2016年10月03日

北海道酪農・畜産に及ぼす影響‐生乳の仕組み、指定団体制度の役割‐AMネット会報より「北海道通信vol.4」


AMネット会報LIM79号(2016年5月発行)より
北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol.4
清水 敬弘さん

北海道・オホーツク地域の農業団体職員、清水敬弘です。今回は『酪農王国』北海道酪農・畜産に及ぼす影響をお伝えします。

日本政府は3月、「TPP承認案」及び「関係法(11本)」を閣議決定、国会に提出しました。
その渦中で酪農関連は、3月末政府の諮問機関「規制改革会議(農業WG)」が、現行の『指定団体制度』 を廃止する提言案を発表、秋までに結論を得ると明記したため、現在も酪農内外関係者の間で批判が相次いでいます。

「指定団体制度」の役割
生乳は品質管理が極めて重要です。全国各地で個々の酪農家が小さな「単位」で販売すると非効率で安定供給に至らないことから、まとまった生乳流通を政策的に後押しする体系が全世界で取られています(『1元集荷・多元販売』)。
そして日本では、集・送乳及び販売の交渉権を『指定団体』が行使すると決められています。

今日まで国の指定団体制度のもとで行ってきた生乳の『1元集荷・多元販売』のルールは、牛乳・乳製品の安定供給、北海道酪農・乳業の総体的な発展を支えてきました。さらに、腐敗しやすい生乳の需給変動に対応する『調整機能』を北海道で担ってきたのは、指定団体「ホクレン農業協同組合連合会」でありました。

広大な北海道で、北海道各地で酪農経営を継続できた理由の一つに、生乳の『統一乳価(プール乳価)』があります。チーズやバターの用途別乳価の価格維持、畜産の個体販売など、複合的に酪農経営を成り立たせてきました。

これまで生乳は『統一乳価(プール乳価)』を遵守することで、都府県の「飲用乳」に対し、北海道の生乳は需給変動の『調整弁(加工原料乳)』として、全国の酪農家同士、役割分担してきました。
飲用乳よりも価格の安い『加工原料乳(チーズ・バター向け)』に仕向けられていることを北海道の「プロ酪農家」の大半の方々は理解しています。


しかし今、NZの大企業・フォンテラ社は、TPPで日本の牛乳・乳製品のシェアを虎視眈々と狙っています。フォンテラ社は北海道の釧路管内(酪農主産地)に出向き、JA組合長や酪農生産者と『現地意見交換会』と称して、指定団体・ホクレン以外との生乳販売の他 、乳製品加工・販売などのより踏み込んだ商談を進める噂があることなども、今後の本道酪農生産のあり方を鑑み、同社の企業参入に大変危機感を持っています。

仮に生乳の自主流通(アウトサイダー)を目的に、前述のNZ・フォンテラ社や、都府県並みの買い取り価格を示す(株)MMJが北海道のみならず、全国中の酪農家から局地的に生乳を買いあさるとどうなるでしょうか?

価格・生産量も含めた産地間での「住み分け」の調整が難しくなり、酪農家同士の『モラルハザード』を助長するだけでなく、スーパーなどで小売される国内の「牛乳・乳製品」の価格高騰を招くことが必至となります。

北海道においても、酪農家戸数が年200戸ペースで減少しています。
後継者不足や、牛舎施設の老朽化など、酪農生産現場を取り巻く厳しさは加速度を増しています。TPP協定いかんに関わらず、酪農家戸数や頭数の減少など生産基盤の弱体化により、現在も全国的な生乳生産量の減少・低迷に歯止めがかかりません。
また、TPP協定の発効によって、最も甚大な影響を被るのは、酪農・畜産分野であると試算されています。


最後になりますが、今回の熊本大地震で被災された方々に心から哀悼とお見舞いの意を申し上げながら、5/1現在地震による農業関連被害総額は1,085億円を超え、生乳廃棄量621d、家畜の死亡・廃用54万1,310羽にも及びます。
一刻も早い復旧対策が望まれる中、生乳出荷のメドが立たない熊本県の指定生産者団体を緊急支援しているのは『JAグループ』です。この先も、生乳生産を含めた安定供給を担う農業団体であり続けていきたいと切に願っています。■


