDS条項、ラチェット条項が盛り込まれ、投資、金融、サービス、政府調達、知的財産権などの分野で、WTO協定を上回る大幅な自由化に合意している。まさに、これまで私たちが懸念を指摘し続けていた項目が協定に取り込まれている。

TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみで日本語での全条文公開もしていない。大筋合意に係る国会審議も行わず、10月9日政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定した。


米国では影響調査や法改正に必要な内容、最終協定テキスト、支援情報(効果や目標達成見込みとその根拠、過去の協定との違い)など、議会での審議ができるよう期日を区切って提供している。その他参加国が、これから議会での議論を始めようとしている中、臨時国会も開かず、対策を決定するという現在の政府の姿勢はあまりにも拙速と言わざるを得ない。


政府は、TPPの活用によって、中小企業を含む新輸出大国化を推し進め、「強い経済」を実現するとし、国内農林水産業の体質強化で攻めの農林水産業へ転換するという。協定内容を明らかにしないまま、かつ影響調査も出ていない状態で対策を発表しても、その妥当性を国民は判断することはできない。


今、政府がやらなければならないことは、「合意」内容にかかる情報を公開して国民に説明し、協定内容が国民生活にどう影響を及ぼすのかを明らかにすることである。その上で、それが国会決議に照らしてどういう意味を持つのかの国会審議を公正に行うことである。


以上に鑑み、「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、安倍内閣のTPP交渉の大筋合意に抗議し、以下のとおり、見解を公表する。


1 安倍内閣がTPP交渉で大筋合意に至ったと公表した農林水産物の関税措置は、衆参農林水産委員会の国会決議に反しており、認められない。

2 非関税分野の全体像や内容は不透明なままであり、公表されていないに等しい。日本政府は、国民に対してTPP交渉の大筋合意に係るすべての情報を公開し、その上で、国民にわかるように説明すべきである。私たちは、このような合意を認めることができない。

3 以上により、日本政府に直ちにTPP交渉から撤退するよう求める。

2015年12月18日
「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」



(※)日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料によれば、工業製品の輸入関税は全廃、農林水産物の関税の95%は撤廃、残り5%については大幅な関税引き下げとなっている。とりわけ、農林水産省から公表された農林水産物の輸入関税の削減・撤廃は、各方面に大きな衝撃を与え、国内生産者の怒りを呼び起こしている。国会決議で特に指定した重要5品目(米、麦、甘味資源作物、乳製品、牛肉・豚肉)でも、30%に当たる関税を撤廃する。加えて、コメの特別輸入枠を米国、豪州に認め、小麦では米国、豪州、カナダに特別輸入枠を設けた。日本政府は、米、麦、乳製品で現行の国家貿易制度を残したことや、牛肉、豚肉におけるセーフガードを設定したこと、重要5品目の関税を残したことをもって、重要5品目を守ったと強弁している。
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2015年10月08日

市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会より「大筋合意への緊急声明」と「団体賛同要請の期限延長」

AMネットが事務局を務める「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」にて
緊急声明を出しました。

▼緊急声明『環太平洋パートナーシップ協定(TPP)大筋合意への抗議声明』2015/10/6
大筋合意したとはいえ、交渉はまだまだ残っています。政府に直接要請します。TPPへの賛否とは別に、超党派で「透明性を求める」一点で進めています。ぜひ検討ください。

http://tpp-dialogue.blogspot.jp/2015_10_01_archive.html


▼期限延長しました!▼
【団体賛同要請】日本政府に「TPP交渉の透明性」を求めよう
妥結・大筋合意の内容を「すぐに」公開してほしい。情報公開&市民参加不十分、国会審議は…?これでは、市民も国会議員も、理解・審議はムリ。 

市民が判断するために。政府に5つ求めます。  
@情報公開A誰でも参加の意味ある政府説明会・対話BパブコメC国会での詳細審議D保秘義務契約廃止への働きかけ

※賛同団体113団体!10/7一覧更新しました。
http://tpp-dialogue.blogspot.jp/2015/06/blog-post.html

TPP透明性を求める団体賛同依頼1510.jpg


▼緊急声明『環太平洋パートナーシップ協定(TPP)大筋合意への抗議声明』全文

私たち「政府と市民のTPP意見交換会」実行委員会は、2015年10月5日にアメリカ合衆国アトランタで開催されたTPP閣僚会合において、TPP参加12カ国による大筋合意がなされたことに対して強く抗議し、大筋合意の撤回を強く求めます!!!秘密保持の必要性があるとした上でも、その強引な決着は民主主義を無視したものと言わざるを得ません。

TPPは21もの分野(31の章)にまたがる広汎な経済連携協定で、交渉参加12カ国の市民はもとより社会や生態系、さらには交渉参加国以外に対しても大きな影響を及ぼすと考えられます。

しかし、交渉の過程における情報公開や市民参加は極めて不十分であり、有権者の代表である国会議員への情報公開すらほとんど行われないまま、交渉が進められてきていますまたその内容が公開されていないことから、市民は知る権利さえ奪われている状態です。

こういった事態を憂慮し、私たち「政府と市民のTPP意見交換会」実行委員会は2012年2月より日本政府に対して、情報公開と市民参加を継続して求めてきました。

2015年6月2日には、国連人権理事会専門家グループも「全ての利害関係者に対する透明性と協議と参加を保障すべきであり、諸国議会や市民社会が協定を精査するのに十分な時間を確保し、民主的な方法で考慮できるように、テキスト草案が公にされるべき」との人権に対する影響を懸念する声明を出しています。

情報公開と市民参加は民主主義の基本であり、とりわけ,市民生活のあらゆる側面に影響を与える可能性のあるTPPのような経済連携協定においては,いっそうそれが重視されなければなりません。

にもかかわらず日本政府等のこれまでの態度は、上記・国連人権理事会専門家グループ声明が指摘する「透明性、協議、参加」や「議会や市民社会が精査できるための十分な時間の確保やテキスト草案の公開」とは正反対のものだったといわざるを得ません。

またTPP交渉参加の他の国々に比べても透明性の欠落が目立っています。

こういった非民主的な手法でもって筋合意に至ったTPPを、私たち「政府と市民のTPP意見交換会」実行委員会は、私たちを拘束する国際協定として到底受け入れることはできません。

ここに改めて大筋合意に対して強く抗議します。仮に交渉を進めるのであれば、いったん今回の大筋合意を撤回し、参加12カ国での国会ならびに住民の意見聴収を実施し、それらの意見を最大限尊重した形とすることを、再度、強く求めます!!!
以上
2015年10月6日

市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会

【市民と政府の意見交換会 全国実行委員会とは】
私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は、賛成反対を問わず「情報公開」と「市民参加」を日本政府に求めて活動する、ゆるやかな全国ネットワークです。

【参加団体】
特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC),特定非営利活動法人 AMネット,特定非営利活動法人 関西NGO協議会,特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC),TPPに反対する人々の運動,特定非営利活動法人 名古屋NGOセンター,特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター,WOW!Japan,市民と政府のTPP意見交換会・北海道実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・新潟実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・東京実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・愛知・岐阜実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・京都実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・大阪実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・神戸実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・鳥取実行委員会,市民と政府のTPP意見交換会・福岡実行委員会
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2015年10月01日

AMネット会報より「ますます見えなくなるTPPの目的」〜自動車のメリットすら危うい〜

2015年9月19日発行LIM76号より

ますます見えなくなるTPPの目的
武田かおり(AMネット)

TPP概況
7月末ハワイ マウイ島で開催された閣僚会合は大筋合意に至らず閉幕しました。その後、甘利大臣は8月中の閣僚会合開催を目指しましたが、交渉官も夏季休暇(!)に入り開催困難となったものの、すでに事務レベルの協議が始まっています。

直近ではニュージーランド(NZ)グローサー貿易相が「90%の確率で年内合意できる」と発言、オバマ大統領も9月末〜10月頭の閣僚会合開催を示唆し、「年内に(合意)できる」と発言しており、予断を許さない状況がまた続きます。
今後、10月にはカナダ大統領選、2016年の米国大統領選など参加国の多くが選挙を控えています。政権交代となれば、これまでの交渉結果を見直す可能性も増し、漂流の可能性が一気に広がります。

自動車のメリットすら危うい
ハワイ会合決裂直後の会見で甘利大臣は「某国(NZ)は頭を冷やすべきだ」と批判しました。

しかしNZグローサー貿易相は「NZが乳製品で譲らなかったのが原因であるかのように報じられているが、全くの虚偽だ。皆が非常に驚いたのは、メキシコが自動車の原産地規則について『日米合意は受け入れがたい』と言った時だ」と明かしています。当然、その他にも難航分野は多くあり、原因がそれ一つではないでしょうが、自動車が大きな争点であったことは間違いありません。

自動車の「原産地規則」は、これまで日米交渉で「域内比率40%強」で調整していたものの、メキシコ・カナダはNAFTAと同程度の60%を希望していました。これまで日米が主導するとばかりに交渉を進めてきましたが、決して「日米で調整できればよい」ものではなく、他国との調整不足があらわに示されました。もし60%となれば、調達範囲がTPP域外が多い日本は自動車関税撤廃の適用外になる可能性がでてきます。

ただでさえ、米国の自動車関税撤廃の猶予期間は30年以上で決着見込みと言われています。
東大鈴木宣弘教授は「TPP交渉の最大メリットがなくなり、ただでさえ少ないTPPの利益は半減以上となる。(自動車の原産地規則が大きな対立点だったことは)TPP推進上言いづらい不都合な真実だ」と指摘しています。


国益を守る各国の主張
会合後の記者会見において、甘利担当大臣は「米国はあっさりと断念を決めてしまった」と評しました。では他参加国はどういった主張をしていたのでしょうか。
NZグローサー貿易相「この作業はNZに最良の合意を得るため。合意を成立させるためではない」
豪州ロブ貿易相「我が国に直接影響を与える重要な未解決問題が存在する」
マレーシア ムスタパ国際貿易相「それぞれの国内で問題点を解消した上でTPPに署名することになる」
米国アーネスト報道官「大統領は基準を満たさない協定には署名しない。米国が歩み寄らなかったと批判されても特に驚かない」
と国益を守るべく、自国の重要分野や妥協できない点について、各国にくぎを刺しています。

そんな中、甘利大臣は「あと1回閣僚会合が開かれれば決着できる。各国とも思いは共有している」などと合意さえすればよいかのような発言を繰り返しています。どの国も最後のカードを切らぬ中、日本政府はどこまで妥協するのでしょうか。

米国TPA法案が成立
そもそも米国政府は通商交渉権限がなく米国議会にあります。その権限を大統領に一任するのがTPAだと説明され、TPAがないとTPP交渉は進まないとしてきました。しかし権限を失う米国議会はTPA成立を認めず、複雑なプロセスのため成立は困難だとも言われてきました。しかし、雇用支援対策(TAA)と切り離し、反対しにくい「消防士年金法案」をセットで可決。「人権侵害問題の最低ランクのマレーシアとは貿易しない」という問題も、TPP閣僚会合の前日にランクを引き上げるなど、まさに想像を絶する力技かつ必死の攻防が米国議会で繰り広げられ、 6月29日成立しました。

しかし、TPA法案が成立したことで、大統領は議会から通商交渉権限を一任されたのでしょうか?
従来、TPAは通称「貿易促進権限」と呼ばれますが、直訳は「超党派連邦議会通商優先事項法」でした。今回成立したTPA法は「超党派貿易の優先事項と説明責任に関する法」であり、議会への説明責任が加わっています。

中身を見ても、今回のTPA法は「TPAの目標を達成していない」と上院・下院いずれかが判断すれば、適用を取りやめる仕組みができました。これにより、大統領に一任されたどころか、米国議会の関与は強まったともいえます。だからこそ、ハワイ閣僚会合で米国も妥協できず、すぐにあきらめたのでしょう。議会の意向に配慮する、いわば当たり前の姿でもあります。

また「相手国が協定を守ったと大統領から議会に通知がされない限り、米国に限って協定を発効しない」という最近の米国のFTAにある、懸念されていた規定も入りました。相手国に対し米国はこの規定を使って、協定内容の履行を迫る事例が報告されています。この、「守ったと、米国が認めないとダメ」という各国NGOが問題視する「承認手続き問題」が確実なものとなりました。

米国の「承認手続き」を先取りする日本
TPPと並行する日米交渉は現在、農産物や自動車のみがクローズアップされていますが、何を交渉しているのかリークもなく情報公開も一部であり、全体像が全く分かりません。しかし、国家戦略特区や規制改革など日本政府自身の「改革」はどんどん進められています。
「農産物関税のみならず、軽自動車の税金1.5倍、自由診療の拡大、全国郵便局窓口での保険販売、BSE(牛海綿状脳症)輸入規制の緩和、ポストハーベスト(防かび剤)など食品安全基準の緩和、ISDSへの賛成など、関税以外の分野も「自主的に」対応し、政権交代前、自民党の決議した国益6項目は破たんしている。またそれらは米国の『承認手続き』の準備がすでに順次進んでいるともいえる」との鈴木教授の指摘は、全くそのとおりだと感じます。

もしTPPが漂流したとしても、これまでの交渉、特に日米交渉内容について、TPPと同様に情報公開が必要です。一方「私たちはどんな社会が良いのか」「目指していくのか」。対案ブームが良いとは決して思いませんが、具体的にイメージし、少しでもできることをやり始める段階に来ていると感じます。■
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2015年08月11日

TPP交渉は続いています→締切延長!TPP交渉の透明性を求める団体賛同依頼

TPP漂流の可能性は高まりましたが、交渉が終わったわけではありません。

AMネットが事務局を務める「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」で、市民が是非を判断できるよう、中立な立場で、TPP交渉の透明性を政府に求める要請を行います。

営利・非営利、大小、任意団体など問いません。
さまざまな分野に影響するTPPの透明性を求めます。
ぜひ団体賛同ください!

TPP透明性を求める団体賛同依頼.jpg

【「TPP交渉及び審議・検討における透明性」に関する対政府要請への賛同の呼び掛け 】

私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は、2012年、東京・大阪・名古屋で政府との対話集会を実現し、その後も署名活動など、政府に対し継続してTPP交渉の透明性確保を要請してきました。

いまTPP交渉が大詰めを迎える中、あらためて、賛成・反対の立場に拘ることなく、TPPの交渉と国内での審議・検討を透明性あるものとすることを、政府に訴えたいと思います。

多くの団体の皆様が、別紙の政府への要請文に共に賛同署名をして下さるよう呼び掛けるものです。

政府は、“外交交渉に秘密は必要”、“各国との保秘義務契約があるため明らかには出来ない”と繰り返し、これまで“意味のある”内容説明は一切行われず、「国民の意見を取り入れる」という言説も何処かに置き忘れられたかのようです。

政府は、他の11ヶ国に比べ丁寧な説明をしている、と強調しますが、いまだに「情報公開」を求める声が繰り返され、日本各地・各界に広がり続けていることは、TPPの異様な秘密性を表しているものと言わざるを得ません。

TPPの手本と言われるNAFTAにおいても今以上の透明性が確保されていましたし(※1)、環大西洋自由貿易投資協定におけるEUの透明性がTPPとは格段に違うものであることは明らかです(※2)。

TPPは国・自治体の法・制度は勿論、私たちの暮らし、地域、社会の有り方に大きく影響をすることが考えられます。それだけに、情報の公開を通じた意味ある市民参加、国会での充分な審議を欠かすことが出来ません。

正式合意をする以前に、「TPP交渉及び審議・検討における透明性」に関する以下の要請を、多くの皆様と共に政府に届けたいと考える次第です。


2015年6月27日


<呼びかけ団体>

市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会 (http://tpp-dialogue.blogspot.jp/)
事務局:特定非営利活動法人 AMネット TEL:080-3773-2894 MAIL:amnetosaka@yahoo.co.jp


<賛同いただける団体は以下内容をメールにてお送りください>【7月31日〆切】
@団体名
A団体所在地(都道府県、全国または地方組織は全国、○○地方などと表記)
Bメールアドレス
をお書きいただき、amnetosaka【※】yahoo.co.jp まで、メールにてお知らせください。(【※】を@に変えてください)

<参考>
※1米国パブリック・シチズンによるTPA法案分析「2002年ファーストトラックが復活」
http://stoptppaction.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html

※2 欧州委員会プレスリリース(英語)
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-15-2980_en.htm



【以下、対政府要請文】

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
TPP担当大臣 甘利 明 殿

「TPP交渉及び審議・検討における透明性」に関する要請

TPPは21もの分野にまたがる広汎な経済連携協定で、交渉参加12カ国の市民はもとより社会や生態系、さらには交渉参加国以外に対しても大きな影響を及ぼすと考えられます。

しかし、交渉の過程における情報公開や市民参加は極めて不十分であり、有権者の代表である国会議員への情報公開すらほとんど行われないまま、交渉が進められてきています。
欧州委員会では、環大西洋自由貿易投資協定TTIP交渉をより透明性あるものにするため、テキスト案やポジション・ペーパー、解説、各交渉項目のポイントを簡潔にまとめたファクトシートを公開しており、保秘契約があるとされるTPP交渉の特異性が際立っています。


2015年6月2日には、国連人権理事会専門家グループも「全ての利害関係者に対する透明性と協議と参加を保障すべきであり、諸国議会や市民社会が協定を精査するのに十分な時間を確保し、民主的な方法で考慮できるように、テキスト草案が公にされるべき」との人権に対する影響を懸念する声明を出しています。


情報公開と市民参加は民主主義の基本であり、私たち、市民団体、協同組合、労働組合、農民団体、医療団体など諸団体は、TPPの是非を市民が判断するために、交渉過程を含め『知る権利、透明性』の確保を強く求めます。
そのためTPPについて情報公開の徹底、市民参加の政府説明会と対話、パブリックコメントの実施と同時に、国会においてはTPP交渉に関する詳細な審議並びに国会への定期報告を行うことなどを含め、下記事項を強く要請いたします。



1.TPPに関する徹底した情報公開
TPPの交渉内容が成文化され、参加各国の国会における承認手続きに入る前に交渉過程を含めた徹底した情報公開の実施を強く要請します。その場合、条文の開示はもちろん、分かり易い概要説明、市民の抱く懸念に対する充分な説明、新たな影響試算、わが国の法体系や規制・制度、地方自治体の政策などを含めた、日本社会・地域・市民への影響と、取るべき対策も明らかにするよう強く要請します。

2.TPPに関する誰でも参加できる政府説明会・対話の実施
安倍総理大臣はTPP交渉参加表明記者会見において「国民への情報提供はしっかり行ないたい」旨の発言をしています。この発言の趣旨が十分生かされるよう、市民各層に対する政府説明会・対話を全国各地で実施するよう、強く要請いたします。

3.TPPに関するパブリックコメントの実施について
日本社会や市民の将来に重大な禍根を及しかねないTPP交渉について、市民各層の意見を聴取し、交渉過程・国会での審議に適切に反映するために、パブリックコメントを実施するよう、強く要請いたします。

4.国会への情報公開、国会における特別委員会の設置、詳細審議について
有権者を代表する国会に対しても、TPPの交渉内容が成文化され、参加各国の国会における承認手続きに入る前に、情報公開を徹底し、国会においてTPP特別委員会を設置し、詳細に審議し、交渉の過程に反映するとともに、適時、国会への定期報告を政府の責任で行い、議論を尽くすための十分な時間を確保するよう、強く要請いたします。

5.保秘義務契約について
情報公開を求める都度日本政府は、“外交交渉における必要性”、“交渉参加11ヶ国との保秘契約“を理由に一切応じてきていません。しかし、TPP交渉が大詰めに近づくにつれ、この秘密性がもたらすTPP交渉の歪みが、各国で大きな政治的問題と化してきています。

情報公開を各国とも足並みを揃えて実施するためにも、日本政府が各国に対して保秘義務契約の廃止を働き掛けることを強く要請します。

2015年8月

【賛同団体】

posted by AMnet at 20:54 | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする