2018年03月18日

ジケイジ・カフェ 「目からウロコのお金編」開催報告

ジケイジ・カフェ 『知ろう話そう 生活を変える一歩シリーズ』〜開催報告

身近なテーマを題材とした連続勉強会を、とAMネットが事務所を置かせていただいている自敬寺さんで「ジケイジ・カフェ」シリーズを企画。2017年11月12日(日)、2018年1月13日(土)の学習内容を、報告します。

「目からウロコのお金編」
勉強会では、まず最初に参加者の方から「お金」について思いつくことを書き出して頂きました。参加者からは、貯金、年金、ローン、利息、投資、余裕、なくてはならないものなどの意見が出ました。私たちの生活に入り込み、生活の基盤になっているお金ですが、改めて「お金とは?」と考える機会はあまりないと感じました。

現在のお金の仕組み
以下、今回の講師AMネット事務局長武田かおりさんのお話から報告します。そもそものお金の役割、機能には次の三つが上げられます。

@価値の保蔵 A 交換・支払い B 価値の尺度
つまりお金は仕組みとして、腐らないお金を使ってモノの価値を保蔵したり、取引をスムーズに行ったり交換価値を客観的に表したりする道具として使われてきました。

それが、金本位制度から現在の通貨管理制度に変わり、現在は政府・日本銀行の政策次第で、原則的にはいくらでもお金を発行できる仕組みになっています。

さらに銀行だけがお金を増やせる「信用創造」(※銀行が預金と貸出しを連鎖的に繰り返すことでお金(預金通貨)が増えていく仕組み)により、世の中に流通する現金は、全体のお金のうちわずか6%ほど(H18年7月データ)と、お金は私たちの目に見えない状況もあるということでした。


実体経済・金融経済
経済には「実体経済」と「金融経済」という話をされました。
実体経済は実在する物やサービスをお金に換算したものでこれがGDPで表されます。
金融経済はお金を商品としてお金を増やしていくもので、金融経済の規模は実体経済の10〜100倍とも言われています。

金融経済の拡大は、お金を商品として取引する方が何度でも取引ができる性質を利用したもので、これが原油・穀物を先物取引で買った結果、市場が高騰したり、リーマンショックの原因にもなり、英米の産業空洞化も引き起こすなど、様々な問題の要因となっています。


普通銀行と地域金融機関
巨大で目に見えない、私たちの生活からかけ離れたように感じられるお金の世界ですが、私たちの意思でお金の流れを変える方法として、お金の預け方を変える方法について紹介されました。

普通銀行と呼ばれる「都市銀行」があらゆる企業と一般住民を取引対象とし、営利目的の株式会社であるのに対して(地方銀行は地元の中小企業や個人を取引の対象としているが株式会社である点は同じ)、「信用金庫・信用組合・労働金庫」などの地域金融機関が相互扶助を目的とした非利益の機関であるという、金融界における特徴の違いについても話がありました。

後者のような地域金融機関は、地域の中小企業と住民を取引対象としており、預けたお金もその地域内で使われるため、大都市や大企業に流れていくことはなく、地域の活性化に繋がる可能性が高く、預金先を変えるだけで小さな変化が起こりやすい、ということです。


ピケティ氏「21世紀の資本」より
さらにフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏(以下、ピケティ)の著書「21世紀の資本」から、現在のお金を巡るシステムの問題点、改善方法が紹介されました。

「21世紀の所得」においてピケティは、「所得」と「資本」の伸び率の違いから、資本(財産)を持っている人にばかりお金が集中する仕組みができあがっていると論じています。
その資本に対して「財産税」「世界的資本税」など、税金をかけるシステムが必要であると主張し、「所得税の累進課税」を進め、タックスヘイブンと呼ばれる税金避難地での租税回避を防止して、多国籍企業への課税を進めるなどして、格差の拡大を防ぐことの重要性を指摘しているということです。

おわりに
質疑応答では、スターバックスやアマゾンの税金逃れについてはどうすればいいのか…という質問があり、問題の大きさに重い空気が流れたように感じました。でも、まずは今の世界のお金の仕組みが少しでも理解できてよかったと思います。どんな問題も、まずは知ることから。お金の預け方のように、身近なことから少しずつ変えていければと思いますし、そんな人が一人でも増えたら世の中変わっていくのでは、と思います。