<これまでの北海道通信はこちらから>
北海道通信vol.1 北海道JAの役割
http://am-net.seesaa.net/article/430972793.html

北海道通信vol.2北海道農業とTPP聖域5品目の関係
http://am-net.seesaa.net/article/438060983.html

北海道通信vol.3北海道農業事情
http://am-net.seesaa.net/article/439134227.html

北海道通信vol.4 生乳の仕組み、指定団体制度の役割
http://am-net.seesaa.net/article/442570265.html

北海道通信vol.5 バター不足の真実
http://am-net.seesaa.net/article/442570586.html
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2016年10月02日

10月はTPP特別委員会が始まり批准が叫ばれる、まさに正念場。関西の動き紹介&AMネットも動きます!

■国会情勢
10月中に衆議院でTPP特別委員会が開かれ、TPP国会批准がどうなるか、まさに正念場です。

TPP特別委員一覧→http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_t5230.htm

■パリ協定は日本抜きで11月発効見込み

本来TPPよりもパリ協定の方が、国際的に注目度が高く、5月G7議長国として早期取りまとめすべき立場だったにもかかわらず、締結の見込みがなく、パリ協定は日本抜きで11月にも発行する見込み。

☆一部抜粋して紹介
【NHK9/30】パリ協定 日本は締結遅れ 発言力低下の懸念も
パリ協定が11月上旬にも発効する見通しとなる中、日本は締結の時期が見通せない状況(略)ことし5月にはG7の議長国としてパリ協定の早期発効を目指すとした首脳宣言を取りまとめる立場にありました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160930/k10010713501000.html


■AMネットおよび関西でのTPP関連活動
今が正念場です。ぜひ、一緒に声を挙げましょう。ぜひ参加してください。

◇東京「Tppを批准させない!10.15 SAT 1万人行動」に併せて、全国で一斉行動されます。
https://www.facebook.com/events/879831698814957/

大阪では、以下の場所で街宣行動が!
●10月15日(土)
11:00〜12:00 豊中駅前
11:30〜12:30 天満橋前
11:30〜12:30 森ノ宮駅前
12:00〜13:00 弁天町駅前
13:00〜16:00 JR天王寺駅
17:00〜17:45 阪急十三駅西口十三交差点(シアターセブン途中の三叉路

◇医療といえば、で有名な本田宏さん(NPO法人医療制度研究会副理事長)が登壇!AMネットもTPP前説。十三街宣終了後、参加いただけます!

10月15日(土)市民社会フォーラム第183回学習会
十三藝術市民大学社会学部『どうなる?TPPと医療』
https://www.facebook.com/events/285269681850831/
◇京都でも関連して多くの街宣が実施されます!
ぜひご参加ください。
https://www.facebook.com/againstthetpp/posts/312810362426989

◇京都でも関連して多くの街宣が実施されます!
ぜひご参加ください。
https://www.facebook.com/againstthetpp/posts/312810362426989

★TPP批准させない!!宣伝行動日@なんば高島屋前(食農大阪府民会議さん主催)
10月18日(火)
10月25日(火)15:00〜16:00 (10月18日(火)を変更しました。)
是非多くのみなさん参加お待ちしています。

◇AMネット事務局長武田が登壇
10月19日(水)「TPP批准はいのちとくらしを脅かす」主催:市民デモHYOGO
https://www.facebook.com/events/876167589186915/

大好評の山田正彦さん(元農水大臣)登壇!
10月22日(土)緊急学習会「このまま批准していいの?TPP」

https://www.facebook.com/events/1262521973800260/

◇集会&デモ
10月29日(土)TPP緊急行動・関西集会&デモ@うつぼ公園(予定)
https://www.facebook.com/againstthetpp/

◇署名
TPP協定を今国会で批准しないことを求める緊急署名
「TPP協定を今国会で批准しないこと」のみ求める国会請願署名です。
国会請願のため、ネット署名ができません。AMネットがかかわる学習会では署名準備していますので、ぜひご協力ください!
http://nothankstpp.jimdo.com/

国会議員にFAXで想いを届けよう!
作戦1で各委員にFAX100枚も!FAXさえあれば、だれでもどこからでも参加できます。
議員さんに確実に認知されています。

STOP Tpp!fax作戦2☆
https://www.facebook.com/events/1006135232823169/


それぞれができる事を、少しづつ。
1人1人の力は小さいですが、みんなでつながり、大きくしていきましょう。



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2016年09月28日

「大阪の水道を考える市民の会」のパンフレット完成☆街宣9/29・10/13・10/17・11/24夜実施します!


■「大阪の水道を考える市民の会」として市民団体が集まりました
大阪市の水道、公共の役割を考える7/16開催イベント『ちょっと待って!その「水道」の民営化」を機に集まった市民団体で集まりました。

FBページ→https://www.facebook.com/osakawater/
イベント案内→https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

◇構成団体:AMネット/しみんマニフェスト大阪UP/大阪を知り・考える市民の会/近畿水問題合同研究会 他

■私たちのパンフレットができました!
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コンパクトに大阪市水道局資料からの大阪市の水道の現状、私たちの主張、海外トレンド等々、まとめています。
ぜひご覧ください!

◇パンフレットの無料ダウンロードはこちらから(A4*4枚)
https://drive.google.com/file/d/0Bz4cgaa9CBKLUy1Ld3hNcUF4bGM/edit

■街頭宣伝を行います!

9月29日(木)18:30〜@南森町3番出口
10月13日(木)19:00〜20:00@上新庄
10月17日(月)19:00〜20:00@弁天町
11月14日(月)19:00〜20:00@駒川中野

9月の大阪市会に合わせ、4回予定しています。
1人でも多くの人に、パンフレットをお渡しし、お話ししたい。
配布のお手伝い大歓迎!ぜひお越しください!

■カンパ募集中!
大阪市の水道が民営化されそうなことを、大阪市民に知ってもらうため、大量にパンフレット印刷しています。カンパで私たちの活動を支援お願いします。

郵便振替口座 : 00940−7−107411
口座名称 : AMネット (エーエムネット)


■パンフレット配布お願いします!
お住まいのマンションなど、大阪市民対象にパンフレット配布くださる方、募集中!
AMネットまで連絡いただくと発送します。(恐れ入りますが、発送料負担をお願いします)

■問い合せ先:NPO法人AMネット
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2016年07月15日

【記者会見報告】イベントページに14,000view超え!ちょっと待って!その「水道」の民営化

7月13日、大阪市会記者クラブにおいて、記者会見を行いました。
参院選後すぐのタイミングにもかかわらず、日経、朝日、時事他、計6名の記者に参加いただくことができました。

※プレスリリース
http://am-net.seesaa.net/article/439804612.html

まず、これまでの活動報告と、市会で私たちの陳情がとりあげられた議論の概要をお伝えしました。

・私たちのスタンスは、水道の民営化に絶対反対という訳ではなく、「水を公共財として長期的な視点で扱い、安全で安価な水に、誰もがアクセスできる」なら、公営でなくても良い。
ただ、民間会社である以上、営利目的にならざるを得ず、公共財として長期的な視点で扱える事業体を、消去法で考えれば、公営しか残らない。

・すでに海外事例では、「民営化が失敗だった」ともう一度公営に戻す事例が多数。しかし、再公営化も非常にコストがかかり、非常に難しい。それだけの手間とコストをかけても、公営に戻したほうが得だと判断し、実際に公営に戻せた自治体が235事例もある、ということ。

・当初は大阪市100%出資だが、3〜5年以内に株式売却するとあり、民間に放出されると、水道の持続性、公共性に興味を持たない、年金基金などの投資家が主要株主になる可能性がある。

・公営だからすべていいわけではない。
大阪市水道は、世界的に見てもうまくいっている公営水道であることは間違いない。
が、しかし、今がベストなのか?といえば、もっと上を目指すことができるポテンシャルが今はまだ残っている。

・今回の民営化案では、30年で910億円のコスト削減のメリットと言われる。
そのうちの300億円は人件費だが、公務員の人件費はコストだろうか?大阪市には技術があると言われるが、それは職員のノウハウであり、それは大阪市の財産。
近畿内ですでに技術を失ってしまった自治体が多数あると言われる。
そういった自治体を、今なら、大阪市水道局が助けられる可能性がある。大阪市単体で考えていいのか。


・すでに海外で「公共の可能性」を見出している事例を見ると、理事会などの意思決定に市民、市民側有識者などが関わっているケース。
今回7月16日イベントゲストの岸本聡子さんは、まさにその世界の再公営化した事例を見て集めてきた中心人物であり、「公共の可能性」を学ぶイベントを実施したい。


その後の、質疑応答でも闊達な意見交換があり、充実した会見となりました。

当日の議論が非常に楽しみです。ぜひお越しください!

【7/16(土)開催!】ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性 〜世界では235件も再公営化!〜
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/
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2016年07月07日

【プレスリリース】ちょっと待って!その「水道」の民営化〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜イベント開催のお知らせ

報道各位 プレスリリース
                2016年7月7日

イベントページに14,000view超え!
ちょっと待って!その「水道」の民営化
〜大阪の水のこれから。公共の可能性〜世界では235件も再公営化!〜
イベント開催のお知らせ
https://www.facebook.com/events/1754002228145562/

私たちは、「水道事業の民営化」に向けて大阪市議会に議案が提出されたことを懸念し、3月8日大阪市会に対して、「慎重な議論の求める陳情書の提出」を行いました。結果、陳情の内容に対し、おおさか維新はじめ各会派の質疑にも取り上げられました。また、陳情に関するFacebook投稿は7,000view近く、ブログでも500シェアを超え、陳情代表者であるNPO法人AMネットとして過去最高の反響です。

水道民営化は90年代がピーク。すでに今は、「水道民営化は失敗だった」と世界中で「再公営化」が進み、2015年時点で37か国235事業体が再公営化しています。それは途上国のみならず、ドイツ ベルリン市、水メジャー本拠地パリ市でも起こっています。

9月以降の交通水道委員会でも継続して行われる審議に向け、このたび私たちは「水道民営化の何が問題で、再公営化が進んでいるのか」、「再公営化においてなぜ市民が関わることがポイントで、どのように関わっているのか」を学び、世界で見いだされている「新たな公共の可能性」を学ぶイベントを開催します。水問題に関連した投稿はFacebookで注目を集めており、関連投稿はどれも1,000単位でviewが伸びています。

つきましては、下記のとおり、イベント内容及び,今後のアクションについてお知らせする記者会見を開催いたしますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席賜わりますようご案内申し上げます。


■記者会見 概要■
◇日時: 2016年7月13日(水)15:30 〜(30分〜1時間程度)
◇場所: 大阪市政記者クラブ
◇出席: 中野雅司(大阪を知り・考える市民の会)、武田かおり(NPO法人AMネット)、他調整中
◇内容: 水道民営化の問題、再公営化、水政策決定への住民参加、市議会&陳情報告、水イベント紹介など


■NPO法人AMネット■
2003年第3回世界水フォーラム以降、「水道民営化」による問題を注視し、海外NGO等と協働してきた。
その他、TPP等の自由貿易、規制緩和等で起こる問題の提起やオルタナティブ提示を行っている。


■本件に関するお問い合わせ先:NPO法人AMネット(担当:武田)
WEB:http://am-net.org/ E-MAIL:amnetosaka【@】yahoo.co.jp(【】を消去してください) 
TEL:080-3788-2750【電話番号が変わりました】

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2016年06月24日

AMネット会報LIM2016年6月号より「TPP批准の前に交渉内容を明らかに!」原稿紹介

AMネット会報LIM79号(2016年5月号版より)
※AMネット会員(年会費3000円)の方に年4回程度発送している会報です。
会員となって応援していただけると大変うれしいです。
よろしくお願いいたします! → http://am-net.org/join/join.html


TPP批准の前に交渉内容を明らかに!
文責:AMネット事務局

国会での承認案と関連法案は審議持ち越しに
今年4月の衆議院本会議でTPPの承認案と関連法案の審議が始まりました。しかし、この議案は審議未了のまま、参院選後の秋の国会へと持ち越されることになりました。

そもそもこの国会で承認案が先送りとなったのは、政府の情報公開があまりにも不十分であったことが大きな要因です。政府は、野党からのTPP交渉に関する資料提出の要求に対し、表題と日付以外すべて黒塗り(通称のり弁)の文書で回答、交渉内容はあくまでも秘密との姿勢を取り続けています。

その一方で、TPP特別委員会の西川委員長によるTPP交渉の内幕を描いた本(直後に予約中止、現在発売中止)が委員会終了日後に販売予定だったことから、本の内容程度は話せるはずだと審議中断、さらに熊本地震の発生も重なり、審議未了で先送りとなりました。

タフネゴシエーターと言われた甘利大臣は、「睡眠障害」を理由に1月28日の辞任表明記者会見以降、1か月休養、更に2か月延長期間が過ぎた今も、一切国会に出て来ていません。

石原大臣は「各国との具体的なやりとりは公表しない。日本側の提案も、相手国の反論を想起してしまう」とし、コメ大幅譲歩の経過について「引継ぎを受けたのかどうか」すら「答えられない」と、まともに答弁する姿勢すら見えません。


国会で分かってきたこと
「聖域」重要5項目(594品目)のうち、関税撤廃除外の品目はいくつか尋ねた質問に、森山農水大臣も石原大臣も答弁できず審議は中断、再開後の委員会で「無傷はゼロ」であることが判明しました。“聖域の内容すら答弁してよいかどうか、とっさに判断できない”秘密主義だということが改めて、露呈しました。

「重要5品目の除外と再協議はどうなったか」という質問に石原大臣は、もともとTPP交渉では除外・再協議はないと答弁、聖域といいながら“交渉当初から捨てていた疑いも濃厚”であることも分かりました。

安倍総理は「例外を勝ち取った」と言いますが、「例外」という言葉はそもそもTPPにありません。国会決議も「聖域の除外と再協議」であり、決議違反は明らかにも関わらず、安倍総理は「国会決議にかなうかどうかは国会が決めること」と、責任を国会に押し付けています。また4月委員会審議で安倍首相は「TPP断固反対と言ったことはただの1回もない」と答弁。あの選挙ポスターは一体…?驚きを隠しきれません。

また、子宮頸がんワクチンとISD条項の関係も明らかになりました。

4月参院行政監視委員会で「WHOも勧奨再開を勧告、勧奨中止は日本だけ。TPPが発効後、米国メルク社等が、ISDSで数百億の損害賠償を請求するのでは」との山本太郎議員の質問に対し、塩崎大臣・澁谷審議官は、“米国メルク等が日本政府を訴えることは可能”と認める政府答弁をしています。

幅広くTPPの内容を知らせるためにも、こういった丁寧な中身の議論が求められる中、自民党 大島衆院議長は4月末、米下院のライアン議長と米国で会談し、TPP承認案等について「秋の(臨時)国会では結論を出せるのではないか」との発言が報じられました。


資料は黒塗り、交渉を担った甘利氏は、汚職疑惑と病気で国会不在、交渉の事務方トップの鶴岡主席交渉官も駐英大使に異動、石原・森山両大臣の答弁は前述のとおり…といった状況では、十分な審議など出来るはずもなく、審議時間は取ったという体裁さえ整えれば、あとは多数決で批准に持ち込む、批准ありきの姿勢が政府の対応に表れています。
TPP特別委員会に民進党のTPP賛成議員が多い懸念もありますが、参院選公約にTPP反対方針が明記されました。


米国、他参加国の状況

4月、元米国国防長官8人が、下院上院の共和党と民主党に「TPP批准を進めるよう」書簡を送り、現在の議会(2016年末)までに批准しなければ、TPP成立は困難になるとしています。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は「承認は来年以降」、ハッチ委員長は「五分五分」。11月8日大統領選挙後の新大統領が着任するまでのレームダック期間に審議・採決が進む可能性もあります。

トランプ氏もNAFTAを非難し保護貿易を訴える一方、「不利な協定ならば改訂する」と述べ、絶対反対かは微妙です。現時点で反対姿勢のクリントン氏も、大統領に決まればTPP協定の再交渉を求め、さらに厳しい要求をすることも懸念されます。

米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授は「TPPは悪い貿易協定であるという共通認識が広がりつつあり、米国議会では批准されないであろう」と指摘、変わらずどうなるか見えない状況です。

5月12日、ニュージーランド議会は、TPP協定の審議開始を採決、62対59で審議入りを決め、マレーシアはすでに批准を議会承認しています。

一方、TTIP(EU 米国の包括的貿易投資協定)が交渉決裂の可能性があると、5月、フランス政府の対外貿易担当責任者フェクル氏が発言しています。

インターネットや言論の自由、知的財産権の問題等で、EUを中心に大きな反対運動がおこったACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)は、大筋合意、署名まで進んだものの、批准国は日本だけで発効していません。日本政府は、このまま強引な審議を進めればACTAの二の舞の可能性もあります。


米国際貿易委員会(ITC)の環境影響調査から
5月18日、米政府機関の国際貿易委員会(ITC)が、TPPの経済効果分析をオバマ大統領と議会に提出しました。調査は批准に必要な手続きで、順調に批准手続きを米国も進めています。審議開始の見通しは立っていないものの議会調整ができれば、TPP実施法案(期限設定なし)を提出し、上下両院90日以内の審議で採決です。

このITC調査で米国経済はTPP批准で2032年GDP拡大わずか0.15%ポイントと分かり、米国民にとってもメリットがないことが明らかになりました。

また、今回のITC報告で、日米コメ交渉に「文章化していない約束」で、「米国に保証する」輸入枠が言及され、それは「密約」なのか、単なる「米国業界の期待」なのか? コメ以外にも何かあるのでは?と、懐疑的にならざるを得ません。

表の農産物全体でみても、米国は日本への農産物輸出が約4,000億円増と分析、一方日本政府は「米国以外」の影響も含めて生産減少額は1,300億〜2,100億円にとどまると予測、日本政府の試算とも大きく違うことが分かります。


日本政府試算のGDP14兆円拡大も、石原大臣は「効果がでる時期がいつかは分からない」と答弁、影響調査自体、意味ある試算なのかが問われています。


市民グループの動き
情報公開を求め分析する動きはもちろんのこと、「TPP交渉差止・違憲訴訟」の実施や、「STOP TPP」を掲げての官邸前アクションや各地での抗議活動なども継続的に行われており、夏の参院選そしてTPPの継続審議が行われる秋の国会に向けて、TPPを巡る動きは、大きなヤマ場を迎えています。

私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は緊急声明『TPP特別委員会において、丁寧で慎重な審議を求めます』を発表、

「黒塗り資料は外交文書でなく内部文書。保秘義務契約の対象になりえるのか。交渉は終わっており、自国民に自国の立場を説明するのは政府として最低限必要な説明。そもそも、TPP特別委員会の議員にすら「何が秘密なのかも秘密」であり、恣意的に政府が秘密にできてしまう。」と批判しました。


「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」では、TPP特別委員会の議員に要請文を送付、
「国会審議で、国会決議に関する政府の交渉対応を検証すべき。45ページ全て黒塗りでは、委員会審議が進められないのは誰が見ても明らかだ」と批判しました。

5/27・6/24・7/22「説明不足のままのTPP批准にNO!」街頭アピール、学習会も開催予定です。7月選挙、秋の国会に向けて、動き始めています。■
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2016年06月18日

北海道通信〜北海道農業事情-〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol.3 -

AMネット会報LIM78号(2016年2月発行)より

北海道通信〜この先の『食と農と環境』への取り組みvol. 3
清水 敬弘さん

 北海道・オホーツクの農業団体職員、清水 敬弘です。
第3回目では、日本政府のTPP「影響試算」の農業団体としての見解や、【聖域】とまで呼称されてきた重要5品目が北海道内ではどの様な位置づけにあるかなども含め、検証していきたいと思います。

ご案内の通り、日本政府は昨年12月24日に影響試算額を公表しました。

3年前に3.2兆円の経済効果があると試算した実質GDP(国内総生産)は、今次のTPP協定で何と、14兆円も増加すると見込む一方で、農林水産物は万全な国内対策によって、影響は再度『限定的』であるとし、1,300〜2,100億円に留まると過小評価しました。

この試算公表には、私ども農業団体のみならず、各界の有識者からも厳しい批判が相次いでおります。

また、なぜ一度、協定合意した農畜産物の品目も、7年後に「再協議」のテーブルに上げられてしまうのか?明確に政府から示されない状態が続いています。私どもは、政府が示した影響試算は、【効果を過大評価し、被害を過小評価】するものであり、その対応姿勢は、まるで戦前の「大本営発表」を思わせると厳しく追及しております。


 これまで北海道の農業団体は、各関係機関・団体と連携を深めながら、衆・参両院での「国会決議」を遵守せよ!と訴え続けてきました。それらは、繰り返し本編でお伝えしてきた【聖域】と呼ばれる重要5品目の影響が極めて大きい地域が北海道農業であるからです。


歴年にわたり、『日本の食糧生産基地』と呼称され、国の農政誘導が進められてきた北海道では、広大な農地面積を有する反面、重要5品目に全て該当する『コメ・小麦・てん菜・馬鈴しょ』などを幾多の歳月をかけ品種改良し、『寒冷地作物』として確立してきました。

とりわけ、小麦・馬鈴しょと同様にオホーツク地域では、砂糖の原料となる「てん菜(別名:砂糖大根)」は、民間の製糖工場に原料を搬入し精製糖として食卓に並ぶまでの過程で、実に数多くの関連企業との連携を必要とします。

畑で収穫するためのトラクター・各収穫機械の「農機具メーカー」に始まり、収穫した「てん菜」原料を大型トラックで製糖工場に搬入し不純物を迅速に搬出するまでを担う「運送会社」や工場内の各部署ごとに働く「専門スタッフ」など、てん菜生産のみを抽出しても農業は地場産業者とともに歩む、極めてすそ野の広い基幹産業であります。

他方、前述の農作物等が栽培することが難しい地域では、牛・豚(重要5品目)などの畜産振興を推進することで、広大な北海道の農地を守り抜いてきました。

しかし、輸入農畜産物とは圧倒的な「内外価格差」があることから、『政府管掌作物(国が内外価格差是正を目的に、作物価格を決める「国家貿易品目」に指定される作物:コメ・麦等)』で国内農業衰退を防いできました。


私どもはTPPなどの貿易交渉で『関税差益』が撤廃されると、【世界の常識】である自国の農業生産はもとより、代替作物が存在せず、地域農業者がこれまで「てん菜」等を生産することで果たしてきた『地域コミュニティ(地域雇用)』をこの先は守ることができないとの「統一見解」を持っています。


また、関税収入は農業・農村振興にも役立ててきました。

近年、全国各地で乱発する自然災害を最小限に食い止めるための国土保全・治水効果など、農地の『多面的機能』を日本以外の諸外国では農業政策により、当たり前のように支援しています。

関税収入が枯渇した状態で、日本政府は『必要財源』を一体どのように講じていくのでしょうか。


最後になりますが、私ども北見地区農民連盟では、過日2月5日に、最高決議機関である「第57回定期総会」において『TPP断固反対、批准阻止を強く求める特別決議』を採択しました。

いつから、農業団体は、国会批准対策を諦めたのか?と、生産現場・内外から強いしっ責を受けています。私どもはこの先も、北海道農業・農村を守ることは日本の「基礎食料生産」を守り抜くことに直結するとの観点から、取り組みを強く継続展開してまいります。■

<これまでの北海道通信はこちらから>

北海道通信vol.1 北海道JAの役割
http://am-net.seesaa.net/article/430972793.html

北海道通信vol.2北海道農業とTPP聖域5品目の関係
http://am-net.seesaa.net/article/438060983.html

北海道通信vol.3北海道農業事情
http://am-net.seesaa.net/article/439134227.html

北海道通信vol.4 生乳の仕組み、指定団体制度の役割
http://am-net.seesaa.net/article/442570265.html

北海道通信vol.5 バター不足の真実
http://am-net.seesaa.net/article/442570586.html

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