(報告者:山本瑛子 AMネット)
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2018年01月28日

ジケイジ・カフェ 第一回 『知ろう話そう 生活を変える一歩シリーズ』〜食品表示の見かた編〜開催報告

ジケイジ・カフェ 第一回 『知ろう話そう 生活を変える一歩シリーズ』
〜食品表示の見かた編〜開催報告


報告者:日野るり子(AMネット)

身近なテーマを題材とした連続勉強会を、とAMネットが事務所を置かせていただいている自敬寺さんで「ジケイジ・カフェ」シリーズを企画しました。第1回目2017年9月9(土)は「食の安全」をテーマに、松尾由美さん(コープ自然派事業連合 遺伝子組み換え問題担当、コープ自然派ピュア大阪 理事長)からお話を伺いました。

食品添加物への懸念
食品の裏に貼っている表示ラベルって、カタカナや漢字でたくさん添加物が書かれてるけど、これってどうなの?

例えば、「イーストフード」。
イースト菌みたいなものかと思いがちですが、危ない添加物のかたまりと言われていて、一括表示が許されているため、何がどれだけ使用されているか不明です。家でパンを焼くと翌日から食感は落ちていくものですが、イーストフードを使うことで、何日経ってもふんわり食感を保つことができる生地改良剤です。

「グリシン」はおにぎりやパン等に入っている添加物ですが、睡眠サポート薬の成分でもあり、3g(おにぎり約1個分)で効果を発揮し、甘みをつけられるそうです。

なぜ食品添加物を使うのか?
それは、安く製造。見た目がきれい。保存性が良くなる。水増しできるから。この水増しもひどく、かまぼこなどの練り物、ハムやソーセージに特にみられ、添加物を配合することで、1.5〜2倍近くまで増やせる。飲料に見られるビタミンCも、名前を替えることで、栄養強化かつ保存料無添加にすることができます。

問題は添加物×食品成分、添加物同士の化学反応、含まれる不純物など人に対する安全性が未解明なまま、安全なものとして使われていることです。

排出しきれない添加物が少量ずつでも体に蓄積されることで、アレルギーの原因や、発がん性物質に、そしてリン酸塩は、骨や歯からカルシウムが溶け出し、子どものくる病、骨粗しょう症、突然死の危険性もあるといわれています。しかし調合添加物と病気との因果関係を証明することは非常に難しい問題です。


遺伝子組み換え(GM)作物・食品
GM食品は、世界中で長年問題視されていますが、日本は悲しいながら推進国です。

主に「除草剤耐性作物」と「殺虫性作物」があります。除草剤耐性作物は、除草剤で周辺の雑草は枯れてもGM作物は枯れないように作られたもの。しかし除草剤をかけても枯れないスーパー雑草が現れ、より強い農薬が使用されています。

殺虫性作物とは、害虫対策として殺虫毒素が細胞に組み込まれたもの、つまりその作物を食べた害虫が死ぬように遺伝子組み換えされています。しかし長年の使用で殺虫毒素に耐性をもつスーパー害虫が増え、除草剤同様、より強い農薬使用がされています。

えっ⁈そんなの人が食べて、本当に問題がないの!?
GM作物の多くは、とうもろこし、大豆、菜種、綿で、これらから大量に作られるサラダ油が安く売られています。
食用油・加工食品・家畜の飼料・食品添加物の多くがGM作物から作られていますが、「遺伝子組換えを使っています」という表示は滅多になく、気が付かないうちに私たちは日々、食べているのです。(5%以下の混入は容認されている)

GM食品20年目でわかってきた健康被害
・腸に穴が開く?(腸もれ、リーキーガット症候群)
・グリホサート(除草剤ラウンドアップの主成分)の発がん性
・GM作物は低栄養価
・GM飼料を食べる牛や豚、鶏に病気多発→その肉を食べる私たちは??
・グリホサードの遺伝毒性→不妊、出生、生殖障害
・アレルギーの原因
。。。など、日本では殆ど報じられていませんが、さまざまな指摘・報告が上がっています。

むすび
あまり神経質に考えすぎると疲れるし、前途が暗くなりますが、私たちの身体を作り上げるのは毎日の食事であり、1日3回(朝・昼・夜)の選択権があります。まともに作られているものがあんなに安いわけないですよね。何を選ぶかで世界を変える力が私たちにはあります。

企業は売れるから作り、売れなければ作りません。ときにはやむを得ず食べないといけないこともありますが、私たちもぜひ意思表示していきましょう。■
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2018年01月25日

【2/18(日)開催!】みらいの水と公共サービス@東京

「水道民営化のお手本」と言われた水メジャー本拠地のパリ市。ですが、「水道料金高騰」「経営の不透明さ」などが原因で「水道民営化は失敗」だと2010年再公営化。

▼そんなパリ市で、前副市長および再公営化した水道事業のリーダーとして事業改革・運営に取り組んだ、当時の水道局長 アン・ル・ストラさんが、来日します!

パリ市再公営化の実態を話していただきましょう!

▼最近話題の国連の開発目標「SDGs(エスディージーズ)」
安全で安価、簡単にアクセスできる水がなければ到底達成できません。

地球規模の水文学および世界の水資源の持続可能性に関する研究の第一人者である沖 大幹さん(国連大学上級副学長。国連事務次長補、東京
大学総長特任補佐。超党派水制度改革議員連盟、水循環基本法フォローアップ委員会座長ほか)。

▼そして。水循環基本法制定に、尽力された立憲民主党の森山浩行議員。オランダNGOスタッフとして、世界の水の再公営化の様子を長年見てこられた岸本 聡子さん。

豪華キャストが東京に集結します!ぜひご参加ください!
詳細は以下ご確認ください!

【2/18(日)開催!】みらいの水と公共サービス@東京
https://www.facebook.com/events/1827373327556126/
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日本はこれから、世界中どの国も経験したことがない超少子高齢社会に進む。

私たちが今まで通り、もしくは今以上の暮らしを展望したとき、水道を含む公共インフラの維持・管理は大きな課題です。

「国連の持続可能な開発目標って?」
「再公営化したパリ水道の実態は?」
「この国では今何が起こっているの?」

それぞれのフィールドのエキスパートを招いて「みんなで共有しよう!」というものです。

先着順、入場無料のイベントです。

《プログラム》
13:00・開会(都市センターホテル5階)

13:15・講演@「SDGsの紹介とその展望(仮題)」国連大学上級副学長 沖大幹

14:15・講演A「再公営化したパリ市水道局の実態(仮題)」パリ市前副市長兼水道局長 アン・ル・ストラ

15:20・トークセッション「公共サービスとは」〜それぞれの視点から〜
沖大幹、アン・ル・ストラ、森山浩行(衆議院議員)、司会進行:岸本聡子(トランスナショナル研究所)

主催、全水道会館 水情報センター(WATER PLAZA)
共催、協賛、後援、アクアスフィア・水政策研究所・横水会館・全水道・国際協力NGOセンター・PSI-JC・アジア太平洋資料室(PARC)・AMネットほか

posted by AMnet at 15:50| 関連イベント案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2/3(土)開催!】井手英策×藤井聡 本当に日本を再生できるみんなのための財政政策@西梅田

【2/3(土)開催!】
井手英策×藤井聡 本当に日本を再生できるみんなのための財政政策@西梅田

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https://www.facebook.com/events/269483960245160/

「国の借金が増え、このままでは財政破綻する。そのために、年金・医療・介護などの公共サービスを減らして、消費税を増税し、財政再建の必要がある」と言われています。

 このままだと本当に日本は財政破綻するの?
 国債をこれ以上発行するのはNG?
 経済成長で税収を増やすことは可能?
 そもそも、私たちの納めている税金をどう集め、どこに使うべきなの?

気鋭の財政学者の藤井聡さんと井手英策さんに講演いただき、「みんなのための財政政策」について考えます。

日 程:2018年2月3日(土)
時 間:15:00〜17:45 (受付開始14:30)
会 場:大和ハウス 2階ホール (西梅田ガーデンアベニュー 6-40出口直結)
    地図→ https://goo.gl/maps/WSMeyfLToiM2

講 師:京都大学大学院 教授 藤井 聡さん
    慶應義塾大学 教授  井手 英策さん
コーディネーター:前大阪市会議員 柳本 顕さん

参加費:1,000円(資料代)
定 員:250名
主催者:みんなのための財政政策シンポジウム実行委員会
共 催:忠岡税務会計事務所
    大阪を知り・考える市民の会
    市民社会フォーラム
    NPO法人AMネット

シンポジウムにつきましては、事前申し込みは不要です。ただ、事前登録をいただけますと、人数把握ができますので、事務局としては助かります。
また、事前申し込み限定で終了後に懇親会を行います(懇親会には、藤井先生は御参加の予定ですが、井手先生は御参加が難しいようです)。
懇親会の参加費は一人4,500円です。
懇親会に参加をご希望される方は、コメント欄に「懇親会参加希望」とご記入ください。
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北海道通信〜この先の『食と農と環境』の取り組みへvol.10(ポテチショック編)

店頭からポテトチップスがなくなる!と大騒ぎになった「ポテチ・ショック」
ポテトチップスに使うジャガイモ産地、北海道ではどんなことが起こっているのか?
そして、あの騒ぎは一体、何だったのしょう…?

<AMネット会報LIM85号より以下転載>(2017年11月25日発行)

北海道通信〜この先の『食と農と環境』の取り組みへvol.10(ポテチショック編)

北海道の白川 博です。今号では、【ポテチショック】に端を発した一連のジャガイモ供給不足の問題、そして国内の馬鈴しょ生産地がこれまで抱えてきた政策課題、併せて『加工用馬鈴しょ』をめぐり、生産現場と農水省との予算折衝に焦点をあてながらお伝えします。

○ 【ポテチショック】について
皆さんもご存知の通りH29春、カルビー・湖池屋などが「ポテトチップス」の一部商品の販売休止や終売(打ち切り)することを発表しました。

H28夏、北海道は観測史上初となる甚大な台風被害に4度も見舞われました。とりわけ北海道の馬鈴しょ生産への影響は根深く、昨28年産の収穫が皆無だったことで、販売商品の原料供給量が例年の1/3以下となってしまいました。実際に、『加工用馬鈴しょ』の収穫作業はもとより、本年作付を予定していた『種馬鈴しょ』まで収穫することがかなわず、絶望的な状況となったのです。
(現在、日本国内における『加工用馬鈴しょ』の生産量は約59万d(27年度)、その内約60%、30万d(うち約4割が北海道・十勝産)をカルビーが原料使用している)

また、「ポテトチップス」の原料となる馬鈴しょの品種は『加工用馬鈴しょ』で、現在、国(農水省)では生馬鈴しょを植物検疫の観点から輸入を禁止しています。

馬鈴しょに限らず、国内に「生」の植物を導入することは土に付着した土壌病害虫や外来生物などが国内の生態系を脅かすことに起因します。そのため、昨夏の甚大な台風被害などによって、国内産馬鈴しょの収穫量が確保できない場合も、輸入馬鈴しょに原料を切り替えることができず、各商品の販売休止や終売となる【ポテチショック】が発生しました。

○ 【ポテチショック】以降の大手各社の販売状況
【ポテチショック】の報道を受け、スーパーなど量販店・コンビニでのポテチ商品の大量購入や、インターネットで高値で落札される様な現象が起きました。普段はそれほど「ポテトチップス」を食べない方も一連の加熱報道を受け、購入した方々もおられるかも知れません。
事実、商品の「売上ベース」報告でも、【ポテチショック】を発表した29年4月10日からの一週間、カルビー・湖池屋の大手メーカーが販売する「ポテトチップス」商品は量販店売上量が2〜2.4倍にまで急増しました。

しかしGW明け5月中旬、新じゃが収穫前にも関わらず、カルビーは報道内容を一転。「ポテトチップス」の通常販売を発表し、どのお店でもポテチ関連商品を購入できるようになりました。その後、【ポテチショック】から半年以上が経過し、29年度の『新じゃが』シーズンを迎えたわけですが、「馬鈴しょ収穫前なのに、不足問題がすっかり沈静化したこと」に、違和感を覚えた方も多かったと思われます。

○ 一連の【ポテチショック】とは?
結局、皆さんをお騒がせした一連の【ポテチショック】とは何だったのか?極めて近視眼的な原料不足であったことに加え、「商業戦略」と有識者から評価されたメディアの加熱報道があったことも否めません。
他方、実際に「ポテトチップス」の原料である『加工用馬鈴しょ』が不足していたことは紛れもない事実です。

実は、昨夏の甚大な台風被害が北海道を直撃する以前から、国内での馬鈴しょ供給量は不足しています。そのため、歴年にわたる慢性的な「馬鈴しょ不足」に対し、国内の各メーカーはポテチ関連を含む商品販売の抜本的な見直しを【ポテチショック】で図ったとも言われています。

〇 新規事業:『ばれいしょ増産輪作推進事業』
農水省では、ポテチの原料『加工用馬鈴しょ』が近年の需要に追いついていないとして、新規事業:『ばれいしょ増産輪作推進事業』を平成30年度の概算要求に約30億円の予算計上を行い、同事業を推進していくと公表しました。

安定した原料調達対策は農水省も大手メーカーも急務であるとし、生産現場と協力し「産地分散」と「品種開発」などの改革に取り組む事業です。

農水省は、気象変動に強い国内産馬鈴しょの調達実現を目標として、主産地・北海道での地域拡充に加え、岩手県・宮城県、熊本県などにも馬鈴しょの産地調達先を拡大する「産地分散」を少しずつ進める方針としました。
また、年次計画を立てて病害虫に抵抗性のある馬鈴しょの「品種開発」は、大手メーカーや生産現場の歴年の願いであるため、早期実現が求められています。

農水省の新規事業に盛り込まれた「産地分散」と「品種開発」の提案そのものに対して、北海道の生産現場からは何ら異論はありません。一見、良いアイディアとなる新規事業ですが、北海道の生産現場と農業団体は見直しを強く要求しています。

○ 『ばれいしょ増産事業』の課題点について
皆さんは、国内産の馬鈴しょには「4区分」あることをご存知でしょうか?
一つは、「ポテトチップス」原料の『加工用馬鈴しょ』、2つ目は、男爵・メークインなどで知られる『生食用馬鈴しょ』、そして3つ目は北海道では主力産品である片栗粉の原料になる『でん粉原料用馬鈴しょ』です。
これに、『種子用馬鈴しょ』を加え、4種の「類区分」があります。

しかし、農水省で【ポテチショック】以降の対応策として打ち出した新規事業:『ばれいしょ増産輪作推進事業』には、生食用馬鈴しょとでん粉原料用馬鈴しょが対象品種となっていません。

今春の【ポテチショック】で、国内産馬鈴しょの供給量体制が脆弱であることが報道されましたが、歴年にわたり、『加工用馬鈴しょ』のみが不足しているのではなく、同様に『生食用・でん粉原料用』も不足していることを皆さんにもご理解頂きたいと願っています。

また、『加工用馬鈴しょ』は、生産性が安定しないことや、市場価格にも大きく影響を受けることなどから、これまでも作付面積が低迷してきた要因があります。従って、産地では地域特性を利用して、生食用・加工用・でん粉原料用・種子用の「4区分」の作付バランスを保ってきました。

『加工用馬鈴しょ』のみの増産体制が現状は難しいことに加えて、「4区分」すべての対策を講じることがないと、根本的解決にならないと生産現場から強い懸念と反発の声が相次いでいます。


○「馬鈴しょ病害虫」に対する農水省の対応と懸念
加えて、ナス科植物である馬鈴しょは、『植物検疫』などの病害虫対策も不可欠であります。平成27年に北海道・オホーツク地域で国内初発生となり、業界関係者に大きな衝撃を与えた『ジャガイモシロシストセンチュウ』対策も2年が経過しましたが、未だ収束のめどが立っていません。

人畜無害とされる同害虫ですが、馬鈴しょに寄生し大幅な収量減と資材や人の往来を介して土壌移動を行うため、生産現場では万全の防疫体制とまん延防止対策を講じています。

その様な渦中で、農水省は『ジャガイモシロシストセンチュウ』が10年以上前に発生した米国・アイダホ州の馬鈴しょの輸入解禁を発表しました。

○ 複雑に絡み合う「馬鈴しょ」対策について
【ポテチショック】と農水省の新規事業、そして米国産馬鈴しょの輸入解禁が一体どの様にリンクするのか、以下に課題整理をしてみます。

−@【ポテチショック】により、国内産の馬鈴しょが不足していることが判明した。
−A その対策として出た農水省の新規事業では「生食用・でん粉原料用」は対象外。【ポテチショック】のみの対策。
−B 国内産馬鈴しょの「不足問題」に対する根本的な解決は「4区分」すべての品種に対して必要。
−C【ポテチショック】で輸入原料が足りないから、Aの新規事業で増産を目指すのに、病害虫リスクのある米国産馬鈴しょを輸入解禁する矛盾。

上記@〜Cの課題に加え、新規事業である『ばれいしょ増産輪作推進事業』の予算要求額30億円の確保も難しいとの情報もあることから、12月に政府が示す補正予算前まで、予断を許さない状況が続いています。

この度、【ポテチショック】で大きな課題点が浮き彫りとなったと同時に、今まで政策要求が難しかった「馬鈴しょ」分野の対策にも改めて生産者とともに全力をあげる理由には、昨年の台風被害で改めて【自然の猛威】を肌身で感じたからであると深く認識しています。今後とも、安易な海外輸入や自由化攻勢に屈することなく、生産拡大対策と適切な国境措置の堅持などをしっかりと求めてまいります■

posted by AMnet at 15:28| 北海道通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月17日

【パブコメ提出しました】(仮称)大阪市水道経営戦略(2018-2027)(素案)

今後、水道法改正・PFI法改正などが国会審議される見込みの中、大阪市水道局のいう「新たな経営手法」がどうなるかは分からないものの、大阪市の水道の現状が垣間見える、そんな資料となっています。

メリットが見えない中、「新たな経営手法」ありきで策定された、今後の水道の経営戦略がどういったものなのか。よろしければAMネットが提出した「今後10年間の大阪市水道経営戦略」へのパブリックコメント、以下ご覧ください。

<参考>
(仮称)大阪市水道経営戦略(2018-2027)(素案)のパブリック・コメントを実施します
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/suido/0000419095.html


<以下AMネットのパブリックコメント>
「(仮称)大阪市水道経営戦略(2018−2027)(素案)」に対するご意見

1、適正な水道料金で、必要な収入を確保すべき。
大阪市の水道は高度浄水処理などの大規模投資で水質を上げても20年間料金の値上げもなく、かつ大都市で全国一安い一般家庭にやさしい料金制度を取りつつも、今後20年以上の黒字見込みの超優良公営企業です。

しかしこの経営戦略で示されている将来像を達成するにも、「98%の世帯が給水原価割れ」という現状の大阪市の水道料金制度では、残り2%に収支が大きく左右され、安定的な経営が困難です。

水道経営の持続性確保のためには、将来の「水道料金値上げは避けられない」のは、もはや常識です。先日大きく報道された日本政策投資銀行による「水道事業の将来予測と経営改革」にも「水道料金値上げ」は一番に記載されており、優先順位の高さが分かります。

将来のキャッシュフローを安定させる水道料金制度の構築・分析を真っ先に取り組み、試算を公開し、選択肢の一つとして提示すべきです。


2、この大阪市水道経営戦略の目指す将来像の達成には、公営が適している。

「強い公共」「大都市大阪の都市機能」「持続」など、この大阪市水道経営戦略が目標とする将来像を達成するには公営が適しています。にも関わらず、「新たな経営手法」ありきで経営戦略を策定しているがために、あちこちに無理・無駄が見られます。

「経営の自由度が増す」いう漠然としたイメージしかない中、「新たな経営手法ありき」の経営戦略であることは明らかであり、これまでの市会での議論を反映しているのか大きな疑問です。

特に「公営でできる改革をやるべき」という指摘は、すぐにでも実現可能であり、真っ先に「公営で可能な改革」を進めるべきです。


3、職員のノウハウは、「大阪市の水道技術力」そのもの。削減すべきコストではなく、市民の財産です。

いくら最新設備をそろえても、技術力を誇ることはできません。

「施設の維持・管理・運営できる職員がいる」、そして「水源から蛇口までのトータルな運営ノウハウを持つ」からこそ、大阪市の水道は「技術力がある」のです。そのノウハウを持つ職員を「削減すべきコスト」として扱うべきではありません。

大阪市は「国内他都市と比較し職員数が多く、一人当たりの生産性が低い」と分析していますが、日本の公務員比率はOECD諸国(平均約15%)に対し約7%とほぼ最下位(労働人口比)です。

全国的に「水道事業者の技術喪失」が懸念されています。技術継承できないのは、国内の水道事業者の職員削減が進みすぎたことが大きな原因と考えます。つまり、そもそも持続可能な水道に必要な職員数が不明な中で、国内で比較すること自体が適切なのか疑問です。

 この大阪市水道経営戦略(P98)にもある通り、「委託化の拡大等により実作業を体験する機会が減少し、ベテラン職員の退職による現場での技術継承が困難な状況」なのは、大阪市自身です。中小水道事業体だけではありません。


4、「直接公共が担うべき業務」への考え方が明確でなく、なし崩しに現場力を失う懸念。


民間に任せても民間企業がやるだけで、職員の仕事がそのままなくなるわけではありません。逆に職員数が減り、発注・管理などの業務が増える一方、「行政が現場を失う」「現場力・技術力を失う」といった不安材料が増えることを意味します。

どこまでが「直接公共が担うべき業務」なのか、あいまいなまま民間委託を進めることは、なし崩しに大阪市の技術力を喪失することです。

基礎自治体として「直接公共が担うべき業務」への考え方を、明確にすべきです。


5、広域連携に水利権の視点を入れるべき。

淀川流域の自治体同士、水利権を融通しあい、合理的に活用するための調整の場を設けるべきです。

大阪市の水利権は経済的である一方、企業団の水利権はダムの比率が高く、将来ダムの更新等、莫大な費用や水道料金の値上げリスクが高まります。

経済的でありかつ余っている、大阪市その他周辺自治体の水利権を「貸与・譲渡する仕組み」を構築することで、流域との連携を図り有効活用できる可能性があります。


6、民間企業に「公共の役割を求める」こと自体が、そもそも不適切。

民間企業・株式会社は、営利を目的に活動する存在であり、株主重視の傾向が強いことは常識です。民営化後のJRの路線廃止・事故発生のように、将来の「市民サービス・安全性」と「企業の利益」が天秤にかけられることが懸念されます。

「民間企業に大阪市民や他都市への“公共の役割”を求める」こと、「平均寿命数十年とされる民間企業に、将来世代にわたった持続可能な水道を求める」こと自体が、そもそも不適切だと考えます。


7、事故リスクの軽減・未然防止対策は、民間活用すべきでない。

「南海トラフ巨大地震、水源水質の汚染事故等へのリスク対応が今後さらに必要になる」と、この大阪市水道経営戦略にも詳細に課題・対策が書かれています。

JRや東電の原発事故に限らず、昨今民間企業の事故・不祥事が絶えない中、利益を生まないこれらへの安全コストを、民間企業が将来にわたってかけ続けられるか疑問です。

また、水源〜給水栓までの事故リスクの軽減のためには、「民間企業の監視や指導」「国や他自治体との連携」が必要ですが、そもそも一民間企業が担える役割なのか、本当に実施できるのか疑問です。

数多くあるリスクのうち、水道水質リスク管理の対策を一例として見るだけでも、「一民間企業」が担うにはリスクが大きく、とても担えるものではありません。
事故リスクの軽減・未然防止対策は、公営・行政として実施すべきです。


8、「暗黙知」の個人のノウハウは技術継承可能か?
現場作業での暗黙知・個人知を形式知とし、組織内共有することは確かに必要です。

しかし民間委託が進み現場がなくなれば、どうやって暗黙知「カン・コツ・技」をアップデートするのでしょうか。実務経験もなく研修して、本当に体得できるのか大きな疑問です。
「ナレッジマネジメントシステム」構築自体が、将来無駄になる可能性があります。

逆に公営のまま「職員に余裕を持って現場配置」すれば、現場でその都度、業務をしながら生きた技術継承が可能です。

posted by AMnet at 00:30| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月10日

【1/17〆切】大阪市水道経営戦略パブコメを出そう!D職員のノウハウは「大阪市の水道技術力」市民の財産E直接公共が担うべき業務とは?なし崩しに現場力を失う懸念F広域連携に水利権の視点を

大阪市の水道局が、パブコメを募集しています。

(仮称)大阪市水道経営戦略(2018-2027)(素案)のパブリック・コメント詳細はこちらから
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/suido/0000419095.html

【1/17〆切】大阪市水道経営戦略パブコメを出そう!

@適正な水道料金で、必要な収入を確保すべき
Aこの経営戦略の目指す将来像の達成には、公営が適している

http://am-net.seesaa.net/article/456069570.html

B民間企業に「公共の役割を求める」こと自体が、そもそも不適切
C事故リスクの軽減・未然防止対策は、民間活用で逆行しないか。

http://am-net.seesaa.net/article/456069943.html

に続いて、第3弾。

よろしければ参考にしていただき、市民の声を大阪市水道局に届けましょう。
平成30年1月17日(水曜日)必着。郵送・メール・FAXいずれもOKです。

<以下、AMネットパブコメ案>
※青字は引用です。今後修正の可能性があります。

5、職員のノウハウは、「大阪市の水道技術力」の源であり、市民の財産です。

いくら最新設備をそろえても、技術力を誇ることはできません。

「施設の維持・管理・運営できる職員がいる」、そして「水源から蛇口までのトータルな運営ノウハウを持つ」からこそ、大阪市の水道は「技術力がある」のです。そのノウハウを持つ職員を「削減すべきコスト」として扱うべきではありません。

国内他都市と比較し、職員生産性が低いと分析していますが、日本の公務員比率はOECD諸国(平均約15%)に対し約7%とほぼ最下位(労働人口比)です。

全国的に「水道事業者の技術喪失」が懸念されています。技術継承できないのは、国内の水道事業者の職員削減が進みすぎたことが大きな原因と考えます。つまり、そもそも持続可能な水道に必要な人員配置が不明な中で、国内で比較すること自体が適切なのか疑問です。

 この大阪市水道経営戦略(P98)にもある通り、「委託化の拡大等により実作業を体験する機会が減少し、ベテラン職員の退職による現場での技術継承が困難な状況」なのは、大阪市自身です。中小水道事業体だけではありません。

【参考コメント・引用】
「暗黙知」の個人のノウハウは技術継承可能か?
現場作業での暗黙知を形式知とし、組織内共有することは確かに必要です。

しかし民間委託が進み現場がなくなれば、どうやってアップデートするのか。実務経験もなく研修して、本当に体得できるのか大きな疑問です。「ナレッジマネジメントシステム」構築自体が、将来無駄になる可能性もあります。

逆に公営のまま「職員に余裕を持って現場配置」すれば、現場でその都度、業務をしながら生きた技術継承が可能です。


▼大阪市水道経営戦略P98より抜粋
(3)人材育成と技術継承による組織力強化
@ナレッジマネジメントシステムの構築
今後の委託化の拡大等により実作業を体験する機会がさらに減少、ベテラン職員の退職によって現場での技術継承が困難な状況…。
職員個人が暗黙知として保有するカン・コツ・技など知識・経験・ノウハウなどの有用な情報を、文書・写真・動画・音声等で形式知化・組織知化し、体系的、効果的に蓄積するっ共に情報の共有化、次世代へ引き継ぐ。



6、どこまでが「直接公共が担うべき業務」なのか考え方が明確でなく、なし崩しに現場力を失う懸念。

民間に任せても仕事が減るわけでなく、逆に発注・管理業務が増える一方、「行政が現場を失う」「現場力・技術力を失う」といった不安材料が増えることを意味します。

どこまでが「直接公共が担うべき業務」なのか、あいまいなまま民間委託を進めることは、なし崩しに大阪市の技術力を喪失することです。

基礎自治体として責任を持つ範囲を明確にし、しっかり議論すべきです。




7、広域連携に水利権の視点を入れるべき。
淀川流域の自治体同士、水利権を融通しあい、合理的に活用するための調整の場を設けるべきです。

大阪市の水利権は余っているうえに、経済的です。
一方、企業団の水利権はダムの比率が高く、将来ダムの更新等、莫大な費用や水道料金の値上げリスクが高まります。

経済的でありかつ余っている、大阪市その他周辺自治体の水利権を「貸与・譲渡する仕組み」を構築することで、流域との連携を図り有効活用できる可能性があります。

posted by AMnet at 23:40| 水の私営化問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする